キリユウ 再会の果てに。/リメイク版   作:迷劉/めいりゅー

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今回の修正点

・和人のキャラ崩壊の軽減
・木綿季のキャラ崩壊の軽減

が、主となっております。元を知らないと、何が何だかさっぱりかも知れませんが、多分問題ナッシングです!

でわ、暇つぶしにでも!!


第5話 [現実での対面]

仮想世界から現実へと和人の意識は戻される。部屋の温度や湿度を感じ取り、喉に多少の乾きも覚える。こうした感覚から、現実に戻っていることを、改めて認識したりもするのだ。

 

和人 「うぅーん、今日は疲れたな…。」

 

アミュスフィアを頭から取り外し、定位置へと置く。普段通りの大きな伸びをし、ベッドから起き上がろうとするも、中々動く気になれない。

特に何もすることも無く、横になって天井を見つめ、ただただ呆ける時間を過ごす。

今更に、ボス攻略という偉業に喜びが込み上げ、それに浸っているのだ。

目を瞑れば、直ぐにでも夢の中へ誘われそうな、それほど心地よい気分だが、今の和人にはするべき事が一つある。

夕食や風呂など、ごく当たり前な事ではない。それらは最悪、抜かしても多少の問題としかならない。

 

和人 「やはり片付けしなくては、だよな…。」

 

和人はベッドから起き上がり…ベッドに座った。そして久しぶりに、まじまじと自分の部屋を見渡す。あまり物が置いていない分、大体は綺麗に片付いているのだが、それでも所々は散らかっている。どれもこれもゲームに関する本だったり、機器だったりが多少乱雑に置かれている。

明日はユウキが来るのだ、多少なりとも見栄えをよくしなくては、という事である。

言うなればこれも多少の問題なのであろうが、印象とは交友関係上かなり大切なものである。

 

和人 「さてと…やるか。」

 

気合いの入らない声を漏らし、和人はまず、水を飲むために1階へ降りた。

 

和人 「さてと…やるか。」

 

その後、部屋へと戻ってきた和人は、先程と同じ言葉を口にした。とは言いつつ、やる気がない訳では無い。ゴミ袋を左手に、掃除機を右手に携えた和人は、雑に置かれた物達から順に片付けをし始めた。

 

和人 「…ここもホコリが溜まってるな。…あぁ、ここもか。」

 

普段は気にもしない所まで、部屋の隅々のホコリやらゴミやらを取り除く。此処を綺麗にすると、そっちが気になる。そこを綺麗にすると、また他の所が気になっていく。その繰り返しで、和人は部屋をぐるりと一周、片っ端から掃除機でかけ回した。

何故これほどやる気になって、部屋の掃除をしているのか。和人はそれを不思議と思ったが、頭の奥へと仕舞い、作業を着々と進めていった。

 

30分後

 

和人 「うーん…あともう少し整理整頓をするか…。」

 

部屋のホコリは勿論、学校から配られる不要なプリントなどを、まとめて捨てる。こうして、用意したゴミ袋の半分弱程のゴミを摘出した。この際要らない雑誌も一緒に捨てようと、側にはその山も出来上がっている。

残すは本棚の整理整頓。ここは性格がにじみ出る所だが…

 

直葉 「入るよ、お兄ちゃ〜ん。今日の夕食…って、なにしてるの?」

 

和人の部屋に入ってきた直葉は、和人が片付けをしている事に驚愕する。普段から散らかしはしないものの、掃除などめんどくさがってしない、あの和人が、明日ユウキが来るという事で、率先して片付けを行っているのだ。これに驚かないわけが無い。

 

和人 「んー片付け。」

 

どういう風に並べようかの検討中の和人は、素っ気なく直葉の質問に答える。

 

直葉 「ごめん、確かに片付けをしているのは分かるよ。けど何で急に?」

 

直葉はユウキが来る事を知らない、という設定なので、会話の流れとして聞かざるを得ない。もしかしたら、和人の気まぐれの可能性もあるのだから。

 

和人 「明日さ、この前ALOで紹介したユウキが来るからよろしく。明日家で何かする予定とかないか?」

 

やはり後者が理由ということはなく、ユウキが来るから、が答えとなる。

それにしては随分力が入っているね、とは言えるはずがない。

 

直葉 「そ、そうなんだ。明日はなんにもないから、問題ないよ。楽しみだなーユウキと会うのー。」

 

