人が嫌いな少年は槍を持つ   作:スコープ

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作者
「もうタイトルで登場する神話生物はお察しですな」

ショウ
「あ、えっと……その、蛇って噛むやつだよね……?」

作者
「そうだけど、出来るだけ殺さない……というか、攻撃しないようにね」

ショウ
「?」



遅れてごめんなさい♡


第3章 蛇は藪では無く砂から出る

〜ショウの日記〜

◾︎月◾︎日

砂漠エリアに来た僕たちは、オアシスに怪物が出ている事を知った。その後、オアシスに居るアニマルガールさん達も避難させるために向かったが、そこで黒くて不定形のスライムみたいな怪物(恐らく最近出ているのはコイツ)に出会った。そして、そこで僕はサーバルさん達と分断されてしまい、僕は怪物から逃げ回る。途中でピンチをミ=ゴに助けられ、そのままミ=ゴの隠れ家?に連れてこられた

 

ps.ミ=ゴは案外良い人?だった……?

 

 

……ショウ視点

 

ミ=ゴ

「おい、起きろ。今飯が出来る、サソリの丸焼きとネズミの肉だ。一応お前が満腹になるには充分な筈だ。まあ、山菜が無いのは許せ」

 

ショウ

「ん……おは、よう……あ、いい匂い」

 

眠っている所を起こされ、目を覚ますと肉が焼ける匂いが鼻に漂ってくる……声が聞こえた方を見ればミ=ゴが火を起こしていて串の様な木の棒にサソリを串刺しにして焼いているのと、鍋の様な物で何かが茹でてあるのが分かる

 

ミ=ゴ

「……よし、これで良いだろう。さあ、食え」

 

そう言って差し出されたサソリの丸焼きと茹でられた肉を受け取る……さっきネズミって言ってたし……ネズミの肉、という事だろうか?

 

ショウ

「……い、いただきます」

 

早速サソリの丸焼きを口に入れる……うん、これは……

 

ショウ

「美味しい……けど、何て言えばいいのか分かんない……」

 

とても美味しい。美味しいのだが、食べた事のない味のため、ただ美味しいとしか言えない……次にネズミの肉も頬張る。こっちも美味しい。ただ、マトモな肉自体が凄く久しぶりで以前食べた肉の味が思い出せないのもあってコレが肉として美味しいのかは分からない……けど、彼処(・・)で食べさせられていた物よりずっとマシなのは確かだった

 

ミ=ゴ

「食ったら寝るぞ、外はもう暗い」

 

ショウ

「……うん。ご馳走さまでした」

 

サソリを2匹、ネズミ肉を全部食べ終わり、サソリ3匹を残して満腹になった。残ったサソリはミ=ゴが……布袋?の様な物で包んでくれる……と言うかさっきから気になっていたけど、鍋やら布やらは何処から手に入れたんだろう?寝る時にはそんな物無かったし……何処かから持ってきたのかな……

 

ミ=ゴ

「ほら、明日は早めに出る。早く寝ろ」

 

ショウ

「……眠く無い」

 

ミ=ゴ

「……ああ、そう言えばさっきまで寝てい「そうじ……なくて……」ん?」

 

僕は体操座りをして、膝に顔を付ける。そんな僕を見てミ=ゴが僕の横に移動する

 

ショウ

「寂しい……」

 

ミ=ゴ

「私が居るだろう」

 

『寂しい』僕がそう呟くと、ミ=ゴが僕の頭に脚を乗せながらそう言う……ミ=ゴは撫でて居るつもりなのだろうけど、ハサミの付いた脚では乗せると言う表現が正しく思える

 

ショウ

「……うん、此処にはミ=ゴが居る……けど……」

 

ミ=ゴ

「けど?」

 

改めて自覚すると景色が歪んで来る。会いたいけど、会えないのが辛くて、辛くて……胸の奥が千切れそうな、握り潰される様な……とても、痛い。痛すぎる……

 

ショウ

「サーバルさんに……会、いたい……」

 

ミ=ゴ

「……明日、会わせてやる。だから明日に備えて眠るぞ」

 

ミ=ゴが泣いている僕の脇に脚を入れ、持ち上げる。そしてそのままミ=ゴ自身の前に運ばれたかと思うと、抱きかかえる様にミ=ゴが僕をその脚で包む。温もりは無いし、雑な撫で方だけど……だけど、少しだけ……ほんの少しだけ安心できた気がする

 

 

ーーーーーーーー

 

 

時を少しだけ巻き戻し、サーバル御一行の様子……

 

……サーバル視点

タスケナキャ

タスケナキャ

サーバル

「……」

タスケナキャ

私はバスの席で膝を抱えて、下を見たまま何も喋らず、何も考えずにいる……

こうなってる理由?……私達の仲間のショウの行方が分からなくなっちゃったんだ……詳しく話すと、まず最初にミライさんがオアシス付近で怪物が出るから避難するって言われて、私がオアシスに居る子達にも伝えようって言ったから……だから、オアシスに戻った時に、あの怪物に、ショウが……

タスケナキャ

カラカル

サーバル!

