ドラえもん のび太の聖杯戦争   作:悪・猫

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28.聖杯戦争開始五日目/桜を傷つけたら許さないから

衛宮邸…

 

力尽きた重い体を動かし、やっとの思いで衛宮邸にたどり着く士郎達…

 

「まったく!さすがの俺も二人をかついで離脱するのは大変だったぜ」

 

ランサーはのび太の親友、ジャイアン、スネオを衛宮邸の畳にゆっくりと寝かせ、布団をかける

 

「ランサー、ライダー、その三人に怪我は?」

 

遠坂は真っ先にライダーとランサーに一般人の無事を確認する

本来なら、この聖杯戦争の監督役の綺礼にこう言うことは任すのだが、綺礼はもうこの世にはいない

監督役がいない今、一般人の保護はこの土地の管理者である遠坂が管理するしかなかった

 

「安心しろ、細キツネは外傷0、デブッちょの野郎は拳に掠り傷程度…まあ命には別状ない、洗脳が突然解けた反動で気絶しているだけだ」

 

「こっちも無事だ…」

 

ライダーとランサーは遠坂に無事だと伝えると遠坂は安心したようにため息をつく

 

「士郎、キャスターはどうすればいいでしょうか?」

 

セイバーは少々動揺しながらキャスターをおぶっていた…

 

「そうだな…まあ一応、手当しよう、彼女もあいつも操られていた被害者だしな…」

 

「分かりました、士郎の意向に従います」

 

士郎の指示を聞き、頷くセイバーはゆっくりとキャスターを畳に寝かせ、布団をかける

 

「ねぇ、桜はどこ?」

 

遠坂は少々そわそわしながら士郎に聞く

 

「ああ、あの黒髪の姉ちゃんなら、玄関であの男前を待ってるぜ、どうした?マスター?あの黒髪の姉ちゃんと顔見知りか?」

 

「ええ…そのことについてはこの状況が治まったら話すわ…ちょっと行ってくる」

 

遠坂は少々悲しそうな表情で二人分の毛布を持って、衛宮邸の玄関へ向かう…

 

 

 

 

 

「先輩…」

 

私は冬風に吹かれながら…一人、玄関で待っていた…

その眼には涙が溜まっていて…いつ零れ落ちてもおかしくなかった…

 

「そんなに彼が大事なら、あの場で止めればよかったのに…ホント、あんたって何と言うか…自己意志を伝えないのね…」

 

玄関を開け…私に毛布をかける姉さん…

その表情はとても呆れていて…だけど、優しかった

 

「遠坂先輩」

 

「ああ、もう…そう言うのやめない?正直言って、もうそう言うバカバカしくなちゃった…」

 

「えっ?」

 

突然の姉さんの言葉に少々動揺する私…

姉さんは魔術の掟にはとてもうるさい物だと思っていた…

そう思っている内に姉さんは私の隣に座る

 

「あの外道魔術師に聞いたわ…あなたの過去を…正直、実の姉として…あいつを許せなかった、本当だったら速効で殴り飛ばすつもりだった…だけど…魔術の掟と言う文字が邪魔して…動けなかったの…

あれほど、殴りたいのに…体が言うことを利かなかったのは初めてだったわ、それに、初めて自分に腹が立った…どうして、実の妹がこんなに辛い思いをしてるのに…こんなに侮辱されているのに…体に染みついた魔術の掟と言う言葉が邪魔をして…動けなかった…そのことに私は腹を立ててた…だけど、あいつは…野比君は私の怒りを越える怒りであの外道魔術師を殴り飛ばした…その時にね…「あぁ、人ってあんなに純粋に感情を表に出せるんだな」と思ったの…だから、私も純粋に感情をすべて表に出そうと思ってね…だから、もう魔術師の掟は多少の事は無視することにしたの」

 

「だけど…私は…」

 

「何があったかはわからないけど…あなたの髪の色…それはもう遠坂の物よ…あんな外道な魔術家庭に妹を置いてはおけないわ…間桐家と戦争してでも、あなたを取り戻すわ」

 

「姉さん…」

 

姉の突然の言葉に溜まっていた涙が零れおちる…

 

そんな時だった―――――

 

「待たせたな…桜」

 

突然、衛宮邸の玄関にまるで瞬間移動のように姿を現すアーチャー…

彼の肩にはのび太と…あの外道魔術師・出来杉英才の姿あった

 

