ドラえもん のび太の聖杯戦争   作:悪・猫

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56.聖杯戦争開始九日目/宵闇の獣

その世界は…とてもじゃないが美しいとは言えなかった――――――――――――その世界の森は常に燃えており、NOBITAの後にそびえる巨大な樹木は一層、燃えていた

地面にはNOBITAが殺してきたであろう魔術師の骸…そして、放ってきたであろう銃弾の空薬莢が散乱していた…さらには英雄の鎧や剣なども一部見られた

 

【固有結界】…自らの心境風景を具現化し、世界を侵食する大禁術…しかし、この世界はただの固有結界とは違う、言ってしまえば亜種的な物とも捕えることができるであろう。

基本、固有結界とは自分の意思で心境世界に手を加えることはできない…だが、NOBITAは違う

 

野比のび太の起源は【成長】…自信の心によって成長し続ける。

自分がこうなりたいと言う強い意志が心と体を成長し続けるため、心境世界そのもの成長してゆく…そして、あらゆる効力が追加されてゆく…

 

そう、この世界こそ、NOBITAと言う英雄が現時点の心境世界…英雄を…魔術師を怨み、そして、世界を怨んだNOBITA自身の心境世界である

 

最初こそ、このような禍々しい風景ではなかった…しかし、彼の心境風景が大幅に変わったのは第五次聖杯戦争が終わった後である。

美しい世界はどこにもなく…ただ、どんどんと木々が弱っていくのがわかった…そして、第六次聖杯戦争…NOBITAの固有結界は変わった

 

そう…英雄、魔術師殺しの結界に…

 

この世界では純粋な英雄は生きることが出来ない…純粋な英雄ほど、その固有結界での動きは制限され、さらには恩恵や加護すら無効化される。

さらにはこの世界ではNOBITAは四次元ポケットをせずとも武器や秘密道具を好きなタイミングで取り出すことができ、さらには聖杯の泥とあの黒い【影】を展開、使役する事が出来る

それこそが英雄殺し、魔術師殺しの結界と評される能力である。

 

「前回よりも…禍々しいな」

 

「………………」

 

「これがおまえが望んだ世界か?もう俺とおまえは和解もできないほど荒んでしまったのか…」

 

「………………」

 

無言…NOBITAは何も言わず、ウィンチェスターM1887を構える。

もちろん、エミヤも約束された勝利の剣(エクスカリバー)を構える

 

「そうか…なら俺はもうお前を止めない、俺はもう…【アーサー王伝説】を守ることのみ集中する…余計なことをして…わるかったな」

 

「…………………」

 

「行くぞ…NOBITA!!]

 

約束された勝利の剣(エクスカリバー)で魔力を放出し、速度をブーストさせながらNOBITAに斬りかかる

その斬撃を軽々とかわし、俺の後頭部を吹き飛ばそうと瞬時に後に回り込み、ウィンチェスターM1887の引き金を引こうとするも、片手に投影された剣でM1887を一刀両断されてしまう

だが、これで選択肢がなくなったわけではない、すぐさま後頭部に蹴りを加えつつも膝裏を蹴り、体制を崩した所を裏拳で頭部を殴りつける。

 

だが、意識を失ったわけじゃない……エミヤの眼は生きていた。

 

「こんな程度で…王様が務まると思うか?」

 

「なに?」

 

突然のことだった、頭上から掃射された剣…それを見てNOBITAは回避行動を取らざる得なかった…

 

「こいつ…!」

 

投影した物を自由に掃射できる…それはエミヤの【無限の剣製】でしか、不可能のはず……

だが、それを可能する方法が一つだけあった…そう…それが…

 

【王の財宝】の投影…蔵のみを投影し、投影した剣を蔵に収納し、保管…そうすれば、この世界でNOBITAへの選択肢の多さと言うカードを相殺することができる

さらには【無限の剣製】とまではいかなくても、剣を好きなタイミングで掃射することが可能である

 

