ドラえもん のび太の聖杯戦争   作:悪・猫

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39.聖杯戦争開始七日目/脱落者~聖杯にこの身を捧げて~Ⅱ

タイムパトロール隊―――――

歴史を変えようと時空犯罪者(タイム・ジャッカ―)たちから歴史を守ったり、時間旅行などでトラブルに巻き込まれた旅行者を助けたりする所謂、時間の警察官である

ドラえもんと不滅の友情を誓った6人の内の一人、ドラ・ザ・キッドもタイムパトロール隊に所属する隊員の一人であり、警部に位置している

 

そして――――――そのタイムパトロール隊の最高地位に属すのが衛宮士郎である。

魔術教会から離れ、所属してから4年、彼はとんとん拍子で出世を重ね、今では最高地位に昇りつめた、そして、今…この未来と過去を大きく揺るがす事件に彼自らが動いたのだ

 

「警告か、それは聞けれない警告だな…のび太、お前の行動は未来も過去も巻き込む大災害になりえる可能性があるんだ、お願いだ、のび太、すべての罪を償ってくれ」

 

ドラ・ザ・キッドは冷静にNOBITAの警告を無視し、NOBITAに自首を勧める。

だが、それはドラえもんの大親友とか、私情挟んだ勧めではない、職務として勧めているのだ

 

「そうか…せっかくの勧め悪いんだけど、俺は君達、タイムパトロールの意向に従うつもりはないよ?知らないと思うけど、君達は僕にとっては魔術教会や聖堂教会以上の天敵だよ?ここで最高地位の士郎と階級は低いけど警部の君を吊るせば…ちょっとはタイムパトロールへ制止力にはなるかな?」

 

「おいおい…随分とえげつないことを言うようになったな、たしかにおまえは強くなったよ、誰よりもどんな英雄(・・)たちよりも…だけど、なぜ英雄に位置するおまえがこんなことをするんだ

確かにドラえもんを救えなかった気持ちもお前の彼女もお前もサーヴァントも救えなかった気持ちも分かる、だけどそれは…」

 

「ああ、ただの逆恨み…そんなことわかっているさ、だけどこの世界を作り出したのは僕だ、『魔法』と『魔術』の世界、その世界の概念その物を滅ぼすべきじゃないか…」

 

「そんなことをすればこの時間軸どころか、すべての時間軸が滅びることにもなるんだぞ!!!お前だってそれくらいわかっているはずだ!!桜も、ジャックも!!士郎や遠坂さんも!!そして、ドラえもんも俺も!!過去も未来もおまえ、一つの願いで消滅する!!それが意味する理由を知っていながらどうしておまえは!!おまえはそこまでして、史上最悪な願いを望んだ!!」

 

ドラ・ザ・キッドはNOBITAに叫ぶ。

NOBITAの願いはこの時間軸その物の消滅、一つの時間軸は数々の時間系列と繋がっている、一つの時間軸が消滅すればその先の時間軸は消滅し、それは次期に関係ない時間軸にも影響し、そして、消滅する

そんなことになればタイムパトロール総員でも対処できるような事態ではない、時間を守るタイムパトロールでも時間の修復は不可である。

 

「なぜって…僕は英雄と魔術師が大嫌いだ…だから僕は『希望の木(ホープ・ツリー)』を立ち上げた、魔術教会や聖堂教会と敵対しながらも僕は救い手から零れおちるはず命を救うために僕は戦った。

命を奪って、なにが英雄だ…命を糧にした奇跡を起こして、何が魔術師だ!!だから僕は英雄とも魔術師とも名のらなかった!!でもね…僕は気づいてしまった…!!この世界その物を作ったのは…英雄と魔術師、魔法使いと言う概念を作ってしまったのは…桜の運命を作ってしまったのも…ジャックと言う子供たちの怨霊を作ってしまったのも僕だったんだ…僕のせいで…あの子たちを不幸にしてしまった、だからその概念その物を…僕自身で終わらせる…『この世全ての魔術と英雄と言う存在の消滅』、その願いのためなら…僕はすべてを敵に回す!!!」

