園崎リクはジードである   作:彩花乃茶

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 クリスマス前から年始を週一更新にするため来週から少し投稿する日を一時的にズラします。


意思を継ぐ者

~~伏井出ケイ~

 

 時折夢に見る。金色に輝く巨人が何か私の大切なものを撃ち滅ぼす夢だ。だが私はその大切なものがなんだったのか思い出せない。

「はぁ・・・はぁ・・」

 

 いや、それどころか私は『私が』何者かすら分からない。私はいったい何者なんだ?いったい今まで何をしていた?これから何をすればいい?何処に行けばいい?

「分からない何もかも・・・」

 

 分かる事はただ1つ。私は追われる身であり、記憶がなくなる前に何かをしたことだけだった。

 

 

 

 

~~霞~

 

「ウルトラマンロッソ。ウルトラマンブル記録完了」

 

 オウマグルジオウとの戦いから3日後、ようやくリクも完全復活して看病に時間を割かれなくなったボクは別次元から来た2人の兄弟ウルトラマン。ウルトラマンロッソとウルトラマンブルについての資料を作るのと一緒にレムのデータベースに記載する。

「さてと・・ちょっと休憩したらそろそろあの作業に戻ろうかな」

 

 ゴジラとの戦いの時、別宇宙から送られてきた『とある』データ設計図。できればゴジラとの戦いに間に合わせたかったけど敵わず、今もまだ完成に至っていない。あれさえ完成させればウルティメイトフォースゼロカプセル製作作業が可能になるかもしれないのに。

『未だ伏井出ケイ容疑者の行方はつかめず警察も・・・』

 

 テレビをつけてみたら編集者の浅倉丈二さん殺害の容疑で全国指名手配されている伏井出ケイ特番がやっていた。確かにあんなに有名だった作家さんに殺人容疑が科せられた上に行方不明になってるんだから、こんな番組が組まれても仕方がないよね。

「まぁ警察じゃあの伏井出ケイを捕まえることは無理だろうな」

 

 タマちゃんの言う通りAIBですら手を焼いている伏井出ケイを警察が捕えるのは難しいだろうね。フュージョンライズをしなくても勇者に変身してる若葉の剣を受け止められるぐらいには強いし。

「まだまだ油断できない状況は続くということか」

 

「そうだね。AIBも頑張ってくれてるけどボク達もできる事をしないと」

 

 今、伏井出ケイは何処にいるんだろう?

 

 

 

~~ゼナ~

 

『隊長、エンペラ星人カプセルの回収完了しました』

 

「ご苦労。ダークザギカプセルと同じく強大なエネルギーを保有し、周囲の環境にも影響を及ぼすほど危険なカプセルだ。至急支部にて凍結封印を施し、本部へと転送しろ」

 

『了解』

 

 ダークザギとの戦いで回収されたダークザギカプセルに今回のエンペラ星人カプセルは要警戒指定カプセルのうちの2つだ。ベリアルが所持していたと推測される要警戒指定カプセルは残り3つ。マガタノオロチカプセルとゼットカプセル、ダークルギエルカプセルの3つだ。可能ならこのような危険な物は破壊して使用不能にしたおきたいのだが、カプセルの中にあるエネルギーが解放されればそれこそ危険極まりない。

「お疲れ様ですゼナ先生!」

 

 残るカプセルの在り処を探ろうとしていると織戸響がやってきた。

「聞いてくださいよゼナ先生!さっきここに来る途中に伏井出ケイそっくりな人を見かけたんですよ」

 

「どういう事だ?」

 

「ここに来る途中なんですけど、ホームレスっぽい恰好をしたそっくりさんが足を引きずるように歩いてたんです。最初は本物の伏井出ケイかもって思って警戒してたんスけど・・・あっきらかに雰囲気が別人だったんですよね。なんていうかギラギラしたものがないっていうか・・」

 

 織戸響の言う通り本当に別人なのかもしれないが、変装をしているだけの伏井出ケイかもしれない。確認はしておくべきだろう。

「念のため直接確認する。案内してくれ」

 

 

 

 

~~リク~

 

「鳴り響く時のカンパネラ~」

 

「リク、お前も帰りか?」

 

 バイトを終えて帰ろうとしていたら今日もバイト探しをして、その帰りの若葉とばったり出会った。この様子だと今日もバイトに落ちたんだろうね。

「何も言わないでおこう」

 

