ドラえもん のび太の聖杯戦争   作:悪・猫

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この話から英霊・NOBITAの召喚影響が少しづつ出てきます





45.聖杯戦争開始八日目/マキリの悪性

(わたし)は夢を見た…と言うよりも過去の記憶である。

 

「馬鹿な人…お爺様に逆らうからよ」

 

蟲藏に沈む大好きだった義理の叔父を冷たく発した言葉がそれだった。

蟲に身体を貪られ、もう死人当然だった叔父…だけど、彼は最後の力を振り絞ってなんらかの触媒らしきものを私に投げた

 

叔父は笑った――――――――――――苦しいはずなのに…なぜか、笑った、そして掠れた声で私に言った。

 

「大丈夫だよ…桜ちゃん、絶対に桜ちゃんだけの『正義の味方』が現れるから…ごめんね…桜ちゃん、ごめんね…葵さん…僕はあなたの正義の味方になれなかった…」

 

そう叔父は後悔の念を抱いて、とうとう骨まで蟲に喰い尽され…息絶えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(わたし)は夢を見た…と言うよりも過去の記憶である。

 

大好きな雁夜おじさんが消えたのは父さんが亡くなったのと同時だった…

最後におじさんの影を見たのは…失踪した友達を探しに、お母様やお父様の言いつけやぶって聖杯戦争の地、冬木市に向かった時だった

 

あとから言峰から聞いた話によると、あの失踪事件は魔術師(キャスター)とそのマスターが引き起こしたものらしく、その話を聞いたときは背筋が凍りついた

だけど、雁夜おじさんの影が見えたと思ったら、それ同時に大量の蟲が魔術師(キャスター)が操る海魔を食い止めてくれ、なんとか私達は助かった

 

 

言峰の話によれば雁夜おじさん…いいえ、間桐雁夜は間桐家の代表として、聖杯戦争に参加し、そして、敗れた。

 

元々、魔術の道から外れた者が突然聖杯を求め、乱入してきた…そんなの自殺未遂だと思ったが彼は必至に聖杯を手にしようと足掻き、最後には聖杯戦争後半まで生き残ったと言う

 

普通の魔術師なら、「惨めな者だ」とか、「無駄死にだ」とか、「自殺願望者」とかと罵るであろう。

だけど、私は違った…とても悲しかった、とってもとっても悲しかった…

 

私はお礼を言っていない、あの時、助けてくれた『お礼』をしていない…だけど、もう彼は『死んだ』

だから極力、第四次聖杯戦争について調べることはしなかった…大好きなお父さんも…大好きな雁夜おじさんも…全部、聖杯戦争のせいで死んだのだから…

 

 

 

 

 

どうして、こんな辛い過去の記憶を夢で態々思い出さなければいけないのだろう…姉妹(凜と桜)は思った。

 

ああ、そうだ、似ていたんだ…あの優しい優しい…後姿が…

 

 

「「!?」」

 

 

 

 

 

 

姉妹は同時に目が覚める…まさか、互いに同じ人物の夢を見ているとも知らずに…()はゆっくりと背を伸ばし、布団を畳む、()はと低血圧の影響で酷い素顔を想像しながらも再び眠りに就いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

桜視線

 

 

 

「あれ…のびた先輩と衛宮先輩…どこに行ったのだろう?」

 

衛宮先輩とのび太先輩を起こしに寝室へ向かった私、しかし、その姿は見えず、おまけにジャックちゃんやセイバーさんの姿も見えなかった。

 

「あっ…もしかして…」

 

私は上履きを履いて、すぐにあの大量の銃器が見つかったあの倉庫へ向かった、すると想像通り、のび太とジャックの姿があった

ジャックちゃんは力尽きて寝ていたがのび太さんはと言うと拳銃のマガジンに弾を込めていた

 

「先輩、おはようございます」

 

地下で一生懸命、弾をこめるのび太さんに挨拶をする桜、私の声を聞いたのび太さんは少々眠たそうに上を見上げ、笑顔で挨拶を返してくれた

 

「おはよう、桜、あ~もうこんな時間か…ちょっと熱中しすぎたな」

 

床には自動拳銃や狙撃銃が置かれていた。

 

