拝啓、ラインハルト様 作:うささん
【6話】燃えろ鉄板!! 銀河ヤキソバ対決っ!?
首都オーディン。大通りから一歩入ったうらぶれた路地の通りにその喫茶店がある。
コーヒーが美味い隠れた名店であるが、立地的な条件が悪いのか人で沢山ということの方が珍しい店だ。もっともコーヒー以外のランチなども悪くないし、来るのは固定客ばかりであった。
店の二階を学生達に貸していて、バイトすれば賄い飯はタダであったからお腹を空かせた学生にはもってこいのバイトとなっている。
実家を出たラインハルトとジークフリードがここに宿を借りたのは軍学校の通学に便利だったからだ。
遠くから寄宿生として寮に入る者も多いが、こうして学校の近くに宿を借りて通う学生は意外と多い。学生専門のアパートもあり、オフレッサーの知り合いが経営していると聞いて決めていた。
「三番テーブル、出来たぞ。店長、キルヒアイスはどこに?」
「今ね、食材切らしちゃったから買い出しなのよ。ミューゼル君、頼めるかしら?」
頼んだのはオーナー兼店長で未亡人であるクラウスナー夫人だ。
夫を戦争で亡くして、残された動産を危うく詐欺で取られそうになったが、それをどうにか守って始めたのが学生宿舎と喫茶店の経営であった。
五十代半ばほどだが、若い頃は相当な美人であったろうと思われる。実際、夫人目当てで通ってくる常連も多いが、ハレンチなことをしてくる輩などいない。
ラインハルトとジークフリードは育ち盛り。料理は問題ないのだが、夫人に食事風景を見とがめられ、もっと栄養バランスを考えなさいと諭された。
それもあってジークフリードなどは夫人に頭が上がらない。
その見かけによらず強気で物怖じしない性格は、ラインハルトからすれば亡き妻のブルマに重なって見えたものだ。
価格も良心的で、量があるので財布には優しいが、経営的に内情が苦しいのはバイトしてわかったことだ。
「三番テーブル。注文の品だ。食え」
「あ、はい……」
ドン、と置き、有無を言わさぬぞという目で客を見た後にラインハルトは厨房に戻る。
ふん、キルヒアイスなどいなくても給仕くらいわけない。
「ちょっと、ミューゼル君? お客様にあれはないんじゃないかしら?」
にっこり笑って夫人が厨房で出迎える。そう言いながら見事な包丁さばきでじゃがいもをつるんと剥いている。
「仕事をしただけだ」
「お客様にきもちよーく利用してもらうのもお仕事なのよ、ミューゼル君~~?」
それから夫人の説教であるが、ラインハルトには馬に念仏。最後に「わかりました」と言って理解を装うが本人はおそらく直す気はない。
何せ、このやり取りも何度目になることか。
シフトもジークフリードを給仕専門でラインハルトは厨房という図式となりつつある。
「ただいま戻りました」
「ええ、ありがとう。ちょっとポスト見てくるわね」
「はい……」
厨房の雰囲気に戻ったジークフリードの頬が引きつる。
心なしかすれ違った夫人のオーラが殺気だっている。温厚な夫人を怒らせて平気なのはこの店ではラインハルトしかいない。
夫人が出ていくとジークフリードはラインハルトに詰め寄る。
「もしかして、またやりました?」
「またも何も……お前などいなくても仕事はできると示しただけだ」
「不味いですよ、ラインハルト様。アルバイトの身の上なうえに夫人は宿のオーナーなんですから」
「媚びを売るのが仕事か」
「それで食べさせてもらってるんですよ! はい、これ」
ジークフリードが買い出ししてきた袋をラインハルトに押し付ける。
ころっと玉ねぎが落ちて転がるのをラインハルトは片足で器用に蹴ってテーブルに転がす。
夫人はすぐに戻ってくると手に持った封筒を二人に見せた。
「あなた達に手紙が来てたわよ。まー懐かしい。オフレッサー大佐……じゃなかった上級大将よね。いつも間違えちゃう」
夫人が二人に差し出したのは金の縁取りが入った招待状だった。
◆
ラインハルトとジークフリードの二人は幼年学校卒業を間近にしている。
制服姿で休日を外出するのは久しぶりだ。しかし、今日は少しばかり高尚なパーティ席での参列だった。
制服であればどこでも礼服で通用するのは昔から。というわけで二人とも軍学校の制服で通している。後数ヶ月でこの制服を脱ぎ正式に帝国軍人の士官として赴任することだろう。
