高みを行く者【IS】   作:グリンチ

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だいたい5500字。


たいした内容にはなりません。(震え声)
来週日曜にまた更新できればと思います。()

次回から更新日時があくのは、もうぶっちゃけチャプターがないから風呂敷をたたむ必要があるからです。

・フュズィオンと一夏関連を中心とした日常編
・ドリーの関連中心のタッグバトル編
・ドリー編の決着と修学旅行編

これでこの話は終わります。
フラグ管理が難しいので一旦大筋作ってしまいたいのでプロット作成に時間が掛かるのでその時間を確保しようと思っています。

では本編どうぞ


二期・前半エピローグ

IS学園に変えると、一夏のための、一夏誕生パーティが開催されていた。

潤はこいつらにとって、一夏はどういう存在なのかとうんうん頭を悩ませている。

 

アイドルか?

アイドルなのか?

 

「どうしたの?」

「――いや、どうしてトマトはこんなに赤いのかを考えてたんだ」

「なにそれ?」

 

相川清香が端っこのほうで壁の花と化していた潤に声をかけた。

何と言うか、もう何処からツッコミを入れればいいのか分からなかったため、適当な事でお茶を濁す。

その回答があまりにもあれな内容だったため、乾いた笑いを浮かべ清香も一夏のところに向かっていった。

 

一夏が雨に濡れ、凍えた子犬の様な目をしている。

助ける、助けない以前に、――あの痴女集団に乗り込むのは躊躇われる。

ここは悪趣味なコスプレキャバになってしまった。

 

 

狐巫女がいる、バニーがいる、猫耳付けたビキニ姿の奴がいる、羊耳付けたビキニ姿の奴がいる。

ナースがいる、水兵がいる、デンジャラス・ビーストがいる。

 

 

この光景を見て思うのだ。

教育とは何ぞや、と。

百歩譲って学びの宮にて水兵服を着込むのは許してやっていい。

何せセーラー服とはこの国において女子学生が着込む、一般的な正装であるらしいのだから。

デンジャラス・ビーストはアウトだろう。

この国の女性を今一度見直すため、簪から貰ったPDAを使い、それらしい文庫を調べ上げ閲覧する。

一夏からのSOSは全て無視する。

 

 

 

---

 

 

 

私が新鮮な情報を取得しようと青空文庫を開けると、誰かの現実が割って入ってきました。

私はビックリして、思わず青空文庫を閉めてしまいました。

 

きっと今のは何かの見間違いであろうと思い直し

再び青空文庫を開けると、

なんとそこには現実が白目を向いていたのです。

 

私は思わず青空文庫を閉めましたが、きっと疲れていて

見えもしないものを見てしまったのだと思い直し

覚悟を決めて、改めて青空文庫を開けました。

 

するとそこには、何者かの現実が白目を向いて

ほのかにほくそ笑んでいるのです。

 

私はビックリして、青空文庫のドアを閉めましたが、きっと幻覚を見たに違いない

最近あまり寝てないから、見えもしないものが見えてしまったのだと思い直し

青空文庫を開けました。

 

するとそこには、白目を向いた現実が入っていたのです。

 

驚いた私は、気がつけば青空文庫の扉を閉めていましたが、気のせいだと思い直し

再びドアを開けると、やっぱり白目を向いた現実が、ほのかに笑っているのです。

 

思わず扉を閉めてしまいましたが

きっと幻覚に違いありません。最近寝てなかったから。

と、思い直し青空文庫を開けると、やっぱり誰かの現実が入っているのです。

 

思わず青空文庫を閉めた私でしたが、これは何かの間違いに違いない。

疲れているから見えもしない物が見えたのだと思い直し、青空文庫を開けると、

そこにはなんと白目を向いた現実が……

 

うわっと思い青空文庫を閉めましたが、

きっと疲れのせいで幻覚を見たに違いないと自分に言い聞かせ、

再び青空文庫を開けると、なんと誰かの現実が白目を向きながら笑っているのです。

 