一挺の正体はすぐに分かった、のび太先輩が見つけた時から気にしていた、ドラグノフ狙撃銃…ソビエトが開発したセミオート狙撃銃である

長期の使用を前提に作られ、内部はAK47を参考に作られており、パーツも少なく整備もし易い狙撃銃である

 

だが、もう一挺の正体は全く分からなかった、ガバメント系統なのはわかったが、コルト・ガバメント、M1911型にしては少々小柄なタイプのものだった

 

「先輩、そこに置いてある拳銃はなんですか?ガバメント系統の物にしては小柄な銃ですね?」

 

「あぁ、その銃はトカレフTT-33、ガバメントの兄弟と言うべきなのかな?」

 

「トカレフって…あの安全装置が無いって言う?」

 

聞いたことがある、トカレフTT-33…生産を効率良く行うため、安全装置などを外した"危ない”銃器。

暴発等の危険があるが、1933年代でトップクラスの貫通力があると言われるモーゼル・ピストル弾を使用しており、そして、極寒のロシアの気候の中でもトラブルなく使用できると言った頑丈性を持つ

1950年代以降、トカレフの後継機・マカロフPMに置き換えられた以降も、中国を始めとする国々がコピー、生産が行われた。中国などが日本に密輸したコピー品の正式名称は警察関係者は『黒星(ヘイシン)』『銀ダラ』と呼ぶ。

 

「うん、調べたどころ、コピー品ではないね、中国とかの54式とかは『手動式安全装置』とか組み込まれているけど、この銃はオリジナルのトカレフTT-33で間違いないね」

 

のび太先輩はそう言いながらトカレフTT-33を構えながら言う、相変わらずのび太さんは変わらない。

命懸けの戦いに巻き込まれたにも関わらず、のび太先輩は変わらない…絶対に

 

 

「あっ…ごめん、ちょっとマニアックな話しちゃった…」

 

「いいえ、私も勉強になりました!ありがとうございます!」

 

私にお礼を言う、するとのび太先輩は笑顔を返し、床に置いてあった銃器を瞬時に消した

 

「えっ…?」

 

「あっ…びっくりした?これもアーチャーからもらった力なんだ…何と言うのかな、簡単に言っちゃうとドラえもんが四次元ポケットから道具を出し入れしてる感じかな…この倉庫の中にあった、銃や弾は全部も全部、アーチャーの力でしまったんだ…警察とかにバレると士郎も困るだろうし…」

 

でも…絶対に変わないと言う補償はなかった…のび太先輩とアーチャーが力を得ていると知った、その時から…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あれ…衛宮君とセイバーは?」

 

姉さんが酷い表情で起きてきた。そして、どういうことだろうか?衛宮先輩の姿がどこを探しても見当たらない

いつもならリビングで料理を作っているはずなのに、今日に限って姿が見えない。

 

今の時刻は7:00…姉さんは血相を変えて、テレビのリモコンの電源ボタンを押した

 

 

「今日、未明…○○峠の公道が何者かに爆破されました、使用された爆発物の正体については不明で、警察は何者かが爆発物を仕掛けた可能性を配慮し、調査しています」

 

このニュースを見た姉さんの顔色はさらに悪くなった…それはもちろん、のび太先輩も、源さんもだ

 

「遠坂さん…衛宮士郎…と言う人は魔術の心得はありましたか?」

 

「半人前以下よ…それにセイバーの姿も見当たらない…槍兵(ランサー)!衛宮君とセイバーは昨日、外に出た?」

 

「いいや、ライダーと一緒にを巡回していたが、姿は見えなかった…まさか、あいつら、こっそり家を…それにおかしいぜ、マスターたちが休んでいる間、ずっと巡回してたのに爆発音なんて…」

 

ランサーとライダーに偵察を命じたのは遠坂と源…朝までの偵察をしていたのなら、爆発音を聞いているはずだ…

 

「遠坂!もしかしたらセイバーと一緒に学校に行ったという可能性もある!遠坂は学校へ!静香ちゃんは桜と一緒に居て、ライダー、ランサーは遠坂に着いて行ってくれ!桜…いざとなったらアーチャーを呼んで…もしかしたら、奴が士郎とセイバーを襲ったと言う可能性も捨てきれない!!僕はこのあたりをジャックを偵察してくる!」