 

NOBITAはまるで苦しんでいるかのように手を振るい…大量の迫撃砲をまるでドラ・ザ・キッドと士郎を囲むかのように出現する

 

「自ら作ってしまった時間軸を破壊するだって…それがおまえの本当に正しいと思っているのか!!野比のび太!!!!」

 

「うん…この世界軸さえ消してしまえば桜も、ジャックも苦しまなくて済むんだ。これを身勝手の願いだと解釈してもらっても構わない…だけど、僕にとっては…これは『償い』だ!そして、これは一つ(・・)の選択肢だ」

 

「のび太!!!!!」

 

掃射(ファイヤ)

 

ドラ・ザ・キッドの説得も虚しく…大量の迫撃砲は火を噴いた

降り注ぐ、120mmの砲弾の豪雨、ドラ・ザ・キッドは持ち前の足の馬力を駆使しながらも砲弾を空気砲で破壊して行く

目的はあくまで士郎の救出、もちろん、彼の自首の勧めも含まれていたがもう説得に応じる雰囲気ではない、とにかく、この固有結界から士郎と共に離脱する事が最優先である

 

「ドカンドガンドカン!!」

 

降り注ぐ砲弾を蹴散らしながらも士郎の元にたどり着くドラ・ザ・キッド、その時…彼は驚愕した

血塗られた地面に、士郎のちょっとでも触れば千切れてしまいそうな左腕…

 

おかしい、士郎の体にはあの騎士王の鞘があるはず…なのにどうして、その効力が発揮されていない…

 

「余裕などないよ…」

 

再び火を噴く迫撃砲――――――――――――――――しかも今度は負傷した士郎の元へ向かって飛んでくる

 

「ちっ!!」

 

ドラ・ザ・キッドは舌打ちをしながらも士郎を守るために空気砲を構え、その早撃ちで砲弾を打ち落としてゆく

しかし、NOBITAの得物の猛攻が止まる様子などない、一体どれほどの兵器を所持し、どれほどの弾薬を貯蔵しているのか分からない

装填動作なしに自動的に補充され、次々と発射される砲弾、一発でも撃ち損じれば自分も士郎も爆死する

 

「ドラ・ザ・キッド警部!!俺を見捨てて逃げろ!!!この任務は俺が自己判断で行動したことだ!!君はこの任務から離れろ!!」

 

「相変わらず石頭だな!!警視総監!!あんたには借りもあるし、奥さん(・・)に言われてるんだ!!意地でも連れて帰ってこいってね!!!それに元々はこれは俺の任務だ!!あんたが横取りしなけりゃ、そんな怪我しなかったのによ!!!」

 

ドラ・ザ・キッドはそう叫びながら器用に四次元ハットから三つの空気砲を取り出し、瞬時にそれを右手に装着されている空気に合体させる

 

「スーパー空気砲でも喰らいやがれ!!!スーパードッカン!!!!」

 

通常の空気砲とは比べ物にならないくらい威力の空気の塊が迫り来る砲弾の豪雨を蹴散らし、その空気の嵐が二人を囲んでいた迫撃砲を吹き飛ばす

 

「へっ!やっ…!!」

 

囲まれていた追撃砲を吹き飛ばしたこと喜びの声をあげようとした直後…彼の肩を一発の銃弾が貫く…

肩から漏れるオイルとガツンッと来た痛覚でやっと自分が被弾したことに気付くドラ・ザ・キッド、しかしとてもじゃないが人間技ではない

先程のスーパー空気砲から放たれた空気の塊が砲弾に着弾した直後、半径300メートルほどの範囲を常人なら立つことすら不可能な風が吹き荒れた…

もちろん、その中での狙撃は不可能、それどころか、銃を構えることすら不可能であろう

 

だが――――――――――――NOBITAはそれを実行した

 

得物はコルト・SAA…空気による弾道のそれを修正し、的確にドラ・ザ・キッドの肩を撃ち抜いたのだ

 

「おいおい…おまえはどんだけおまえは"化け物”なんだよ…」

 

