ドラえもん のび太の聖杯戦争   作:悪・猫

41 / 67
40.聖杯戦争開始七日目/脱落者~聖杯にこの身を捧げて~Ⅲ

日が傾け始めた頃、のび太は背伸びをしながらも衛宮邸の和室に顔を出した。

時計は18時を回っており、士郎と桜は夕食の準備をしていた、久しぶりにこの光景を見たが気がする

だけど、桜と士郎の表情はとても硬く、和室にいる遠坂や他のサーヴァント達の表情も硬かった、心はあたりはちょっとだけある、雰囲気が一気に変わったのは僕が弓兵(アーチャー)の宝具を使用した時からだ。

どうやら、僕の力は遠坂にとっては『異常』、『異端』な分類に入るらしく、遠坂と出会い、今まで僕が起こした行動で遠坂をどれほど驚かせて来た、そして今日、僕が起こした行動は遠坂だけでなく、士郎や桜、そしてしずかちゃんの眼はとても鋭かった、確かに僕が『もしもボックス』でこの世界に来てから不思議な事がたくさんあった、不思議道具なしであそこまで不思議な現象を起こしたことなどなかった。

 

イレギュラーな暗殺者(アサシン)の召喚―――――――――――――

 

桜のサーヴァント、弓兵(アーチャー)との出会い。

 

そして、僕の異端な力――――――――――

 

確かにもしもボックスの力でこの世界にやってきたことによる影響と考えれば納得するかもしれないが、泣き虫でドジでノロマで馬鹿で…射撃や昼寝、あやとりでしか取り柄がない僕が誰の教えなしにこんな力を持っているなどとてもおかしかった、それに僕の異端な力は『こうなりたい』と言う気持ちや『こうでありたい』『そうでありたい』と言う強い気持ちがより強い力を自然に発揮できた。

 

出来杉に怒り任せに殴り飛ばした時も『今日だけでいいから出来杉英才と言う秀才を越えたい、桜を道具扱いする出来杉英才を…!』と言う願った瞬間、自分でも信じられない力を発揮できた…

あの時は何が起きたかわからなかった、だけど不思議な事に僕よりも強く、魔術に置いて天才だった出来杉の動きがすべて分かった。

 

不思議な感覚だった、あの『なんでもできる』と言う感覚、あの感覚は一体、なんだったのであろう…

 

「あら、野比君、もう銃器の調整は大丈夫なの?」

 

「うん、取り合えずはいつでも発砲可能しといたよ」

 

僕の発言に少々苦笑する遠坂、その表情を見た僕はハッが今さっき言った発言を慌てて撤回した。

だけど、遠坂はニッコリと笑い、僕のミスを素直に許した

 

「いいのよ、野比君、桜がいつどこで襲われるか分からないわ、『発砲可能』と言うのは桜を狙う敵に対していつでも掃射が可能…と言う意味でとらえているわ」

 

「それならよかった…だけど、問題はその敵が何者なのかわからない…遠坂は知ってるんだろ?桜の敵を…」

 

桜に聞こえぬよう桜の姉である遠坂に聞く。

僕は桜の真の敵を知らない、だけど弓兵(アーチャー)のあの言葉…もしかしたらこの聖杯戦争の裏側でなにか策を練っている可能性があった

 

 

「間桐臓硯…間桐臓硯よ、野比君、間桐家の当主であり、聖杯戦争を安定させるためのルールを作り出した人物…いや化け物と言うべきね」

 

「化け物…?」

 

「ええ、彼はただの老人ではないわ、あの老人は二百年と言う月日を生き続けて来た化け物、肉体を人のものから使役する蟲に置き換えることによって何百年も生き続ける『生』と言う生物の生存本能に飲まれた哀れな『化け物』

よ…あの老人の聖杯への願いはもちろん、『永遠の命』、つまり不老不死よ…そして、桜の心に深い傷を負わせた張本人」

 

「!?」

 

何百年も生き続ける…老人?

