園崎リクはジードである   作:彩花乃茶

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 RBの次回予告に出てきたオーブダークを見て「なんか思っていたのと違う」と思ったのはきっと少なからずいるはず。


壊されたジードライザー

~~リク~

 

 振り返った矢先に飛んできた1本の鎖鎌。僕はその刃を避けようとしたけど・・・完全には避けきれずに腰の辺りを掠めた。鎖鎌はとても人間業とは思えない凄い速さで引き戻されて、飛ばしてきた相手の顔を確認することは出来なかった。

「リクさん!?」

 

 銀は勇者に変身して周囲を警戒しつつも腹部を押さえてる僕に駆け寄って来た。

「リクさん怪我は?」

 

「ただ掠っただけだから大した怪我じゃないよ。・・・だけど問題は・・」

 

 僕は腰につけていたジードライザーを手に取る。さっきの鎖鎌でジードライザーがひび割れてしまったんだ。

「これ・・・大丈夫なんスか?」

 

「分からない。いったん星雲荘に帰ってレムに確認を取らないと」

 

 このまま変身できなくなるってことがなければいいんだけど・・・。

 

 

~~???~

 

「はい!お仕事終了!」

 

 ライザーさえ壊せればもうリクさんはウルトラマンジードに変身することはできないわよね。

「いや~。丁度いいタイミングであの宇宙人が来てくれて良かったですよ」

 

 悪意のない相手と戦い終えたタイミングは警戒心を完全に解いてくれるから、まさに攻撃のチャンスですからね。

「とりあえずこれでウルトラマンジードを戦闘不能にはできたけど・・・」

 

 伏井出先生からはウルトラマンジードを倒せって言われてたぐらいで特にそれ以外の話は受けてないんだよね。ウルトラマンゼロは・・・いずれ相手にするけど今はまだその時じゃないね。

「あのハデハデなグラサンを盗めれば勝ち目はあるけど・・・人格が2つあるあの人から奪うのはちょっと難しいのよね」

 

 だったら戦闘でゼロを倒すのがベストなんだけど、万全じゃないはいえあのウルトラマンゼロですもんね。そう簡単に上手くいくかどうか・・。

 

 

~~リク~

 

 星雲荘に戻ってすぐ、僕は霞にわき腹の擦り傷の手当てをしてもらいながらレムに壊されたジードライザーを修理してもらおうとしていた。

「それでレム。ジードライザーは修理できそうなの?」

 

『可能です』

 

 良かった。修理できそうなんだ。

『ライザーはあくまでもウルトラカプセルに宿る力を解放するための装置です。なので量産も可能となっています』

 

 だから伏井出ケイはあんなにライザーを作ってるのか。

『ですがウルトラカプセルは製作者であるウルトラマンヒカリ以外では量産不可能ですので今後は気を付けてくださいね』

 

「わ、分かってるよ」

 

「ところでリクと銀はその攻撃をしてきた犯人を見たの?」

 

 霞は攻撃してきた犯人の顔を見たのかと僕と銀に尋ねてきたけど・・・僕らは首を横に振った。

「声が聞こえてきたと思ったらいきなり鎖鎌が飛んできたんだ。避けようとしたせいで相手の顔までは・・・」

 

「あたしも攻撃を喰らいそうになってるリクさんに気を取られて相手の顔までは・・・」

 

「そうですか。ですがジードライザーを狙ってきたことから相手はライザーの使い方を知っている者。つまりは先日の戦いでベリアル融合獣にフュージョンライズしていた新たな造反神側の勇者と考えるのが妥当でしょうね」

 

 やっぱりそういうパターンか。

「だがそうなると次の勇者は誰だ?もうタマ達が知ってる勇者なんていないだろ?」

 

 タマ達が知っている勇者は身内の若葉達5人と歌野ぐらいだった。つまり今回僕に攻撃を仕掛けてきた勇者はこっちと完全に面識のない相手っていうことになる。

「たぶん相手の勇者が姿を見せないのはこっちに正体を知られてない方が都合がいいからだと思います」

 

「顔が知られてないならあちらから近づいてくることも可能・・・ということか。だとしたらどうする?」

 

「どうするって何がだ?」

 

「この後からやってくるかもしれない勇者を簡単に星雲荘には招き入れれなくなるってことだよタマっち先輩」

 

