突如、異世界へ召喚された元幻夢コーポレーション社長にして、今はCRメンバーの一人『檀黎斗』……いや『新檀黎斗』。  
 知識も技術も武力もコミュ能力も相応にある天才が、チートボーナスを与えられることもなく放り込まれた異世界で不敵に笑いながら生き抜く。  
 彼が持つ能力、それは『死んでも、98回まで生き返ります』という素晴らしい能力『CONTINUE』。そして、自らの素晴らしき『神の才能』!
 様々な困難が待つ異世界で、一体彼は何度死に、何度生き返り、何を掴み取るのか。  

 ※血も死体も出るかもしれませんが、『社長』はそんな派手なことにはなりません。

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 貴様らに神からの忠告だああああああっ!!この小説の作者はアニメやネットで見た程度の知識しかないため、キャラにおかしいところがあるかもしれない!
 それでもOKな君は、GAME STARTだああああああっ!!



Lv:ゼロから始める異世界生活

 《STAGE 1》

 黎斗 「なんと!この私は異世界に召喚されてしまったというのか!フフフ……別の世界でも神である私の才能を欲しているとは!」

 

 黎斗 「私の才能が恐ろしい……!」

 

 黎斗 「しかし、ここが何処なのかを知る必要があるな。RPGでも住民に話しかけることがゲームをクリアする方法の基本だからな。」

 

 黎斗 「すまないが、ちょっといいかな?」

 

 住民 「ああ?何だよ?」

 

 黎斗 「ここが何と言う街なのか、教えてくれないか?」

 

 住民 「なんだお前?田舎もんか?ここは一番東の街『ルグニカ』って言うんだ。」

 

 黎斗 「教えてくれてありがとう。お礼に神の恵みを授けよう。」スッ

 

 住民 「は?何だこれ?」

 

 ゲーム機 タドルクエスト!

 

 黎斗 「神の恵みを有り難く受け取るがいいっ!ヴァーハハハハハハハハァッッ!!」

 

 住民 「えっ!?おい、待てっ!」

 

 「なんかヤベェよ、あいつ……」ヒソヒソ

 

 「自分のこと神って言っちゃってるし……」ヒソヒソ

 

 「憲兵呼んだ方がいいんじゃねぇか……?」ヒソヒソ

 

 黎斗 「ヴァーハハハハハハハハハハッッ!!」

 

 

 《STAGE 2》

 路地裏

 カン 「おい、兄ちゃん!命が惜しかったら、持ち物全部置いていきな!」

 

 黎斗 「ほう、強制イベントまで再現とは。中々凝ってるじゃないか。」

 

 トン 「何言ってんだ、コイツ?頭おかしいんじゃねぇのか?」

 

 カン 「状況分かってねぇんだろ?教えてあげたらいいんじゃねぇかあ?」

 

 チン 「そうだな!おい、テメェッ!さっさと金目のモンを俺たちによこしな!さっさと言うとおりにしねぇと痛い目にあうぜ?」チャキ

 

 黎斗 「ヴァーハハハハハハハハハハッッ!!神である私を痛い目にあわせるとは、なんと無謀な!今の私にはその様なナイフはもはや掠り傷程度にも――」

 

 チン 「おうらっ!」ブスッ!

 

 黎斗 「ぐわああああああああーっ!!」バタンッ!

 

 カン 「プッ、ハハハッ!!!なんだよ、コイツ!あっさりやられてやんの!だっせぇっ!」

 

 チン 「まったくだな!さーて、そんじゃコイツの持ちモン頂戴して――」

 

 GAME OVER! シュゥゥゥゥ……

 

 トン 「うおっ!?き、消えたあっ!?」

 

 チン 「ど、どうなってやがる!」

 

 「ヴァーハハハハハハハハハハッッ!!」

 

 「「「っ!?」」」クルッ

 

 CONTINUE土管 プワンプワンプワン!!

  

 黎斗 「言った筈だ、私は神だと。神の前でどんなに足掻こうと無意味なのだああああああああーっ!!」テッテレテッテッテー!