「エミヤ!!」

 

空中にM134ミニガンを10挺を展開し、その一斉に掃射する…

 

投影開始(トレース・オン)熾天覆う七つの円環(ローアイアス)!」

 

10挺ものM134ミニガンの銃弾を防ぎきる…それと同時に王の財宝で展開されたM134ミニガンに対し、剣を掃射し、破壊してゆく

しかし、それを黙って見ているNOBITAではない、破壊されるのならまた四次元ポケットから銃器を引っ張り出してくればいい…

 

130mm追撃砲を20門展開し、さらには戦車まで追加する…

 

掃射(ファイヤ)

 

火を噴く戦車の砲弾と追撃砲の130mmの砲弾がエミヤを展開する熾天覆う七つの円環(ローアイアス)に放たれる

しかし、エミヤが展開した盾はビクともしなかった…それどころか、その盾を武器として使用して来たのだ

 

「うぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」

 

熾天覆う七つの円環(ローアイアス)を展開しながらNOBITAに対し、突進してくるエミヤ。

NOBITAは慌てて、M870を取り出し、至近距離で発砲するも効果は薄い…このままではエミヤに主導権を渡してしまう

 

「させるか…」

 

突如として、地から出現する黒い影―――――――――その影を見た瞬間、エミヤは盾を投げ捨て、約束された勝利の剣(エクスカリバー)で影を斬り殺す

その影の正体…それは聖杯の泥…言ってしまえば第五次聖杯戦争で桜の受け皿にたまった泥である

 

「まさか…虚数魔術と吸収魔術まで…!!」

 

あの影を斬り殺すまでに一秒…その一秒でNOBITAはM870の散弾に魔力を纏わせていた。

 

七つの断罪・暴食(セブンズ・ジャッジメントⅠ【グーラ】)!」

 

「…!!」

 

NOBITAの必殺技とも言える七つの断罪(セブンズ・ジャッジメント)シリーズに思わず、王の財宝で大量の剣を地面に突き刺し、剣の盾を作りだした

七つの断罪・暴食(セブンズ・ジャッジメントⅠ【グーラ】)…銃弾に腐食の効果を付与した物でその銃弾に接触するとあらゆる物体、生物もまるで何かに喰われるかのように腐食し、跡形もなく消える暴食の銃弾である

銃弾にはそう言った聖杯の呪いが込められている…しかし、その呪いには使用者にも影響を与える…それ心身の呪いの汚染…その呪いは確実に自身の心と体を蝕んでゆく、つまり、一撃放つごとにNOBITAの寿命は縮んでいるということだ…しかし、その銃弾を容赦なく放っていることからどうやら確実にエミヤを仕留めにかかっている

 

だが、エミヤはその技に対し、瞬時対策を立てた。

 

【王の財宝】によって射出された剣は強度だけを優先した剣として全く機能していない壁である、しかし、中身には大量の魔力が詰め込まれており、外観が消失するとその魔力が自動的に放出され、爆発する仕組みになっていた、剣の壁が損失した瞬間、大爆発を起こした

 

その爆風に眉を細めるNOBITA、それと同時にエミヤは干将・莫耶を投影し、NOBITAに斬りかかる

 

すぐさま狙いに気づいたエミヤはコルト・SAAを抜き、迎撃に移る、しかし、エミヤはその二本の双剣で銃弾を切り裂き、NOBITAの首を取りにかかる

 

しかし、NOBITAは首を取られまいとジャックのナイフを手にし、エミヤの双剣を同時に防ぐ…

 

「近接戦闘はこちらが有利だと…忘れたか?」

 

「さぁな…お前も知らないだろ?俺があの花の魔術師マーリンに剣術を教えてもらっていたことを…」

 

「フッ…それは初耳だな!」

 