仕方なく、まるで棒読みの返答をする直葉。

気持ちとしては会って顔を見たいのが2割、家には来ないで欲しいが8割を占めている。

 

和人 「もしかしたら、ユウキはスグと同い年かもしれないな。俺も会うの楽しみだな〜。」

 

珍しく機嫌のいい和人は、直葉を置いて本棚の整理を開始した。

 

直葉 「…あっ、そう言えば今日の夕食は惣菜だけど大丈夫?」

和人 「あぁ、別にいいぜ。」

直葉 「りょーかい。」

 

直葉はそう言って部屋から出ていき、流れる速度でスマホを取り出し、明日奈達へ先ほどの出来事をメッセージで送った。ユウキ関連で判明したことは、速攻で情報伝達する事を、今日の会議で約束したそうだ。

 

直葉 (お兄ちゃんってユウキの事が、実は好きなのかな?でも、あの時の一回きりしか会ってないんだよね?もしかしたら強者同士で分かり合う事とかでもあったのかも!?)

 

そんな直葉の心情なぞつゆ知らず、和人は納得のいくまでに本棚を綺麗に整えた。実に2時間もかけて、丁寧に掃除をしきってみせたのだ。

そして満足した和人は夕食をとり、風呂を済ませる。それから特にすることも無く、だらりとした夜の一時を送り、この日を終えた。

 

翌日1月4日AM8:50

 

直葉は何故か急用が出来た、ということで外へ出ており今は和人だけが家にいる。

約束の時間の少し前となり、ソワソワとした感情の和人は、特に汚れてもない机を拭いたり、家具の微妙な位置調整など、何かせずにはいられなかった。

 

《ピーンポーン》

 

そこへ、インターフォンのベルの音が鳴る

 

和人 「はーい、どちら様でしょうか?」

??? 「あの、えと…キリト…だよね?」

 

和人のその問いに、訪問者は妙にたどたどしく疑問形で答えた。

相手が和人のプレイヤーネームである、[キリト]を知っているということは、それがユウキである事に違いない。

それに機械越しだが発せられている声は、昨日聞いてたユウキの声そのものだ。

 

和人 「あぁ、ってことはユウキか?」

??? 「うん、ユウキだよ〜!いや〜、お家を間違えてなくて良かったぁ…。」

 

どうやらユウキは和人の家を間違えているのではないか、という不安があったから、慎重に恐る恐るといった声をしていたようだ。

ここが和人宅と分かるとすぐに、何時もの元気な声へと戻った。

 

和人 「あはは…今開けるから、ちょっと待ってて。」

??? 「は〜い♪」

 

和人が玄関のドアを開けると、そこには中学生くらいの少女が立っていた。髪は黒く、どちらかと言うと短めで、ユウキのチャームポイントであるヘアバンドを着用している。

 

木綿季 「えへへ、一応は初めましてと言おうかな。ボクは木綿季、紺野木綿季だよ♪」

 

その少女は少し照れくさそうに、笑顔で自己紹介をする。紺野木綿季こそがALOで絶剣として知られる、ユウキというわけだ。

 

和人 「木綿季…か。本名と同じにしてるのは、アスナと一緒だな。」

 

アスナも本名は結城明日奈。木綿季と同じく名前をプレイヤーネームに使用しているのだ。

 

木綿季 「へぇ〜、アスナもなんだ。ボクはあんまり良い名前が思いつかなくてさ。…キリトは?」

和人 「俺は桐ヶ谷和人。俺もゲームの名前は本名から取ってる。」

木綿季 「ふむふむ、桐々谷和人で"キリト"か。それじゃ、リアルでもこれからよろしくね、和人!」

 

遂にお互いの顔と本名を認識し、改めて木綿季は挨拶をする。やはり仮想世界で会うのと、現実世界で会うのは違ったものがあり、どこか新鮮な感情があるようだ。

 

和人 「こちらこそよろしくな、木綿季。…っと、折角来てもらったのに立ち話はなんだし、どうぞ家に入ってくれ。」

木綿季 「うん、お邪魔しま〜す。」

 

和人は木綿季を家に招き入れ、リビングへと案内した。キラキラとした目で和人の家を見渡しながら、木綿季は椅子に腰掛けた。

 

和人 「いや〜、ドアを開けて見た時は誰かと思ったよ。当然のことなんだけど、やっぱり違うな。」

木綿季 「そうだよね。一番違ったところと言えば、髪の長さかな?大分あっちとはギャップがあると思うよ。」

 

