ドラえもん のび太の聖杯戦争   作:悪・猫

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61.聖杯戦争開始九日目/追憶の古傷.前編~魔界大冒険編~

毎回そうだ…俺は守りたい者、大切な人を必ず失う。

 

ドラえもんも…

 

桜も…

 

 

それは聖杯戦争が終わってからもそうだった。

俺が守り抜くと約束した者は必ず、命を落とす…

 

そういつだってそうだ、俺は肝心な時に限って、必ず間違いを起こす…今だってそうだ、俺の計画に対しこいつらは必ず手を出してくる…

 

 

「ジュドー…おまえだけはこの場に出したくなかった」

 

紐解かれる過去にNOBITAは苦しい感情を押し殺しながらも自身の計画を遂行する。

 

「ほっといてくれと言ったのに…どうして、君たちは俺の邪魔をするんだ…答えろよ、ドラえもんズ」

 

俺は悪役を演じなければならない、演じなければ何も救えない、桜も…ジャックも…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

人類は知らない…そうこの8年の内に三度も地球は滅亡の危機に直面したことを…

 

 

人類は知らない…その三度の危機を同じ人物が阻止したことを…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

NOBITAの時間軸〜2004〜

 

『のび太!!戻ってこい!!俺様の命令が聞けねぇっていうのか!!』

 

 

『のび太さん!!このままだとのび太さんまで聖杯の泥に!!』

 

『のび太!!早くしないと死んじゃうよ!!』

 

『野比君!!もういいのよ!!桜もそんなこと望んでなんていないわ!!だからお願い!!戻ってきて!!』

 

聖杯は起動した…そう呪われた形で…

ギルガメッシュの宝剣によって貫かれた桜の体から現れた小聖杯…いや、『マキリの杯』というべきか、禍々しい泥が杯に注がれる光景を見ながらも俺は衛宮家の家から持ち出した対物ライフルにマガジンを差し込んだ

 

ジャイアンの怒鳴り声、しずかちゃんやスネ夫の涙声を聞きながらも僕は対物ライフルに魔力を込めた弾を内部に送り込む…

 

この弾で聖杯を破壊できるだろうか?と言う不安に襲われたながら300メートル先の聖杯に対しスコープを調整する…傷ついた体を無理やり言うことを聞かせながら重さ12kgの鉄の銃器を構える

 

こんな結果を招いてしまったのは僕が弱かったから、この結果を導いてしまった自分に責任がある

 

 

「桜は優しかったから…絶対に人は殺したくないはずなんだ…だからこれ以上、桜が人を殺さないように僕がトドメを刺してあげる」

 

白く濁った髪束を握りしめながらも僕はスコープの標準を定め…聖杯の真ん中を狙う

 

聖杯を破壊し、泥をすべて自分自身の体内に収納する。

そんな狂ったことを考えているのは僕だけだろう

 

「桜の闇は俺が受け止める…ごめんな、桜、おまえがここまで苦しんでいたなんて…彼氏、失格だな」

 

 

「壊す…………ごめんな、ジャック…桜」

 

怒号の銃声が鳴り響く、そう、それは電話でつながってなくても街全体に響き渡るような怒号の銃声ーーーー

 

 

12.7mmの弾丸は確実に聖杯の核を捉え、器を粉々に破壊する………

 

その30秒後…破壊された聖杯の泥が僕に迫ってくる

 

 

 

 

「俺も桜のところへ行ける…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【聖杯戦争終了】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

気づけばベットの上だった、そこは遠坂邸のベッド。

体は一切の傷もなく、一切の外傷、体調不良、障害は存在しない…ただ、一つの変化があるとすれば…

 

 

「なんだ…この魔力は…」

 

 

魔力に呪いが付与されていること…ただ一つだった。

 

遠坂 凛によれば僕は5日も眠り続けたとのことだった

当初は重症レベルの外傷、そして、眼の失明などもあり、骨の複雑骨折などで確実に残りの人生は車椅子生活だったはず…しかし、発見されたときにはその傷は癒やされており、生活どころか、今後の人生に障害ない体だったとのことだった

 

しかし、僕にとって地獄だった。

 

僕は死ぬ気であの場に立った、不甲斐ない自分が生きていること自体、己が自身が許せなかった

 