右斜めにサバイバルナイフを振るい、接近戦を始めるNOBITA、それを防ぎ、器用に畳み掛けるエミヤ

 

刃と刃が交わるごとに火花が散り、次の攻撃を予測仕合い、接近戦を成り立たせる

 

そのどちらにも迷いの一振るいは存在しない、確実にこの場で殺すことのみ考えている

 

しかし、エミヤの体には大きな負担がかかっていた。

それはNOBITAの固有結界の効力であろう

ジリジリと自分の体が聖杯の泥に汚染されつつあることに気づいた、純粋な霊格や心を持つほど汚染の速度が上がるこの領域…もとは魔術使いであるエミヤだが、彼は魔術使いであり、別の時間軸の【アーサー王】である

 

この世界の効力ももちろん発揮され、どんどんその呪いに侵されていく…長期戦はとても不利である

 

だがそれはNOBITAも同じ、先程の大技で確実に消耗しているはず、この精算はいずれ、やってくることに気づいていた

 

 

「…!」

 

それは突然やってきた…突然の血反吐…

それを見たエミヤはすぐさま、干将・莫耶を投擲する

 

「鶴翼三連…!」

 

ブーメランのようにNOBITAに迫る干将・莫耶をお得意の早撃ちでコルト・SAAで破壊する

しかし、それは罠…本命は真上にあった…そう本命の約束された勝利の剣(エクスカリバー)が…

 

「!?」

 

すぐさまその存在に気づく、NOBITA…油断していた

約束された勝利の剣(エクスカリバー)ではなく、干将・莫耶で勝負してきたときに気づくべきだった…の約束された勝利の剣(エクスカリバー)を王の財宝の収納、そして、確実に仕留められるタイミングで射出…

 

 

 

だが―――――――――その矢先のことだった。

 

宵闇に匹敵する漆黒のオーラ…そのオーラに思わず、背筋が凍りついた…今までにない恐怖に思わず、干将・莫耶をさらに強化した『干将・莫耶【オーバーエッジ】』を構える…

 

「クラス変換………………ザ・◆■◆■」

 

「!?」

 

信じられない速度で約束された勝利の剣(エクスカリバー)を掴み、地面に叩きつける…その動きはもはや軍人の動きではない。

NOBITAの行動は主に軍人の戦闘技術を多用した物であり、あの聖剣を力づくで地面に叩きつけられるような腕力や動きは存在しない

 

宵闇のオーラを纏った獣は射出したエミヤに対し、かなりの速度で迫って来る。

 

「つっ…!!」

 

干将・莫耶『オーバーエッジ』をすかさず振るうエミヤ…しかし、そのような攻撃はいとも簡単に回避された。

腹に強烈な蹴りを加えられ、さらに顔面を掴まれ、地面に叩きつけながらも引きづってゆく―――――

 

これは格闘術などではない、ただの暴力である、軍人の知的な戦闘技術など存在しない、ただ純悪な暴力である。

 

地面に叩きつけられ、地面を跳ねた直後、コルト・SAAの魔力の銃弾を放つ…干将・莫耶『オーバーエッジ』で魔力の銃弾を防ぐものの、強化したはずの干将・莫耶『オーバーエッジ』はすぐさま消失する

その異常性に気付いたエミヤは思わず、眼を疑い…ギルガメッシュの言葉を思い出す…

 

(よもや…此処まで進行しているか…これは…早々に決着をつけねばなるまい)

 

「お前――――――――――嘘だろ?」

 

真紅の眼を光らせながら襲いかかるNOBITAに思わず、驚愕の表情を浮かべながら言う…抑止力の発動、ギルガメッシュのあの発言…そして、NOBITAの異常の戦闘力。

 

 

「お前――――――――――――――――――――いや、気付くべきだった、抑止力が発動した時点で…おまえは【弓兵】でも…【復讐者】でもない…おまえは……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                                                 人類悪(ビースト)

 

 

 

 

 

                                                    

 


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