ALOのユウキは腰の高さまで髪が伸びているが、木綿季は首の付け根辺りまでしかない。その差は明らかで、一見では同一人物とは判断出来ないだろう。

 

和人 「あぁ。けど雰囲気は変わらないな。」

 

根拠というものは無いのだが、和人は木綿季からそう感じ取った。それに加え、一人称が「ボク」という、特殊なものであったので、そこから感じるものも会ったのかもしれない。

 

木綿季 「和人が言うならそうなのかも。…ねぇ和人、ボクって長髪と短髪だと、どっちの方が似合う…?」

 

木綿季は少し恥ずかしがりながら訊ねる。それはユウキと木綿季では、どちらの方を好んでいるか、と言うものと変わりはしない。

 

和人 「木綿季にはどちらも似合ってると思うぜ。」

木綿季 (うぅ…!照れちゃうなぁ…。)

 

まるでどちらの自分も選ばれたような、そんな喜びが込み上げる。

 

木綿季 「ど、どちらかと言うと…どっちの方が好き…?」

 

2人きりでこんな機会は早々ない、と木綿季は詰め寄って質問をする。ドキドキとしながら、まっすぐ和人を見つめている。

 

和人 「え、え?髪って女性の命とか言うんだろ?それを俺の意見何かでいいのか?」

木綿季 「ボクは和人の意見が聞きたい…。」

 

関係や接触は多いものの、あまり女性を意識する事が少なかった和人。自分の意見など到底アテになるものではない、とそう括っている。

しかし、木綿季にそう言われては、有耶無耶に誤魔化すのは申し訳ないだろう。和人は少し間を置き、自分の本心を口にする。

 

和人 「俺は今の木綿季の方かな。理由とか、そういうのはないんだけどさ。本当に何となく、こっちの方が似合ってると思うぜ。」

 

和人の答えを聞いて、木綿季は頭を下に傾け、赤くなる顔を隠した。

木綿季とユウキとでは、似ている所があるとは言え、やはり容姿が全く違う。ゲーム内での仮の姿の事を好いてくれたとしても、本当の自分も同じようとは限らない。

なので、比較された時、本来の木綿季を選んでくれたことは、素直にとても嬉しい事であったのだ。

 

木綿季 「そ、あ、うん…ありがとうね。なら髪を伸ばすのは辞めようかな。」

和人 「意見を求めるなら俺より適任者はいると思うんだが。」

 

他の誰でもない、和人に言ってもらうことに意味がある。これで木綿季の本日の目的の一つを達成した。木綿季には残り2つ目的が残っている。それらを達成しない内は、家に帰る予定はない。それほどの決意で満ちている。

 

木綿季 「そう言えば、和人の顔を何処かで見たことあるなーって思ってたら、SAOでボクと闘った時のキリトなのかな?」

和人 「あぁ、SAOではこの素顔をアバターに反映されてたからな。ALOでもそこまで変わりはしなかったけど、多少の違いはあるのかもな。」

 

ALOのキリトのアバターは、完全にそっくりとはいかないものの、かなり酷似したものである。そのため、木綿季は和人を見て、さほど驚きはしなかったのだ。

 

木綿季 「確かにALOのキリトも似てるよね。だからこそ、あのデュエルの時に、ボクもキリトだと分かったからさ。」

和人 「あぁ。見た目が変わってなくて助かった点があったな。」

木綿季 「ふふっ、そうだね♪」

 

和人と木綿季は、それから話に花を咲かせた。自分の趣味や、食べ物の好き嫌いなど、ごく一般なことばかりだが、それでも2人は熱中しておしゃべりを続けた。

お互いが他の周りのことについて、かなり注意散漫であったのだろう。コソコソと死角から2人を…主に木綿季を見つめる者が居ることに、まったく気づかなかった。

 

直葉 「さぁ…ズームして…カシャッと。よしっ、取れた!早速送信♪送信♪」

 

急用がある、と外出しているはずの直葉が、木綿季の写真を盗撮していた。それを迷うことなく明日奈達へ流出する。偵察部隊のお仕事は完璧な様子だ。

そして直葉は、2人に気づかれることなく、静かにその場から立ち去り、外出という体を持ち直した。

 

和人 「さてと、木綿季。これからどうするか?」

 

