作中の粒子については深く掘り下げないので、好きなように考えてください。
マルチタスク処理開始。
ISでの補助を受けて、安定して七つまで運用可能な状態までつり上がった異能。
傍目から見れば、一目瞭然とも言える程に分かりやすい異常を覚えてしまうが、だからこそラウラの前で使う価値がある。
今回の決めては撃鉄をパージして量子状態にされているパイルバンカー、通称シールド・ピアースを使う。
ミサイルランチャー : 量子展開直前で待機完了
パイルバンカー : 量子展開直前で待機完了
ビームサーベル : 量子展開直前で待機完了
焔備 : 量子展開直前で待機完了
近接ブレード : 量子展開完了
ダウンロード : 四七通りの戦闘技術を取得、再現待機してラウラに集中する
ラウラの思考を感じ取って、攻撃箇所を把握していく。
完全な戦闘状態――潤にとって、無茶をした代価として生まれる懐かしい痛みが体に走る。
「行くぞ!」
AICは面展開ではなく、一つの対象に集中してしか使用できない、いわば対象にエネルギーを出すようにして慣性を止める。
そしてAICはマニピュレータの装置から発生し、その際対象に非常に強い集中力を使わねばならない。
ならば幾らでもやり様はある。
感じろ、知れ、識れ、目を頼るな、魂魄の能力は人の根底に働きかけ司るもの、ラウラの思考を感じて先読み、AICの発動タイミングを感じ取れ!
瞬時加速で接近する潤に、ラウラが右手を突き出す。
「ふん……」
ラウラが集中するより先に、潤は大きく右にそれた。
AICの見えない網が空をきる。
ラウラの目が驚愕に染まった。
「何故!?」
「未熟だな小娘!」
左をカバーするためにワイヤーブレードを六本全てで襲いかかってきた。
意思を持ったロープのように蠢くワイヤーブレード、それを機体全体を前後左右に揺らすことで極力狙いを絞らせないようにして回避。
待機状態だった焔備を瞬時にマニピュレータに展開し、逆に近接ブレードを待機状態へ。
戦闘照準の要領でタップ射撃を繰り返して牽制、するとラウラの思考回路がAICに偏っていくのを潤が感知、瞬時加速を準備する。
「猪口才な。 しかし停止結界の前では無力――なにっ」
AICでアサルトライフル弾の慣性を停止させている目の前に、瞬時加速を用いた潤が躍り出た。
加速中に焔備の弾丸をリロードしつつ、近接ブレードを展開開始、焔備の量子化とブレードの実体化をほぼ同時に行う。
自身の行動パターンと戦闘技術が、事前に相手に理解されている気持ち悪さを存分に味わっていることだろう。
実際ラウラは目の前で行われている曲芸に理解が追いついていなかった。
本来量子構成は一秒~二秒はかかる、むしろそれが常識。
ならば目の前の男はなんなのだろうか。
武器の切り替えが熟練のマジシャンの様で、別々の武装が現れては消えて、消えてはまた現れる。
BRFの予測が甘すぎた……ありえない。
むしろ必勝を期すために想定は最悪を目指して予測行動をとっていた。
悲観よりも楽観を強いる、そんな生温いBRFなんてする気は無かったはず。
「お、おおおぉぉっ!」
切り刻まれる装甲と、減りゆくシールドエネルギー、不気味なほど先読みされて回避されるAIC。
ラウラは目の前の男から侵食されるような恐怖を吹き飛ばすように吼えて、プラズマ手刀を形成。
間合いこそ近接ブレードを持つカレワラより狭いが、基本的な性能では優っており、充分押し切れると予測している。
『私は負けないっ!』
「くっ、中々やる!」