思わず青空文庫の扉を閉めましたが、きっと気のせいで、

何かと見間違えをしたのだと自分に言い聞かせ、扉を開け直すと、

なんとそこには、何者かの現実が白目を向いて笑っていたのです・・・。

 

 

 

――ダメだ。 何をどうやっても生首……じゃなかった、現実が回り込んでくる。

 

――だが、この状況についていけない以上、現実逃避は必要だ。

 

 

 

初めから潤がいたらこの光景の推移を確認できたのだろうが、生憎二次会参加後だった。

レース会場の閉会式に参加し、その後の後始末が終わってからIS学園に帰還した。

海上での敗戦は既に知れ渡っており、疲労困憊の状態で帰ってきた潤と簪に、楯無は戦闘に関して何も言わず休憩を強制すると独り閉会式の片付けに戻った。

よって閉会式最中に潤がしていたのは半壊したヒュペリオンのダメージレポートと、シックザールの新規レポートの作成。

単独で学園に帰れなかったのは、対外的に何も無かった事をアピールするためだ。

 

此処まではいい。

 

問題は、千冬と真耶だ。

一夏の誕生日のため食堂を貸しきるということのため、監督役として二人は閉会式が終わると生徒と共に帰った。

何を考えている、総合司令官と副司令官。

責任放棄なんてレベルじゃないぞ、こちとらセシリアが現れなければ現場指揮官としての責を全うしようとしていたというのに。

 

「この小娘共がァ……」

 

元空戦隊総司令官だった男の、底冷えする恨み声は誰の耳にも入らなかった。

千冬は殺気的な何かを感じ取ったのか、一向に視線を合わせようとしなかった。

もしも彼女が職務に忠実であれば、潤もここまで腹は立たなかった。

だが生憎千冬はメイド服で、真耶は牛柄ビキニで、それぞれ専用機持ちが主催した一次会に参加している始末。

もうバカかと、アホかと。

せめて、本音がいればあののほほんとした雰囲気で多少和らぐというのに、何故かいない。

ナギも癒子も、簪も、会長も、ラウラもいない。

 

「……もう休むか」

 

流石に身体の疲れを誤魔化しきれなくなったので、足を寮に向ける。

先ほどから太ももの間接付近がつって治ってを繰り返して、歩くのも辛い。

 

「――あっ、帰るんだったら、一次会の片付け先にやっててくれない?」

「……承知した」

 

しかし、こんな時に限って中々帰れない。

足早に帰ろうとした矢先、岸原理子に捕まった。

一夏が主役の誕生日会、その中央に割って入るほど酔狂な性分でもない。

身体は疲れてはいたが、代表候補生でもない一般生徒に事情を説明する訳にも行かず片付けを買って出る。

仕方が無しとはいえ、ダラダラする気もなく、腕まくりをして乱痴気騒ぎの古戦場に身を投じた。

 

 

一句できもうした。

 

食堂や兵どもが夢の跡。

 

 

 

 

ふと、光り輝く食堂大広間を見ると、ケーキを食べる一夏がいた。

頑張って箒が「あーん」的な事をしようとし、結局セシリアとシャルロットに先を越され、鈴共々頬を膨らませている。

その光景をみて、思わずノストラジックな感傷が胸に広がった。

マッチ売りの少女がマッチを擦り火をつけた際、見られるような光景だったのかもしれない。

暗い一次会場で片付けに身をやつしている自分が、ちょっと惨めに思えたが、元々こんな光景がお似合いの人間だった事を思い出し頭を振って作業に集中する。

 

「では、今度こそ……」

「あっ、小栗くん、いい所に。 ちょっと高いところの装飾品取るの手伝ってくれない?」

「……承知した」

 

今度は夜竹さゆかに呼び止められた。

何やら片付けが終わったタイミングで、狙い済ましたかのよう千冬が占有終了のお知らせを出したらしい。

と、言うわけで片付け第二ラウンドが始まったのだ。

 

「ストップ、ストップ、そいつ帰らせて。 脚立持ってきたから私がやるよ」

「どうした猫ビキニ。 頭がピンクになったせいで、正常な判断力がなくなったのか?」

「はあ!? せっかく気を使ってやったのに何なのこの根暗野郎。 いいから部屋に帰んなさいよ! バカ!」

 