 今後やってくる勇者は造反神側かもしれないから信用しにくくなるってことか。確かに難しい話だね。

「相手は銀や歌野の時のように直球な相手でもなければダークザギのように陰湿な手段でもない。まるでこちらの出方を伺うように様子見をしつつ、攻め時と判断した時には正体を明かさないながらも攻撃を仕掛けてくる。ある意味では伏井出ケイ以上に狡猾な相手だ」

 

 若葉がそこまで今回の相手を評価するなんて・・・今回の造反神勇者は高奈の時並に大変そうだ。

「だけど今ならその相手の油断を誘えるよ」

 

「どういうことですか霞さん?」

 

「相手はきっとリクのジードライザーを壊したから少なくとも今はジードはでてこないって思ってるはず。だとしたら相手が表立って動くとしたらきっとこのタイミングだよ」

 

「なるほど。リクさんがジードになれないことを逆手に取るというわけね」

 

 東郷も霞の作戦に乗っかってくる。そしたら友奈がふとした疑問を口にした。

「だけどその人ってまだゼロとは戦おうとしていないよね?いったいなんでだろ?」

 

 確かにその造反神側の勇者は僕ばかりを狙って来てるよね。

「やっぱり同時に相手にするよりだったら1人づつ確実に倒したほうがいいって考えたんじゃないの?」

 

「ゼロの場合は単純に戦うのを避けられてるっていう可能性もあるけど・・・効率よく倒すとなれば確かに発展途上のジードから狙ってくるのは間違いではないわね」

 

「だとするとやっぱり次に狙われるのは私とゼロかな?」

 

「大丈夫よ友奈ちゃん。友奈ちゃんは何があっても私が守るから」

 

 友奈は次に狙われるのは自分とゼロなのかと思ってて、いつも通り友奈のことで東郷が暴走しかかってるけど・・・今は気にしない。

「それと考えられる可能性としてはもう1つ。今回は銀や歌野の時と違ってジードを鍛えようとしてるんじゃなくて、倒しにかかってる。元々伏井出ケイはリクが集めたウルトラカプセルを横取りするのが目的だったっぽいし・・・それが失敗に終わったとなるとその邪魔をしたリクを最優先に狙ってたとなると辻褄は合うんだ」

 

「確かに霞さんのいう通りですね。ジードライザーを破壊できたことで相手側の勇者はこれでジードを無力化できたと判断し、次の動きを見せるはずです」

 

「次の動きって・・?やっぱりゼロ?」

 

「ゼロの可能性も捨てきれないけど・・・最優先されそうなのが造反神の目的・・・。神樹様の破壊の方でしょ?」

 

 希美さんの言葉に霞とひなたは頷いた。神樹様がやられるとこの世界が崩壊してしまう。そんなこと、させちゃ駄目に決まってる。

「なので次に造反神側の勇者が動いた際にはジードライザーが1度壊された程度ではリクさんを無力化できないという事実をギリギリまで伏せて動いて欲しいのです」

 

「それが相手の正体を探るための最大のカードになるからね」

 

 

 

~~???~

 

「さてと・・今日は昨日分かった組み合わせで行ってみましょうか」

 

 軽く準備運動をした私はスマホアプリのワンタッチで変身しつつ、金色のザ・ロボットって感じの怪獣と白いドラゴンみたいな怪獣のカプセルを起動する。

「防人候補の力、お借りします!」

『フュージョンライズ!』

 

「やめ、やめて。・・・きゃぁぁぁっ!?」

 

 そんでもって2つのカプセルをセットしたナックルをライザーでスキャンしてそのカプセルの力を解き放つと今回も変わり身として用意した防人候補の子に闇を注ぎ込んだ。

『キングジョー!』

『ギャラクトロン!』

『ウルトラマンべリアル!キングギャラクトロン!』

 

 防人候補の子は半分が白っぽい装甲に半分が金色の装甲。そんなドラゴンみたいなロボットの怪獣にフュージョンライズをした。さてさて・・・上手く乗せられてくれますかね。

「シュァ!!」

 

「おっ、きましたね」

 

 予定通りウルトラマンゼロが現れてくれて、周囲の景色が樹海に変わっていく。

「お前がジードのライザーをぶっ壊した犯人か?」

 