そう言えば、出来杉も言っていた…蟲と…そして、彼も蟲を使役してした

普通の蟲ではなかった、明らかに普通ならあり得ない巨大な蟲。

 

「遠坂…その老人がもし襲ってきたら…僕は『優しさ』を捨てられるだろうか?」

 

「!?」

 

優しさを捨てておけ…弓兵(アーチャー)の重い言葉は今も僕の心に重く圧し掛かかっていた

確かにこの聖杯戦争で優しさは命取り…だけど…

 

「野比君…」

 

「遠坂、君が言いたい気持ちは分かる…だけどね、僕は桜の前で優しさを捨てられない…」

 

厳しい戦いだからこそ、優しさは捨てられない。

優しさを捨てればなにかを失うことにもなる、一生、取り戻すことができないなにかを…

 

「はぁ…野比君ならそう言うと思ったわ、その意見には私も賛成、優しさを捨てた野比君なんて…野比君じゃないものね…それに…それに…」

 

「遠坂?」

 

「ごめん、昔の事を思い出したの…気にしないで、桜にはあなたが必要よ、あなたならきっとできる、きっと…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

衛宮視線

 

夕食を終えた頃、俺とのび太は遠坂に別室に呼び出された、もちろん、剣士(セイバー)暗殺者(アサシン)を連れてだ

もちろん、内容は分かっている、それは桜を狙う敵についてだろう、だが、遠坂が持ちだした件は以外にも違った

 

「明日からあなた達に魔術を教えるわ」

 

「えっ?俺も?」

 

「ええ、だって、野比君だけに教えて、あなたに教えないんじゃ、同盟も意味がないでしょ?それに衛宮君に関してはあなたが使える魔術すら知らないし…この際、教えてもらおうかな?と思って、もちろん、私も教えるわ

私の魔術は宝石魔術、本来、貯蔵できない魔力を宝石にストックしておいて、宝石に宿った念に乗せてそのまま魔力を解放して戦闘に転用するのが私の魔術、そして戦闘スタイルよ」

 

「俺は…そうだな、俺は強化しか使えない…そういえばのび太の魔術は何なんだ?弓兵(アーチャー)は『起源』とかって言ってたけど…」

 

「起源…簡単に言ってしまえば本能ね、生まれながら人間は本能を持っているわ、本能=『生まれた直後に組み込まれた絶対命令』と考えてもらって構わないわ

この起源は魔術師個人の属性にも関係する基本属性は『地』『水』『火』『風』『空』、私の場合はこの五大属性を持っているけど、起源は違う、起源を色濃く表に出ている者はそのどれにも当てはまらない特殊な属性…

起源が【石】ならば、石に異常なまでの執着心を持つ…そして、その『石』が魔術の属性になる、わかった?」

 

遠坂の説明はとてもわかりやすく、『起源』についてよくわかった。

だが、のび太の起源とはなんなのだろう?『銃』にしてはのび太は確かに銃好きだが趣味として見ている…だからそれではない気がした…

 

「でも、野比君の起源が何なのかわからないのよ…銃にしてはあまり合わないし…」

 

 

 

 

遠坂でも分からない…のび太のあの異常な魔力量、そして、異常なまでの成長速度…あの成長力は一体…

 

成長…?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数年前…

 

「えっ?のび太君の名前の由来?」

 

「あぁ、のび太って言う名前がとても気になってさ…のび太にも聞いたんだけど、滅茶苦茶テレて話してくれないんだ」

 

そうだ…俺が中学一年の頃、ふとのび太の名前の由来が気になって、のび太に聞いたんだけど、のび太はテレて、自分の名前の由来を教えようとしなかった

だから、俺はドラえもんに聞いてみたんだ、のび太の名前の由来を…

 

「フフフッ、それは当たり前だよ、のび太君が初めて名前の由来を知ったのはのび太君がまだ小学五年生の頃、ママとパパと喧嘩した時だからね、のび太君は僕はママとパパの子じゃないんだ!って言って聞かないから

僕がタイムマシンで過去に行って、のび太君が生まれた日に連れて行ったんだよ、その時にママとパパは生まれたのび太君にこう込めて名前をつけたんだ、『どこまでも大きく伸び伸びと育って欲しい』ってね、たぶん、由来を知った経路を士郎に知られたくなかったんだろうね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「俺の憶測だけど…聞いてくれないか?」

 

「えっ?」

 

「?」

 

俺の言葉でのび太と遠坂…そして、サーヴァント達の表情が変わる

それだけ、俺の表情と言葉に真剣味があったのであろう…そして、これから俺が言うことは憶測だ…だが、これしか説明できない

のび太のあの滅茶苦茶な力も…すべて…

 

「俺の憶測だが…のび太の起源は…『成長』。どこまでも大きく伸び伸びと育つ木…のび太、もしかして、あの時、こう願ったんだじゃないか?出来杉英才を倒したいって…」

 

「!?」

 

俺の言葉で遠坂の眼つきが変わる…そして、のび太は驚いた表情で俺を見つめたんだ。

 

 

 

 

 


▲ページの一番上に飛ぶ
Twitterで読了報告する
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。