巨影都市オブ・ジ・エンド   作:銀色の怪獣

15 / 72
どうも、銀色の怪獣です。

みなさま、お正月はいかがお過ごしでしょうか?こう、最近って昔と違って正月に子供が退屈しないように怪獣映画とか名探偵コ〇ンの再放送とかって本当にやらないですよね。

なので、このお話でお楽しみ下さいませ(?)

そして、今回は超人気キャラが出ます。まさかの超メジャーですよ!!お楽しみに!!

では、どうぞ~


第十四話 狙った『巨影』

何気ない平和で当たり前の日常。もし、その平和で当たり前の日常に異形の存在「巨影」が現れたなら・・・

 

 

「はぁ・・・困ったなぁ・・・」

 

 

時刻は夕暮れ時。辺りを夕日が照らしていた。そんな夕日に照らされているとある街の片隅にあるオンボロアパートの一室に響く心底困ったような声とため息。

見れば、この部屋の住人らしき初老の男がちゃぶ台の上に置かれたパソコンの画面とにらめっこしながら大きく、何度も何度もため息を吐いたりしていた。しかし、一体男は何に「困っている」のだろうか?

 

「う~ん・・・本当に現代は面倒だ。何をするにでも特定されてしまう・・・しかも、それを一個人がやってのけてしまうのだから余計に面倒極まりないな・・・」

 

そう言ってパソコンの画面をのぞき込んではため息を連発する男。そんな男が見ているパソコンの画面には―

 

『コイツ、マジ迷惑W 氏ね 』

『本当に草生える なに考えるのぉww』

『ざまあwwwwwwwww』

『嘘松ぅ嘘松ぅ』

 

などなどの、俗に言う「インターネットネットスラング用語」の、それも「煽り」と呼ばれるものが延々と羅列されていた。

 

「はぁ・・・まさかこの私が地球人によって心を抉られる日が来ようとは・・・いやいや、現代は本当に怖い・・・」

 

パソコンの画面上に延々と映し出され、現在進行形で書き込まれる「煽り」を見た男は力なく仰向けに倒れた。

そんな男は言った。「この私が地球人によって」と。それはまるで、この男が地球人ではないかのような言い草ではないか・・・そう、実はその通りなのだ。この男は姿形こそ地球人に化けている(・・・・・)が、その正体は俗に言う「宇宙人」なのだ。しかし・・・そもそもなぜ宇宙人がインターネットをやっているのか?

 

「うむむ・・・現代人は喫煙者が少なくなったと聞いて幻覚タバコ作戦を止め、現代人が最も利用しているインターネットを通じて地球人同士の信頼関係を崩そうとしたが・・・失敗も失敗だよ全く」

 

そういって男は一度体を起こすとちゃぶ台の上にあった「眼兎龍茶」というラベルの貼られた缶入りのお茶を一口飲むと、

 

「ぷはーおいちぃ~」

 

という、まぁ何とも間の抜けたことを言った・・・のだが、そのときには男の姿は人間ではない人外の、男の本来の姿である宇宙人のソレに戻っていた。

 

そんな男もとい宇宙人の容姿を一言で言い表すならば「明太子のお化け」という他に無かった。

上半身は赤く、下半身は青、腕や足はあるが指は無くまるでチューリップのような手、そして胸と思わしき部分から腹らしき部分には黄色く光る発光器まで付いた明太子のお化け・・・文字通り「珍奇」な姿の宇宙人であった。

 

「あーあ、もう嫌になったよ本当に・・・昔はタバコに宇宙ケシの実を混ぜるだけでよかったのになぁ・・・」

 

件の「眼兎龍茶」を飲み干し、空き缶をちゃぶ台に上に置いた明太子のお化け宇宙人は、もう何度目かも分からないため息を吐いた。

 

実はこの宇宙人、地球を侵略するためにわざわざ地球へやって来た。

だが、彼は破壊や殺戮などの「暴力」に頼った侵略を好まない性質であったため、それらを使わない知的で尚且つ陰湿な作戦を、地球人類が最も大事にしている「信頼関係」を崩す作戦に出た・・・まではよかったが、一番最初に行おうとしていた「地球人の嗜好品であるタバコに人間を凶暴化させる物質を仕込んだタバコをばらまく作戦」は昨今の禁煙ブームで喫煙者が減ったために中止せざるを得なくなった。