裂帛の気合もかくやという気概、その力で振り回される刃が近接ブレードを削っていく。
潤の首元から僅か数cmの処まで、間合いを侵食されて火花を散らす。
「貰った!」
先に競り合いを制したのはラウラだった。
伸びきったワイヤーブレードが再度び潤に向かって襲いかかる。
これ以上ないという程のタイミングで繰り出された攻撃だったが、またもや大道芸の様な速度で展開されたシールドに阻まれた。
「クソっ!」
『何故今のを防げる!?』
そのシールドへの衝撃を利用して潤が一気に離れていく。
途中急加速、恐らくは瞬時加速までしてワイヤーブレードを撒くことも忘れない。
基礎的身体能力や反応速度、操縦などで潤が上手を取ろうと、それらで物理法則を超越する事などで出来ない。
少なくともISに乗って息も付かせない連続攻撃を繰り出せば、潤とラウラの力量は余り開いているとは言えない。
いざ恐怖心を飲み込む事が出来れば、間違いなくラウラは、天稟の才で潤を追い詰められるだけの力量を持っている。
『逃がさん!』
酷使して罅の入ったシールドを何故か丹念に見る潤に対して、ラウラも瞬時加速を用いて一気に接近する。
ワイヤーブレードで近接ブレードを弾くことも忘れない。
そのラウラに対して無防備状態だった筈の潤は自分から接近、盾で隠されていたマニピュレータで握っていた、柄の様な物を突き出した。
銃にも見えず、さりとて手榴弾の類にも見えず、むしろ発炎筒と表現するのが正しいそれ。
その発煙筒の着火部分が自分の顔に向けられ、一気に刃が形成された。
「かかったな!」
『び、ビームサーベル!?』
目の前に広がる赤色炎のサーベルがシュヴァルツェア・レーゲンを振動させる。
ラウラの表情が焦りで塗れる。
確かにフィンランドの技術者たちがエネルギー兵器の開発を強力に押し進めているのは知っていた。
しかし、今回の大会で潤がビームサーベルを使ったことは一度だってない。
『う、ああ、あああああ!』
ビームサーベルの間合い内部に居るので、シールドエネルギーと絶対防御がなければ頭を貫通していたのは間違いない。
ISのセンサーがあれど、目の前で連続してエネルギーがぶつかり合うのは死を連想させるのに充分すぎる。
AIC――、最も自分が頼りとする第3世代兵器に頼ろうとした矢先、再び潤は距離を取っていた。
――何故私の行動がここまで読まれる!?
ワイヤーブレードを伸ばせば正確に銃撃されて操作に専念できず、遠距離まで伸びきれば待っていましたと言わんばかりに接近される。
プラズマ手刀で競り勝っていたと思えば掌で弄ばれるかの様に誘導されて主導権を奪われる。
AICを使おうとすれば、使おうと思った瞬間カウンター行動を開始し始めて窮地に陥る。
その鮮やかな行動誘導に、背筋に冷たい物が迸る。
何時か、織斑教官と戦った時も似たような事になったが、何というか潤のそれはその時とは別のベクトルで恐ろしく感じる。
先ほどの乱戦とは違い、ラウラは完全に防戦に徹している。
ワイヤーブレードとプラズマ手刀を組み合わせてもなんら変わらない。
相手の勢いを殺して主導権を得る、戦闘で言えば常套手段の駆け引きだが、潤とラウラでは経験の差がありすぎる。
「クソっ、クソっ!」
次第にラウラは自分の呼吸すら、邪魔で耳障りな騒音にも聞こえだした。
常に相手の掌で弄ばれているという邪念は徐々に普段の余裕を削り取っていく。
戦いでは迷ったものから死んでいく、お決まりのような台詞だが、今のラウラにはそんな事片隅にもなかった。
――これは、冷静さを欠いているか?