「・・・・・」

 

 ゼロは防人候補がフュージョンライズしてるキングギャラクトロンに問いかけている。今の彼女は私の操り人形で返答するなんてできないんですけどね。

「悪いけど私、勝つためなら手段は択ばないタイプなんですよ」

 

 ゼロとまともにやりあう気はない私は忍法・光学迷彩の術で忍びつつもキングギャラクトロンを見上げながらさらに別のカプセルも取り出す。

「この子で行ってみようかな!」

『スペシャルモンスター!』

 

 そのカプセルに宿っている力を解放してその怪獣を召喚する。恐竜のようなフォルムをした機械の怪獣メカゴジラ。背中にはスラスターなんかをつけて肩には砲身までつけちゃってくれてる。

「それじゃゼロはよろしくね。キングギャラクトロン!出撃!」

 

「おい!待ちやがれ!」

 

 キングギャラクトロンを追いかけようとするウルトラマンゼロをメカゴジラに任せつつも、キングギャラクトロンを神樹様の方に向かって前進させた。別に私自身はこの世界の住人じゃないので神樹様ってのはどうなろうとどうでもいいけど・・・一応造反神のお力でこの世界に来たわけですから少しはソッチ側として対応してあげますか。

 

 

 

~~友奈~

 

 

「おい!待ちやがれ!」

 

 ゼロはベリアル融合獣のキングギャラクトロンになってるあっち側の勇者を追いかけようとしたけど、機械の怪獣がゼロの行く手を阻んだ。

「この怪獣・・・何だか前に戦ったゴジラってのと似てる気がするな」

 

『ゴジラ?』

 

「俺がクライシスインパクトの時にタロウとウルトラマンと協力して封じ込めた怪獣だ。こいつの見た目、それに似てるんだよ」

 

 クライシスインパクトの時の怪獣?それと似てるこの怪獣っていったい・・・?

『ねぇレムさん。この怪獣は?』

 

『MFS-3。3式多目的戦闘システム。通称・3式機龍。とある次元の人類がゴジラに対抗するために作り上げた決戦兵器です』

 

 なるほど。ゴジラに対抗するためのものだからゴジラみたいな見た目をしているんだね。

「へっ。要するにゴジラを倒すために似たような見た目に作った機械ってこったろ?そんなん速攻でぶっ壊してやるぜ」

 

 ゼロはゼロスラッガーを手に取って機龍に斬りこもうとしたら、機龍はゼロの両腕を掴んでその攻撃を止めた。

「チッ・・。放しやがれ!」

 

 機龍を蹴り飛ばして距離を取ったゼロはエメリウムスラッシュで攻撃しようとしたけど、機龍はエメリウムスラッシュを撃つよりも先にミサイルを撃ってきた。

「オォラぁっ!!」

 

 ゼロスラッガーを振り上げたゼロはそのミサイルを真っ二つにしたら・・・機龍は胸の辺りを開いてエネルギーをそこに集中させていた。

『ゼロ。気を付けてください。あの兵器はアブソリュート・ゼロ。超低温レーザーによって対象を凍結し、分子レベルまで分解してしまう超兵器です』

 

「物騒なものを撃とうとしやがって。・・・チッ・・!」

 

 ゼロは放たれようとしてるアブソリュート・ゼロを避けようとしたけど・・・私達の後ろの方には東郷さん達がいて、避けるに避けられなかった。

『ゼロ!ゼロビヨンドに・・・!』

 

「間に合うわけねぇだろ!撃たれる前にぶっ壊す!ゼロツインシュート!!」

 

 撃たれる前に壊すと決めたゼロはゼロツインシュートを機龍目掛けて撃ったけど、機龍もほぼ同時にアブソリュート・ゼロを撃ってきた。

「オォォォォ!!」

 

「きゃっ・・!?」

 

 ゼロツインシュートとアブソリュート・ゼロがぶつかり合う。その威力は互角だったけど2つの力の余波が後ろにいる東郷さん達まで吹き飛ばされそうになっていた。

『ゼロ!東郷さん達が・・!』

 

「ちっ!!」

 

