UQ HOLDER! ~闇の福音と空虚の不死人   作:瑠璃色伽瑠摩@氷蓮雪乃
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久しぶりの投稿です!

今回はいつもより、文字数少ないですがお許しを!!


拾柒: 真の『闇の魔法』

「随分、我が愛弟子を痛めつけてくれたもんだな、クソガキ」

 

金髪を靡かせ、白のシャツにタイトスカートをを身につけた雪姫は、いつものようなすました顔でも微笑む顔でもない。 それは、久しぶりに見た怒りの顔だと、焼ける痛みに唇を噛み締め桂香は思った。 喉が焼け息がうまく出来ず、おまけに腹部の傷はまだ修復しきっていない。 いや、修復がいつもより遅い。

 

「よぉ、桂香。 無事か?」

 

「甚兵衛さん、あの傷で無事だと思いますか?」

 

「あはは、甚兵衛さんらしいね」

 

カフェの店員のようなエプロンを身に着けた甚兵衛と、刀を手に構える源五郎、そして、白衣を纏い微笑みを浮かべる飴屋が、桂香の方を振り返り告げる。 一見、隙だらけに見えるかもしれないが、彼らはヒシヒシと警戒心を醸し出している。 それに気づけるのは、熟練の武闘家や達人、そして、魔法使いといった彼らのような超人にしかわからないものだ。 桂香は彼らの言葉に頷き、修復の為に全魔力を傷部分へと収束させる。 甚兵衛達はそれを確認すると、それぞれ得物を構える。 甚兵衛は拳を、源五郎は刀を、飴屋は機械を。

 

そして、雪姫が放った氷の槍を合図に全員が動いた。 UQホルダーでも最強とも言える四人が相手となれば、例え少年でも一溜りもないだろう。 だが、その少年は、雪姫が放った氷の槍を右手で埃を払うように振る動作だけで霧散させる。 おまけに、それは爆発的な風圧を生み、甚兵衛達を吹き飛ばした。

 

そして、少年は両腕を体を抱き、三日月型の笑みを浮かべ頬を朱に染めて快感を得る快楽者のような声で、

 

「白き翼所属、ルードゥス・ロドゥルア。 以後お見知り置きを、UQホルダーの皆さん♪」

 

そう名乗りをあげた。

 

「白き翼・・・そうか。 貴様・・・アイツの仲間だな」

 

雪姫は地に降り立ち、ルードゥスと名乗る少年に告げる。 ルードゥスはニヤリと笑い、首肯を示す。

 

「そうそう、忘れていたんだけど。 ここに来たのは僕だけじゃないんだよねぇ。 ほら、来

たみたいだよ、戦闘部隊(かれら)が」

 

ルードゥスは空を指さすと、そのタイミングで、バタバタバタと回転翼(モーター)音が響いてきた。 それは幾つもの戦闘ヘリだ。おまけに、大量の装甲車の駆動音。 そして、装甲車や戦闘ヘリから何体もの宇宙服にも似たスーツを身につけ銃器を構えた隊員達が桂香達を囲むように姿を現す。

 

「チッ、よりにもよって、最新鋭の特殊戦部隊か。 お前達、アイツらは任せる。 私は桂香を守りつつ九郎丸と刀太達と合流する」

 

雪姫は未だに腹部の修復を行う桂香の体を抱き抱えて、甚兵衛達に告げる。 彼らは、

 

「仕方ねぇな。 UQホルダーNo.2、宍戸甚兵衛。 やってやるよ」

 

「女主人の命令ならば断る理由もない。 UQホルダーNo.6、真壁源五郎」

 

「同じく、UQホルダーNo.11、飴屋一空」

 

甚兵衛は拳を構え、源五郎は刀を鞘から抜き放ち、飴屋は手のひらの中心が開きレーザーの発射口を向ける。

 

「テメェら、俺達UQホルダーに手をだすってこたぁ、ぶっ飛ばされる覚悟はあるってことでいいんだよなぁ!!」

 

甚兵衛はそう叫び、その声を合図に源五郎と飴屋は攻撃を開始した。 それに対し、特殊戦部隊の隊員も攻撃を開始する。 そこからは、不死身衆(ナンバーズ)による殲滅の始まりだった。 そして、その殲滅戦の中、ルードゥスはいつの間にか姿を消していた。

 

 

その頃、借りた家にも特殊戦部隊が襲撃しに来ていた。 刀太は意識を失っている為、九郎丸はひとりで抵抗していた。 だが、九郎丸はひとりでは数分も持たない。 ならばと、九郎丸は目眩しのために、『昇銀竜(のぼりぎんりゅう)千輪菊(せんりんぎく)光露(こうろ)』を放つ。 普段は、狼煙替わりに使ったり、宴会芸で使うものなのだが、目眩しにも使えるのだ。 火花が散り、閃光弾以上の光が借家を包み込んだ。 九郎丸はその中で、素早く刀太を抱き抱え、外に飛び出した。

 

外では、所々で爆発音が響いている。 途端、上空から氷の降り注いでいるあたりを見つけた。

 

「あれは、雪姫殿の魔法!」

 

九郎丸は刀太を落とさないようにしっかりと抱き抱え、雪姫のいる辺りへと向かう。 背後からは何体もの特殊戦部隊の隊員達が追いかけてくる。 九郎丸は気を操り、『瞬動術』を何度も使い、その場から急いで逃げる。 やがて、雪姫の姿を捉えると、そこには、膨大な量の魔力で形成された四枚の白と黒の翼に、術式礼装『剣帝(レクス)()破王(グラディネラ)』を身にまとっているが、その闇色は今まで以上に禍々しく紅闇に染められた空洞桂香だった。

 

「け、桂香君!?」

 

九郎丸は、最初、目の前にいる友の不気味な姿が信じられないと思った。 しかし、それは間違っていない。 途端、桂香がいた辺りに、氷の槍が降り注いだ。九郎丸はそれが雪姫の魔法だと遅れて気づいた。

 

「雪姫殿! な、何故、桂香君に魔法を!?」

 

「決まっているだろう。 あのバカは暴走している。 どうやら、闇の魔法を今まで制御できていたのは、桂香が造られた時に組み込まれたあの黒い『何か』のお陰だったらしい。 が、先程、現れたあの少年に奪われたらしくてな。 全く、世話の焼ける馬鹿だよ、あいつは」

 

雪姫はフッと笑い、告げた。 刹那、九郎丸と雪姫を囲むように、幾百幾千幾万の剣が展開され、射出された。 四方八方からの殺戮の檻ともとれる攻撃。

 

「フッ、この程度で私を倒せると思うなよ、桂香」

 

雪姫は全方位に障壁を展開し、全ての剣を弾き返す。 そして、こう呟いた。

 

「術式固定、掌握」

 

途端、雪姫の艶のある体が氷で造られた美しいドレスに覆われ、背後には巨大な氷。 それはどんどんと氷圏を展開していく。

 

「術式礼装『(クリュスタリネ)()女王(バシレイア)』」

 

それは正しく氷の女王。 触れれば壊れてしまいそうな程に美しく、それでいて危険に思わせる。

 

「特別授業だ、桂香。 貴様に本物の(マギア)()魔法(エレベア)を見せてやろう」

 

雪姫はそう告げて、桂香に向けて氷の槍を放ったのだった。




今回、雪姫の術式礼装出ました!

そして、桂香が暴走しましたね!

それではまた次回に!!







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