「くそったれだ。キルヒアイス、俺はもう帰りたい」
「でも、僕達もお腹ペコペコです。ここまで来たら覚悟を決めましょう」
来てしまったのに今更である。ジークフリードがなだめるように言う。
不機嫌なラインハルトは額にしわを寄せた。
この五年で二人は大きく成長している。上背も伸び、胸板も厚くなった。
とりわけラインハルトは生まれ持った美丈夫さに精悍さが加わり、鍛え上げた体はすでに完成された一人前の男となっていた。
男女関係なくラインハルトの存在感を無視せずにいられない。
今この場にいて、誰よりも目立っているのは金髪と赤毛の少年二人である。
絶世の美男子かつその逞しい男らしさに、先程から、何人もの婦人や令嬢方がラインハルトを見てはささやき合ったり、目が離せずに連れ合いを苛立たせたりしている。
ジークフリードもまたラインハルトとは方向性が違う美男子であったから嫌でも目立たざるをえない。
ラインハルトとしては見せ物にされている感がある。嫉妬じみた視線は言いがかりに近い。
こんなことならアルバイトして夫人に説教食らわされる方が百倍マシだったぜ。
「ダンスなどこの俺様がやってられるか」
「そんな顔をしていると禿げますよ?」
「誰が禿だっ! 俺のどこが禿げている?」
禿げてないのに額の後退的なことを指摘されるとラインハルトは怒るのだ。もっとも、今は気を紛らわせておかないと場が持たない。
今いるのは貴族の中でも上級貴族であるリッテンハイム公爵の屋敷だ。
ジークフリードもこれほど大きな邸宅だとは思っていなかった。案内がなければ迷いそうだった。
「オフレッサー上級大将がせっかく招いてくださったんです。楽しみましょう」
「それが何でリッテンハイムの屋敷でなんだ? ブラウンシュバイクまでいるなんて聞いてないぞ?」
公抜きの呼び捨てだが、ラインハルトがジークフリードに遠慮することはない。
表のテラスでは着飾った貴婦人やら紳士達が談笑をしている。数百人の貴族がリッテンハイムの富に群がるように集まっている。
ラインハルトにはそのようにも見えた。
肝心の二人を呼びつけたオフレッサーはここにいない。
しばらく窓際の座席でくつろいでいるとそのオフレッサーが姿を現す。
「おお、いたいた。ラインハルトにジークフリード」
オフレッサーが待ち合い部屋に入ってくると二人に声をかける。
「おお、オフレッサー上級大将だ」
「まあ、英雄のご登場ね」
たちまちのうちにオフレッサーの周りには人が溢れていた。その人気振りは近頃はますます盛んなようだ。
最近ではビジネス業界にまで人脈を作っているらしく、着々と独立の基盤を作っているらしい。そんなことを姉のアンネローゼから聞いていた。
ああ見えても女心を掴むのが上手く、アンネローゼのところにもお茶を飲みに顔を出しているようだった。
ヴェスパトーレ男爵夫人がオフレッサーのファンであったこともあってか、オフレッサーとはそれなりに親しいらしい。
この間、男爵夫人や姉にまだ話していないことをすでに知っていたから、オフレッサーあたりから聞いたに違いない。
「もっとも、ここではピエロの人気のようなものだ」
ラインハルトの呟きにジークフリードが頷く。オフレッサーに悪気はないが、客寄せ動物のようにオフレッサーが見られているのも事実だ。
しかし、あからさまにオフレッサーを嫌う者もあまりいない。ピエロのようにも見える振る舞いさえもオフレッサーの処世術なのかもしれない。
「おおっと、すまん。子ども達が待ってるんで。俺は行かねば」
オフレッサーが二人に向かって手振りをする。そして隣の小部屋に入る。二人はオフレッサーの後をついていく。
「俺達は暇じゃないんだが?」
折角の休日を筋力トレーニングで過ごそうと思っていたのに呼び出されたのだ。ジークフリードは買い物に行きたがっていたが、招待状までもらっては後に引けない。
それに、少しばかり貴族どもの暮らしぶりに興味があった。もうどうでも良くなっているが。
オフレッサーは表に出て、止めてあった車のトランクルームを開ける。
「お前達に手伝ってもらいたいことがあるんだよ。ほれ、これだ」
「これは……鉄板ですね」
「鉄板だな」
ラインハルトが鉄板を一瞥する。甘ったるいクレープでも作るのだろうか?
