ドラえもん のび太の聖杯戦争   作:悪・猫

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60.聖杯戦争開始九日目/ドラえもんズ

心臓を貫通した弾丸は私の頬を掠り、後ろの木にめり込んだ。

 

正直、最初、何が起きたのかわからなかった、宝具を発動したのは確かである、クー・フーリンの魔槍による投擲宝具は確実にNOBITAを捉えたはず、しかし、NOBITAはそれすらを無力化し、さらにはクー・フーリンの心臓に弾丸を的確に撃ち込んだ、いや、撃ち込んだというよりも弾丸がまるで自動追尾にようにクー・フーリンの心臓を貫いたのだ…

 

 

「しくじったな…まさか、呪いに対して耐性を獲得をしてるなんて…」

 

血反吐を地面にぶち撒けながら膝をつくクー・フーリン。

私は慌てて、心臓を撃ち抜かれたクー・フーリンに駆け寄った

 

「ランサー!今すぐ治癒を…」

 

 

「やめろ…おまえだって、分かっているはずだぜ、心臓の半分を破壊された…治癒をかけても無駄だ、それよりもおまえは生き残ることのみを考えろ…あいつは全知全能に近い、この俺の宝具の呪いを吸収して…それ反射してきやがったんだからな…」

 

クー・フーリンは色すら抜けてしまった槍を地面に突き刺し、それに体重を乗せながら立ち上がった…

 

「マスター、俺の願い…覚えているよな…」

 

「!?」

 

 

クー・フーリンの願い、それは全力で戦い抜くこと…

たとえ、致命傷を負っても全力で戦い抜くこそ、彼の願いだった

 

 

「………最後に聞かせてくれよ、野比のび太、おまえはどうやっての俺の宝具を無力化した?」

 

 

「なんだ?マスターにその事実を知らせ、他の陣営に情報を知らせるつもりか?まあいいだろう、どうせ、このあと、遠坂 凛を射殺するつもりだ、手負いのおまえなど、10秒で片付く…」

 

「それはどうも、俺もマスターもそれなりタフだと自覚している…万が一にも生き残れるかもしれねぇからな…」

 

 

「僅かな希望に縋りつくか、クー・フーリン…まあいいだろう…虚数魔術と吸収魔術の組み合わせ、つまり、間桐桜の魔術さ」

 

「!?」「!?」

 

 

他人の魔術の使用…そんなことできるはずがない。

いくらNOBITAがここまでの力を保有しているとは言え、自身の属性を変換できるなど不可能だ。

 

「俺の呪いの正体…それはこの世すべての悪(アンリマユ)そのもの…そして、その泥を溜め込んでいたのが…桜だ…」

 

 

「ちょっと待ちなさい…どうして、桜とあなたの呪いが関係あるのよ…」

 

「あぁ、知らないのか、まあ知らなくて当然だろう、聖杯は呪いに汚染されている、その呪いこそが俺の呪いさ、桜の心臓には…第四次聖杯戦争で破壊された小聖杯の欠片が埋め込まれている、【マキリの杯】、全くふざけた計画だよ!自身の劣等感を刺激させ…暴走させ、聖杯として起動させる…あとはどうなったか?わかるだろ?」

 

 

サングラスを投げ捨て…真紅の眼で遠坂 凛を睨みつけるNOBITA…その時、NOBITA誕生への発端の一部が見えた気がした…

 

「あなたが殺したの?あなたが桜を…」

 

「違うさ…桜を殺したのはあの金色の英霊…俺は溢れた泥をすべて受けれただけの存在さ、俺は桜の闇に気づけなかった、だからこそ、俺は桜の闇を受け入れる義務があった…聖杯を破壊する義務があった…これ以上、桜が誰かを傷つけて、自分も傷ついて、苦しませるわけには行かなかったからだ…それこそが秘密だ、俺は桜を守れなかったただの愚かな男さ」

 

 

「愚かな男?どうして、あなたは自分を虐めるの?あなたの目的は桜を守ること…自分をいじめ抜くのが目的じゃないはずよ、結末がどうであれ、あなたは最後まで桜の味方だった、それが桜にとって幸福のはずよ!!悔いるなとは言わないわ、だけど、本当ならあなたは桜の分まで生きなくちゃいけない、だけどあなた自身それを引きづって、あなたは今の姿にたどり着いた…その姿は桜が望んだあなたじゃない!!」

 

 

「桜が望んじゃ姿じゃない…か、たしかにそうかもしれない、だが、世界はそこまで許してはいけなかった、一度捨てた物が帰ってくることなんてない、チャンスはあっても、捨てた物の重さがのしかかって潰れる。

