巨影都市オブ・ジ・エンド   作:銀色の怪獣

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はいどうも、銀色の怪獣です。

何やかんやで十話目です。以外とネタが尽きなかった・・・というか、まだまだネタはあります。なので続きます。

で、今回もマイナーです。多分、コイツは出演したシリーズでも群を抜いてマイナーです。自分で言うのもなんですが、本当にマイナーしか選ばないな僕は・・・

ただね、いまさらゴジラだガメラだゼットンだ、と誰でも知っているような「王道」なのばかり出すよりは、もっとマイナーな強豪、あるいは魅力的なキャラクターにスポットライトを当ててあげたいのですよ僕は。だからこれからも基本的はマイナーを選ぶと思います。

ですので、僕が選ぶマイナーにもみなさん注目してあげて下さいね。では、どうぞ~


第十話 虐める『巨影』

 

何気ない平和で当たり前の日常。もし、その平和で当たり前の日常に異形の存在「巨影」が現れたなら・・・

 

のどかな田園風景が広がる土地があった。だが、数十年後にはこの田園地帯は見る影も無くなり、常に大勢の人々や車が行き交い、見るものを圧倒する無数のビル群が広がる大都市になるなど誰が想像できるだろうか?

とはいえ、それは数十年後なのでさてお手置くとして・・・

 

「おい、そっちだ!捕まえろっ!!」

 

「おう!任せとけ!!」

 

「あっ!コノヤロー・・・逃げるなよ!!」

 

のどかで自然豊かな田園地帯にはたくさんの生き物がいる。そんな生き物たちは近所の子供たちにとって絶好の「遊び相手」であり、同時に「玩具(おもちゃ)」でもある。現に、

 

「よーし!捕まえたぞ!!」

 

―――ゲコッ!ゲコッ!!―――

 

「うわっ!デカいガマガエルだな!!」

 

「へへっ、でもこんなに大きけりゃ色々出来るだろ?」

 

「確かに。よし、じゃあさっそく爆竹くわえさせてみようぜ」

 

「後はさ、お尻にストローさして膨らませようぜ」

 

今まさに近所の子供たちが田園地帯に住人を、大きなガマガエルを捕まえた。そんなガマガエルは・・・哀れ子供たちによって振り回され、踏まれ、お尻にストローを刺されて膨らまされ、口に爆竹をくわえさせられ、といった具合に弄ばれ、嬲られ、いたぶられた結果・・・死んだ。

 

「あーあ、死んじゃった」

 

「ちぇっ、つまんないの。もう死んじゃった」

 

「うん、もっと色々やりたかったのにね。ダメなヤツだなぁ」

 

一方で、ガマガエルを弄んだ挙句に無残に殺した子供たちは悪びれる様子も無く、むしろ呆気なく死んだガマガエルの悪口すら言う始末であった。

しかし、彼らに「悪気」は無い。彼らはあくまで「遊んでいる」のだ。ただし、いくら子供とはいえどもちっぽけなガマガエルからすれば"人間の力"は命取りであり、惨い結果を招くには十分すぎるのだ。

 

「まぁ、いいや。じゃあ、別のカエル探そうぜ」

 

「そうだね。今度はもっと捕まえて遊ぼうよ」

 

「だな。そうすればもっと色々出来るもんな」

 

ガマガエルを悪意の無い「遊び」で殺した子供たちは次なるオモチャ(・・・・)を求め、骸となったガマガエルを放置したままその場を離れた。

 

―――ゲ・・・コッ・・・ゲコッ・・・―――

 

ふと聞こえたカエルの鳴き声。その主は・・・何と、子供たちによって散々もてあそばれて死んだハズのガマガエルであった。そう、彼はまだ生きていたのだ。

確かに、ガマガエルなど人間からすればちっぽけで弱い。だが、生き物は最後の最後まで生きることを諦めない、絶対に死を易々と受け入れたりはしない「執念」があるのだ。

とはいえ、流石にガマガエルは瀕死の重体であり、その命は風前の灯火だ。だが、このガマガエルは生きることを諦めなかった。それが数十年後、このガマガエルが住んでいた田園地帯を潰して作り上げた大都市で起きた「惨劇」に繋がるのだ。

 

 

 

―――ガバァララァアアアァァァ!!―――

 

「う、うわあああぁぁぁっ!?助けてくれーーーっ!!」「ば、化け物だーーっ!!」「こ、こっち来ないでーーー!!」

 

日本のとある大都市に響き渡る人々の悲鳴と・・・「怪獣」の雄叫び。何と、大都市のど真ん中に突如として地中から巨大な怪獣が現れたのだ。

 

―――ガバァララァアアアァァァ!!―――

 

現れた怪獣は直立二足歩行でギョロリとした目、茶褐色の(たてがみ)、緑色でイボイボだらけの皮膚、そして尻尾が無いまるで醜いカエル(ガマガエル)のような怪獣であった。

そんな怪獣は大都市のど真ん中に姿を現わすや否や「ある行動」に出た。それは―

 

―――ガバァララァアアアァァァ!!―――

 

「ぎ、ぎゃあああぁぁぁっ!?う、腕が・・・腕がーーーっ!!?」「や、止めて!お願い!!助け・・・て・・・」「頼む!一思いに殺してくれ!!なぶり殺しにしないでくれ!!」

 

件のガマガエルのような怪獣の取った行動、それは逃げ惑う人々を片っ端から捕らえた後、生きたまま腕や足を千切る、捕らえた人間を地面に叩き付ける、逃げ惑う人々をアリでも潰すかのように踏み潰す、瓦礫や街路樹を逃げ惑う人々に向かって放り投げて圧死させる、等の思いつく限りやりたい放題に人間を殺していた。

 

 

―――ガバァララァアアアァァァ!ガバァララァアアアァァァ!!―――

 

そんな残虐な行為を主なっている怪獣であるが、明らかに「愉しんでいた」のだ。人間が死ぬ度に、人間を一方的に蹂躙する度にさも愉快そうに声を上げ、手を叩いて喜んでいた。その様はまるで、悪ガキが「遊び」で自分より遙かに小さく、遙かに"弱い"虫やガマガエルを殺すように。

 

この日、日本のとある都市が崩壊した。そんな都市の中心地では暴虐と破壊、そして殺戮の限りを尽くした巨影「凶悪怪獣 ガバラ」がのんきに昼寝をしていた。

だが、ガバラには「悪意」は無い。ならば何故ガバラは破壊と殺戮の限りを尽くしたのか?

それは、ガバラとって人間をいたぶるのは、人間を虐めるのは、人間を殺すのははただひたすらに「当たり前」なのだ。何故なら、ガバラには人間を一方的にいたぶり、殺戮するだけの力を持っている。同時に、このガバラはかつて人間にいたぶられ、虐められた過去がある。

つまり、人間がガバラに殺され蹂躙されるのは当然の「報い」であり、ガバラはそれを行う「権利」と「力」があるのだ。こうなっては人間は受け入れざるを得ないのだろう。




如何でしたでしたでしょうか?

今回登場したのは『東宝怪獣ではマイナー中のマイナー』と謳われるガバラです。まぁ、見た目もアレだし、映画の内容もアレだから仕方ないか・・・

とはいえ、予算削減の波や東宝の経営方針の返還期の中で作られた映画における影響、作り手たちの創意工夫などを考慮して映画を見ると色々と発見があって面白いですよ。

前書きでも書きましたが何やかんやで十話目ですが、まだまた続きますのでよろしければご愛読下さいませ。では、また次回です。

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