第二ラウンドが始まりかけたのだが、猫ビキニの鈴に制止された。

折角フォローを貰ったのだが疲れているせいか、若干粗暴で遠慮のない言葉が出てくる。

感情のコントロールは結構難しい。

余裕がある状況ならば問題ないレベルになったが、疲労した状態は今後の課題だ。

夜竹さゆかは何か言いたげだったが、無理やり鈴が背中をぐいぐい押して行くので、言う機会を逸したようだ。

 

「ああ、ちょっとだけ待って」

「ん?」

 

一旦出入り口まで潤を運ぶと、一旦手持ちのバッグを開けるとリボンの付いたピンク色の箱を取り出した。

俗に言う『プレゼントボックス』。

ぽ~い、と適当に投げられ、奇麗に潤の胸元に納まった。

ちょっとした口論の後だったことと、派手な配色だったのも合わさってクラス中の視線が集中した。

 

「……これは?」

「あんたも今日だったでしょ? 誕生日。 だから、コレ、あげる」

「……」

「ああ、クッキーよ、クッキー。 ついでに作ってやったのよ」

「鈴」

「あによ?」

「ありがと」

 

しんと静まり返った食堂に、ありきたりな青春映画のワンシーンが繰り広げられている。

偽りない感謝の言葉に、ちょっと顔を赤くする鈴。

それは染みわたるようにクラスに拡散していって、凄まじく、盛大に弾けた。

 

「えええええええええ!?」

「小栗くんも!? 小栗くんも今日だったの!?」

「教えてくれれば、私も何か用意したのに!」

「何で黙っていたんだよ! 一緒にやればよかったじゃないか!?」

 

最後のは一夏。

 

「落ち着け、お前の誕生日パーティに割って入ったら……」

「入ったら?」

「空裂が空を裂き、ティアーズが空を飛び、龍砲が地を裂き、パイルバンカーが突き刺さる」

「そんな大げさな。 あいつらだってそこまでしないって」

「怒ったらIS出す連中だぞ?」

「……確かに」

「まっ、色々言いたいかも知れないけど、後にしてくれ。 今日はもう疲れたから、後は自室でこれをゆっくり味わって食べるさ」

「あ、ああ……、そうだったな」

 

後ろの喧騒を無視して、足取り軽く潤は自分の部屋に戻っていった。

以外にかわいいプレゼントボックスだ。

これなら今後も小物入れとして使えるかもしれない。

記念に大事にしよう。

気分上々、足取り軽く部屋に戻った潤は、自室の扉を開けると――

 

「お誕生日おめでとっ!」

 

ぱぁんぱぁんとクラッカーが鳴り響く。

時刻は午後二十時。

自室には簪、本音、楯無、ラウラ、ナギ、癒子。

ベッドに腰を掛けていたり立っていたり各々自由スタイルだ。

気になる点はあるが。

普段から人が集まるせいで狭く感じる室内だが、いつにもまして狭く感じる。

 

「ああ~! くっそ、鈴ちゃんに先を越された」

「やはり気付いていたか。 可能性は考慮していたが……」

「お、おおぅ。 これは……」

「うん。 誕生日パーティ。 潤、教えてくれなかったから……。 サブライズでね」

「みんな、ありがとう」

 

簪が笑顔で出迎えてくれた。

疲れていたはずなのに、完全にサプライズが成功してやりきった綺麗な笑顔だっだ。

食堂のような飾り付けはないものの、その分照明に拘ったようだ。

蝋燭を模した本物そっくりなキャンドルライトがそこらにまとめて置いてある。

炎がゆらゆら揺れて見えるので、本物を実際に使用していた潤すら一瞬見間違えたほどだ。

天井に浮かんだ風船にライトが仕込んであるのかそこまで薄暗くはない。

若干ムーディな雰囲気を壊さないように配所してかカーテンも普段の白でなく、ベージュの物に取って代わっている。

 

