ガンダムGPBクロニクル《ペガサスの飛翔》   作:赤い彗星@原作ぐぐたすガンダム小説
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幕間 俺と彼が出会った話

『改修案どうしようかね。』

俺とアヤカは現在、黙々と自機の修理や改修をしていた。
ま、俺はというと何も思いつかなくて自機に全く手を付けていないが。
だから、彼女に聞く。

「アヤカ〜、ピクシーどうする?」

彼女は一旦手を止め、
体をこちらに向け、

「うーん······あたしの戦闘スタイルは素早い機動で格闘するから、
とりあえずピクシーの推力強化と武器の増設かな~
あと、機体カラーの変更かな。」

「カラー変更?」

「私が、新しい自分になりたいから。」

「なるほど、いわば決意表明ってことやな。」

「そう、テンマはどうするの?」

「俺かぁ~、うーん。」

何も思いつかない。
脳をフル回転させ、さまざまな情報を漁る。
そのなかで、俺は思い出した。

少し遠い記憶。
少し前の記憶。
俺が、"金髪の男"と出会った時の話。

そう、あれは半年前。
ジュニア大会が終わって、
数日たったある日の夜のことだ。

─────────────────────

俺が目覚めると辺り一面虹で覆い尽くされていた。

「んあ、」

俺は無意識に、間抜けな声を出している。
そのまま起き上がり周りを見回した。
そこには辺り一面の虹。
狂いそうになる。

そして視点を目の前に戻すと、
バトルシステムが置いてあり起動していた。

その向かい側には中肉中背で金髪の男がいる。
男はバトルシステムにガンプラをセットした。

彼の機体は俺と同じ《RX─78─2ガンダム》。
カラーリングはなんと俺の愛機同じ、
赤色を抜いたカラーリングになっているが、
よく見ると装備が少し変わっている。

男のガンダムの左肩には16というマーキングがされており、
武器もビームライフルはGP01のもの。

シールドはジムストライカーの、
パイルバンカーシールドに変更されており、
バランスが取れ、様々な状況に対応できるようになっている。。

「なるほど、闘えってことやな。めんどいけど、やるか。」

俺が言った瞬間、何も無かった目の前に突然、
愛機のガンダムが現れた。

それに驚く。
しかし、そんなことを振り切り、
愛機をバトルシステムにセットした。

相手のガンダムに対して、俺の愛機は、
肩にペガサスのマーキングをつけていて、
武装の変更は特にない。

『バトルスタート』

バトルシステムが告げた瞬間、両者の機体が射出される。
フィールドは荒野のようだ。

ところであいつ何者や?
と今更考え始めたそのとき、
ガンダムにビームライフルの、
ピンクの光が尾を引いて、
こちらに向かってくる。

「っ──!」

ギリギリそのビームを回避。
しかし、相手の狙いはとても正確で、
反応があと少し遅ければ、
撃破されていたかもしれない。

ガンダムは牽制のビームライフルを撃とうとしたが、
衝撃が走った。
なんと、相手のガンダムがいつの間にか近づき、
パイルバンカーシールドで攻撃してきたのだ。

俺はその攻撃に対して、自機の位置を少しずらすことで威力を抑える。
そして、相手に蹴りをいれ、バランスを崩し間合いを取った。

うお、あぶねー、と男が言う。

俺は頭をフル回転させる。今この状況で何ができるか······
そして、ふと名案が思いつき、行動を起こす。

愛機に俺は、相手に向け自機を一直線に突進させた。
スラスターが焔を放ち、距離がぐいぐい近づく。

そんな馬鹿みたいに突進させてくるのを存分に眺めた相手は、
俺が格闘戦を仕掛けてくるのだろうと予測。
武装のビームライフルを捨て、
ビームサーベルを背部にサーベルラックから引き抜いた。


