妖精のいる飲食店   作:ふくちゃん
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夢の残骸

“あれ”

 

そういってローズが指差したのはとても大きいもの。

 

魔道具の扉は店の建物に入りきらないはずの大きさの建物の中に繋がっていた。

 

その中に鎮座するものもまた、大きなものであった。

 

「あれは空間航行船“天鳥船”です。」

 

 

「空間航行船だと?あれは船なのか?」

 

アメーリアが混乱してはいるがなんとか質問を口に出した。

 

「厳密には違いますね〜。全長およそ355m、全幅は74.2mの空中、水上、水中そして宇宙空間など全領域で航行可能な乗り物です〜。」

 

 

「「なっ…!」」

 

 

二人が絶句し、必死に次の言葉を紡ごうとしたその時…

 

 

ーーコンコン。

 

 

ノックの音が響いた。

 

 

ーーーーリョウside

 

「珍しいわね、リョウがそんなふざけ方するなんて。」

 

「えー。マリアがちょっと気負いすぎな感じだから気を遣ったのにそんな反応かよ〜。」

 

ふざけた後もカウンターで話している。

 

他のお客さんの対応したりもいてるから途切れ途切れだけどね。

 

「ったく、相変わらずなのね。」

 

ダメなのかな?

 

「だ、誰がそんなこと言ったのよ!あんたはそのままお人好しでいればいいの!」

 

はいはい。

 

「本当にもう…。はぁ…。」

 

 

「ため息なんかついちゃってどうしたの?」

 

「少し情けなくなったのよ。何もかも助けてもらってばかりでね。あーあぁー、何にも縛られない場所とかないかなぁ。いっそ空を浮かぶ島とかでもいいから…。」

 

「それだ!」

 

「ひゃっ!」

 

マリアが突然上げた僕の声に驚き、変な声を出した。

 

それが面白くて笑いながらマリアの方を見ると、少し顔を赤くして、こちらをジト目で見てきた。

 

「なによ。リョウのせいでしょ!」

 

「はは、ごめんごめん。ちょっとついてきて。声を上げた理由見せてあげる。ベラ、少し外すから料理は“ストレージ”からお願いね。」

 

おっけーという声が聞こえたのを確認し、ベラを連れて奥へ行く。今日の朝、女騎士二人に見せたあの扉だらけの部屋へ。

 

 

ーコンコン

あれ?返事がない。ただの…ゲフンゲフン。

 

入りますね。

 

ーガチャ

 

ありゃいないや。

 

女騎士二人はまた訓練かもしれないからまだしもローズはどこに?

 

あれ、一つだけ扉がほんの少し空いてる。

 

ここかな?でもこと扉って…。

 

まあいっか。用があるのもこの部屋だし。

 

マリア、ついてきて。

 

ん?扉の向こうから何か聞こえるね。

 

『厳密には違いますね〜。全長およそ355m、全幅は74.2mの空中、水上、水中そして宇宙空間など全領域で航行可能な乗り物です〜。』

 

気づかれないように扉を開けきってからわざとらしくノックをする。

 

ーコンコン

 

さーて、ローズさんにお二方?なにもしていらっしゃるんですか?

 

 

 

 

 



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