疑心暗鬼に陥っているラウラの心を、潤は鋭敏に感じ取った。
流石にダウンロードの連発は頭に響く。
現在ダウンロードされている戦闘技法は五百を超えており、そこからくる頭痛を表現するならば、かんなで少しずつ削られている様な激痛と表現できる。
自己感情操作を全力で発揮していなければ、押しに押している潤が倒れるという妙な結果になっただろう。
相手のプラズマ手刀発現のタイミングを見計らって距離を取る。
ミサイルランチャーを具現化。
同時に近接ブレードの量子化スタンバイを破棄してミサイルの装填にマルチタスクを割り当てる。
「そんなもの――AICにはきかん!」
仮にも決勝に残った二人を瞬時に落とした拡散式ミサイルだが、ラウラのAICとは相性が悪い。
しかし、そのAICに頼りきっているから潤に弄ばれるのだ。
なにせAICの発動タイミングは魂魄の能力を介して筒抜けなのだから。
量子化されていたミサイル五発を、ラウラの周囲に向かって発射する。
装填に割り当てられていたマルチタスクを、焔備の量子展開の補助に割り当てる。
そして、――自分のミサイルを、自分で破壊した。
当然シャワーのように降り注ぐ拡散された弾丸が、ラウラのシュヴァルツェア・レーゲンを包む。
だが、大部分はAICに防がれてシールドエネルギーを0にするには至らなかったようだ。 が、それでいい。
発射のタイミングで瞬時加速の準備を開始、AICが原因で拡散された弾は止まっており、それゆえ視界を完全に遮っている。
「視界が……、しまった!?」
「貰ったぁ!」
急接近する潤、またもやAICを利用された行動に怖気が走るが、ビームサーベルにさえ気をつければシュヴァルツェア・レーゲンは簡単には堕ちない。
そう考えた時、先程まで疑心暗鬼に陥っていた影響からか、考えなくていいことまで考えてしまった。
今回はそれが生きた――潤は先ほど、罅の入ったシールドを丹念に見ていた――その理由に気づけたのだから。
『『シールド・ピアース』……!』
「そうだ!」
AICは先ほど集中してミサイルを止めたばかりだが、無理やり集中力を高める。
パイルバンカーをピンポイントで止められなければ負けが確定するのだから仕方がない。
ラウラは九死に一生を得るべく、集中して自分の勘を信じて狙いを定め、潤はその勘をあざ笑うかの様な行動に出た。
ラウラの頭上、瞬時加速が終わってないというのに前宙して背後に移動しようとする。
この為に対G訓練をした訳ではないが、結果として非常に役に立ってくれた。
当然パイルバンカーを止めるためのAICは何の役にも立たない。
首元、鎖骨付近にパイルバンカーが命中する。
ISのシールドエネルギーが集中して絶対防御が発動してでも防いだものの、その為にエネルギー残量がごっそり減っていく。
『ぐううっ……!』
相殺しきれなかった衝撃は、簡単に内蔵に響いただろう。
腹筋や胸筋ならばともかく、鎖骨に筋肉を付けることは出来ない。
ラウラの表情は苦悶に歪んだ。
勢いよく着地し、潤も足腰全体に衝撃を受けたが、肺の空気がごっそり抜けたラウラに比べれば復活が早い。
パイルバンカーをリロード――連続して放たれるパイルバンカー。
最早勝敗は決した。
しかし――ここで自体は急変する。
ラウラの心の中、その異変は始まった。
私は負けるのか……こんな優男に!
完敗、完敗だろう。
戦いの流れを見れば誰だって、私が善戦したなどと言わないだろう。
……何故だ、何故負ける?
シュヴァルツェア・レーゲンは最高の機体、手加減などしようとも思ってない。
なのに、どうして負ける?
人工合成された遺伝子から生まれた、作られた強化人間、戦いのためだけに生き、それだけを生きる糧にしてきた。
苦しい訓練に明け暮れた、泥を啜るような試練を乗り越えてきたはずだ。
ヴォーダン・オージェの制御に失敗して、些細な切欠だ。
IS訓練で遅れをとって、トップの座から転がり落ちたのも、嘲笑や侮蔑、そして『出来損ない』の烙印も今となっては何とも思わない。
闇からより深い闇へと転がり落ちていこうとも、その果てに尊い光を見い出せたというのならば、その程度何とも思わない。
織斑千冬。
その強さに、その凛々しさに、その堂々とした様に、自らを信じる強さに憧れた。
この人のようになりたい、そう思うのに時間はかからなかった。
なれないのか? 私はあの人のなれないというのか!?