「おい、聞こえてるぞ。・・・ところでリク、あの2人はもしかすると瀬名さんと響さんじゃないのか?」

 

「えっ?・・あっ、ホントだ」

 

 若葉の指差す場所に視線を向けてみたら確かに瀬名先生と響の姿があった。

「お~い!むぐっ・・!?」

 

 2人に話しかけようとしたら若葉に止められた。

「いきなり何するのさ若葉」

 

「2人は誰かを尾行中のようだ。大声で話しかけるな」

 

「そ、そうだね」

 

 もし追いかけてる相手に気づかれたりしたらいけないよね。

「ところで誰を尾行して・・・あれは・・!?」

 

 僕と若葉は2人が誰を尾行しているのかと奥を覗きこんでみたら・・・そこにはボロボロの布を羽織ったような服を着てる伏井出ケイがいた。

「若葉、あれは本当に伏井出ケイなの?」

 

「分からない。気配がまるで違う。ざわつくような気配がまるでない」

 

「つまりあの人はただのそっくりさんってこと?だとしたらなんで尾行を・・・」

 

「気配が違うというだけで別人かどうかの確証はないからだろう」

 

 確かにそうか。

「何か怪しい動きがあれば私達も伏井出ケイを捕えにいくぞ」

 

「うん・・」

 

 僕と若葉はもう少し近づいていくと、瀬名先生が僕らに気づいて無言で頷いた。

「ぐっ・・」

 

 伏井出ケイっぽい男が躓いた途端、その足元に数本の怪獣カプセルが散らばった。

「黒だな」

 

 これで疑心が確信に変わった。雰囲気は違うけどあれは伏井出ケイ本人だ。

「・・・ッ」

 

 瀬名先生は無言のまま右を指差してくる。回り込めってことだね。

「伏井出ケイ!」

 

「っ!?」

 

 真っ先に伏井出ケイの前に出たのは若葉だった。伏井出ケイは驚いた顔をしつつ、足を引きずりながら若葉から逃げようとしたらその行く手を響が阻んだ。

「・・・瀬名先生は?」

 

「回り込むって言ってここにいないってことはたぶん道を間違えてるんだと思う」

 

 響の隣に並んだ僕はいなくなった瀬名先生のことを尋ねたら残念な答えが返って来た。方向音痴ってのは聞いていたけど肝心な時になんてことをしてるんだ。

「伏井出ケイ。大人しく・・・」

 

「追い込みご苦労。しかしあの伏井出ケイが追われる身となるとは・・・落ちたものだな」

 

「っ!何者だ!!」

 

 近くの階段の上から聞こえてきた声に真っ先に反応した若葉をそっちを睨みつける。僕と響も階段の上を見上げてみたらそこには白いシマシマの宇宙人、ダダがいた。

「だがそいつは俺の獲物だ」

 

 正面に表示した画面を操作すると、街の真ん中に白いロボットが現れた。

「この改修したレギオノイドで貴様を葬ってやる」

 

 テレポートでこの場からダダが消えた途端、レギオノイドは動き出す。ダダがあれに乗り込んだんだ。

『喰らえ!』

 

「いかん!」

 

 こっちに向かってレギオノイドから光線が放たれると、若葉は勇者へと変身するとほぼ同時に精霊の力も発動して黒い翼を羽ばたかせた衝撃波で光線を相殺した。

「精霊顕現でギリギリ相殺できる威力か。ならカプセルの力を使えば打ち負かせるな」

 

「その必要はないぜ」

 

 若葉がゾフィーカプセルを使おうとしていたらゼロが既に変身した状態で駆けつけてレギオノイドに跳び蹴りを決めた。

「ゼロ!」

 

「話はゼナから聞いてる。こいつの相手は俺に任せてお前らは伏井出ケイを追え」

 

「ゼロならあれの相手を任せても問題ないだろう。急ぐぞ」

 

 満開ゲージの消耗を抑えるために精霊顕現を解いた若葉はどさくさに紛れて逃げ去ろうとしてる伏井出ケイに視線を向ける。

「そうだね。じゃあそいつは任せたよゼロ!」

 

 僕らはレギオノイドの相手をゼロに任せて伏井出ケイを追いかけた。

 

 

 

~~友奈~

 

『ベリアル第一の側近。伏井出ケイは私が倒す!そこを除け!』

 

「別にアイツを倒すのは譲ってやらんでもないが・・・こんな物騒なもんを街中で暴れさせるのはいただけねぇな」

 

