遠い遠い未来でファンタジーを   作:備忘録
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休息は焚火と共に

それから俺たちはえげつない水魔法で陥没した大穴を横に通り、奥へ奥へとイカレながら進軍していく。

 

「愛よりも、金よりも、お前の首が欲しい。平和のためでも、正義でもない、だがそれでもお前を殺す」

 

俺は俺の時代にあった歌をゴキゲンに歌いながら鉄槌で片っ端から狼人間たちをせんべいにしていく。

兵士達が続きを歌いながら悪鬼のような顔か、あるいは無表情で敵を槍で突き刺していく。

 

<逃げるがいい、隠れるがいい、抗ってみせろ。それでも俺は必ず貴様を追い詰める>

 

いいねえ、良い歌に、ミンチにしてもいい敵、酔えるだけの血。最高だ。

しかし途中からエイリアンみたいな卑猥なバケモノも混じってきたのはどういうわけだろう。

 

「逃げ回れ、小細工をしてみせろ。だが、祈っても無駄だ。貴様を必ず追い詰めるぅーっと。

なんかバリエーション増えてない?飽きなくていいけど。どうなの姫様」

「中心部にいる敵ほど異形になっていく。敵の主力が近い証拠」

 

俺は完全に真っ赤になって帽子からぽたぽた血が垂れ落ちていた。

姫様は冷気を纏って手甲や鎧が凍り付いている。

伯爵は・・・・・・なんかもうロボみたいなデカいゴーレムに乗ってる。

 

「なるほどつまり終盤ってわけだ。いいね、盛り上がってきたよ。皆もいよいよネジが外れた顔してるし」

「休憩を取ろう。敵将も近い、皆、ポーションと水を飲め。腹が減った者は携帯食を。

陣地を構築しろ!そうすれば休憩だ。姫様と護衛殿は空腹ではないかね?果物などもってきたが」

 

ヨアヒム伯があっというまにゴーレムと錬鉄魔法で簡易的なトーチカを建設する。

俺たちはその中に座り込んで休むことにした。

 

「ありがたくいただく。イルマは?」

「俺はこないだ狩った熊のサラミと乾かした血があればいいよ。ああ、お湯ある?血を湯で戻して飲むとうまい」

「ワインなどはいかがかね?ああ、湯はもってこさせよう」

「いいよ酒は。血に酔ってるから」

 

うーむ、引かれてるな。まあいいや。ああ、熊の血はうめえなあ。滋養強壮効果があるよ。

ちょっとしたバカンスだ。生を感じるね。

 

「ワインはいただく。氷を入れると美味しい」

「なるほどアイスワインか・・・・・・冷やして飲むのに合うかどうかわからんが、どうぞ姫君」

「ありがたい。染み渡る」

 

姫様はワインに魔法で出した氷を入れて飲んでる。あれはあれでうまそうだな。

ぼんやりとランタンの灯に皆の顔が浮かび上がる。誰にともなくため息が漏れた。

一息つけたって訳だ。しかしこれで冷静になってテンション下がったら困るなあ。

 

「ところで護衛殿。銃を見せてはくれないか?」

「いいよ、弾切れだから役に立たないし。代わりに投げナイフくれる?」

「そんなものでいいのか?では、失礼して・・・・・・おおお、素晴らしい。

この素材は一体何だ。この精密にして頑健な細工・・・・・・まさに神代の武器だ」

「わかる?M500の魅力。人間が撃てる最大レベルの拳銃だからね」

「ぜひ詳しくそこのところを聞かせてくれるね?」

 

にやりと伯爵が笑った。ああ、これは俺が血に酔ってる顔と同じだ。

この伯爵メカマニアだったのか!

おかげで休憩の時間中、説明に費やすことになった。

 




書きためはここまでなので、またしばらく書きためます。






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