僕は遠坂に願った、殺せ…殺せ!!と叫んだ

しかし、遠坂はその願いを叶えてはくれなかった…

 

 

 

 

 

 

 

 

自宅に戻ったのち、しずかちゃんや、スネ夫、士郎、ジャイアンたちがやってきたが、結界を張り、出入りができないように工作した…こんな惨めな自分を見られたくなかったからだ、彼ら優しい言葉が僕に突き刺さる

 

とても不快な気分だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ドラえもんは治るか?」

 

僕は事態を知り、駆けつけたセワシ君に声をかけた

しかし、セワシ君は首を降り…俺は二度目の絶望を叩きつけられた………

 

機能が停止したドラえもんを見届け、僕の手元にはドラえもんも形見として四次元ポケットが預けられた…

 

その後、俺は高校を中退し、世界早撃ち大会で優勝した賞金を持って、海外へ向かい、部活でお世話になった実銃の射撃場でインストラクターをしている元軍人に稽古をつけてもらうことにした、もともと基礎的な技術はあったものの、まだまだ経験不足だと感じたからだ

 

そこで3年間、僕は血が滲みような訓練を耐えに耐え抜いた、バイクの運転技術や、空からの投下訓練、格闘術、ナイフ術、砂漠や極寒などでのサバイバル技術など…死ぬような訓練を潜り抜けた

 

だが、この時、僕は死ぬためにこの訓練をしていた。

 

死んでしまいたいと思いながらも僕はこの地獄のような訓練をくぐり抜けてしまった。

 

 

 

 

【2007年】

 

 

訓練を終え、もう教えることはないと言われた。

結局、死ぬことはできなかった…そんな時だった、彼女とその父親が俺のもとにやってきたのは…

 

名をこう名乗った【満月牧師】と【満月美夜子】と…

 

なんでも、彼らこの世界に数少ない【魔法使い】の地位に位置し、魔術師とは違う次元にいる人間らしい

 

彼らの願いはそう【魔星】接近、そして、魔族へ侵略を阻止してほしいと言う物だった

なんでも魔法でこの危機を乗り越えられる方法を探ったところ、僕を含め七人の戦士たちが地球を救うと未来に達したのだと言う

 

しかし、僕は丁重にお断りをした

 

もう戦いの世界に身を投じることはいやだった

 

 

だが、断った次の日も次の日も満月牧師と美夜子はやってきた、何度も何度も…しかし、僕はそのたびに彼らを突き放した、銃を突きつけて、頬に傷をつけたこともあった

 

 

 

その後、満月牧師は諦めてしまったのか、僕のところには来なくなった、しかし、満月美夜子は違った

彼女は必死で僕に付き纏った、この地球を助けてほしいと…何度も何度…そのたびに僕は銃を突きつけ、彼女を突き放した…

 

 

しかし、彼女は諦めることもなく、何度も何度も…俺に助けを求めた

 

「お願い…私達だけでは魔星を食い止めることができないの…今の私達だけはデマオンの下っ端にも劣るわ…お願い、あなたの力が必要なの!!」

 

「俺は誰も守れない、誰一人として…お前だって知っているはずだ、聖杯戦争で大切な親友も、愛する者も失った…俺にこの地球を救う必要性なんてない、俺はどこかの辺境な場所で死に絶えたい…それだけだ」

 

「でも…あなたは今まで命を絶たなかった!!お願い…私達を…この地球を助けて…………このままじゃお父様がやってきたことが…水の泡になっちゃう…」

 

彼女は涙を流しながら僕に悲願した…銃を突きつけようと彼女は強気で僕に助けを求めた。

それは自身の身の安全ではなく、父がやってきたことが水の泡になってしまうという父への気遣いだった

 

「七人の戦士と言ったな…悪いがその六人は呼ぶな、俺一人が…デマオンをぶっ潰す、それが俺が協力する条件だ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「約束して、デマオンを倒して、地球を救って」

 

「わかった、ならお前も約束しろ…絶対に命を落とさないと」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2008年〜魔界大冒険〜宇宙空間

 

 

グシャッとデマオンの下っ端の頭蓋を靴底のスパイクで踏み潰し、彼らが連れていた猛獣に至近距離から銃弾を撃ち込んだ…満月牧師と満月美夜子は血に染まった地を見ながら絶句した…