 光線を撃つのを止めたゼロはバリアを張って後ろにいる東郷さん達を守り出す。だけど機龍のアブソリュート・ゼロはそのバリアでも防ぎきれない勢いで・・・ゼロはバリアで防ぎきれずにアブソリュート・ゼロが直撃しちゃった。

 

 

 

~~東郷~

 

「友奈ちゃん!?」

 

 私達の事に気を使うあまり機龍と呼ばれる鋼の怪獣の一撃を浴びてしまったゼロは氷漬けにされてしまった。ゼロのことだからあの程度じゃ死なないとは思うけど・・たぶんすぐに動けそうにはないわね。

「レム、リクさんのジードライザーは?」

 

『修復完了まであと5分ほどかかります』

 

 つまり私達はゼロを戦闘不能にした機龍という怪獣と以前私達が危機的状況に陥った機械の竜・・ギャラクトロンを素材とした融合獣をその間足止めしなければならないということなのね。

「3人とも。ゼロが復活した時のことを考えて満開は使わないようにしてね」

 

 風先輩の言葉に私と樹ちゃん。そして夏凜ちゃんの3人は頷いた。恐らくあの2体は流石のゼロも通常形態で相手にするには難しいわよね。

「ならここはあたしが満開を使ってみますか!満・・開ッ!」

 

 銀はここは自分が満開すべきだと言い出して、ゼロカプセルを取り出しながらさっそく満開を使おうとしたけれど・・・何も変化が起きなかった。

「あれ?何で?」

 

 どういう訳か銀は満開が出来なかった。銀の端末はちゃんと伏井出ケイから与えられた物から交換されて私達と勇者システムの企画は同じはずなのにどうしてかしら?

「使えないもんを考えてもしょうがないか。とにかくまずはあの機龍ってのをぶっ倒す!」

 

「ミノさん!私の船に乗って!」

 

 既に満開を使っている園っちはそれに銀を乗せて機龍へと向かって行く。

「ったくあの娘達は独断専行しちゃって・・・アタシ達現代勇者チームはあっちの機龍の方に!若葉達たち西暦チームと怪獣娘チームはキングギャラクトロンをお願い!」

 

「分かった!」

 

 風先輩の指示で若葉ちゃん達西暦組と怪獣娘組はキングギャラクトロンへと向かって行く。

「ちなみに風先輩、分け方の基準というのは・・?」

 

「機龍の方はそのままゼロに相手をしてもらうためよ」

 

 単純な理由だけど、その方が支援しやすいというのは確かね。

「ナビアプリによれば機龍はあの冷凍ビーム以外は現代兵器の延長線みたいなものっぽいし、あのビームにさえ気を付けて戦えばゼロとジードが復活するまでの時間は稼げるはずよ」

 

 風先輩はそう言いながらカプセルの力を発動して炎の円を機龍へと放って攻撃を仕掛けた。その一撃は機龍の右肩へと直撃すると、右肩の砲身の破壊に成功した。

「どうやらアタシ達の攻撃も効かないわけじゃないようね」

 

「だけどどうするの風。満開しちゃいけない以上倒せはしないのよ?」

 

「ゼロさんと友奈さんが復活するまで時間を稼げればいいって言っても・・・ゼロさん達が復活するタイミングなんて分からないし・・」

 

「大丈夫だって樹。あたし等が諦めてない限りゼロは復活するって。・・・ほらね」

 

 銀の言葉とともに氷漬けになっているゼロから蒸気が噴き出していた。氷が急速に溶かされ、蒸発しているからだ。

「この程度の氷で俺をどうこうしようなんざ・・・2万年早いぜ!!」

 

「うわっ!?熱波襲来!?」

 

 氷漬けから自力で抜け出てきたゼロは赤い姿に変わっていた。あの赤いゼロになっているという事は禍々アークベリアル以来久々に腕輪が復活したのね。

「ふぅ・・。久々にウルティメイトブレスレットが復活してくれたおかげで助かったぜ」

 

「みんな!」

 

 銀の言葉に頷いた私達4人は赤いゼロにカプセルを投げ渡すと、赤いゼロはゼロビヨンドへとその姿を変えた。

「さっきはよくも氷漬けにしてくれたな。今度は俺が熱いのをお見舞いしてやる」

 