奴の言うとおりに――
心が
思いが
欠けているから弱いとでも言うのか。
私の苦難は、私が抱いた夢は、私の努力は無駄だった、そう言いたいのか。
敗北させると決めたのだ。 あれを、あの男を、私の力で完膚無きまでに叩き伏せると。
夢を否定し、力の意味を履き違え、それでいて強いあいつのあり方を、私が正してやらねばならない。
お前の力の意義は間違っていると。
そうだ、負けられない。 負けてたまるか。
力が欲しい。
ドクン……と、私の奥底で何かが蠢く。
何かあるのかシュヴァルツェア・レーゲン、いいだろう力があるなら、それを得られるというなら、空っぽの私など、何から何までくれてやる!
Damage Level …… D.
Mind Condition …… Uplift.
Certification …… Clear.
≪Valkyrie Trace Syst …… Error …… Err くぁzwsぇdcrfvtgbyhぬjみkおl …… boot.
「あああああああっ!」」
突然、ラウラが通信関係なく身を裂かんばかりの絶叫を発する。
それと同時にシュヴァルツェア・レーゲンから激しい電撃が放たれて、潤はアリーナ脇から中央まで飛ばされた。
「くっ……、隠し武器? いや、違う……、これは!?」
「………………なにこれ」
「これはなんだ!?」
アリーナ脇で決勝を見ていた箒と簪も、その異様な光景に目を奪われていた。
その視線の先では、ラウラが……そのISを変形させていた。
いや、変形などという生易しいものではない。
装甲をかたどっていた線は全て粘着性の高い液体に変化し、まるで泥水のようになってラウラの全身を飲み込んでいった。
「ああああああ! ち、違う! これは、違、……こ、なんじゃ、あああ! 誰か、助け、誰かぁ!」
「ラウラぁ!」
助けを求めて手を伸ばしたラウラ、その手は蜘蛛の糸に手を伸ばした亡者の様で、潤は思わずその手を掴もうとした。
しかし、距離が開いていたことも災いして、結局ラウラの手は、泥に包まれてしまった。
「……VTシステム? いや、違う。 ……アレはなんだ?」
箒の呟きは、恐らくアリーナ観客の総ての代言だったに違いない。
現在の第三世代での常識として、ISは変形しない。
尤もISが変形らしい変形を行うことがあるが、それはフォーム・シフトといった、見慣れている現象だけだった。
これはそんな生易しい光景ではない。
シュヴァルツェア・レーゲンの原型はとどめていない、似ているようで、全く異質な存在になっていっている。
洗礼されている、鎧のようなISの比べれば遥かにスマートな装甲。
顎と後頭部から始まって一通り顔を覆った装甲は、透明なバリアーに似た透明な膜を貼って側頭部に集約する。
覗き見ることができるラウラの瞳は、意識がないことが分かる酷い状態だった。
「……ヒュペリオン」
潤はその装甲に見覚えがあった。
見覚えなどというものではなく、リリムが死んだ要因となった旧科学時代のバイオハザード。
その現場で見つけ、潤がメンテナンスして、終戦まで愛用し続けたパワードスーツの姿だった。
「簪、箒! 奴の攻撃に当たるな! 絶対回避しろ!」
潤に怒鳴られて、回避範囲の広い空中に二人が移動する。
ああまで完全に再現できているのなら、『D.E.L.E.T.E.粒子』をトレース出来ている可能性も考慮しなければならない。
性能がISより劣るパワードスーツが、ISより優れた軍用品足り得る最大の要素、D.E.L.E.T.E.粒子。
