クロスアンジュ 天使と竜と新人類の転生者   作:スパロウ
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第四話

数日が経ち、格納庫でジルはエマからアンジュの適性審査の結果を見る。

 

「例の新人についてですが基礎体力、反射神経、格闘対応能力、更に戦術論の理解度、全てにおいて平均値を上回っておりますが、なぜ彼の方は訓練を受けさせないんですか?」

 

エマはそう言いながら、今も整備班と一緒に工事作業をしている巴を見る。

 

「あいつの方から工事が終わったら遅れた分は訓練すると、本人が言ってきたから問題ないさ。それにしてもアンジュは優秀じゃないか。」

 

「ノーマの中では、ですがね。」

 

エマの皮肉にジルは苦笑し、エマは敬礼し別れ、ジルは格納庫を歩きながら、

 

「パラメイルの操縦適正に特筆すべきものあり、か。」

 

手に持っている指輪を見てつぶやきながら進み、格納庫の一角のとある場所に辿り着いた。

 

そこには乗り手のいない一機の白いパラメイルが眠っていた。

 

 

その頃食堂では、巴は一通りの作業が終わり昼食を食べに来た。

 

巴は今日の昼食を受け取り、どこで食べようか探し、アンジュがいる席が空いてるのでそこで食べることにした。

 

「ここいいかな?」

 

「………」

 

アンジュに座っていいか聞いたが、何も答えず巴はそのまま座り、昼食を食べることにした。

 

「いただきます。」

 

そう言い巴は食べ始めたが、

 

「(あまりおいしくないが、食うしかないか。)」

 

そう考えながら食べていたが、それを見ていたアンジュは

 

「よく食べられますね、それ。」

 

「おいしくなくても食べなければ体がもたないからな。」

 

巴はそう言いアンジュのトレーを見ると、口に合わなかったのかトレーにたくさん残っていた。

 

「おやおや?これはこれは痛姫さま。あら、あんなに何でも出来ちゃうお方が好き嫌いですか?」

 

そこにヒルダとロザリー、そしてクリスの三人がやって来て、ロザリーが巴の隣に座り、アンジュの隣にクリスが座って来て、巴はこの状況に面倒だなあと思ってると

 

「イタ姫様、しっかり食べないといざっていう時に戦えないよお?」

 

そう言いながらロザリーはアンジュの食事を自分の皿に移し、からの皿をアンジュに渡し食べようとするが、

 

「あなたもよく食べられますね、それ。」

 

アンジュの言葉に食べようとしていたロザリーの手が止まり、クリスはアンジュの方を見て睨む。

 

「あらあら、痛姫さまのお口には合いませんでしたか?」

 

ヒルダがアンジュにそう言いロザリーは、

 

「お高くとまってんじゃねえ!」

 

アンジュに水をかけようとしたが、アンジュはそれを避けて水はかからなかった。

 

「テメエ!」

 

避けたアンジュにロザリーは胸元を掴んだので巴は、

 

「はいはい、2人とも」

 

「やめな、ロザリー。」

 

止めようとしたが、ヒルダが先に止め、アンジュの方を向き、

 

「痛姫さま、一つ忠告してあげる。此処はもうあんたのいた世界じゃない、早く気がつかないと死ぬよ。」

 

ヒルダはアンジュに忠告するが、それでもアンジュは無視し席を離れ、見ていた巴はため息をはき、席を立つと

 

「あ、あの!よかったらコレどうぞ!」

 

アンジュに同じ新人の女の子が現れ、女の子はアンジュにプリンをあげていた。

 

「たしか」

 

「あ、私はミランダ。それでこっちはココですよろしく!」

 

「あ、新人同士これからよろしくお願いします!」

 

緑髪の子ミランダ、藍色の髪の子ココが巴に自己紹介する。

 

「ああ、俺は二条巴だ。これからよろしく。」

 

「そういえばさっき、アンジュに何を渡してたんだ?」

 

「私の大好物のプリンを是非アンジュ様には食べてもらいたくて!」

 

「ああ、あったなプリン。それでどうしてアンジュに?」

 

「この子、アンジュにベタ惚れのようだからさ。」

 

「なるほど。」

 

「(だけど、今のアンジュにはココの好意を理解できない)」

 

その後、巴はココ達と一緒にアルゼナルで唯一の憩いの場である市場"ジャスミン・モール"で品物を見て回っていた。

 

先ほどアンジュはここで紙とペンを買っていたようだ。

 

「あの、アンジュさんは外の世界ではどうやってお買物とかしていたんですか?」

 

ココの質問にアンジュは皇国にいたころを懐かしむように答えた。

 

「……望めば何だって手に入りました。望んだ物が手に入り、望んだ自分になれる。格差も暴力も差別が無く、困った事は何一つ無くマナの光に満ちていました。」

 

アンジュの話を聞き、巴はそれは恵まれすぎてると考えていた。それを当たり前として人は考えることをやめてしまい、人は堕落し少しずつ衰退してしまうと思った。

 