ある程度の話題が終わり、今後の予定作りへと移る。

因みに、まだ昼食までは時間がある。現在10時過ぎくらいだ。

しかし、まだ会って直ぐの異性と、外出にでも行きましょう、とは到底言えない。かと言って、ここでさようなら、となるのはお互いが望まない。

最善手となるのが、木綿季の希望を聞き入れることだ。

可能な範囲内なら何でもこい、と和人は木綿季の答えを待ち受ける。

 

木綿季 「ん〜、そうだな〜。和人の部屋を見てみたい…かな?」

 

少し悩んだ挙句、木綿季はそれを提案する。和人にも見られたくないものがあるのではないか、と思う木綿季には躊躇いが混じっている。

しかし、既に昨晩のうちに部屋を完璧な状態に整えている和人は、思わず心の中でガッツポーズを行う。元より、木綿季の思慮していた、そんな物は置いてはいないのだが。

 

和人 「あぁ、それなら全然構わないぞ。」

木綿季 「やった♪」

 

まるで余裕の表情で和人は席を立った。それにつられて木綿季も席を立つ。

 

和人 「俺の部屋は2階だから、付いてきてくれ。」

木綿季 「は〜い♪」

 

2階和人の部屋

 

木綿季 「ほへぇー、[黒]だね!」

 

木綿季は和人の部屋の入り口に立ち、部屋をぐるっと見渡した。

基本的に和人は黒色を好んで使う。ゲーム内でも、リアルでもそれは変わらない。

黒とは一番使いやすく、あまり目立たない。迷ったら黒、と物を揃えていると、いつの間にか部屋に黒が散りばめられている、という状態になっているのが今である。

 

和人 「何か嬉しくない感想だな…。」

 

汚い、乱雑などではないため、この評価はプラマイゼロと言ったところ。確かに平均よりも黒を多く使っている。だからといって、全体を黒く染めている訳では無い。そのため、もう少し良い感想が欲しかったのだ。

 

木綿季 「え、そ、そうかな…?あっ、パソコン2台もあるんだ、凄いね!」

 

木綿季が指す2台のパソコンの内、一つが普段使っているパソコン。もう一つが、ネットゲームをするための、ゲーム用パソコンである。

 

和人 「まぁ、これでも俺はインドア派だからな。」

木綿季 「ヘーソウナンダー。」

 

和人の木綿季は明らかな棒読みをかましてくださった。

和人が少し的外れな事を言うせいでもあるが、木綿季の棒読みはあからさまにも程があるものだった。

 

和人 「その喋り方で言われると、かなりショックなんだけど…。」

木綿季 「あはは、ごめんね。ボクはてっきりアウトドア派かと思ってたよ?」

 

木綿季はそう言い直すものの、やはりわざとらしい言い方であった。どうにも、和人がアウトドア派だと言い切る事は、嘘や建前でも不可能であるようだ。

 

和人 「まぁ、少しは俺も改善を心がけようとはしているからな。」

木綿季 「因みにボクもインドア派なんだよね〜。あんまり外へ出たくない性格なんだ〜。」

和人 「それこそ意外だな。てっきり木綿季は外で駆け回っているものかと。」

 

木綿季が閉め切った部屋でゲームをしている姿より、外で元気に遊んでいる姿の方が、イメージがしやすい。実際、木綿季はかなり動けそうな外見である。

 

木綿季 「ははは…昔はそうだったかな。…さてと、これからどうしようか。」

 

木綿季は話を切り上げ、整理された本棚に近寄る。そこにはゲーム関係の雑誌も並べられており、木綿季の目にそれらが止まった。

 

和人 「気になるのがあったら読んでくれて構わないぜ。座るなら、俺の椅子を使ってくれ。」

木綿季 「ありがとう!このゲームの記事を読みたかったんだ〜♪」

 

一番気になる雑誌を手に取り、和人の椅子に腰を下ろす。そして、パラパラと中身を読み始めた。

木綿季に自分の椅子を貸してしまったため、ベッドの上に腰かける和人。木綿季が楽しそうに雑誌を読むのを見て、聞きたかったが聞けなかった事を出す。

 

和人 「…ところで木綿季って何歳?」

 

木綿季は雑誌を読むのを一旦止め、和人の方を向いた。いつもと比べ、怪訝そうな表情を見せた。

そんな木綿季を見て、やはり聞くべきじゃなかったか、と和人は後悔する。

 