『何処のどいつだか知らないが小賢しい!邪魔をするな!全宇宙の脅威であるべリアルの側近である伏井出ケイを倒さねばならない。街1つなんぞ気にしていられるか!』

 

 この人は伏井出先生を倒すためなら街がどうなっても良いらしくて・・・その事に関しては私も納得いかなかった。

「しょうがねぇ。その玩具をぶっ壊してその考えを改めさせてやるよ」

 

 ロボットに回し蹴りを決めたゼロは手に持ったゼロスラッガーで×字に斬りつけたけど、ロボットには傷一つついていなかった。

『その程度の攻撃では傷一つつかん』

 

「ちっ、レギオノイドのくせに無駄に硬いじゃんか」

 

『私はダダの中でもエリートの騎士であるダダンだ。私を知らぬとはとんだ田舎者め』

 

「お前こそ宇宙中に響き渡る俺の名前を知らないなんてとんだ時代遅れだぜ。しかも親父みたいな名前しやがって。俺はゼロ!ウルトラマンゼロだ!」

 

 ダダンさんに対抗するように名乗ったゼロは頭突きをしながら至近距離でエメリウムスラッシュを撃ったけど、ロボットは黒い模様がちょっと削れただけのダメージだった。

「ちっ、確かにこいつは見た目以外俺の知ってるレギオノイドとは別物って考えたほうがいいかもな」

 

 このロボットに覚えがあったゼロはゼロスラッガーでもエメリウムスラッシュでも倒せないから、知ってるものとは別物と割り切ることにしていた。たぶん万全のゼロなら本当のレギオノイドってロボットが何体いたとしても大丈夫なんだろうけど・・・

『ゼロ、みんなからカプセルを借りてゼロビヨンドで戦った方がいいんじゃ?』

 

「そうしたいが・・今日はどうせレギオノイドって舐めてて俺らだけで先に来ちまったからな」

 

 そう、私とゼロはみんなよりも先に現場に来ちゃったから今はまだみんなからカプセルを借りれない。たぶんそろそろみんなも来てくれるかもしれないんだけど・・・まだかな?

「待っててもしょうがねぇ。ここで戦われちゃ迷惑だから・・・ひとまずぶっ飛ばすか」

 

『でもどうやって・・・えっ?』

 

 ゼロはゼロツインシュートを撃ちながらロボットとの距離を詰めて、ロボットを掴もうとしたらロボットは空に飛び上がった。

「いいだろう。空で決着をつけてやる。こい!」

 

「上等だ!」

 

 ロボットを追ってゼロは空へ・・・宇宙に向けて飛び上がった。

 

 

 

 

~~有江~

 

 私は石垣有江。フリーのノンフィクションライターとして日夜特ダネになりそうな記事内容を得るため活動をしている。だけどここ最近は刺激的な内容を思い浮かばずにややスランプ気味になってしまっていた。

「怪獣事件はどうせマスコミがやるだろうし、もっと刺激的なものを・・・」

 

 インスピレーションを刺激するようなものを望んでいた時のことだ。私のインスピレーションを刺激する運命的出会いがあったのは・・・。

「はぁ・・・はぁ・・」

 

 何かから逃げているような足を引きずる男性。カフェテラスで偶然にも見かけたその人の顔を見た瞬間これは良い記事を・・・いや、ゴシップ本を書けると確信した。

「すみません。こっちに伏井出ケイに似た人を見かけませんか?」

 

「その人なら向こうの方に行くのを見たわ」

 

「ありがとうございます」

 

 男性を追いかけていたと思われる少年と少女が訪ねてきた。私は左の路地を指差すと、2人はすぐに路地へと向かってくれた。

「・・・もういいわよ」

 

 テーブルの下に隠れてもらっていたその人にもう出ても問題ない事を伝える。

「貴方、作家の伏井出ケイ先生よね?」

 

「っ!」

 

 私は男に伏井出ケイかどうかを尋ねてみると、男は肩をビクリと震わせた。やっぱりこの男は伏井出ケイ先生と見ていいだろうね。

「作家?ケイ?」

 

「・・・もしかして貴方、記憶を失ってるの?」

 

 あろうことか伏井出先生は自分が何者かを忘れてしまっていた。

「場所を変えましょうか」

 

 ここでは人目につくと判断した私はひとまず自宅に彼を案内した。

 

 

 

 

 

「これは・・・」

 

