邪神イッセーの非日常   作:ミスター超合金
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次回、恒例の原作殴り込み! デュエルスタンバイ!


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第拾壱話 静止した闇の中で

 高笑いしながらアジトを次々に破壊していくイッセー。まさに邪神である。
 迎え撃ったジークフリート達はみじん切りにされ、構成員も片っ端から殺された。


「おい、死にたくなければ八坂の居場所を言え」


「奥の牢屋に閉じ込められてます! い、命だけは……」


「解った、死ね」


 構成員を消滅させ、イッセーは奥へ進んでいく。やがて先程吐かせた通りに牢屋が見えた。モンスターや果ては人間までが収容されたそれらを通り過ぎて八坂を探した。
 一番奥に辿り着いたところで目的の人物が姿を現した。


「よお、八坂。こんな雑魚に捕まるとはな」


「メルヴァゾア殿……」


「京都に戻るぞ」
 

 そう言って彼女を担ぐと京都に転移していった。因みにこの日以降、最大勢力の一角だった英雄派は落ちぶれたらしい。


▼▼▼▼▼


「ただいまー。八坂を救ってきたぞー」


「お帰りっス!」


「総大将! よくぞご無事で! メルヴァゾア様には何とお礼を言えば……」


「礼よりも宿の手配は完了したんだろうな? 俺達は旅行に訪れたのであって、救出はそのついでという事を忘れるな」


 烏天狗を黙らせると続いて八坂に視線を移す。


「つー訳で、お前には案内を頼みたい。引き受けてくれるか?」


「ええ、私で良ければ喜んで。ただ娘の九重を連れていっても構いませんか? 甘味処に関しては私よりも詳しいですよ」


「別に良いぞ」


 こうして狐親子の案内も得てイッセー達は一泊二日の京都旅行を満喫した。清水寺や二条城、金閣寺に銀閣寺といったメジャーな観光スポットを巡り、みたらし団子やそばぼうろ等の京都グルメも堪能。
 満足した様子でミッテルトが笑った。


「ウチはこれ以上食べれないっスよ!」


「食べ過ぎました……」


「調子に乗って注文しまくるからだ。悪いな、八坂」


「良いんですよ。助けて頂いたお礼に奢らせて下さい」


 呆れたように呟くも彼女は首を横に振った。今回の件の謝礼らしく、寧ろ足りない程だと申し訳なさそうに頭を下げる。


「流石の俺もお前から金を取ろうとは思わねぇよ。また観光に来るかもしれんから、その時は頼むわ」


「お待ちしています」


 八坂と九重は転移していくイッセー達を、深々とお辞儀して見送った。やがて完全に姿が消えると九重が頭を上げた。そこで何かに気付いたのか首を傾げる。


「……母上。何故、顔が赤いのじゃ?」


 夕日のせいよ。クスクスと恥ずかしそうに笑う八坂に、やはり意味が解らず頭に疑問符を浮かべる九重だった。


▼▼▼▼▼


「楽しかったにゃー!」


「お土産も沢山頂きましたね」


「来年もまた行きたいっス!」


 帰るなりソファに寝転がる三人娘。ちゃんと風呂に入れよ、とだけ注意してからイッセーは再び出掛ける準備をする。


「あれ? また何処かに行くんですか?」


「テロリスト対策の話し合いだ。留守番しててくれ」


 夜空の下、人気のない公園にまで移動するとそこで術式を拡げ、曹操とゲオルクを放り出した。両者共に拘束されており逃げ出す事は出来ない。
 何故、殺さなかった。睨みながら問う曹操を無視してもう一つの術式を組み立てる。ゲオルクの顔色が変わった。


「貴様、まさか俺達の神滅具(ロンギヌス)を抜くつもりかッ!?」


「襲ってきた代償という訳だ。英雄なら誰かの役に立たないとなぁ?」


「待ってくれ! それを抜かれたら死んでしまう!!」


「助けて欲しいのか?」


 英雄の末裔は揃って首を上下させまくる。こんな志半ばで死んでたまるか、と。
 対して某ミリオネアの司会者の如き笑顔となるイッセー。


「ああ! 生かしてくれるなら部下になっても良い! 俺達には利用価値があると思うが、どうだ!?」


「……いい台詞だ。感動的だな」




「だが無意味だ」


「え、ちょ」


 満面の笑みでポチッとな。その瞬間、曹操達の胸から光り輝く神滅具(ロンギヌス)が取り出されると同時に彼等は泡を吹いて死んだ。
 残された神をも殺すというそれらを片方は収納し、もう片方は嬉しそうに自らの胸に押し当てた。


「『絶霧(ディメンション・ロスト)』は俺が貰い、『黄昏の聖槍(トゥルー・ロンギヌス)』はミッテルトにプレゼントする……。最高の京都土産だね」




右手に槍を、左手に霧を。