 

のび太先輩は血相を変えて、すぐに防寒着を着て、外へ飛び出した

姉さんも大慌てで防寒着を着こんで、のび太先輩を追うかのよう外へ飛び出してゆく…私も正直、着いて行きたかった…だけど、怖い

そう、あの日以降…のび太先輩と再会してから一歩も外へ出ていない…いつ、お爺様が襲ってくるかわからない、それが怖くて怖くしょうがなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

先輩たちが出て行って、二時間が経過した、取り敢えず静香さんと私は食事を取り、食べ終えた私はすぐに自分の部屋に戻ろうとする…その時だった

 

「えーとっ…桜さんでしたっけ?」

 

私に声をかける源 静香…私はゾクッと背筋を凍らせながら手の甲に刻まれた桜模様の令呪に力を込めながら源 静香を睨みつけた

だけど、すぐにハッと気付き、令呪に力を込めるのをやめ、頭を下げて、自分の部屋に戻ろうとする

 

源 静香は敵じゃない、敵じゃない、敵じゃない…敵じゃない!と心にいいつけながら、のび太先輩たちが帰ってきたときのために朝食の準備にかかった

だけど、彼女の存在は怖くて怖くてしょうがない、なぜなら彼女もお爺様と関わった一人、彼女が何を考えているかわからない

 

 

だから…とても怖かった

 

 

 

「桜さん…聞きたいことがあるんですけど、いいですか?」

 

話しかけられたくはなかった相手に話しかけられる…私は返事をせず、ただゆっくりと頷いた。

 

「あなたの心臓で蠢いていた蟲…それはどうしたのですか?…それに前と会った時と違って、あなたの髪と眼…全く違うわ…」

 

「アーチャーが…私の体内時間だけを戻してくれたの…刻印蟲も、お爺様の核も…消滅したはずよ」

 

「へぇ…いいな…汚れた身体も元に戻って…ねぇ?私にも紹介してくれない―――――――――――?あなたのサーヴァントを」

 

 

人生最大の恐怖だった―――――――

 

 

 

グジュバキッバキッと肉を食い破る音がした。襖の陰で見える…彼女の背中から伸びる凶悪な蟲の足…

 

後を振りむくことはできない、振りむけば殺される…そんな恐怖と闘いながら逃走する機会を探る。

 

「私も汚されちゃったんだ…あなたのお爺様に…ねぇ…私にも紹介してくれないかな?あなたのサーヴァント…のび太さんに」

 

キチキチッと蟲の声がする…その声を聞いた私は吐き気を抑えつけながら…源 静香と向き合う…

すると源 静香の肩からお爺様の顔が浮かんできた

 

「カカカカカ、久しいのぅ…桜…」

 

「お爺…様」

 

二度と見たくない顔だった――――――――――。その醜い化け物の姿をもう見ることはないと思い込んでいたのに…あいつはもう追ってきた

 

いつから?いつから寄生されていたの…源 静香は何時から?

 

 

「あなたは…いつからお爺様はのび太先輩の友達に!」

 

「いつ?この結界を突破したのは出来杉英才の身体に潜りこんだ時じゃ…そして、この娘に寄生したのは風呂に入った時…本当は衛宮の小僧の体を借りる予定だったのだが、まあこの身体もいい、さすが出来杉家の許嫁というべきか、のぅ?桜…お主が召喚した英霊(サーヴァント)がまさか時間操作の能力を持っているとは以外じゃった、だが少し爪が甘かったようじゃのぅ、おまえが惚れ込む『野比のび太』と同じく」

 

弓兵(アーチャー)は…のび太さんじゃない、アーチャーは二十二世紀の英霊なんです…だから…」

 

「カカッ―――――――――面白いことを言う、おぬしはまだあの英霊をまともな英雄だと思っているのか?」

 

「えっ…?