結果そうだったさ、俺は優しさを拾い上げようとした、だけど、そのチャンスすら世界によって壊された。

俺は一生【野比のび太】には戻れない、俺は一生、優しさを捨てた野比のび太…【NOBITA】だ」

 

 

コルト・SAAの撃鉄を上げ、クー・フーリンに銃口を向けるNOBITA…その眼は本気だった、本気でクー・フーリンを殺そうとしている

 

「一度は優しさを拾い上げようとしたさ、本来ならこぼれ落ちる命を俺は救ったさ、それなりに自信もあった、これなら優しさを取り戻せると…だけど、優しさは邪魔な感情だと気づいた、あの日な…だから俺はサーヴァントの殻をかぶり、聖杯に【やり直し】を願った、野比のび太を桜にふさわしい正義の味方にするためにな…」

 

「今のあなたは桜が大好きな【野比君】じゃない、桜が大好きな野比のび太は今の【彼】よ!!」

 

 

「そうか、なら俺という驚異を簡単に倒せるだろうよ…人類史最悪の人類悪【NOBITA】すらもな!!」

 

躊躇なく、引き金を引くNOBITA。

その弾丸はクー・フーリンではなく遠坂 凛の脳天に迫る、しかし、動けぬはずのクー・フーリンは血まみれの体を無理やり動かし、なんとか、槍で銃弾を防ぐ

 

「ランサー……」

 

「おいおい譲ちゃん、情報を引き出せたんだ、こんなところで死ぬことなんて許されないぜ…それに俺は譲ちゃんが仕出かした後片付けをしなくちゃいけねぇ、まあ俺からしたら嬉しいことだけどね…ありがとな、マスター、最初っから全力を出させてくれテ…生き残れよ」

 

 

「………ごめんなさい、ランサー、あなたが私のサーヴァントで良かったわ」

 

遠坂は自らのサーヴァントに礼を言うと黙って、脚の魔術回路に魔力を通し、全速力で森の中駆け抜けてゆく…

 

「さて…一秒でも多く時間を…」

 

 

 

 

「いや…終わってるさ、もう既に」

 

 

「……………」

 

気づかなかった--------その動きに

 

気づけば自分の胸にさらに穴が空いてるなど、気づきもしなかった-------------何か感じたときにはその体は既に地面に倒れていた

 

気づけばクー・フーリンを上から見下ろすNOBITAの姿…銃による狙撃か、ナイフによる襲撃かわからなかった

 

「せめてもの慈悲に痛みなく、殺してやった…すまないな、死にかけたおまえとの正面衝突は避けたかった、お前のことだ…どんなことしても時間を稼ぐだろうからな…最後に良いことを教えておいてやる」

 

 

意識が遠のく中、NOBITAの最後の言葉にクー・フーリンは思わず、眼を見開く…だが、それと同時にすべて納得した、なぜNOBITAがこの時間軸にやってきたのか、そして、本当の目的…その言葉に思わず、ため息をついた

 

「そいつは笑えねぇ冗談だ、だが、今のお前らしい選択なの…かもな」

 

 

クー・フーリンの消滅を確認すると投げ捨てた銃を拾い上げ、四次元ポケットに収納する

魔術で移動速度を上げつつも逃げたとは言え、魔力や木の枝、そして足跡などいくらでもある

 

そこをたどっていけばすぐに遠坂 凛に追いつく

 

「行くか」

 

瞬時に脚を動かし、遠坂 凛が残した痕跡をたどってゆく、今の彼女に痕跡を消す余裕などない、間違いなく、全力でこの場を離脱することのみに集中するはずだ

 

しかし、ここまで痕跡の残していれば追いつくのはたやすいことだった

 

 

「見つけたぞ…」

 

遠坂 凛を補足したと同時にトカレフTT-33を抜き、銃口を向けるNOBITA、しかし、遠坂 凛も必死だ。

魔力を貯蔵した真紅の宝石を投げつけるものの、NOBITAはその宝石が効力を発揮する前に四次元ポケットに収納し、遠坂 凛の肩を撃ち抜いた

 

紅く輝く宝石を数個投げ込んでくる、しかし効力を発揮させる時間など、NOBITAは与えなかった。

 

四次元ポケットを起動させ、投げ込まれた宝石を四次元空間へ収納し、すかさず、トカレフTT-33の引き金を引いた

 