 そう告げたゼロビヨンドは全身の力を解放すると光の塊となって機龍へと体当たりをする。その光の塊が通り過ぎるとともに機龍が爆発をすると、光の塊はゼロビヨンドの姿へと戻った。

「ダイナモキャノンボール・・」

 

「後で言うのね・・」

 

 珍しく技名を後で言ったゼロビヨンドのカラータイマーは赤く点滅していた。氷漬けから解放されるとさっきの大技で一気に消耗させられたのね。

「チッ。こっちはここまでか・・」

 

 ゼロビヨンドは悔しそうな反応をしながらその変身を解き友奈ちゃんの姿に戻った。

「大丈夫友奈ちゃん?寒くない?」

 

「私は大丈夫。だけど若葉ちゃん達は・・・」

 

 ゼロと一体化しているというのもあるけれど、勇者衣装になっていたおかげで凍傷らしい怪我もなかった友奈ちゃんは自分のことよりも融合獣と戦う西暦組のことを心配していた。

「若干押され気味のようね。・・・でも大丈夫よ友奈ちゃん」

 

 私は端末の時刻を確認すると戦闘が始まってから5分が経過していた。

「もう5分が過ぎてる。リクさんが来るわ」

 

 

 

~~???~

 

「おっ!メカゴジラ君、あのウルトラマンゼロを足止めするだけじゃなくこっちに来れないぐらい消耗させるなんて大健闘ね!」

 

 ちょっと向こうの様子はどうかなって思って確認してみたらメカゴジラはやられちゃったけどウルトラマンゼロも変身解くほどには消耗してるし・・・いや~、正直あそこまで頑張ってくれるなんて思ってませんでしたよ。

「タァァっ!」

 

「オラぁっ!」

 

 キングギャラクトロンの装甲がめっちゃ硬いおかげであちらさん側の勇者サマ方の攻撃はまったくと言っていいほど効いてない。船っぽいのに乗ってる紫の衣装の人と時々飛んでくるウルトラカプセルの力を使ってるっぽい技にさえ気をつけてれば、後は気にせず神樹様にアタックするだけだね。

「そう簡単に物事は進まないものよ」

 

 この声・・・。あの鞭を武器にしてる人ね。あの人も規格外な強さがあるけど、この装甲をどうにかできるようなことは出来ない・・と思いたいかな。

「とはいえあれは私でも難しそうだし・・・お願いするわ。リクさん」

 

「えっ?」

 

 鞭を武器にする人の隣にはウルトラマンジードに変身するリクさんが立っていた。ライザーを壊したから変身できないはずなのにどうしてここに来てるの?

「ジーッとしてても・・・ドーにもならねぇ!」

 

 しかもリクさんったら壊したはずのライザーを持ってくれてるし・・・あれってそんな簡単に直せるものなの?

「だとしたらしくじったなぁ。壊すだけで無力化できるって思いこんでたわ」

 

 やっぱり念には念を入れてライザーを壊すだけじゃなくカプセルも奪っておくべきだったかも・・。

「今更後悔しても仕方ないか・・」

 

 こうして目の前にやってきた以上きっちり戦わないと。・・・そう思っていたらリクさんは鎌を持ってる勇者からカプセルを受け取ってまた見た事のないフュージョンライズに変身してきた。

 

 

 

 

~~リク~

 

「ジーッとしてても・・・ドーにもならねぇ!」

 

ギャラクトロンは強敵だ。それが融合獣の素材にされてるんだからアレも相当強いだろう。

「やっぱりここはマグニフィセントかダンディットトゥルースで勝負した方がいいかもしれないかな?」

 

「来たのね園崎さん」

 

僕はキングギャラクトロンを僕の今できるフュージョンライズでも特に強い2つのどちらかで攻めようと考えていたら千景が僕の前に着地してきた。

「園崎さん。レムからあれを相手にするのに丁度良さそうな戦術を聞いたわ。これを使ってみて」

 

 そう言った千景は僕にエースカプセルを渡してきた。

「そのエースカプセルと昨日の戦いで手に入れたマックスカプセル。その2つでフュージョンライズできるそうよ」

 

「・・・分かった」

 

 新しいフュージョンライズがあいつを相手にするのにベストだっていうなら使わない手はないね。

「ユウゴー!」

 

 まず起動したのは千景から借りたエースカプセル。

「アイゴー!」

 