 

「あの英霊は儂以上の化け物じゃ…儂以上に醜く、そして哀れな英霊じゃ…あの英霊から聖杯の中身と同じ魔力を感じ取れる、その気になればサーヴァントの霊核を握りつぶし、さらには令呪すら無力化する。

もはや英霊は弓兵ではない、あのサーヴァントはお主の心臓に埋め込んでいた聖杯の欠片によって呼び出された史上最強・最悪の英霊じゃ、まさかあれほどの力を保有しているとはのぅ」

 

「そんなの…嘘にきまってます…そんなの!!」

 

アーチャーはのび太先輩でもない、あなた以上の化け物なんかじゃない!アーチャーは私に生きる術を教えてくれた、そんなアーチャーと生きることに執着したお爺様と一緒にされたくなかった

 

「信じるも、信じないもお主次第だ…さて、お主は儂を裏切った…だが許してやろう、お主は仮にも儂の可愛い可愛い孫なのじゃからのぅ…だから、儂の元へ戻ってくるがいい」

 

気持ち悪い、吐き気がする。もうその言葉しか思いつかない、逃げなくちゃと思っても身体は言うことを聞かない…

 

「まさか、おまえを救おうとする愚かな者を二度も見ることになるとはな…全く気分が悪いものじゃ…不意にもあの馬鹿息子のことをおもいだしてしまったわい」

 

「!?」

 

「どうした…お主も見覚えがあるのじゃろ?あぁ、そうじゃったのぅ、あの馬鹿息子はお主になぜ聖杯戦争に参加したのか言ってなかったのぅ、この際だから教えておこうかのぅ、雁夜は自分の身を犠牲にしてまで、お主はこの家から出そうとしていたのだから…」

 

え――――――――――――――――――――――?

 

 

何を言ってるのか理解できなかった、雁夜おじさんは間桐のために聖杯戦争に…

 

え―――――――――――――――?え?えっ?

 

 

それじゃあ私は…おじさんを…雁夜おじさんを…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

見殺しにした―――――――――――?

 

 

 

「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」

 

膝をつき…悲鳴をあげた――――――――――殺した…殺した殺した殺した。

 

私が雁夜おじさんを…殺した…

 

 

「カカカカカッ、案外、心の闇を生み出すのは楽じゃのぅ…」

 

源 静香の胸元に触手を突っ込み…蟲の老魔術師は謎の欠片を取りだす…一からやり直す、また十年…いや、5年もすればまた周期が回ってくる、それまでにこの娘を『マキリの杯』に仕立てあげればそれで上等である。

 

そう思いながらマキリの老魔術師は触手を唸らせ…桜へ埋め込むため触手を伸ばした…

 

だが―――――――それは間違いだった。マキリの老魔術師は命が助かった時点でどこかに隠れておくべきだったのだ。

桜に手を出さず…何もせず、人気もない場でジメジメと生きるべきだったのだ…生きたいのならば…

 

 

 

 

 

 

 

 

ガッチャンと金属と金属が擦れる音。

 

そして、それ同時に襖は破れ。宙を舞う木片と紙片の中…聖杯の欠片をその手に握られているショットガン(M870 )で標準を合わせ、欠片が粉々に破壊した――――――――――――

 

「なっ…」

 

その時、初めて、自分の間違いに気づく老魔術師、しかし一度犯してしまった間違いはもう正せない

まるで殺人兵器と対峙しているような気分だった、いや殺人兵器に違いない、冷酷に空のショットシェルを排出し、次弾を内部に送り込む。

 

殺される!!!と触手を槍のように尖らせ、少年の脳幹に突き刺そうとする

 

Pocket.ON(どこでもドア)

 

しかし、少年は謎の呪文を発したと同時に姿を消した…だが、すぐに姿を現した。

そう、老魔術師の眼の前に…

 

「よ…よせ!!よさんか!!」

 

老魔術師は話し合いに持ち込もうとする、しかし、誰がこの状況下で話し合いに応じるのだろうか?少年は容赦なくショットガンのストックを鈍器かわりにし、源 静香の肩に寄生する老魔術師を打ちつけた…

 

「桜を…泣かしたな!!!!!」

 

 

初めての光景だった。サバゲーでも、世界射撃大会でも…見せたことが無い表情だった。だけど、その姿に、優しいのび太先輩の面影はどこにもなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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