「ふふん、鈴に先を越されてしまったが、流石のお兄様も驚いているようだな」

「うんうん。 こんな笑顔初めて見たかも。 おめでとう小栗くん」

「潤くんが大勢でわいわいやるのが苦手そうだったから、ラウラちゃんに手伝いを依頼されてお姉さんも腕をふるったわよ。 まあ、大会もあったから簡単な準備しかできなかったけど」

「充分ですよ、楯無さん」

 

鈴にサプライズの先を越されたことに癒子が嘆くも、潤に驚きと笑顔にナギとラウラは満足げだった。

潤は心の底からじわじわと浮かび上がる嬉しさを我慢していたが、どうやら顔に出てしまっていたようだ。

だが、どうにも腑に落ちない点がある。

 

「ケーキあるわよ、ケーキ。 簪ちゃんとラウラちゃんが焼いてくれたの」

「お姉ちゃん、その前に、本音」

「はい、おぐりん。 ぷれぜんと~」

 

先ほどから違和感のない本音がプレゼントラッピングされたものを手渡してくれた。

自ら手渡せなかった簪が若干不満そうだったが、本音以外の全員がラップタオルらしき物で首から下を隠しているので腕を上げられないのだろう。

 

「……タオルか服か?」

「まあまあ、着替えてきてよ」

「うんうん、着替えて着替えて。 開ければすぐわかるから」

「ふふふ、きっとよく似合うわよ。 私たちも準備があるから、シャワールームで着替えてね」

 

会長の含み笑いが若干気にかかったが、プレゼントが服の類いだとナギと癒子が教えてくれた。

ナギまで着替えてくれと言っていることから、変人が着るようなお馬鹿な物ではないようだ。

シャワールームに向かい、袋を開けて全てを悟った。

 

 

 

ーーー

 

 

 

「って、パジャマパーティかよ!」

「あっはは、よく似合ってる!」

「潤、尻尾が揺れてるね。 かわいい」

 

袋に入っていたのは本音が普段から寝間着として愛用しているキツネパジャマだった。

部屋に戻ると全員本音パジャマを着込んでいたので、誕生日パーティというよりパジャマパーティとして騒ぎたいだけの癒子のアイディアでこうなったのだろう。

色々考えたいのに雰囲気ぶちこわしの揺れる尻尾のせいで、まったくシリアスな空気に持って行けそうもない。

自分でもわかるくらいぶんぶん揺れている尻尾が、潤は気になって仕方がない様子。

布製でしかないのに何故揺れるのか。

 

「なんで俺の尻尾が動くんだ? なんで簪のキツネ耳はそんなにぴこぴこ動くんだ?」

 

自分のベッドに腰掛けていた簪の耳を触る。

手触りのよい、ふにふにとした触感。

だたの普通の布だ。

 

「ただの布だよな……。 しかし驚いた。 よく気付いたな」

「サプライズだからな。 私の洞察力と黒兎隊の情報収集能力があれば造作もない」

 

どや顔で胸を張るラウラだが、揺れる尻尾と耳のせいでかわいいとしか感想が抱けない。

 

「サプライズが目的だからね。 驚いてもらわなきゃ」

「じゃあ、パーティ始めよっか。 お姉ちゃん」

「OK。 みんなグラス持った?」

 

パーティのために設置された机からシャンパンが入っているグラスを一つ手に持った。

 

「じゃあみんな、潤くんの誕生パーティプラス、パジャマパーティを開始しまーす」

「かんぱーい」

 

どうみても主役は潤ではない。

簪とラウラ、ナギあたりは誕生日を祝う雰囲気を持って立ち振る舞っているが、癒子と会長は面白がっているだけだ。

だが、部屋の隅からその光景を眺めているだけで満たされていくようだ。

こういう光景が見たくて、戦っていた日々があったのだから。

食堂を貸し切ってわいわいとかされると落ち着かない。

この方が好みだ。

以前は、パーティで飲むシャンパン、ワイン、全て嫌いだった。

 

今飲んでいるシャンパンは、今までの人生で一番うまく感じた。

 





〃〃∩  _, ,_
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   `ヽ_つ ⊂ノ  zzz…


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