「焼き方は俺が教える。何、作り方は簡単だ」
「何を作る?」
「焼きそばって知ってるか? ソースで作るんだ」
「知りません……」
ジークフリードにとっては未知の味だ。
焼きそばは地球発祥の鉄板料理だが、ここ十年ほどで銀河文化振興会による食文化復興が進んでいて、地球からの食レシピが流入してきている。
ゴールデンバウム王朝成立後は何百年かの地球文化の断絶の歴史があったのだが、近頃は地球流のものが見られるようにもなってきたのだ。
「説明など不要だ」
ラインハルトは自信満々に答える。
何を作ろうが鉄板などとっくの昔に俺が征服したものである。鉄板で作れないものなどない。
「ラインハルト様……焼きそば焼けるんですか?」
「無論だ。この程度、造作も無いことだ。百人前でも千人前でも持ってきやがれ」
腕組みをして答える。もはや勝ったも同然である。焼きそばで俺に勝てる奴などいない。
誰と勝負するのやら。ジークフリードは突っ込みたい気持ちは押さえて鉄板の厚みを測る。普通にバーベキューも出来そうだ。
「そうか、じゃあ、焼いてもらおうか。見せてもらうぞやきそばの出来栄えをな! この俺を超えてみろ、ラインハルト!」
この日にオフレッサーが子ども達のために用意して特訓してきたのだが、たかが小童に超えられてはオフレッサーの名が泣くというものだ。
「無駄に熱いですね……」
「ふ、望むところだ」
腕まくりをして不敵に笑い返すラインハルトだった。
◆
色とりどりの風船がパーティー会場に何十も浮かんでいる。
リッテンハイム公のホームパーティには貴族の子ども達も多く参加している。その子ども達にオフレッサーが用意したのが大量の風船と鉄板焼きそば実演だった。
熱々に熱された二つの鉄板の前で白いエプロンとコック帽子をかぶったオフレッサーとラインハルトが腕組みをして構えている。
時間まで待機中である。
「風船ちょうだい」
「はい、どうぞ」
ジークフリードが風船を手配りする。特にやることがないので子どもに風船を配る役目を引き受けていた。
「さあ、みんなっ! これから焼きそばを焼くぞーっ! 腹ペコ諸君集まれ~~~!」
オフレッサーが声を張り上げた後、二人は同時に動き始めるのだった。
用意された食材はキャベツと麺とソースだ。ラインハルトの前で熱せられた鉄板が気を立てている。
いいかお前ら、焼きそばは麺を焦がさないことが最重要だっ!
そのために必要なのが水とキャベツ!
手早く!
素早く!
機を見て攻める!
鉄板の上には山盛りに盛られたキャベツの山がある。そして投入された水が大量に白い蒸気を上げる。
麺が見えないが、その真下には蒸される最中の麺が敷かれているのだ。
忘れるな、この蒸し焼きのための時間が超重要っ!
やりすぎても短すぎてもダメだっ!!
9、8、7……今だ!