そこで宇宙人が目を付けたのが現代人なら使わない者は絶対におらず、それでおいて凄まじい数の人間が関係を築いたりしている「インターネット」を利用し、地球人同士の信頼関係を崩す作戦を実行した。

だが、そこにはとんでもない落とし穴が存在していた。それこそが、

 

「いやいや、でも・・・本当に現代人は怖い。ちょっとでも書き込みをすれば『晒し』が現れ、ソレを大勢がよってたかって『煽り』や『荒し』してしまう・・・はぁ、いつから地球人はこんなにバカで愚かで攻撃的になってしまったのだろうか・・・?」

 

インターネットを使い、地球人の信頼関係を崩壊させようとした宇宙人を待っていた落とし穴、それは現代のインターネットもとい「ネット民」と呼ばれる他者を攻撃することを生き甲斐とし、他者を攻撃して優越感に浸る攻撃的な人種の存在だった。

そんなネット民の恐ろしさは凄まじく、宇宙人がS〇SやTw〇tterなどで行った書き込みや情報操作がネット民の目に留まれば・・・あっという間に宇宙人の個人のアカウントが特定され、宇宙人の住所や個人情報がネット上に晒されてしまった。

一応、宇宙人は地球に潜伏する際に地球人になりすましていたので正体が宇宙人だとバレることは無かったが、それでも宇宙人のアカウントや住所には日々嫌がらせが続いている。これが宇宙人の精神をゴリゴリと削り、追い詰めていた。

 

「いやいや、昔の地球人は互いを信頼し、尊重し合い、気遣い合うことの出来る素晴らしい種族だった。だからこそ、この美しい夕日を含めた環境を持つ地球と気高くて素晴らしい地球人の心を欲しいと思う侵略者が大勢いたのに・・・今は環境も含め、地球と地球人は腐っている。悲しいことだ・・・」

 

かつてはこの宇宙人を含め、数多くの侵略者がいた。そんな彼らがなぜ地球を欲しがっていたのか?

それは、地球という星が持つ美しく豊かな自然や豊富な資源が一つ。

そして、もう一つこそは(宇宙人からすれば)文化や文明レベルこそ低いが、見ていて「気高い、素晴らしい、美しい、羨ましい」と思える地球人類の信頼関係だった。

しかし、現代の地球人はとにかくインターネットという安全で、互いに顔が見えないし実害も無い場所で相手を煽り、晒し、攻撃し、傷付けて楽しむ低レベルな種族と化している・・・加えて、それを仮想世界であるインターネット上だけではなく現実世界でも平然とやってしまっているのだ。

これが昔の、古き良き地球人を知る明太子のお化け宇宙人には相当にショックだった。だからこうしてため息を連発し、精神的に参っているのだ。

 

「ふむ、こうなっらた実力行使に訴え出る・・・いやいや、イカン。それはイカン。私は暴力が嫌いだ。それに、地球人みなが腐っている訳では無い。世の中にはまだまだ素晴らしい信頼関係を保っている地球人も大勢いるのだから」

 

尚も現在進行形で宇宙人の個人アカウントに増え続ける誹謗中傷や煽りに荒し。それを遠い目で見つめる宇宙人は彼が一瞬、彼が一番嫌う実力行使に訴え出ようかと思ったが即座に止めた。

何故なら、それをやってしまえば宇宙人もまた下等になってしまった現代の地球人と同じになってしまうからだ。だから宇宙人は思いとどまったのだ。

 

「ふう、よし!こうなったら気分を変えるために何かテレビでも見るか」

 

すんでの所で思いとどまった宇宙人は落ち込んでしまった気分を変えるため、一旦ネットを止めてテレビを付けた。すると、

 

『某国がミサイルを発射!核実験も行っている模様です』

『〇〇市で通り魔事件発生!容疑者の男は『誰でもいいから殺したかった』などと供述しており―――』

『〇〇街で生後半年の女児が実の両親から虐待死された模様です』

『県立〇〇高校の屋上から生徒が飛び降りて自殺しました。生徒はイジメを受けており―――』

 

「・・・・・・・・・」

 