 次に起動したのはクロイが託してくれたマックスカプセルだ。

「ヒィァウィーゴー!」

『フュージョンライズ!』

 

「滾るぜ、最大!ジィィィィィィィ!」

『ウルトラマンエース!』

『ウルトラマンマックス!』

『ウルトラマンジード!ギャラクシーエース!』

 

 2つのカプセルの力を解放した僕は光線と斬撃の名手だっていうエースと最強最速と名高いマックスの2人の力を宿した姿、ギャラクシーエースに姿を変えた。

 

 

 

 

~~千景~

 

『ウルトラマンジード・ギャラクシーエース。高速で宇宙の悪を切り裂くスピードスターです』

 

 新しいジードの姿をレムが説明してくれる。金色のプロテクターを纏っているような赤いジードは右腕に装備されている金色のガントレットが輝いた。

「ギャラクシーブレード!」

 

 そのガントレットから展開された光の剣はキングギャラクトロンが放ってきたビームを切り裂きながら前へと歩き出すと、近づいてくるジードを警戒し出したキングギャラクトロンはビームを連射して牽制しながら後退して露骨に距離を取ろうとしてきた。

「ジュァ!!」

 

 逃がす気のないジードは赤い残像が残るほどの高速移動でキングギャラクトロンとの距離を詰めると光の剣を振り上げて一太刀を浴びせようとしたけれど・・・キングギャラクトロンはその剣を魔法陣みたいなバリアでそれをガードした。

「ッ!!」

 

 キングギャラクトロンは右腕のランチャーの銃身に魔法陣を展開すると、その魔法陣から強力な光線が放たれた。

「・・・っ」

 

 ジードは後ろに下がって距離を取ると後ろに私達がいるのを確認するように後ろを振り返るとすぐに正面を向き直す。

「マキシマムギロチン!!」

 

 空に光の剣を掲げたジードはその剣を神樹様のてっぺんまで届きそうなほどに巨大なものにすると、それを勢いよく振り下ろした。

「っ!?」

 

 驚きのあまり立ち尽くしていたキングギャラクトロンはその刃に真っ二つにされると、そのまま爆発して樹海化が解かれ始める。

「みんな!分かってるわよね!」

 

 犬吠埼さんの言葉に頷いた私達はすぐさまキングギャラクトロンにフュージョンライズしていたはずの造反神勇者を探し始めたけど・・・結局その勇者を見つけることは出来なかった。

 




ウルトラナビアプリ

ウルトラマンメビウス
身長 49メートル
体重 3万5千トン
得意技 メビュームシュート

 宇宙警備隊の若き戦士であるメビウスは仲間との絆を炎に変えて戦います。タロウを教官として訓練を受けたことから、戦闘スタイルもタロウと似通ったところもあるようです。盟友であるウルトラマンヒカリとともに強大な力を持つ暗黒皇帝と激闘を繰り広げました。

ウルトラマンマックス
身長 48メートル
体重 3万7千トン
得意技 マクシウムカノン

 最強最速と名高いマックスは地球文明の監視をするためM78星雲からやってきたウルトラ戦士です。マクシウムソードというアイスラッガーと同系統の武器だけでなく、ウルトラマンゼノンから託されたマックスギャラクシーという強力な武器も召喚して戦います。

メカゴジラ(三式機龍)
身長 60メートル
体重 4万トン
得意技 アブソリュートゼロ

 機龍はとある次元宇宙でゴジラを倒すために、昭和時期に人の手によって倒されたゴジラの骨を用いて人類が作り出した兵器です。正式名称は3式多目的戦闘システムです。

ロプスキラー
身長 53メートル
体重 4万8千トン
得意技 ワイドキラー光線

ダークロプスゼロとエースキラーのカプセルでフュージョンライズするベリアル融合獣、それがロプスキラーです。ダークロプスのボディの所々に右腕のかぎ爪など所々にエースキラーの特徴が継ぎ接ぎのように取り付けられた歪な姿をしています。融合獣の中でも高い機動性を誇り、ゼロやウルトラ兄弟の技に加え、エースキラーの強化版であるメビウスキラーとビクトリーキラーの能力も使うことが出来る厄介な融合獣です。

次回「真夏の海に不用心」

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