 

 トン 「うわああああああーっ!!生き返りやがったっ!」

 

 カン 「こいつ、マトモじゃねぇっ!」

 

 チン 「逃げろおおおおおおおっっ!!」

 

 黎斗 「ヴァーハハハハハハッ!神である私に恐れをなしたかぁっ!ヴァーハハハハハハッ!ヴァーハハハハハハハハハァッ!!」

 

 エミリア 「そこまでよ、悪党。」ザッ

 

 黎斗 「ア゛?」

 

 

 《STAGE 3》

 エミリア 「ごめんね。あなたが探していた人じゃなくて……どうしたの?パパとママは?一緒じゃないの?」

 

 迷子 「ううっ……うええっ!」グスグス

 

 エミリア 「ああ、泣かないで!お姉ちゃんはあなたに何もしたりしないから!」

 

 黎斗 「何をやってるんだね。徽章を探さなくていいのか?」

 

 エミリア 「でもこの子は泣いているのよ!だから助けてあげなくちゃ!」

 

 黎斗 「理解しがたいな……」チラ

 

 迷子 「うええええっ!」グスグス

 

 黎斗 「……。」

 

 ~回想~

 デパート内

 幼黎 「うわーん、ママー!どこにいるのー!?ママー!」

 

 櫻子 「黎斗!」

 

 幼黎 「ママ!」ダッ!

 

 櫻子 「どこに行ってたの!?心配したんだから!」ギュッ

 

 幼黎 「ごめん、ママー!」グズグズ

 

 櫻子 「よしよし、怖かったね。もう大丈夫よ!」ナデナデ

 

 幼黎 「うんっ……!」

 

 ~回想終了~

 

 黎斗 「……。」スタスタ

 

 エミリア 「大丈夫、大丈夫よ!お姉ちゃんが必ずお母さんとお父さんを見つけるわ!だからもう泣かないで……クロト?」

  

 迷子 「うえええええんっ!」

 

 黎斗 「……。」スッ

 

 ペロペロキャンディー

 

 迷子 「ふえっ?」

 

 黎斗 「ひとまず、これでも舐めて落ち着いたまえ。」

 

 迷子 「えっ、ええと……」

 

 黎斗 「神の恵みだ。有り難く受け取りたまえ。」ニッコリ

 

 迷子 「ありがとう!」

 

 エミリア 「」ポカーン

 

 

 ~迷子を無事届けました~

 エミリア 「あなた、結構優しいところがあるじゃない。」

 

 黎斗 「勘違いするな。私は神として、迷える者を導いてやっただけのことだ。」

 

 エミリア 「素直じゃないんだから……」

 

 パック 「それはリアもでしょ。」

 

 

 《STAGE 4》

 盗品蔵

 エミリア 「パック、いける?」

 

 パック 「ごめん、スゴイ眠い。ちょっと舐めてかかってた。マナ切れで消えちゃう。」

 

 エミリア 「あとはこっちでどうにかするから、今は休んで。ありがとね。」

 

 パック 「君になにかあれば、ボクは盟約に従う。――いざとなったら、オドを絞り出してでもボクを呼び出すんだよ。」

 

 エルザ 「あぁ、いなくなってしまうの。それはひどく、残念なことだわ」

 

 黎斗 「ならば、私が相手をしよう。」ガチャ

 

『マイティーアクションエッークス!』

 

『デンジャラス、ゾンビ!』

 

 エルザ 「あらあら。」

 

 黎斗 「グレードX-0(エックスゼロ)……変身!」

『ガシャット!』

 

『ガッチャーン!レベルアーップッ!』

 

『マイティーアクショーン、エックス!』

 

『デンジャラスゾンビ!』

 

 エミリア 「姿が変わった!?」

 

エルザ 「素敵ねえ。それはあなたの加護なのかしら。」

 

 黎斗 「これは私の神の才能が生み出した結晶だあっ!」ガシャコンブレイカー!ジャ・キーン!ガッチャーン…

 

 エルザ 「いいわねえ。それじゃあ……」

 

 ビュンッ

 

 ガキィッ!