 

人間の魔法使いではデマオンの下っ端には到底太刀打ちすらできない、一方的に虐殺されるだけだ、しかし、彼は違った…呪いと自身の魔力で人間の生身では到底到達できぬ魔法の領域でデマオンの下っ端、幹部を皆殺しにした…その戦術は魔術師でも、魔法使いでもない、冷酷な『軍人』だ、呪いを付与した爆発物、ただ単純に魔力を込め、威力拡張のみ特化させた銃弾…それを撃ち出す銃器はより洗練され、美しいとも言える

 

しかし、その兵器を扱う者が野比のび太だからこそ、魔族と言う強敵をここまで追い込んだのだろう

 

「なぜだ…なぜ星の創造主であるこの私が人間無勢に…ありえぬ…抑止力と言うシステムは私が作った、おまえのような存在を生み出さぬために…だが、お前はここに存在している、おまえ、この時間軸の人間では…ないな?」

 

「それを教えてどうなる…?おまえはこれから『死』より恐ろしい体験をすることになる?死にたくなるまで、お前を苦しめる…生憎、俺には『無限の魔力』があるからな…お前を長時間苦しめることくらい…可能だ」

 

満月牧師は野比のび太と言う男に恐怖を抱いた。

デマオンと言うこの地球にとって驚異とも言える存在に対し、恐怖を突きつけている…そして、彼の持つ呪いと膨大な魔力量…それはもはや魔族以上の存在、言ってしまえば地球にとって、脅威なのはデマオンでは『野比のび太』と認識を改める必要があった

 

「美夜子…私は考えを改める必要性がある…私達、魔法使い…いや、人類そのものの驚異と言えるのは…『野比のび太』やもかもしれない」

 

「何を言ってるの!お父様!!のび太さんは地球や、私達を守るためにこの場にいるのよ!!そんなこと言うなんて…どうしちゃったのよ!お父様!」

 

「あれは………デマオン以上の『化物』だ、我々の域を遥かに超越する存在だ、人間を超え、英霊を超え…そして、神霊を超え、さらには魔族を超える…そんなものは存在しない、そんな驚異を残していれば…いつかこの地球どころか、すべての時間軸をも破壊してしまう!」

 

「そんなことない!!のび太さんは優しい人よ!!なんだかんだ、言って、私達のために戦ってくれている!そんな人が…すべての世界を破壊するなんてありえない!!」

 

「美夜子…分かってくれ!!」

 

なにを血迷ったのかはわからなかった。

だがしかし、満月牧師が血迷うのは無理もない…

 

デマオンは地球の創造主、言ってしまえば親のような物だ、デマオンが地球を作り、人類を作り、そして、魔法の劣化である魔術を教え、世を発展させた。

 

だが、それはこの星を魔族が住みやすくするため、この星を発展させるためだった

 

そして、デマオンは人類が魔術で世界を滅ぼす可能性を配慮し、抑止力と言う存在を生み出した。

 

 

しかし、そんな高度な魔法を使用できる魔族は怯えている、人間である野比のび太に……

 

デマオンを退治しても、またさらなる驚異が出現する

それだけは…避けたかった

 

「この銀のダーツを野比のび太とデマオンの心臓に打ち込めば…すべてが丸く収まる…許しておくれ、美夜子!」

 

手から出現させた銀のダーツを思いっきり投げる満月牧師…その威力は野比のび太の心臓を貫通後、確実にデマオンの心臓を貫くほどの威力だ。

 

「駄目…!!」

 

すぐさま、美夜子は魔法を発動させる。

しかし、父ほどの魔法使いは放ったダーツを防ぐことはできない、そこで美夜子がとった行動…それは…

 

野比のび太と自分自身を入れ替えることだった…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

銀のダーツは躊躇なく、美夜子の心臓を貫き、デマオンの心臓を貫いた。

 

娘の心臓を貫いた事実をしった満月牧師は唖然としながらも膝をつく…このとき、俺は何が起きたのか全く理解できなかった

 

なぜ、俺がここにいて、彼女は血を流し、絶命しているのか…とても理解できなかった

 

「美夜子…」

 

既に絶命している美夜子に駆け寄る俺…しかし、どんなに揺すっても彼女は指一つ動かさなかった…

 