ドラ・ザ・キッドは絶句する事しかできない。

もう彼は人間の技術や或いはロボットでも到達できない域へ既に達している

 

これが世界史に登録された最強の英雄――――――――――――――数々の次元を救い、そして、覚醒した野比のび太の未来の姿。

 

どんなに困難な状況に追い詰められても彼は決してあきらめない、そして、断固としてその信念を成し遂げる

 

 

それがビリー・ザ・キッドと呼ばれた…英雄・NOBITA自身の実力。

 

 

 

「お前の信念の強さには敵ながら感服するよ…だけど、ロボット界の『ビリー・ザ・キッド』の名にかけて…おまえを逮捕する、メインコンピューターに通達、システム『痛覚遮断』ON、『緊急冷却システム』をOFF、『リミッタ―』解除、『磁場制御』OFF」

 

ドラ・ザ・キッドの体の温度の上昇により、白い蒸気が体から排出される

その光景を見た士郎はその行動に眼を疑いながらも叫んだ

 

「やめるんだ!!ドラ・ザ・キッド警部!!これは命令だ!!!!即この任務から離脱しろ!!!その状態で戦えば被弾した個所が熱暴走を起こして…死んでしまうぞ!!!」

 

「悪りぃな…それは聞けない…それにもうあんたが悲しむ姿を見たくねぇんだよ…それにあんただってオレを命賭けで助けてくれたことだってあっただろ?あの時は俺の部下だったのにな…いつ、抜かれたのかな?」

 

ドラ・ザ・キッドは引き下がれない。確かに今は自分よりも階級も上で、強さも上だ…だけど、かつての部下の悲しい姿を見るのは心苦しい…

 

「おまえが預かっておいてくれよ…俺の四次元ハット…安全装置は外しといた、大した道具はないと思うが、絶対に役に立つはずだ」

 

四次元ハットを士郎に投げるドラ・ザ・キッド…白い蒸気はどんどんと濃くなっていくのがよくわかった、もうここまで来てしまったからには助かるかは五分五分だ。

衛宮士郎は涙を流しながらも立ちあがり…彼の顔を見つめた

 

「アルトリアとの約束…果たせよ、士郎」

 

「ドラ・ザ・キッド…先輩」

 

『先輩』と言う名を聞いた瞬間…ドラ・ザ・キッドは笑顔で彼を見せ…英雄・NOBITAと対峙した

 

「やっと…先輩に言ったな…士郎、ドラミとアルトリアによろしくな」

 

体から発せられた熱と磁場…連結された三つの空気砲は分裂し宙を浮き、標準をNOBITAに向ける

 

 

そして――――――――――――

 

 

「逃げろ、士郎!」

 

開戦―――――――――――――――――――

 

リミッター解除による普段のスペックの数倍の出力での早撃ち…0.1秒と言う時間で6発の空気の弾丸を撃ちだした

その素早い早撃ちにNOBITAは驚きながらも5発の空気の弾丸をコルト・SAAの弾丸で粉砕するものの、残った空気砲の弾丸がNOBITAの腹に直撃する

 

「つっ!!!」

 

強烈な空気砲の弾丸を喰らったNOBITAは地面を転がりながらも次々とやってくる空気の弾丸に気付き、すぐさま先程、ホルスターに納めたトカレフTT-33を抜き、襲いかかる空気砲の弾丸を撃ち落としてゆく

 

「避けられるか、撃ち落とされるのなら…零距離でやり合うまでだ」

 

「!?」

 

いつ―――――――――どこで距離を詰めたのか分からない、気づけばドラ・ザ・キッドは眼と鼻の先にいた

 

「ドカン…」

 

宙に浮いた3つの空気砲と右手の空気砲から発射される空気の塊…NOBITAはその空気の塊をもろに食らい…空を舞う

 

「ふざけるな!!」

 

着地と共に体内の四次元ポケットを起動されるNOBITA…その直後…巨大な砲台が地面を突き破って現れ…その砲身がドラ・ザ・キッドに向けられる

 