木綿季 「もぉ…和人。そういう事を聞くのはレディに失礼なんだよ?体重とか聞いたら一発でセクハラになる所だよ!」

 

口でそう言っているものの、顔は嫌そうな顔ではなくなっていた。若干嬉しそうな、そんな感情であるようにさえ見える。

 

和人 「いや、そうだよな、ごめん。けど俺はただ純粋に聞きたかっただけなんだ。本当に下心とか、そういうのじゃなくてだな…!」

 

しかし、こんな会話をしているこの状況、和人が木綿季に何かをしたと思われても仕方ないのだ。何せ付き合っていない異性と、個室で2人きり。そう疑わない訳がない、その条件が出揃っている。

ということより、和人は必死に弁明をする他ないのだ。言うことは間違いなく本音である。

 

木綿季 「あんまり焦らなくてもいいよ?別に和人になら何とも思わないからさ。…えっと、今ボクは15歳で、来年度から高校生になるね。」

和人 「良かった…。で、木綿季は15か。俺は木綿季の一個上だぜ。来年度から高2になる。」

 

木綿季が和人だからと、年齢を答えてくれたのだ。和人も教えないわけにはいかない。

 

木綿季 「ふ〜ん。やっぱり結構近いと思ってたんだよね〜。」

和人 「俺はもう少し下だと思ってたんだがな。」

 

木綿季ではなく、ユウキから予想していた年齢は、和人の2個したからそれ以下であったのだ。それでも年下という予想は的中であったのだが。

 

木綿季 「えーっ!なにそれ、ボクが子供みたいだ〜って、言いたいの?ボクってそんなに幼く見える?」

和人 「えーとまぁ、予想より大きかったってことだ、うん。」

木綿季 「もうっ、失礼しちゃうな〜。」

 

頬を膨らまし、木綿季は軽く睨むように和人を見つめる。どうやら木綿季にとって、幼いと思われることは、相当傷つくことだったようだ。

 

和人 「それじゃ、何高校に行く予定なんだ?もう決めているだろ?」

木綿季 「うん。〇〇高校を受験する予定だよ。もしかして和人の高校だったりする?」

和人 「ご名答だな。俺は木綿季の先輩になるようだ。」

 

ここで、2人の高校が重なることが判明した。偶然であるが、これからも交友関係を、継続して繋いでおける事が確定したことになる。

明日奈や他のメンバーとは違う高校のため、木綿季が一緒になったことは、和人にとっても嬉しい話であった。

 

木綿季 「やった〜♪これからも宜しくだね、和人先パ〜イ♪」

 

普通、先輩を付けて呼ぶ時は苗字が多い。しかし、親しみを込めた名前に先輩付け、ということらしい。

 

和人 「あはは…木綿季に先輩呼びされると、なんかくすぐったいな。呼ぶ時はいつもみたいで良いからな?」

木綿季 「え〜先輩呼びの方が高校とかではいいんじゃないの、和人先輩?」

 

木綿季は和人を先輩付けで呼ぶことにハマったらしく、和人を呼ぶ木綿季は笑顔でとても楽しそうである。

 

和人 「う、う〜ん…確かに先輩、って呼ばれるのはそりゃ、嬉しいっちゃ嬉しいんだけどさ。…木綿季からは普通に、いつも通りで呼んでもらいたいかな。」

木綿季 「…っ!?……か、和人ぉ…そういうのは反則だってぇ…!」

 

和人の思わぬ言葉が、木綿季の心にクリーンヒットしたよう。そんな木綿季は、真っ赤にした顔を手で覆い隠している。

 

和人 「え、えぇ!?俺が何かをしたのか…?」

木綿季 「違うのぉ、ちょっと…ううん、何でもなーい!」

 

一向に理由の分からない、理解不能な和人。気を紛らわすために雑誌へと切り替えた木綿季。2人の時間はもう暫し続いたのであった。




本来ならこの1日(約4500文字)を訂正して、1万近くにしようとしてたんです。が、1日の半分終わる前に7000を超える、問題発生によりこうなりました。


それと、私男子高校生やらせて頂いているのですが、やっぱりちょい過激キリユウ(いわゆるR18)を望む自分が居るのですよね。
ご希望としては、
・イチャラブ
・キリト(押し気味)→ユウキ(あまり乗り気じゃない)
ですね。ユウキには乱れて欲しくない、が絶対となるんですよね。

まぁ……自分15ですし、書かないし、読まないんですがね!(超書きたい)

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