「…おい、なにがどうなってんだよ、満月牧師!!」

 

突然、再び銀のダーツを自分に向ける満月牧師に対し、俺は叫んだ…しかし、娘を失ったショックなのか?それとも血迷ったのか…満月牧師は殺気を俺に向けた

 

「お前は…魔族以上に危険だ、ここでデマオンとともに倒さなけれな…倒さなければならないんだ!!!」

 

 

銀のダーツを再び投げようとする満月牧師…その行為に対し、思わず、俺はトカレフTT-33を抜き、満月牧師の頭部を撃ち抜いた…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やめてくれ…我の心臓を射抜かないでくれ」

 

 

呪いの泥で拘束し、その泥に少しづつ喰らわれながら…弱々しく命乞いをするデマオン、しかし、俺はそんな命乞いに聞く耳持たずに渡されていた銀のダーツを握りしめる。

 

正直、何がやったのか覚えていない、気づけばデマオンは少しづつ体を食われ、そして、いつの間にか命乞いをしている。

 

「そうだ、我はおまえの部下になろう、さすればこの世界を征服することができる、おまえが憎む者全てを消し去ることができる!!どうだ!!おまえは見る限り、魔術師と言う存在に対し憎しみを抱いている!我とおまえとで力を合わせれば…!」

 

「俺はお前に少し期待していた、俺に致命傷を与えることくらい容易いだろうと…だから、俺はこの件に協力した、だが…期待はずれだった」

 

 

「なん…だと…」

 

「俺は相打ちを狙っていたんだ、そう共倒れだよ…そうすればあの美夜子の目的は達成されていたからな…だが、結局、俺は弱かった、結局俺はまた【大切な人】を失ったんだ…満月美夜子と言う世界の希望を…」

 

銀のダーツを銃弾状に加工するとドラグノフ狙撃銃のマガジンにダーツを込め、マガジンを重本体に差し込む

 

その光景をみたデマオンは恐怖に引きつる

 

「待て…待つのだ、貴重な魔法使いである我を殺すでない、人類に魔術を発展させ、ここまで築かせたのは我のおかげだ…約束しよう、我は二度と地球を侵略しようとしない!!頼む…!」

 

「それは無理な話だ、確かに俺が恨んでいるのは魔術師だ…そして、その概念を作り出したお前を生かしておくわけがないだろ?」

 

「やめろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

銃声が鳴り響くーーーーーーーー銀のダーツは確実にデマオンの心臓を射抜き、確実にその鼓動を断った

 

絶命したデマオンは呪いに喰われ、消滅し、その強大な魔力は自分のものになった

 

「………俺は約束を果たしたぞ、満月美夜子、だが、おまえは俺の約束を守らなかったな、【絶対に命を落とさない】と言う約束を」

 

ガチャンと構えていたドラグノフ狙撃銃を落とす…また生き残ってしまった…自分だけがまた…

満月美夜子は救えなかった…やはり、自分は弱かった

 

「結局…俺は世界を救えても守りたい思った人は守れないのか…」

 

魔法のじゅうたんに拳を叩きつけ、自らの弱さを呪う。

なぜ、救えない…あのときも…あのときもそうだ

 

なぜ、僕は誰かに守られる?

 

僕が守る側のはずなのに、なぜ、僕を守って、死ぬ?

 

 

 

 

 

 

 

「俺は約束を守った、なのになぜ、おまえは約束を守らない…答えろよ、満月美夜子…!!答えろよ!!」

 

ホルスターにおさめているコルト・SAAを抜き、じゅうたんに叩きつけようとするも、そこで思いとどまる

 

銃を捨てられない…なぜ、銃を捨てられない?どうして………

 

 

 

 

「ハハッ…俺はとうとう心までおかしくなってしまったのか?他人を傷つける『道具』を捨てられない、他人を傷つけて誰かを守ることしかできない…俺はいつからここまで荒んでしまったんだ…地球を守るのはついでだった…満月牧師と満月美夜子さえ、守れればそれでよかった…なのになぜ、俺は…自ら手を下している」

 

 

地球へ戻ってゆく魔法のじゅうたん…そのじゅうたんを器用に操り、南極へ向かった…

 

「こんな俺は…俺じゃない」

 

 

 


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