詳しい生成方式は定かでないが、魔法の力を借りて二十四時間程のチャージで二、三発ほど撃てていた謎の粒子。
接触した箇所を文字通りDeleteしながら侵食、粒子の効力が切れるまで葉脈の様に物質を喰い散らかして消滅させていく旧科学時代の兵器。
「ちくしょう、なんだってんだ!」
叫んでいる最中に、あれは正体不明の波を繰り出した。
明らかな魔力の波、そして魂魄の能力を若干感じる、小栗潤の中で今なお生み出されるその魔力。
そう、あれは、恐らくは魂魄の能力者のトレース。
ありえない、ありえない、ありえない、ありえない、ありえない、ありえない。
むしろ、能力に限って言えば、その発生の経緯や強化手術を施されて戦闘特化に歪んでしまった今の小栗潤より遥かに良質で、精度の高い魂魄。
相手の感情を無理矢理上書きして、外面ではなく、内面から戦う意志を崩壊させる力。
簪と箒は、金縛りにあったかのように動かない。
潤が相手の魂魄の波を打ち消すように、魂魄の魔力放って、ようやく二人は動き出した。
ラウラを乗っ取ったアイツが、左手を上げる。
左手に、潤こそ見慣れた代物だったが、この世界では誰も見た者はいないであろう武装が展開された。
パイルバンカーを隠していたシールドを再度展開、ほぼ光速で迫り毎秒三十発という驚異の兵器、パルスライフルの弾丸を防ぐ。
幾つかは回避できたが、何発かはシールドで防いでしまった。
「シールドが限界か!」
余りにも頼りなく悲鳴を上げて、粉々になるシールド。
ほんの少し防いだだけで、カレワラをアリーナ端まで吹き飛ばす。
潤が一通り片付いたと判断したのか、右手を簪達に向ける。
その掌に、空中から光が収束。
アリーナにあった総てのISが解析不能の警告を出しているその光が解き放たれようとしていた。
「馬鹿野郎! かわせって言っただろう!」
瞬時加速で簪の救助に向かう。
普通に考えれば、絶対防御がある限り死にはしないだろう。
しかし、D.E.L.E.T.E.粒子ならば、恐らく絶対防御を侵食する。
もし人体に侵食が進めば……
「簪ぃぃっ!」
だけど、ここに至ってはもうどうしようもなく、アリーナに当たれば観客がどうなるか潤しか知らない。
二人を空に移動させた判断ミスを呪うが、もう選択肢がこれしか残っていない。
瞬時加速、それを無理やり曲線に捻じ曲げて、なんとか簪に体当たりをする。
――カレワラの惨状を見て気づいてくれ、D.E.L.E.T.E.粒子の脅威を。
直後、光の線は、簪を突き飛ばしてその場で停止し、防御のために体の前でクロスしたカレワラの両腕に命中。
アリーナの遮断シールドに衝撃こそ軽減されたものの、威力は絶大であり遮断シールドは崩壊。
潤は観客席に墜落したが、その直前に傍から見れば自殺行為とも考えられる意味不明な行動――カレワラの強制解除を実行する。
『非常事態発令! トーナメントは全試合中止! 状況をレベルDと認定、鎮圧のため教師部隊を送り込む! 来賓、生徒はすぐに非難を開始すること! 繰り返す!』
教師陣は、機体に命中してなおアリーナの遮断シールドを突破させる威力を見て、ようやく魂魄の呪縛から心を逸らすことができた。
アリーナの防壁による隔離が開始される。
簪は最後までその光景を見てしまった。
コンクリートの観客席に、生身の体を差し出し、――体の右側、至る所から骨を覗かせる程の惨状を見せた潤の姿を。
「あ、あ……あっ……」
カレワラの装甲が、まるで溶けていくように消滅していく傍らで、簪の声が木霊した。
今日の19:00に更新します。
2013/10/06 現在