 

 エルザ 「ダンスの続きを始めましょう。」ギリギリ

 

 黎斗 「望むところだあっ!」ブンッ!

 

 ジャキン、ジャキン、ジャキン、ジャキーン!

 

 フェルト 「すげぇ……アイツと互角に戦ってる!」

 

 ロム 「これは勝てるかもしれんぞ!」

 

 ズハァッ!

 

 黎斗 「ぐわああああああああああーっ!!」

 

 GAME OVER! シュゥゥゥゥ……

 

 ロム 「やられおった!」

 

 フェルト 「にーちゃん!」

 

 エミリア 「きゃあああああっ!」

 

 エルザ 「あらあら、もうお仕舞いなの?残念ねぇ。もう少し楽しみたかったのだけれど。」

 

 CONTINUE土管 プワンプワンプワン!!

 

 エルザ 「あら?」

 

 黎斗 「フハハハハハハハハッ!!私は不滅だあっ!」テッテレッテッテッテー!

 

 エミリア 「ええっ!生き返っちゃった!」

 

 フェルト 「どうなってんだ!?」

 

 エルザ 「どうやらまだ楽しませてくれそうねえ。」

 

 黎斗 「私のライフは……残り『97』だあっ!」

 

 エルザ 「素敵ねえ。あと97回も楽しめるなんて。ぞくぞくするわあ。」

 

 黎斗 「コンティニューしてでもクリアする!」バッ!

 

   

 

 

 30分後

 ジャキン、ジャキン、ジャキーン!

 

 エルザ 「ふふふふふふふふふふふふふ。」ガキィッ!ガキィッ!

 

 黎斗(残り85) 「ヴァハハハハハハッ!ヴァーハハハハハハハハハハハハァッ!」ジャキィ!ジャキィ!

 

 エミリア 「な、なんだかあの人、怖い……。」

 

 フェルト 「アタシ、どっちがワルモンなのか分かんなくなってきたよ……。」

 

 エルザ 「本当はもっと踊っていたいのだけれど、そろそろもう終わりにしようかしら。」

 

 黎斗 「これで決める!」

 

 『ガシャット!』

 

 黎斗 「はあああああああああああーっ!!」ズバァァァァァァー!

 

 エルザ 「……ッ!」

 

 ドゴオオオオオオオオオオオオオオーンッ!

 

 ロム 「やりおったかっ!?」

 

 エルザ 「ああ、いいわ。こんな強烈な一撃。素敵だわあ。」ボロボロ

 

 フェルト 「嘘だろっ!?アイツまだ生きてやがる!」

 

 エルザ 「いずれ、この場にいる全員の腹を切り開いてあげる。それまではせいぜい、(はらわた)を可愛がっておいて。」ダッ

 

 黎斗 「おい待てぇっ!」

 

 

 

 ラインハルト 「盗品蔵の方で騒ぎが起こっていると聞いて、やって来たんだけど……」

 

 エミリア 「あ、あのさ、クロト!私を助けてくれてありがと――」

 

 黎斗 「エルザアアアアッ!出てこいいいいいっ!ゲームはまだ終わっていないぞおおおおおおおおおっ!」  

 

 フェルト 「うっせぇよ!もう少し静かにしろよ!」

 

 黎斗 「エルザアアアアアアッ!エルザアアアアアアアアアアアアッッ!!」

  

 ラインハルト 「これはどういう状況なのかな?」

 

 

 《STAGE 5》

 レム 「姉様は優しすぎます。」ブンッ!

 

 黎斗 「ぐわああああああっ!!」ドガアッ!