「先輩!!」

 

すぐにアーチャーに駆け寄る桜…

 

「安心しろ、気絶しているだけだ、半日安静にしていれば大丈夫だ」

 

アーチャーはのび太を桜にゆっくりと渡す…

血が流れているのび太の拳に桜はすぐに手に持っていた包帯を巻きつける

そして、急いでのび太を衛宮邸の中に入れる

 

「・・・・・・・・・・・」

 

「・・・・・・・・・・・」

 

二人は対峙する…

 

冷たい風が吹く――――――

 

「あなた…さっきの会話…聞いていたわね?」

 

遠坂は鋭い眼でアーチャーの眼を睨みつける…

だが、アーチャーの眼に動揺など存在せず、ただ…黙り込むのみだった

 

「はぁ…まあいいわ、アーチャー…あなたには大きな借りがあるわ、今回は見逃してあげるわ」

 

「ふっ、それはこっちのセリフだ…本来なら、おまえの脳天に弾丸を撃ちこんでいる所だが…俺のマスターの悩みの種がまた一つ減った…感謝する、ランサーのマスター」

 

アーチャーの言葉に遠坂の表情が歪んだ…

 

「桜が…あなたのマスター…?」

 

「ああ、俺は桜によって未来から呼び寄せられた英雄…桜と俺が何の関係性もないと思っていたのか?」

 

「いいえ、桜があの場に飛び出した時点で…あなたと関係があると疑ってはいたけど…まさか、桜がマスターだなんて…思ってもなかったわ」

 

「さっきの言葉は前言撤回か?遠坂 凛…おまえは桜を殺すつもりか?」

 

「いいえ、殺すつもりなんてないわ…私はもう魔術師ではないわ…もうあの宣言をした時点で私は【魔術使い】になったのよ、ただ、この聖杯戦争を終わらすために…サーヴァントを全員倒さなければならないのは確かよ」

 

必要なければマスターは殺さず、サーヴァントのみ倒す…それはこの聖杯戦争に参加する前から心の隅で決めていた

本来ならマスターもサーヴァントも殺した方が効率的にはいい…

私は士郎と野比君には半人前以下の魔術師と言っていたが、実話、私も魔術師としてはまだまだ甘い…魔術は上等でも、冷酷に徹しられない半人前の魔術師だ

だから中途半端な魔術師を名乗るよりも、立派な魔術使いになることにした

 

「つまり…サーヴァントである俺も…標的と言うことか…」

 

「残念ながらそうね…」

 

「まあいい…それがお前の答えなら…お前の答えにどやかく言うつもりはないからな…」

 

アーチャーはそう言うと…私に出来杉を渡し…背を向ける

 

「令呪は銃で破壊しておいた…止血はしているから命に別状はない、よかったな、眼を覚めたらお前が気が済むまで殴れる」

 

「そうね…まあその時の状況に応じて…だけどね?ねぇ、あなたに一つ聞いていいかしら?どうやら、あなたの雰囲気から察して、今度会う時は敵として会いそうだから…」

 

「なんだ?」

 

「あなたは…桜の正義の味方?それとも…桜を傷つける敵?私…桜を傷つけたら、あなたを許さないから…」

 

私はアーチャーに真剣な表情で問う

すると、アーチャーは悲しそうな表情で…私を見つめ…そして…

 

「さぁな…どっちかと言うと…桜を傷つける側の人間なのかもしれない、だけど、約束する、その先の未来は桜を傷つける輩はもういないと…」

 

「それは…どういうこと?」

 

「そうだな…半分半分と言うことだ…それに桜の正義のヒーローは俺がさっき、桜に渡したメガネの小僧だ…俺にはなれない、桜のヒーローにも…ジャックのヒーローにも…」

 

「えっ…?まって、アーチャー!!!やっぱりあなたは…あなたは!!!」

 

アーチャーは私の問いに答えると…霊体化し…その場から姿を消す…

私の予想・予測はやはり当たっていた…桜を傷つける、確かにその真実が本当なら回避不可能なのかもしれない…

 

だけど…

 

「私は信じているわよ…あなたが…結果がどうであれ…野比君同様、あなたが桜を守る正義の味方だって…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ハハハハハハハ…どうやら、今回はジャックちゃんのお母さんに慣れそうない…(半泣き)

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