「Pocket.ON…『無敵砲台』」

 

「おいおい…そりゃぁいくらなんでもないだろ…」

 

「発射」

 

冷たい『言葉』と共に発射される無敵砲台の弾丸。無敵砲台の弾丸は回避不能、防御不能の無敵の性能

そんなチート級の道具を防げるわけがなかった…撃ちこまれる砲弾、だが、ドラ・ザ・キッドの眼はまだ生きている…黄色の色は落ちようとも…片目の皮膚が剥がれようとも、彼は無敵砲台の前にいるNOBITAに立ち向かう

 

「こんな程度でオレを止められるわけないだろうがぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 

壊れかけの足を動かし、再びNOBITAの懐に潜り込み、破損した拳を腹に打ち込む

 

「ぐっ!!!」

 

表情を引き攣らすNOBITA、しかし、すぐさまブーツの裏に装着されたスパイクでキッドの腹を蹴り飛ばす。

 

だが―――――――キッドは倒れない、距離を取られまいと壊れた左手足を駆使しながらもNOBITAを殴り続け、そして、やっとのことでNOBITAを無敵砲台に叩きつける

 

「スーパー空気砲…」

 

宙に浮いた三つの空気砲を再び、右手の空気砲に連結させ、無敵砲台にめり込んだNOBITAに向けるキッド

 

「スーパードッカン!!!!」

 

爆発音のような銃声と共に発射される空気の塊。

その空気の塊を雄叫びをあげながら防ぎきるNOBITA…彼もまた倒れずにキッドを渾身の蹴りで蹴り飛ばし…再び四次元ポケットを起動させる

 

 

「Pocket.ON」

 

空に開く…巨大な四つの異次元そこから現れたの四つの巨大な砲身が見えた

 

「122mm榴弾砲、無敵砲台の砲弾変更…装填、時限式電磁波拡散弾」

 

「おい…まさか、この電磁数はまさか…ドラえもんの!!!!!」

 

肌感じた懐かしき電磁数…その動力源を感じ取ったドラえもんの動力源

 

 

「どうしてだ!!!どうしてドラえもんの動力源を!!!ドラえもんはお前の親友のはずだ!!なのにどうして!!!どうして、ドラえもんを兵器に仕立て上げた!!!」

 

「利用できる物は何でも利用する…キッド、もう俺はかつてののび太じゃないんだよ…もう、俺は泣き虫で、ドジなのろまで…優しい『お母さん』には戻れない!!!」

 

無敵砲台と122mm榴弾砲の砲台がキッドに向けられる。

怪盗ドラパンとの事件以降、電磁波対策する装置を組み込んでいるが、強力な電磁波を喰らえばひとたまりもない

回路すべてが焼き切れ…もう二度と再起することはないであろう

 

防ぐ手段はない―――――――――なぜならキッドが持つ秘密道具はたった一つ。

 

 

「俺はあきらめねぇ!!俺は絶対におまえ逮捕する!!もしこの場でオレが倒れても!!俺の親友が絶対にお前を止めてくれるはずだ!!俺はそう信じる!!絶対にだ!!!」

 

「だったら…その親友も、俺が全員…屠ってやるよ…発射」

 

無敵砲台と122mm榴弾砲が火を噴く…発射された弾頭が時間がたつと同時に爆発し…電磁波を纏った何千本もの矢が降り注ぐ…

 

「後は任せたぞ…おまえらぁ!!!親友…テレカァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!!!!!」

 

7人の親友が描かれたテレカをかざし、雄叫びをあげながら電磁場を纏った何千本もの矢に立ち向かう

テレカから発せられた強烈な光は彼の固有結界を包みこんでいった…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キラキラと宙から地に堕ちてゆく…ロボットの破片。

 

その光景を…悲しげに…見つめるNOBITA…

 

 

 

そして、最後に…彼の手には不滅の友情を誓い合った者たちだけに与えられるという伝説のひみつ道具、親友テレカがあった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                                      

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                                               「後は任せたぞ…『ドラえもんズ』」


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