銃弾を肩に食らった遠坂はそのあまりの激痛に悲鳴をあげながら背中を木に預ける形で地面に座り込む

 

「レディに傷をつけるなんて…最悪ね」

 

「今のおまえにそんな冗談を言える余裕があるとは意外だ、それとも俺が驚くような策でも講じているのか?」

 

「残念ながら…今、私ができることは野比君や衛宮君たちにあなたの戦力と能力を伝えることしかできなかったわ…さっき、私の使い魔を放った、これで私の役目は果たしたわ」

 

 

「そうか、お前らしい選択だな、だがその情報を与えたところで今の俺に敵はいない」

 

「たしかにそうね、でも野比君ならいつか、あなたを倒すわ…道は違えど、彼はいつかあなたと同じ存在に到達する…あなたとは違う【NOBITA】に」

 

「英雄・NOBITAか…確かにあいつが俺と同等の力を得ればそれなりの驚異になり得る、だが、9日前まで実戦経験を積んでいない英雄・NOBITAが大反英雄NOBITAに力が及ぶと思っているのか?」

 

 

「そうね、だけど、そんなの関係ない、彼は絶対にあなたを倒す…どんなに戦闘経験の差があろうとどんな武器の量がどんなに大きくても野比君はあなたを倒すわ」

 

遠坂 凛の言葉を聞いたNOBITAは容赦なく遠坂の口の中にトカレフTT-33をねじ込む…そして、本気で指を引き金に掛けた…

 

「終わりだ…遠坂 凛」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「空気砲!ドカン!」

 

森林に響き渡る銃声………しかしそれはトカレフTT-33による銃声ではない。

 

突如として襲いかかる空気の塊を察知したNOBITAはすぐさま拳で空気の塊を打ち砕く…

 

「誘いに…乗ってきたか」

 

その発言と同時にオレンジの色をした謎のロボットがかなりの速度でNOBITAの懐に入り、その拳をNOBITAの溝に叩き込む

 

「つっ…!」

 

かろじて防御することはできたものの、衝撃はもろに体に襲いかかる…

 

「鎧…通しか」

 

衝撃で一時的に体を動かせなくなったNOBITAに対し、すかさずその謎のロボットは拳を叩き込んでゆく

 

しかし、好き勝手させるほどNOBITAも甘くない、スタンが弱まった直後、片手で眼にも見えぬ神速でコルト・SAAを抜き、オレンジのロボットの頭を撃ち抜こうとするも再びどこからともなくサッカーボールがNOBITAの顔面に直撃し、NOBITAは地面を転がる

 

「ドラ・ザ・キッドが関与してきたときから大体想像はできていたが………まさか、本当に絡んでくるとはな……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドラえもんズ!!!!!!!」

 

 

 

NOBITAの前に現れた6人の丸っこい形をしたロボットたち…遠坂 凛は衛宮邸でみたあの写真を思い出しながら自分を助けてくれたロボットたちを見る

 

「さすがにレディにそこまでされたらな」

 

「私たちもさすがに黙ってなんていられません!」

 

「そのとおりである!」

 

「バウバウ!」

 

「のび太さん…」

 

「あれれ?僕、どうしてのび太君にサッカーボール蹴ったんだっけ?」

 

「「「「「ありゃありゃ!?」」」」」

 

ドラニーニョのボケに力抜ける5人…しかし、NOBITAは冷たい目線で彼らを見下ろしながらも…四次元ポケットを起動させる。

 

 

「どうやら……」

 

「いつもの雰囲気で和ませよう作戦は失敗であるな」

 

「バウバウ!」

 

「いや…これは和ませるどころか、逆上してませんか?」

 

「俺もそのとおりだと思う…」

 

「違うと思うよ、久しぶりあったから喜んでるんだよ、だって嬉しくて体がプルプル震えてるよ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ジュドー……ドラえもんズを抹殺しろ!」

 

 

低い声でなにかに命令するNOBITA…すると地面から巨大ロボットが姿を現す…銀と赤、青で形成されたいかにも丈夫そうな鎧…そしてNOBITA自身が手を入れたのか、あちこち危なそうな兵器が搭載されている

 

「ありゃ?みんなの言うとおり逆上してるね、何かまずいことしたかな…まあ、悪いことしたなら謝るよ、みんなも謝ろ?」

 

「「「「「そんな余裕ない!!」」」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

槍兵(ランサー)脱落:残り5騎

 

ドラえもんズ…参戦

 

 

 

 

 

 

 

 




ドラえもんズがシリアスブレイカーだと感じた今日この頃…

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