「本当にあったんだ、魔法の国!」

 

だが、ココはアンジュの話を聞き外の世界に目を輝かしていた。

 

「ありがとうございました。では」

 

アンジュはココ達にお礼いい部屋に戻ろうとすると、

 

「あ、あの。また、明日。アンジュ様。」

 

ココがアンジュに挨拶をすると、

 

「アンジュリーゼです。」

 

アンジュはそう返事し、部屋に戻った。

 

 

 

あのあと巴は、ジャスミンに男性用の下着と衣服を買う場合どれくらい値段がかかるか聞き、値段がとてつもなく高く驚いた。

 

結局、今買うことができないが用意してくれるように頼み、部屋に戻ろとしたとき、

 

「「エマージェンシー!第一種攻勢警報発令!」」

 

突然警報が鳴り、ドラゴンが攻めてのか基地が騒がしくなり、巴は急いで格納庫に向かった。

 

格納庫では、整備班は各パラメイルの発信準備をしていて慌ただしく、格納庫の一角を見れば第一中隊がすでに集合していた。

 

「アンジュ、貴方は後列1番左の機体に乗って。」

 

サリアはアンジュに指示をだしているが、アンジュの表情は浮かないもので、何があったか知らないがそうこうしている間にも出撃準備は進んでいく。

 

「行くぞ!」

 

そして、準備が整いゾーラの号令と共に第一中隊各員はそれぞれ自分のパラメイルに乗り込み、新兵以外は手際良く動作を進めていき、巴はνガンダムのシステムを起動していく。

 

「生娘共、少年、初陣だ!訓練通りにやれば死なずに済む。お前達は最後列から援護しろ。隊列を乱さぬよう落ち着いて状況に対処せよ!」

 

「「イ、イエス、マム!」」

 

「了解。」

 

「これって…」

 

ココとミランダは緊張しながら返事をしたが、アンジュは何か考えている様子だった。

 

「全機、発進準備完了!誘導員が発進デッキより離脱次第発進してください!」

 

「よし!ゾーラ隊、出撃!」

 

ゾーラの機体が発進し、ゾーラに続くように他の機体もどんどん発進していき、ココ達が出撃したあと巴も出撃した。

 

「νガンダム、でるぞ!」

 

工事をしたおかげで、νガンダムは前回よりはやく発進することができた。

 

「モノホンのパラメイルはどうだ?振り落とされるんじゃないよ!」

 

「「は、はい!」」

 

ゾーラの通信にココ達は返し、

 

「よし!各機戦闘態勢!フォーメーションを組め!」

 

『イエス・マム!!』

 

ゾーラの指示と共にパラメイルが隊列を組んでいる中、巴はあること気が付いた。

 

「隊長!今すぐアンジュに誰か監視をつけてください!」

 

「どういうことだいそりゃ、もしやあの皇女様が逃げ出すとでも?」

 

「アンジュはパラメイルを見て何か考えていました。もしかたらパラメイルを使って離脱するはずです。」

 

巴とゾーラが通信しているなか、他の機体はフォーメーションを組んでる時異変が起きた。

 

『アンジュ機、離脱!』

 

巴の言う通り、アンジュは離脱を始めたのである。

 

「チッ!」

 

「くそ!」

 

サリアはアンジュの後を追い、巴もアンジュを追う。

 

「アンジュ!もうすぐ戦闘区域なのよ!?戻って!」

 

「私の名前はアンジュリーゼ・斑鳩・ミスルギです。私は私のいるべき世界、ミスルギ皇国へと帰るのです!」

 

「まだそんなこと言ってるのか!」

 

「アンジュ。言ったはずよ、命令違反は重罪だって。」

 

サリアはそう言いながら拳銃を抜き、アンジュに狙いを定めたとき、

 

「アンジュリーゼ様!私も連れて行ってください!」

 

ココがアンジュに近づき自分もミスルギ皇国に連れて行ってほしいと頼みに来たのだ。

 

「何言ってるのココ!」

 

「私も魔法の国に連れていってください!」

 

「ココ今すぐ戻るんだ!」

 

「そうよココ戻って!」

 

その時巴は何かの意思を感じ、急いでココのところに行き、ココをνガンダムの手に無理やり乗せ、その場から離れる。

 

「巴さん!?」

 

直後、何か光のようなものが見え、ココのパラメイルを貫き機体を破壊した。

 

今の攻撃をドラゴンが放ったらしく、もし助けるのが遅かったらココは死んでいただろう。

 

そして空間に穴が開き、そこから大量のドラゴンが出現する。

 

『ドラゴン・コンタクト!』

 

「……これが、ドラゴン。」

 

「な、なんなの?…これ?」

 

アンジュと巴は混乱していたが、ドラゴンはそんなこと関係なく、雄たけびを上げこちらを睨んでいた。

 








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