時間を測って静止していた姿勢から一転。
ラインハルトは握った起金を駆使して麺をかき混ぜてはひっくり返す。何十人分もの大量の焼きそばを扱うには鍛え上げられた手首が必要である。
ひねり出されたソースが迸り、鉄板がソースと焼きそばを焼いて香ばしい匂いをまき散らす。
その匂いが広がって、思わず見ていたジークフリードも口に唾が湧くのだった。
「さあ、焼きそばの出来上がりだ~~!」
オフレッサーが宣言すると、子ども達と風船の群れが鉄板の前に集まる。
オフレッサーの前に子ども達が多く集まっている。対し、ラインハルトの前に来た子どもは、少しためらった後にオフレッサーへと流れていった。
「何…だと……」
馬鹿なっ! 何故だ。俺は完璧な焼きそばを作ったというのに!?
「フハハ、さあ、いっぱい食うんだぞ~~」
オフレッサー自ら皿に持って子ども達に手渡していく。
勝負は焼きそば消費量で売り切ったもの勝ちだ。このままでは圧倒的にオフレッサー有利だ。
「あの、学生さん。私達にもそれ、下さらない?」
「あ、ああ」
ラインハルトの前に立つのはご婦人方である。恐る恐るといった感じである。
残念ながら、愛嬌という面ではラインハルトには才能がない。売り子としては仏頂すぎるのだ。
「どうぞっ! 沢山ありますから、皆さんも食べていってください」
ジークフリードが割り込んで持った皿に焼きそばを盛ると婦人達に差し出していた。キラリと光る歯と甘いマスクで婦人方の胸をときめかせる。
「あら、赤毛さん。ありがとう~」
二人の婦人が笑いながらそれを持って席に戻ると、次から次に婦人方が二人の元へ殺到するのだった。
「ラインハルトめ、やりおるな……」
オフレッサーとラインハルトの焼きそばはあっという間に完売。麺の一つも残すことなくみんなの腹へと収まるのだった。
「ああ、なんてことかしら。ソースの香ばしい匂いに引き付けられて来てしまったと思ったら、いるのは筋肉ゴリラ……しかし、ここに天使が現れたの! まさに天使っ!」
一人のドレスの少女が皿に盛られたヤキソバを手によろよろと女性陣の群れから現れると、ヤキソバを口に運びながら片手で上手く撮れたかしらと端末カメラを確認する。
少女の年の頃は九つか十ほど。色気より食い気が勝る年頃なわけだが……そこにはキラッと爽やかフェイスの赤毛の超美少年様がバッチリと映っているのです。
その相方であるラインハルトの方は湯気のせいか、写真がぶれているのかピントはぼやけているが顔だけはどうにか判別できる。
「キャーっ! ヤバイヤバイ、何という美・少・年っ! 一体この赤い髪のお方は誰なんですの~~~!? はあはあ……そうよ! 招待客リストを確認すればきっとわかる……ああ、ザビーネちゃんったらなんて頭がいいのかしら! こっちの金髪さんはエリザベートお姉さまに上げるわ。メール送っとこうっと」
二つ上の親戚にメールを送り、赤毛美少年はしっかりとフォルダに保存する。
「今週の婦人討論の若き軍人さん特集に送るネタは決まりましたわ。これで賞を取れれば記者デビュー間違いなし、ですわ~」
焼きそばを平らげ、軽やかにステップを踏みながらザビーネはその場を後にするのであった。
そして貴族たちの騒ぎを遠くから見つめる冷酷な目が二つある。
「貴族のご機嫌取りか……帝国の英雄など虚像か」
そう呟きウェイターにグラスを返すのは酷薄な眼差しの青年だ。
長身痩躯。その顔色は悪いが、彼はいたって健康体である。その両目は義眼で、普段は気付かれないが、たまに不具合を起こす。
貧乏貴族の端くれとして会場に出席していたがすでに帰ろうと背を向けていた。明日から新しい赴任先に旅立たねばならない。
喧騒に背を向けて門前近くまで歩く。そのときだ。
「あ、僕の風船!」
風に風船を飛ばされた男の子が叫ぶ。青年が見上げると風にさらわれる風船が見えた。
次の瞬間、青年の姿が地上から消えていた。
「え?」
子どもの疑問の声。そして青年が着地する。その手には遥か空に消えたはずの風船が握られていた。
