うちの姉様は過保護すぎる。   作:律乃

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お待たせしました(汗)

最終回までの話が書き終わるまでは、漫談編を更新していきます(笑)
そして、次回の話と違い、今回は切ちゃんの過保護度がMAXで進んでいきます。その過保護に巻き込まれていくみんなをどうか、暖かく見ていただければと思います…(笑)

また、今日の日間ランキングにて…ほんの少しほど本作がお邪魔しました。
多くの方に読んでいただいていることへの感謝と、めちゃくちゃな展開なのですが、暖かく見守っていただいている読者の皆さんへとお礼を。

本当にありがとうございます(礼)


※今回はかなり短めとなってます。


10/6〜誤字報告、本当にありがとうございます!


みんなで出かけていたら眠っちゃった話。

「マリアは本当に分からず屋デスね!この白うさぎの方が似合ってるに決まってるじゃないデスか!」

「切歌こそ分かってないわ!いつも同じ服装では見えてこないものがあるの。ここはそれに挑戦してみる価値があると私は思うわ!」

「それがこの黒猫というデスか?マリアは愚かデス、ポンコツデス!そんなに黒がいいんデスか!」

「ちょっと、切歌っ!あなた、私のことをポンコツって言ったわね!」

「言いましたよ〜。マリアはポンコツデス。このポンコツマリア!」

「あなたね…っ」

 

赤いレンガと青いレンガ、白いレンガによって綺麗な柄を作っている歩道のど真ん中、桃色の髪を背中まで伸ばした女性と明るい金髪をショートヘアにしている少女がすごい剣幕で言い争っている。

その女性と少女の喧嘩を野次馬たちが傍観している中、桃色の髪を持つ女性へと青い髪を結んでいる女性が歩み寄り、その肩を軽く叩いて止めに入る。そして、もう一方の金髪の少女の方も茶色を背中まで伸ばしている女性が肩を叩く。だが、そんな二人の仲裁も払いのけ、桃色の髪を持つ女性・マリねぇと金髪にバッテンの髪留めをつけている少女・姉様の口喧嘩は白熱していく。それに、頭を抱えて引き下がった青い髪を結んでいる女性・翼お姉ちゃんと茶色の髪を背中まで伸ばしている女性・セラねぇは同時にため息をつく。

 

「まあまあ、二人とも落ち着け。マリアも少し大人気ないぞ」

「翼の言う通りだよ。暁さんも落ち着いて、姉さんの意見も取り入れてみる価値と思いますよ」

「翼とセレナは黙ってて!」「翼さんとセレナは黙っててください!」

「…口出し無用だったか、すまない…」

「…もう思う存分、喧嘩してください…二人で…」

 

退散してきた二人を出迎えるのは、右側からクリスお姉ちゃん。シラねぇ、響師匠に未来お姉ちゃんの四人とシラねぇに手を握られている僕を合わせての五人だ。

顔を近づけて、至近距離で睨みきかせながら、互いの悪口を言い合う二人ははたから見ていると子供っぽい。

そんな二人を呆れ顔で見つめながら、クリスお姉ちゃんが呟く。それに深く頷くのはシラねぇで、それに続く響師匠はこの二人の喧嘩を見慣れたせいか、そんなに気にしてない様子だった。

 

「しっかし、相変わらずだよな、この二人は」

「ですね。マリアも切ちゃんも、二人とも歌兎のことを目に入れても痛くないくらい可愛がってますから」

「あはは。でも、いいんじゃないかな。喧嘩するほどなんとかっていうじゃない?」

「響、それをいうなら…喧嘩するほど仲良しだよ」

「あはは、そうともいう〜」

 

穴あきを未来お姉ちゃんに埋められ、響師匠は誤魔化すように明るい笑い声をあげる。そんな師匠を仕方ないなぁ〜みたいな顔で見ていた未来お姉ちゃんは、シラねぇと手を繋いでいる僕をみると腰を折って話しかけてくる。