 自宅兼仕事部屋へと案内すると彼は自身の著書である本を手に取り、その帯の写真に視線を向けた。

「それは貴方よ。そしてその本は貴方が書いたもの。突然彗星のごとく現れた経歴不明のSF作家。地位と名誉を手に入れて人気の絶頂にありながら、ある日殺人事件の容疑者として指名手配されたの」

 

 知的で優雅で上品だったはずの伏井出先生は今はもう見る影もない。

「どうして編集の人を殺したの?」

 

「分からない。それに君はいったい・・・」

 

「私は石垣有江。ノンフィクションライターよ。一度会ったことがあるはずだけど覚えてない?」

 

 残念ながら伏井出先生は私のことも覚えていないようで首を横に振った。

「まぁいいわ。ここは山の中だから滅多に人はこない」

 

「何故ここまでして私を庇う?私は追われているのだぞ?」

 

「単刀直入に言うわ。事件の真相を本にしたいの。話を聞かせて」

 

「本に?」

 

「貴方のことをただの悪者に仕立て上げたいわけじゃないの。あれだけの成功を収めた人だもの。きっと何か理由があるはずよ」

 

 真実に光を当てて、世に問いたい。それが私がすべきこと。

「本を出すまで・・・いいえ、本を出した後も貴方の事を守るから」

 

「・・・ッ」

 

 イマイチ信じ切れないような目をしながら、私から目を逸らした伏井出先生は先ほど落としたチェスの駒を眺める。

「空っぽだった。それを誰かが満たしてくれた。だけどその大切な相手を・・・私は忘れてしまった」

 

「無理はしなくていいけど、なるべく思い出してみて。事件に関わることかもしれないわ」

 

 彼は思い出したくないのか首を横に振った。

「怖い。思い出すのが怖い」

 

 やはり何か辛い経験をして記憶を封印したのね。

「さっきも言ったけど無理はしなくていいわ。思い出したくなるまで私は待つから」

 

 彼の足元に落ちているチェスの駒を拾い上げ、彼に手渡す。

「すまない・・」

 

「謝らなくていいわ。貴方には感謝してるから」

 

「感謝?何故・・・?」

 

「貴方の事を書きたいって思って、ずっと調べてて・・こうして本人が現れてようやく実現できそうな場所までこれた。やっと運が向いてきたのよ」

 

 私はお礼を言いつつも彼にコーヒーのおかわりを用意しようとした途端、外から何かが落下したような地響きが響いた。

 

 

 

 

~~友奈~

 

『これでも喰らえ』

 

「シュァ!!」

 

 ロボットが飛ばしてきた大量のミサイルをゼロはゼロスラッガーを飛ばしてそれらを壊したけど、壊しきれなかった何発かが当たっちゃった。

「ぐっ・・・やるじゃないか」

 

『駄目だよゼロ。時間をかけ過ぎちゃってる』

 

 いくら制限時間がない宇宙でもこれ以上ゼロビヨンドなしでこれ以上戦うのは無理だよ。

「だからってこのまま引く事はできないだろ。仕方ねぇ。落ちるぞ!!」

 

 ゼロはロボットを両腕で取り押さえながら地球へと降下し出す。ゼロビヨンドで戦うためにも一度地球に戻るしかないんだ。

『ここでやられるわけにはいかん!』

 

 ダダンさんは抵抗しようとロボットを動かしつつもゼロと一緒に地上に落下していく。

「きゃぁっ!?」

 

 そして地面に叩きつけられたゼロは変身が解かれて、意識も私の方に変わった。

「イタタ・・。大丈夫ゼロ?」

 

『あぁ、だがこのままじゃマズいな』

 

 時間制限が関係ない宇宙空間だったけど、あんなに長い時間戦っていたおかげで体力的にすぐまた変身っていうのは難しいし・・。

「ここは私が満開してリクさん達が来るまで時間を・・・」

 

 私は勇者に変身して満開を発動しようとしたら・・・少し離れたところに2人の人影が見えた。

『伏井出ケイ。ストルム星人なんぞにベリアルの後釜は握らせん。宇宙の玉座は我らダダがもらい受ける!』

 

 そこにいた2人のうちの1人はさっき何処かに逃げた伏井出先生で・・・ロボットの右腕を砲身に変形させたダダンさんはそれを伏井出先生たちに向けた。

 

 

~~有江~

 

 巨大な白いロボットに乗っているであろう何者かは伏井出先生の事をストルム星人と呼んできた。

「ストルム星人?いったい何の事?」

 