テレビを付けた宇宙人の目に、耳に飛び込んできたのは夕方のニュース番組から伝わってくる実に暴力的で、実に野蛮で、実に程度の低い、とてもじゃないが宇宙人が憧れて尊敬の念すら抱いていた地球人が起こしたとは思えないようなニュースばかり・・・それを見たとき、宇宙人は思わずテレビのリモコンを取り落としていた。

 

 

 

 

 

 

『う゛ヴぉおおオオォォォおおおッ!!!』

 

「う、うわああぁっ!?助けてくれーーーっ!!」

「ば、化け物だーーっ!!」

「いやーーー!こわーい!!」

 

日は暮れ、辺りに夜の帳が降りた大都市。その大都市に響く人々の悲鳴と破壊音、そして―

 

『う゛ヴぉおおオオォォォおおおッ!!地球人ども、我にひれ伏せーーーっ!!!』

 

人々が悲鳴を上げて逃げ惑い、見事な大都市が破壊されていく原因たる存在が上げる怒声。見れば、大都市のど真ん中に異形の存在がおり、大都市を手当たり試合に破壊していた。

その異形は首から下こそ人間と同じような体型・・・あえて言うなら異様なまでに筋肉質で逞しすぎる肉体をしているが、首から上は異形のまるで「明太子の化け物」みたいな頭をしていた。

 

『う゛ヴぉおおオオォォォおおおッ!!地球人ども、我に、このメトロン星人・デストロイにひれ伏せーーーっ!!!』

 

そう言って大暴れを続ける異形は自身の名を口にしつつ、たった今さっきまで憧れと尊敬の念を抱いていた地球人類に忘れられない恐怖と絶望を与え続けるのであった。

 

 

 

この日、日本のとある都市が崩壊した。そんな都市の崩壊を起こしたのはかつては地球人類に憧れと尊敬の念を抱き、「彼」なりの美学に基づいて地球の侵略を行っていた宇宙人にして巨影「幻覚宇宙人 メトロン星人(デストロイ)」であった。

だが、メトロン星人は元々はこんな暴力的な、実力行使に訴え出るつもりはなかったらしい。ならばなぜ実力行使に訴え出たのか?

 

「所詮、地球人同士の信頼関係だなんだはキレイ事でしかない。所詮、地球人も動物だ。動物なんて力で支配すれば一発で大人しくなるのだよ。ましてや低能化して、環境を破壊して、礼儀も知らなくなった現代の地球人たち(サルども)なら尚更さ」

 

地球を手中に収めたメトロン星人・デストロイは知り合いの宇宙人にそう語った。

 

 

ですが、メトロン星人は忘れていました。

彼もまた、彼が「サルども」と呼んだ地球人たちと同じ手段を行ったことを。そんな彼もまた、その地球人たち(サルども)の中で暮らすうちにサルどもの考えに染まっていたのです。

何故か?メトロン星人は我々地球人類と考え方が、倫理観が同じだからです。所詮、メトロン星人も地球人と同程度の考え方や倫理観しか持っていないんですよ・・・

なので、次に『狙われるのは』・・・メトロン星人となるでしょうね。




如何でしたか?

今回は『ウルトラセブン』より超人気キャラのメトロン星人が登場・・・ただしデストロイ(大怪獣ラッシュのアレ)でした。はい、マイナーです。
僕がメジャーを出すと思うたか!?そんなこと、せぬわぁ!! いや、いずれしますがね?

また、今回はメトロン星人絡みと言うことで今は亡き奇才・実相寺昭雄監督テイストでお送りしました。いやぁ、あのカオスっぷりがまた見たいなぁ・・・

ついでですが、メトロン星人は頭がいいという設定故にどうも知的なキャラでばかり出演しておりますが、僕が思うにアイツは地球人のことが理解できてしまう、つまりは地球人と大して変わらない価値観や倫理観しか持ってないからそこまでスゴいとは思えないんですよね・・・いや、スゴいですよ?スゴいけど・・・地球人とそこまで変わらないようなヤツに毎度毎度エラそうに、分かった風な言い方されるのはちょっと・・・
それこそ地球人とは相容れないし、地球人類とはまた違った、成田亨氏の言う「地球人にとっては悪でも、彼の星では勇者であり正義」とかの方が僕は好きです。バルタンとかガタノゾーアとかね?

では、次回もお楽しみに~

 ▲ページの一番上に飛ぶ
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。