 

 

 

 ロズワール邸

 エミリア 「あら、おかえりレム。遅かったじゃない。」

 

 レム 「すみません、エミリア様。ごみ掃除に手間取ってしまって――」

 

 黎斗 「それは大変だったねえ。神の恵み(紅茶)で疲れを癒したまえ。」

 

 レム 「」

 

 

 《STAGE FINAL》

 ユリウス 「イアが突然クロトの身から弾かれた時点で、嫌な予感はしていたが……」

 

 フェリス 「どういうこと!?」

 

 ユリウス 「あれはクロトではない!」

 

 ベテ黎 「そう、私は魔女教大罪司教怠惰担当――ベテルギウス・ロマネコンテ――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 “新檀黎斗”だあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛っ!!」

 

 ユリウス 「ッ!?」

 

 フェリス 「クロトきゅん!?」

 

 ベテ黎 「何故!?何故何故何故何故何故何故何故なのデス!?ワタシの支配が効かない!?こんな、こんなことが――黙れええええええええっ!!貴様ごときの存在が、神である私の体を支配するなどおこがましいっ!」

 

 ユリウス 「クロト!意識があるのか!?」

 

 黎斗 「おぉいぃっ、ユリウスゥッ!貴様の剣で……コイツを私ごと始末するのだああああああああああーっ!!」

 

 ユリウス 「なっ……いきなり何を言うんだ!そんなことは出来ない!」

 

 黎斗 「早くしろおおおおおおおおっ!ここでコイツを倒さなければ……私達は……今度こそゲームオーバーになるのだぞおおおおおっ!」

 

 ユリウス 「しかし……!」

 

 黎斗 「おい、フェリスゥッ!!」

 

 フェリス 「ッ!」ビクッ!

 

 黎斗 「やれ……!」

 

 フェリス 「……!」

 

 ユリウス 「フェリス?」

 

 フェリス 「恨んでいいよ……私も恨むから。」ブワァッ!

 

 ベテ黎 「ぐわああああああああああああああああーっ!!」

 

 ユリウス 「ッ!……フェリスッ!!」

 

 フェリス 「他の誰にも出来ないでしょ……?」

 

 フェリス 「クロトきゅんのこれが望みなんだよ……!」

 

 ユリウス 「だからと言って――」

 

 フェリス 「私が喜んでやったと思うっっ!?」

 

 ユリウス 「ッ!!」

 

 フェリス 「クルシュ様のためのこの力を……殿下に約束した力でこんなこと……!」

 

 ベテ黎 「ああああっ……馬鹿な馬鹿な馬鹿なこの私が……やっと手に入れたこの器が――神の器はこの私のものだあああああっ!!貴様が手にする資格はないいいいいっっ!!」

 

 ユリウス 「……。」スッ

 

 チャキ

 

 ユリウス 「君とフェリスに望まぬ決断を強いたのは、私の不徳だ。」

 

 ユリウス 「いずれ罰を受けるだろう。」

 

 ベテ黎 「有り得ない!私が!私が滅ぶことなど!有り得ないのデス――そうだとも!私は神なのだ!神は永久に不滅なのだあああああああーっ!!」

 

 ブンッ!

 

 ズバァァァァァァー!

 

 黎斗 「私は……不滅だああああああああああああーっ!!」シュゥゥゥ

 

 GAME OVER!

 

 ユリウス 「クロト……!」

 

 フェリス 「クロトきゅん……!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 チュインチュイン!

 

 「フゥッ!」ピューンッ!

 

 スタッ!

 

 黎斗 「さあ、ベテルギウスも倒したことだし、さっさとエミリアのところに戻ろうか。」

 

 「「……。」」

 

 フェリス 「ハァ……こうなることは知ってたけどさあ、少しは自重した方がいいんじゃない?」 

 

 黎斗 「私は新檀黎斗!神である私に敵うものは存在しないのだああああああああああっっ!!ヴァーハハハハハハハハハハッッ!!」

 

 悪辣なる怠惰を司る男よりも耳障りな神の声が森に響き渡った。

 

 

 

 

 サテラ 「おのれディケイド!」

 

 See you next game……?

 

 




 本当はラムにふかし芋ぶっこまれたり、パックや白鯨と対決する社長も書きたかったが、何故かネタが思いつかなかったから無しになってしまった。これも全部白鯨ってやつの仕業なんだ。


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