「っ・・・」

 

 彼に聞いても恐怖で体を震わせたままで答えようとはしてくれなかった。

「散っていった同胞達の仇だ。くたばれ!」

 

「うわぁぁぁぁぁぁぁっ!?」

 

「きゃぁぁぁぁぁっ!?」

 

 伏井出先生目掛けてロボットの砲身から放たれた光弾によって私達は火の海につつまれてしまう。そんな最中だった。・・・記憶をうしなっていた彼が『彼』へと戻ったのは。

 

 

 

~~伏井出ケイ~

 

 火の海に包まれた最中、私は思い出した。

「そうだ。私は失ったのだ。ベリアル様を・・・」

 

 あの忌々しい模造品があろうことかウルトラマンキングの力を受け継ぎ、その力を以ってしてベリアル様を討ち滅ぼしたのだ。

「空っぽの器だった虚ろな私を満たしたあのお方はもういない。いないのだ!」

 

 私から発せられた闇の波動が周囲の炎を打ち消す。

「ど、どうしたの?」

 

 先ほどまで私を構っていた女は心配するかのように声をかけてくる。この程度の痛み・・・べリアル様を失った痛みと比べるとどうということはない。

「私が・・・私がベリアル様の後を継いでみせる!!」

 

ベリアル様の後を継ぎ、宇宙を再び支配する。そう決意した私はライザーとカプセルを取り出す。

「ザイゴーグ!!」

 

 一つ目に地獄を現世へと呼び寄せるかのような力を振るうザイゴーグをナックルへと装填する。

「キングオブモンス!」

 

そして2本目に願いを叶える赤い球によって誕生したという最強合体獣キングオブモンスをナックルへと装填し、それをライザーでスキャンした。

「これで・・・エンドマークだ!!」

『フュージョンライズ!』

 

 2つのカプセルの力を解放したライザーから放たれた闇の力が私を包み込む。

「ハァっ!!」

『ザイゴーグ!』

『キングオブモンス!』

『ウルトラマンべリアル!モンスゴーグ!』

 

 2体のマガタノオロチに匹敵する強力な怪獣の力を使いフュージョンライズした私はザイゴーグにスキューラの顎とバジリスの翼を生やしたような融合獣・・モンスゴーグへと姿を変えた。

 

 

 

 

~~有江~

 

 先ほどまで記憶を失っていたはずの彼は以前講演会で提示したというカプセルを取り出したかと思えばその姿を怪獣へと変化させた。

「伏井出先生・・・!貴方は・・・」

 

 あのロボットに乗っている相手は伏井出先生の事をベリアルの後釜の座は渡さないと言っていた。最初は何のことかとも思ったけど今なら分かる。彼はあのべリアルに属していた人物だと。そう考えると編集の事件なんてどうでもよくなった。私の前にはそれ以上の出来事と事実があったのだから。

「あれは・・・ウルトラマン」

 

 彼に対して来たいと興奮が収まらない最中だった。彼の覇道を阻まんとする光の巨人、ウルトラマンジードが姿を現したのは・・。

 




ウルトラナビアプリ

グルジオキング
身長 60メートル
体重 6万9千トン
得意技 ギガキングキャノン

 爆撃骨獣グルジオキングは金色の体に鋭い爪、そして背中に背負った巨大なキャノン砲を特徴とした怪獣です。遠距離の砲撃。中距離の熱線。電撃を纏わせた斬撃と隙がなく高い防御力も兼ね備えてます。

ザイゴーグ
身長 66メートル
体重 7万トン
得意技 ヘルズレリーブ

 閻魔獣ザイゴーグは剣山状の背びれと棍棒状になっている右腕を特徴とした怪獣です。剣山状の背びれで閻魔分身獣というザイゴーグの分身ともいえる怪獣を作り出すことも可能で、背びれすべてが分身獣となればこの世界は怪獣地獄になるのではと畏れられています。

キングオブモンス
身長 83メートル
体重 8万2千トン
得意技 クレメイトビーム

 ウルトラマンが存在しない世界でとある少年が何でも願いを叶えてくれる赤い球によって生み出した最強合体獣、それがキングオブモンスです。増殖能力も保有しており、翼からバジリス。腹部からスキューラという分身を作り出しますが、それぞれの怪獣がやられるとその部位を破損する弱点も抱えています。

次回「継ぐのは夢」

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