ロクでなし魔術講師と赤髪の天災魔術師 (リメイク)   作:クッペ

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すげえ短いのにすげえ間隔開けてすいませんでした・・・


第三話

 2-2の連中を遠征学習に行くのを見届けると、俺はイヴに特務部室の室長室に呼び出された。

 恐らく今回の任務の件だろう。今回の任務の概要はまだ何も聞いていないが、何か嫌な予感がする。

 

「来たぜ、今回の任務の概要だろ?」

 

「そうよ。まず先に、天の智慧研究会の第一段『門』クラスの魔術師が三人、この国の重役の暗殺を企てている情報を得たわ」

 

「毎回思うんだが、その情報ってどこから得てるんだ?」

 

「自前よ。あなたには教えられないのだけれど。その三人はグレイシア=イシーズ、ゼト=ルード、ヴァイス=サーナス。いずれも急進派とされている三人だ。第一段『門』クラスの魔術師を一人で相手できるのは特務分室だけではカイン、あなただけ。今回の任務は重役の護衛。あなた一人で行ってもらうわ」

 

「クリストフとバーナードはどうしている?単独ではなくとも、あの二人ならば問題は無いと思うだが?」

 

「あの二人は別の任務に赴いていて、ここにはいないわ。セラとリィエルは護衛向きの人選ではないし、今回はあなたが適任なの。分かったら早く了承しなさい」

 

「・・・分かった。でもその前に、一つ不可解な点があるんだが」

 

「何かしら?」

 

「タイミングが良すぎないか?ちょうど遠征学習で俺が直接王女殿下の護衛が出来ない、このタイミングでこの重役暗殺の情報だ。こっちは囮、向こうが本命ってことは無いか?白金魔導学研究のバークスってやつは不穏な噂をよく耳にする」

 

「私の情報を疑ってるの?今まで私の情報が間違ってたことがあったかしら?」

 

「情報そのものに間違いがあるとは思っていない。でもその重役暗殺には本当にその三人を天の智慧研究会は派遣してくるかどうかが分からない」

 

「何が言いたいのかしら?」

 

「念のため、この任務が終わったら、俺はサイネリア島へ直行させてもらう。任務終了の報告は、遠征学習が終わったらだ」

 

「・・・リィエルとセラとアルベルトじゃ不安?」

 

「不安は無いが嫌な予感がする。特にリィエルが護衛としての任務を全うできるかが心配だ。そういえば、なんで今回の護衛、リィエルを派遣したんだ?クリストフの方が適任じゃないか?」

 

「・・・それは言えないわ。企業秘密ってやつね」

 

 絶対厄介払いじゃねえか!万年一緒に仕事したくない同僚ランキング一位のリィエルをこっちに送り込んだのって、確実に厄介払いだろ!

 

* * * * * * * * * *

 

「初めまして、レオン様。少しの間ですが護衛に付かせていただきます。帝国宮廷魔導士団所属のカイン=レーダスです。所属は分け合って伏せさせていただきたい」

 

「所属などはいい。それよりも私が暗殺の標的になっているとは本当なのか!?貴様はしっかりと護ってくれるんだろうな!?」

 

「お任せください、そのための自分です。四六時中傍にいるわけにはいかないとは思いますが、出来る限り傍にいさせていただきます。ですが自分が請け負っているのは身辺警護です。私生活に関することは、貴公の従者にお任せさせていただきます」

 

「う、うむ・・・分かっておる。しばらくの間、よろしく頼むぞ」

 

 自分が暗殺の対象になっていることが分かれば警戒するのも無理はない。暗殺が来るのはイヴの情報だと今から四~五日後、それからが俺の仕事だ。


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