そんな未来お姉ちゃんの声にぽや〜んと瞼を持ち上げながら見ると、今度はシラねぇが腰を折って話しかけてくる。

 

「…んぅ」

「歌兎ちゃん?」

「歌兎、眠たいの?」

「…ん…」

シラねぇの質問にこっくんと頷くと、 シラねぇと未来お姉ちゃんは顔を見合わせて笑い合う。未来お姉ちゃんが僕の顔を覗き込みながら問いかけてくる。それに頷き、答えた僕へとシラねぇが頭を撫でてくれる。

 

「また、夜遅くまで友里さんか藤尭さんのところにいたの?」

「…ん、早めに切り上げようって思ったけど、調べていくと歯止めが効かなくなっちゃって…」

「歌兎は本当に頑張り屋さんだね。マリアと切ちゃんの喧嘩はまだ続くから、それまで私の背中で寝る?」

「…いいの?シラねぇ」

 

とろ〜んとした目で見つめるとシラねぇが首を縦に振る。腰を折ってくれるシラねぇへと抱きつき、シラねぇの暖かさを背中から感じて、僕は瞬く間に目を閉じて、静かに寝息を立て始めた。

器用に僕をおぶりなおしたシラねぇへと僕の寝顔を見ていた未来お姉ちゃんが話しかける。そんな未来お姉ちゃんへとシラねぇが礼を言う。

そんな二人へと師匠たちが近づいてくる。

 

「…すぅ…すぅ…」

「本当に疲れていたんだね、歌兎ちゃん。調ちゃん、疲れたなら言ってね、私が変わってあげるから」

「ありがとうございます、未来さん。疲れた時はよろしくお願いします」

 

師匠がシラねぇの背中へと顔を押し付けて眠りこける僕を見ると、顔を綻ばせる。それは師匠だけではなく、他のねぇややお姉ちゃん達も一緒みたいでクリスお姉ちゃんに至ってはぷにぷにと僕の頬を突く。

 

「あれ〜?歌兎ちゃん、寝ちゃったの?」

「それは寝るだろ。こいつだって疲れてるんだしな」

「月読、疲れるだろ。私が変わろう」

「まだ大丈夫です、翼さん」

「そうか…」

「そんな残念そうな顔しなくても大丈夫ですよ、翼。月読さんなら翼の気持ちもわかってくれて、早く歌兎を抱っこさせてくれると思いますから。あっ、でも、余りにも可愛いからってお持ち帰りは禁止ですよ。私たちが暁さんに怒られちゃいますから」

「セ、セレナ!私はそんなこと企んでないわ。それにお持ち帰りって…」

「翼さん、素に戻ってますよ〜。素直に抱っこさせて貰えばいいじゃないですか〜」

「センパイも可愛いところがあるんだな〜」

「なっ…立花、雪音まで、私をそのように…なんという屈辱か…」

「………。翼さん、歌兎抱っこしてみます?」

「いいの?」

「はいどうぞ」

 

その後の話を師匠とシラねぇに聞いたところ、姉様とマリねぇの喧嘩は夕暮れまで続き、その間にも僕は眠り続けて、ねぇやたちやお姉ちゃん達が変わりばんこに背負いあってくれていたそうで、僕は申し訳なくなり、今度からはみんなで出かける時は夜更かしをしないと心に誓うのだった…

 

そして、もう一つセレねぇに聞いた話なんだが、翼お姉ちゃんが僕の抱っこ権をなかなか誰かに譲らなかったそう。それを聞いた僕はこう思ったーー翼お姉ちゃんにもかわいい一面があるのだなぁ〜と。




この漫談編で明るいのと可愛いのを補充しておかないと…これからの本編が辛くなるので…(汗)

そして、これはお知らせで最終回までの話は一気に更新出来ればと思っているので…それまでは、こんな感じで漫談編が続きますので、よろしくお願いします(礼)

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