タスケナキャ

サーバル

「ひゃっ……ど、どうしたの?突然……」

タスケナキャ

カラカル

「さっきからずっと話しかけてたわよ……サーバル、ショウの事で色々考えちゃうのも仕方ないけど、今は兎に角ショウの行方を掴む事を優先するわよ」

タスケナキャ

カラカルの大声につい耳を抑えてしまう。いけない、今は落ち込んでる場合じゃない……しっかりしないとショウを助ける事が出来ない!

タスケナキャ

カラカル

「さっきまで話してた事を纏めると、アラビアオリックスの友達のルルもショウと同じく行方不明だから、私達とアラビアオリックスは一緒に行動する事になったのよ……アンタさっきからボーッとしてるけど、大丈夫?ショウの事心配なのは分かるけど、それなら尚の事冷静じゃなきゃダメよ」

タスケナキャ

サーバル

「うん……そうだね。絶対にショウとその友達を絶対に助けないと助けよう!」

マカセル、ネ

……?なんだろう、今の感じ……まあ、いっか。

私達はアラビアオリックスと共に、ショウ&ルルの捜索を開始ーーまず最初に、手掛かりを探す為にショウと別れる事になった場所……オアシスからショウを追って何処かに行った黒い怪物の足跡なり何なりを探す事にした

 

 

 

 

 

サーバル

「えっと……確か此処から黒い奴らが染み出して来たって言うか、飛び出して来たって言うか……」

 

カラカル

「そうね、此処で合ってる筈よ。それで、あっちの……砂丘の方に向かって行ったのよね。取り敢えず同じ方向に向かいましょうか」

 

カラカルが指をさした先の砂丘は、他の砂丘が綺麗な形をしているのに比べると何か大きな物が通った様な跡がある。その跡の向こう側へショウと黒い怪物が向かったのは覚えている。だからその跡は黒い怪物の物だ……

そう確信し、その先にショウが居るかもしれない……いや、きっと居る。そう考えるとさっきまで重かった脚が軽くなった気がする。大丈夫、ショウはあんなに凄い子なんだ。あんな怪物に追いつかれるなんて……そんな事、ある訳ない

 

アラビアオリックス

「それじゃあ、ショウ君の後を追うとしようか」

 

サーバル

「……良いの?」

 

アラビアオリックス

「?……えっと、何が?」

 

私はアラビアオリックスの言った言葉につい確認を取ってしまう。しかしアラビアオリックスはイマイチ私が何故確認を取ったのか分からないらしく、首を傾げている

……だって、と私は言いながら

 

サーバル

「……アラビアオリックスは、ルルを探してるんでしょ?私達はショウを探してる間に何か有ったら……」

 

そう言いきった所で「しまった」と思う。これではまるで彼女がルルを心配していない様な言い方になーー

 

アラビアオリックス

「そうだね、けど……小さな子を放っておいて君を探したなんて、ルルにはとても言えないし……ルルも、ショウ君を探すのが一番だって言いそうだしさ。まあ、確かにルルの事は心配だけど……」

 

ーー眩しい。思わず目を逸らしそうになる程眩しい。アラビアオリックスは本当にルルを大切に思っている。だからこそ、先にショウを助ける事にしてくれたんだろう。ルルならきっとこういう時はこう言う(・・・・・・・・・・・・・・・・・・・)。そう考えたからこそ、ショウを先に助ける事になるのを我慢出来るんだね、きっと……

何処か寂しげなアラビアオリックスの笑みを見てそう思い、同時に私は何としてもショウを見つけ出し、早くアラビアオリックスの探しているルルも見つけなければとも思いながらバスに乗り込んで怪物の足跡らしき物を追い掛け始めた

 

 

ーーーーーーーー

 

……???視点

 

???

「うぅん……」

 

何だか頭がボーッとする。私って何してたんだっけ?

えっと……確か、オアシスの水が無くなって……ラビラビに心配されるのが嫌でムキになって、一人で解決しに行って……そこで……そこで?

 

???