「僕の風船?」
呆気にとられて少年は首を傾げる。その手に青年は風船の糸を握らせていた。
「ありがとう、お兄さん!」
「礼には及ばん」
表情も変えずに告げると、青年は背を向けると門を出ていた。その時、路上から聞こえてきた声に青年は振り返っていた。
「水の献金をお願いしますっ!」
「辺境の惑星ディナールでは水が大変不足しています。私達の力で水に困っている人達の役に立ちませんか!」
募金活動をしている少年少女達だった。
立ち去りかけた足が反転すると、募金箱の前に背の高い影がさして紙幣が突き出される。
「あ、あの、こんなに?」
「不足か?」
また義眼が不具合を起こす。チカチカ光る光に子ども二人は怯えながら目配せする。
「いえ……そういうわけじゃ……」
躊躇う声を無視して紙幣は箱の中に落ちるのだった。
「ありがとうございましたーっ!」
その声を背中に聞きながらパウル・フォン・オーベルシュタインは去っていた。
◆
その一週間後の喫茶店では……クラウスナー夫人がこっそりと店内を窺っていた。
「ねえ、キルヒアイス君、今日はなんだかいつもと客層違わない?」
「そうですか? 確かにちょっと違うような……」
「四番テーブル、できたぞ」
「あ、はい」
ラインハルトから注文の皿とカップを受け取りジークフリードが給仕に向かう。
いつもより店内は少しざわめいている。いつもと違うのはときおり起こる笑い声に囁き合う声だ。
それはジークフリードが現れると何人かが明らかにガン見してくるのだ。それも若い娘ばかりがだ。
客席の半分以上が若い女性で埋まっているこの店始まって以来の異常事態。
こ、これは一体何が……
「すいませーん、注文願いしまーす」
「はい、ただいま!」
「こっちもお願いしまーす!」
注文をするのは良いが、ジークフリードが受けようとするとなぜか迷いながら注文を選んでいる。まるで、わざと時間を稼いでいるかのような……
だが、ここは接客のプロとして耐えねばならないと笑顔で待機するのであった。
「つ、疲れた……何だったんだろう……」
ようやく閉店を迎え焦燥した顔でジークフリードは呟いた。
「お疲れ様、今日一日ですごい売り上げよっ! 何か今日はイベントでもあったのかしら?」
不思議、と夫人が首を傾げる。
「ああ、良かった……」
「キルヒアイス、飯でも食え。明日はしごくぞ」
ところで、ジークフリードでさえ気が付かなかった共通点がそこにはあったのだ。
婦人討論……戦争未亡人や夫が戦地にいる女性を応援する雑誌である。その今週の見出しのページでは、今後を背負うであろう若い軍人さん特集が組まれてはトップを飾っていた。
今週のトップは、子ども達の焼きそばを焼くオフレッサーとカメラ目線で微笑みかける好感度ナンバー1の美少年が映っていたのである。
送ったのはザビーネ・フォン・リッテンハイムだ。
雑誌の運営には未亡人支援などに携わる婦人方が多くいる。その中には貴族の妻や娘が支援者としても多く含まれていた。
ザビーネが写真を撮って投稿し、これは誰だという問い合わせは必定であった。
美少年成分に飢えていた女性陣のハート胸キュンさせるには十分すぎるほどであったといえよう。
赤毛の美少年の情報漏洩は、うちの娘が撮ったのよ、というザビーネの母親がうっかりと雑誌の応援をする婦人方に口を滑らせたことから始まって、赤毛と金髪の居場所はすぐに割れた、ということである。
投稿したのはザビーネなので、すべての元凶はザビーネにあるともいえよう。
そしてそれが、傾きそうだった喫茶店の経営を間接的ながら一気に回復させることになるのであった。
★キャラクターボイス
ちょい見せの謎の義眼青年(´・ω・`)
オーベルシュタイン:塩沢兼人
ナム:塩沢兼人
相手の後頭部に手刀を浴びせる「修羅激烈拳」と、空高く舞い上がる「天空×(ペケ)字拳」の使い手である(´・ω・`)
塩沢さんももうお亡くなりになってるので、もうあの声が聞けないとなるとすっごいさびしいです(´・ω・`)