デート・ア・ライブver.hope! 〜東方希望録 シーズン2第1章〜 作:紡ぎ手@異人
昼地灰人を止める為。
五河琴里を助ける為。
目的は多くて、手段は一つしかなくて。
東方希望録シーズン2、始まります。
五河琴里は士道が好きだ。それは間違いない。間違いないのだが、彼女はそんなにそれを表に出したりはしない。それも人前で。白いリボンを付けた時は少し表に出るものの、人前で出すことはやはり少ない。黒いリボンで出すなどありえない。それなのに。
「士道、来なさい。」
「琴里…」
「………」
目にハイライトがない。"使われている,,証拠だ。
「どうするの?白狼…」
「
「………」
ちらりと、俺と琴里…いや、灰人の視線が交差する。つまらない、といった顔だった。お前はそんなんじゃないだろうと、言われているような…
「…フラン。貴女もよ。」
「…私も?」
近くの公園まで歩き、
「…五河士道。」
「…え?」
「ど、どうしたんだよ…琴里…?」
「っふふ。鈍いですねぇ。そんなのだから五河琴里から何度も蹴られたりするのですよ。」
瞬間、目の前が爆ぜた。
「っ!?」
士道が一瞬目を覆う。そして、光が収まると同時、次に熱さが襲った。
「っ熱……」
「ふむ…なかなかいい力ですね。〈
「っお前…琴里じゃないな…!」
士道が琴里が誰かに操られているのを理解すると同時に、空間震警報が鳴り響く。
「さて、五河士道。貴方を殺すのは後です。その前に…」
「フランドール・スカーレット。貴女です。」
底冷えするような声で、そう言った。
「フランを…?」
「ええ。夜月白狼。貴方を堕とした張本人を、跡形もなく燃やし尽くします。」
そう言うと、
「
瞬間、
「っ!?琴里!」
「待て士道!アレは…!」
「ふふ…これが完全なる精霊の力…」
「…白狼、どうする?応戦はできるけど。」
〈
「ま…待ってくれ!アレは身体は琴里なんだろ!?フランが能力を使ったら!」
「使わないよ。それは絶対にしないから。安心して。でも、このままでもいけないでしょ。」
「作戦は決まりましたか?では…行きますよ!」
大きな戦斧を手にフランに襲いかかる
「!禁忌"レーヴァテイン,,!」
それを察知すると同時にフランも霊力を解放。炎剣を呼び出し、振り下ろされる戦斧を受け止める。
「ほう…やはり悪魔の妹と呼ばれるだけはありますね。天使の一撃を受け止めますか。」
「あまり私を見くびらない方がいいわよ?世界の先にいるあなたまで焼き尽くすかもしれないから。」
フランがそう言うと同時に、四人に分身する。
「フランが四人に…!?」
「禁忌"フォーオブアカインド,,。フランのスペルのひとつだ。あれがある限り、フランの人数的優位は揺るがない。」
しかし、
「ふふ…人数が増えれば勝てるとでも…?」
「…どういう事かしら?」
「すぐにお見せしますよ、〈
「っ!」
「フラン!」
霊力を一気に解放。間に入ろうとするも、
「来ないで!」
「っ…でも!」
「私は大丈夫だから!とりあえず琴里ちゃんを抑える!」
フランは言って、レーヴァテインにさらに霊力を送り、負けじと勢いを増す。
「む…やりますね。しかし…」
「させないよ。禁忌”カゴメカゴメ,,。」
「チッ…厄介な!」
「ふふ…もっともっと楽しませてね?」
「……」
はたから見ればフランが有利に見えるこの状況。しかし俺は、不安をぬぐえずにいた。
「…だめだフラン…灰人相手にいろいろだしたら…」
「遅いですよ。夜月白狼。忠告は戦う前でなければ。…”
「っ!?」
「自分の弾幕を食らうと良いです。」
風によって運ばれた弾幕は、本体のフランに殺到する―――
「きゃあああああ!」
弾幕が炸裂し、煙でなにも見えなくなる。しかし、すぐに煙は晴れる。
「全く…せっかくのスペルがブレイクしちゃったじゃない。」
そこに立っていたのは、無傷のフラン。どうやら他の分身体が盾となったようだ。
「フラン!」
「士道君。止めないでね?私今、すごく楽しいんだから。」
フランの目は何時もよりも紅く、妖しげに揺らめいていた。
「”
密かに灰人の”
「なぁ、白狼…」
「なんだよ。」
「…大丈夫だよな?」
「おいおい。俺の恋人が信じられないってのか?フランも精霊と同レベルで人間やめてんだぞ?吸血鬼だし。」
「でも!あの力は…!」
士道の不安を俺は笑って、
「安心しろよ。すぐに取り返してやる。」
俺は右手を握りしめ、笑った。
11月が待ち遠しい…
灰人。お前が何を思ってこんなことをしたのかは知らない。でも、すぐに辞めさせる。この右手で!次回、東方希望録シーズン2!
お前の、その
俺は琴里へ手を伸ばす。
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