「あっ!」

 

一気に頭の中がスッと綺麗になる。そうだ、私は「原因らしき奴ら」を見つけてその後追われてたんだ!それで、セルリアンにも追われ始めて、逃げた先で岩に登ってやり過ごしてたんじゃん!

寝てたら襲われる、と無理に起きた所でおかしな事に気付いた

まず周りが暗い。これは夜という訳でも無く、明かりのない建物の中の様な暗さだ。実際月と星も無いし地面も固めの岩か何か

暗いけれどある程度は見え、ぼんやりと縦の棒が並んでいる……

 

???

「……硬い地面に縦の棒?」

 

何だか何処かで見たような状況だ。そう、確か探検漫画の……ん?あれ、いや待って……それだとこれって私

 

???

「ーー閉じ込められてるぅぅぅぅ!?」

 

どうしよっ!?いや本当にどうしよっ!?一応(ツノ)は取り出せるしいざとなればこの程度の檻壊せそうだけど……壊したら音が鳴って敵がわんさか出てくるのがお約束だしなぁ……

……ん?あ、ヤバイ!?誰か降りてきた!?ね、寝たフリ寝たフリ!

 

???

「……すぴー」

 

???

「……オキロ」

 

???

「……す、すぴー」

 

???

「……」

 

や、やばいヤバイやばいヤバイやばいヤバイやばいやばいヤバイ……!

無茶苦茶こっち睨んでるでしょこれ!?なんか凄い視線を感じるんだけど!?かと言って今更起きても気まずくなるだけだし……

 

???

「……オキロ」

 

???

「……す、すすぴー」

 

???

「イヤ、ソレハ モウイイ」

 

呆れる様な声で言われたっ!?地味にショック……で、でもこれは良い感じに起きるチャンス……!えぇい!この際だから私を捕らえた下手人(意味分かってない)を一目見てやろうしゃないか!

 

???

「あはは……おはようございキャーッ!?」

 

目の前にてランタンを持ち、檻の外にいる人物を見た途端に私は悲鳴を上げた……何せソイツは、私を追っていた奴らと同じ、人形の蛇だったからだ……ああ、私食べられちゃうんだなぁ……

そう思っていると「エェ……」と気の抜ける様な声が聞こえた。あれ?

 

???

「……コイ、ウエニテ王ガ オマチダ」

 

???

「王様……?って言うかこれどうやって出るの……?」

 

???

「……コウヤレ」

 

私が檻から出る事の出来そうな出入り口が無いことを指摘すると……彼?彼女?は檻の柵である棒を掴み上にあげた。そひて少しずらしながら下に引っ張るとスポリと抜け、カランと地面に落ちた

 

???

「え!?警備緩っ!?」

 

 

ーーーーーーーー

 

……ミライ視点

 

アラビアオリックス

「……駄目だ、此処で途切れてる」

 

サーバル

「そんな……」

 

目の前で途切れたショウ君の物と思われる足跡のすぐ側で崩れ落ちるサーバルさん、私は……静かにバスのハンドルを握りしめ、歯を食いしばる。バスの背後には怪物の痕跡があるが、それも途中で途切れていました……いえ、正確には地面に潜った様な跡があるので何処かへ去ったのでしょう

 

トキ

「……これじゃ追えないわね」

 

カラカル

「今の所一番の手掛かりだったんだけど……こうも突然途切れてるとね……」

 

……突然途切れた足跡と言うものはイヤな予想や妄想に繋がってしまう上に手掛かりも無くなる……と、良い事が一切ない。

今の所考えられる最悪の展開、それは……ショウ君が怪物に捕まった、と言うことでしょうか?もし、ショウ君が捕まっていたら……どうなるのでしょう。太陽も徐々に傾いて行き、このままでは本当に……全員に暗い空気が流れる

 

カラカル

「あぁ、もう!今から悪い考え方は禁止よ禁止!少しぐらい良い方向に考えていきましょう!」

 

そう、カラカルさんの声が私達の意思を焚き付ける。ーーそれもそうですね、もっと良い展開を考えましょう。と、少しだけ最高の展開を考えてみる。勿論現状最高の展開は直ぐにでもショウ君が見つかる事ですが……それはつまり、ショウ君が無事であることに直結し、即ち怪物に捕まって居ない事が前提となりますね

うぅん、途切れた足跡とショウ君の無事を結び付けられるとしたら……

少し目線をずらすとピコリと頭の羽を動かすトキさんが居た。

……あっ羽……鳥……!

それならきっと最後の足跡の近くに……!あった、他の誰かの足跡!