相手も、ガンダムを突進させビームサーベルで迎え撃とうとしたが、
さっき突進させていたのは、俺があほみたいに見せるためのブラフ。
本命は次だ。

互いの距離が驚くほどに早く、縮まる。
そして、あと少しでサーベルの攻撃範囲に入りそうになるところで、
シールドを投げた。

そのとき、たぶんガンダムの視界が、真っ暗になっただろう。
相手は冷静に、ビームサーベルを振るった。
そして、その迎撃によってほんの少し、
僅かなスキが生まれる。

俺は愛機にスラスターを限界まで吐かせ、
スキができた相手の機体に向け、
ビームサーベルを突き出す。

それに相手はとっさに反応する。
だが、盾を切った体勢からは間に合わない。
ガンダムのビームサーベルは、勢い良く相手の胴体を貫いた。

それで、バトルは終わり。
すると、陽炎のようにバトルシステムごと消え、
対岸の男がはっきり見えた。

手を振ってきている。
とりあえず、彼の元へ行こう。
俺は少し早めに歩いた。

─────────────────────

「君、やるね〜《RX─78─2ガンダム》を使いこなせているみたいだ。」

金髪の男は二かっと笑いながら言う。
てか、彼の格好がすごい。

綺麗な金色の髪に、
澄んだ青い瞳、
女性にも負けないほどのきめ細かい白い肌。
そして、

「連邦軍の士官服!?」

男は機動戦士ガンダムに出てくる架空の軍隊、
「地球連邦軍」の士官服を着ていたのだ。

「あの~、コスプレイヤーですか?」

思わず聞いてしまう。
そして彼は、

「いや、これ本物よ。」

などと言い出す。
なんか、

「カオスだなぁ~」

「ん?なにか言った?」

「いや、何でもないです。」

ほほう、と目の前の男は頷いた。
そしてふと思いついた、という顔になり、

「そういや、君《この世界》来れてるじゃん!?」

いきなり驚く!
驚く!

「ど、どうかしましたか?」

それに彼はふむふむと頷き、
なにやら言いだした。

「だいたい、この世界少し特殊なんだよ。」

「ほう。」

「まぁ、君がたまたま適応して、この世界に来れてる以外、
なーんにも言えないんだけどね。」

俺は大阪人の本能か、
吉〇新喜劇のように転ぶ。

「なんも言えんのか~い!」

「まぁ、これ以上世界が狂ったらいけないしね。」

そう、彼は真顔になって言ってくる。
世界が、狂う?

「それってどうゆう······」

「ま、そんな話がしたいわけではないんだ。」

と、再び彼は真顔になり、
その圧力で押し黙らせれた。
彼は語る。

「僕は君に力を託したい。」

俺は唾を飲み込んだ。
力?どうゆうことだ。
彼はさらに続ける。

「この”二つの力”は世界を崩壊させるほどの力を持っている。
狂わせれるだけの力がある。」

「その力って。」

「それを今から君に託す。そして、───を救え。」

彼は言い終わると、右の人差し指と中指を束ね、
俺のおでこにどんっ!と突き出す。
それは物凄く早く避けられない。
その勢いで後ろに倒れ込んだ。

凄く痛そうな攻撃。
だが、不思議なことに痛みはなく、
代わりに何か力のような物が入ってくる高揚感が起こった。

「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!!」

身体中を力が巡る。
とてつもなく大きな力が、巡る。

そんな高揚感の中、
頭に二つの力の使い方が入ってくる。
一つは《蒼き覚醒》の力。
もう一つは、《───》の力。

圧倒的な力。
そんな力を貰ったのだ。
彼に感謝しなければ。

「ありがとうございます。」

「いえいえ、じゃあ、使い方も分かったみたいだし、元の世界に戻ろうか。」

刹那、男は右手を振るう。
それと同時に、
俺にとてつもない眠気が襲い掛かった。

それにひたすら抗う。
最後に聞きたいことがあったから。

「あの····名前は?」

「ははは、君面白いな。こんな"亡霊"の名前を知りたがるなんて。
いいだろう。多分あっち行ったら忘れてるだろうけど。」

彼は一拍タイミングを置いてから、
言った。

「僕の名前は──────だ。
ま、頑張ってねーん。」

そして、俺の意識は消えていく。
どんどん、虚無に近づいていく。

─────────────────────

これは俺と彼が出会った話。
決して交わることのなかった、
二つの運命が、
二つの物語が、
「彼女」によって交わった話。

そんなことを、
当時の俺は知る由もなかった。

─────────────────────

俺は長く感じた追想の旅から戻ってきた。
時間は五分ぐらい過ぎている。
肝心の改修案は、

「アイツの装備なかなかよかったな。」

見つけられた。
いやー良かった。

アヤカは黙々と作業を続けている。
俺は彼女の邪魔にならないように、
作業スペースの外に出た。

俺が目当てにしているのは、「ジャンクボックス」である。
そこには余ったパーツなどが置いてあり、
安くで好きなパーツが買えるらしい。

「どこあんねんやろ。」

ガンプラが積まれた棚を、
上下にどんどん見ていく。
そして、

「これかな?」

そこには、少しボロボロになった、トレー型の箱。
中には様々なガンプラのパーツが入っている。
箱には、「Free」と書いている。
自由に持っていってもいいということか。

その中を漁る。
とても運よく目的のパーツ。
GP01のビームライフルとパールバンカーシールドを見つけた。

「揃うってなんか運命やな····」

なんやかんやで揃ったし、

「改修しようか。」

俺は再び作業スペースに戻った。
新たに生まれ変わる自機を想像しながら。

続く····