 

ミライ

「これなら……!まだショウ君が怪物に何かされたと言う事でも無さそうです!」

 

サーバル

「え?」

 

私の言葉に皆さんが勢い良く振り向き、その視線でどう言うことか尋ね、私はそれに直ぐ答える

 

ミライ

「まず、ここで重要になるのはショウ君と怪物の足跡が離れて途切れていると言う事です。仮に捕まったならもう少し近くてもいい筈ですし……何より、ショウ君の足跡が物凄く綺麗に途切れているんです。普通、捕まったなら足跡はもっと暴れた様な……いえ、兎に角捕まって居ないと言う事が大事ですね」

 

私の捕まって居ないと言う言葉にサーバルさんの顔色が少しだけマシになり、悲壮感の様な暗い空気は全て無くなる。そして私は少しだけ息継ぎをしてからトキさんを見て

 

ミライ

「そして……ショウ君が捕まって居ないとするなら何故足跡が途絶えたか、ですが……それはズバリ、鳥のフレンズによる存在が大きいかと思います。トキさん、貴女は怪物から逃げている子供を見つけたらどうしますか?」

 

トキ

「……間違い無く連れて逃げるわ。勿論飛んで」

 

サーバル

「そっか!鳥のフレンズに抱えて貰って行ったら足跡は残らないもんね!……あ、でもそれこそ追えないんじゃ」

 

サーバルさんは明るくなったかと思えば直ぐにションボリと勢いを無くす。そう言う所は非常にサーバルさんらしく普段なら写真の一つや二つ撮る所ですが今はそんな場合では無いので、先ずはサーバルさんが心配する点について話す事に

 

ミライ

「大丈夫です、怪物の足跡は真一直線に消えている事から恐らく真っ直ぐにショウ君を抱えて飛んで行ったと思われます。横に飛んで行ったなら怪物の足跡も横に少しはズレてもおかしくありません」

 

カラカル

「良し!ならこのまま真っ直ぐ全身!」

 

サーバル

「おーッ!」

 

勢いの回復したサーバルさん達は文字通り真っ直ぐ突き進もうとしてーーって、あ!

 

ズボッ

ゴチンッ

 

サーバル

「ニャァァッ!?」

 

???

「〜〜〜〜〜ッ!?」

 

ああ……サーバルさんの足元が崩れて芸術的なまでの落ちっぷりを……あれ、と言うか何かサーバルさんの悲鳴以外にも聞こえた様な……気のせいでしょうか?

 

サーバル

「ニギャアァ……なんでこんな所に穴が〜ッ!?」

 

トキ

「……大丈夫?見たところ底まで8〜9メートルくらいはありそうよ」

 

トキさんがサーバルさんが落ちた穴を覗く。突如現れた様なその穴は直径約1メートル、トキさんが言うには深さ8〜9メートルと中々深い物の様です。私も覗いてみると本当にそれぐらいはありそうで……予想ですが野生動物が掘った巣穴跡の上を踏み抜いた感じでしょうか?「よいしょっ……と!」と言う声と共にサーバルさんが穴の中から飛び出してくる。流石獣の跳躍力ですね

 

サーバル

「ふう……いやー、本当にびっくりしたよー」

 

額の汗を拭いながらサーバルさんは一息つく。先程までの張り詰めた空気だったのも今の出来事で多少は緩み、サーバルさんはトラブルメーカーではあるものの、ムードメーカーでもあるという事を再確認する

 

カラカル

「こっちもびっくりしたわよ……っていうかさっき変な音しなかった?」

 

サーバル

「え……?そう?」

 

カラカルさんの疑問に首を傾げ、不思議そうな顔をする。そして暫く考える様な素振りを見せ、そして「あ、確かに何かにぶつかった様な気も……」そう言った瞬間でした

 

???

「……オマエ達、人間ノ子供ヲ探シテルノカ?」

 

そう、縦長の瞳孔を持つ金の瞳が先程の穴から此方を覗き見て、語り掛けて来るのは

 

次回 Ⅺ




作者
「おくれてごめんね♡」

ショウ
「死ね」

作者
「あ……」(ショック死)

サーバル
「実質タイトル詐欺じゃないの?」

カラカル
「言うほど蛇要素無いものね」

ミライ
「蛇……すべすべした鱗……キュートな舌に尻尾……」

トキ
「ああ……蛇を楽しみにしていたガイドさんが哀しんでる……」

サーバル
「次回!XI(エックスアイ)!」

カラカル
「サーバル、それローマ数字の(イレブン)よ」

サーバル
「にゃんですと!?」

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