巨影都市オブ・ジ・エンド   作:銀色の怪獣

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どうも、銀色の怪獣です。

前回の恐竜戦車で王道に戻ったかと思えば再びキワモノに・・・ただ、マイナーというよりは超メジャーというか有名なヤツですよ?ただねぇ・・・コイツはマジでトラウマですからね・・・

で、今回は少し風刺というか皮肉った話にしました。ですので、もし読んでいて「イラッ」としたら申し訳ありません。

ですが、今回出てくる巨影の元ネタの作品の意思を、作品が作られた背景を是非とも活かしたいと考えた上で書いたお話ですので、そこは悪しからず。

では、どうぞ!!


第十八話 殖やす『巨影』

何気ない平和で当たり前の日常。もし、その平和で当たり前の日常に異形の存在「巨影」が現れたなら・・・

 

 

 

「いらっしゃいませー!スーパー東宝へようこそ~」

 

とある都市の一角にある24時間営業のスーパーマーケット「東宝」には連日大勢の人々が訪れている。

 

「関口君、レジはいいから三番・・・補充お願いしてもいいかい?」

 

「はい、分かりました。三番業務に入ります」

 

時刻は午後一時。昼食などを買い求めて間単御を訪れていた昼休みのサラリーマンやOLが再び会社に戻る時間帯であった。そんな時間帯は従業員が商品棚などから無くなった商品を補充する時間帯であった。

そして、その補充業務を任されたこの女性定員、関口が商品補充のためにレジを抜けた矢先の出来事であった。

 

「あら、あの人・・・何してるのかしら・・・?」

 

ふと、関口の目に「とある人物」が留まった。

その人物はフード付きのパーカーを着ており、フードで頭をすっぽりと覆って顔を隠し、両手には革手袋、下は長ズボンを履いており、見るからに怪しかった。

加えて、その怪しい人物はときおり商品を手に取ったりするがすぐに戻し、買い物をするでもなくただひたすら店内を徘徊していた。その人物を見た関口が一番最初に思ったのは、

 

(不審者、かしら?)

 

件の人物を見た関口が率直に思ったのは「不審者ではないか」だった。

確かに、先程からの行動に加えてこんな真っ昼間のスーパーの店内で顔はおろか手や足までも隠すなど・・・正直、怪しいというか不審者だと断言してもいいだろう。だが、

 

(でも・・・私には関係ないわ)

 

そんな怪しい人物を関口は・・・放置した。何故なら、ここで下手に声をかけても不審者では無かったら?あるいは、もし万が一に不審者だったとしてもそれで襲われたり、下手すれば殺されたりすれば・・・たまったものではない。

だから関口はその怪しい人影を放置し、自分が与えられた商品の補充業務のみ(・・)をこなすのだった。自分のためだけに。

 

―――フォフォフォフォ・・・フォフォフォフォフォ・・・―――

 

 

 

 

 

『まもなく木野子駅です。お降りのお客様は電車が停止されてから席をお立ち下さい。ご乗車のお客様は、白い線の内側までお下がり下さい』

 

所変わって、ここはスーパー東宝がある都市にある大きな駅、通称「木野子駅」だ。そんな木野子駅では毎時毎分ごとに数え切れないほどの電車と人々が行き交っている。

 

「はぁ~あ、マジで嫌になるなぁ・・・早く帰りたい」

 

そんな駅のとあるホームの一番端で一人の男が、この駅で駅員を一応(・・)は務めている小山という男がやたら大きなため息を吐いていた。

この小山という男、正直言って不真面目で仕事に取り組む姿勢もよくはない。とはいえ、働いて金を得なければ食って生きていけないので嫌々ながらも駅員として働いていた。

 

「はぁ・・・さて、そろそろ戻らないと怒鳴られるな。駅長、怒りだしたら止まんないからなぁ・・・」

 

相も変わらず不真面目というか不謹慎な態度でブツブツ言いながらも、実はサボっていたことがバレたら駅長にどやされると警戒した小山は駅員室に戻ろうとしていた、その矢先の事だった。

 

「んっ?何だ、何してるんだアイツ・・・?」

 

ふと、小山の目に「とある人物」が留まった。

その人物はフード付きのパーカーを着ており、フードで頭をすっぽりと覆って顔を隠し、両手には革手袋、下は長ズボンを履いて見るからに怪しかった。

加えて、その人物は何故か切符を買ったりしている訳ではないにもかかわらず、切符の自動販売機のボタンをひたすら連打する、ひたすら触りまくるなど明らかに変な行動を繰り返していた。

そんな怪しい謎の人物および怪しい人物の行動を見た関口が一番最初に思ったのは、

 

(まぁ、不審者だな。でも・・・俺には関係ないな)

 

そんな怪しい人物を小山は・・・放置した。何故なら、ここで下手に声をかけても不審者では無かったら?あるいは、もし万が一に不審者だったとしてもそれで襲われたり、下手すれば殺されたりすれば・・・たまったものではない。

だから小山はその怪しい人影を放置し、さっさと駅員室に戻るのだった。自分のためだけに。

 

―――フォフォフォフォ・・・フォフォフォフォフォ・・・―――

 

 

 

 

 

「「「先生、さよーならー!!」」」

 

「はい、さようなら。気を付けて帰りなさい」

 

所変わって、ここは木野子駅の近くにある「都立・間単御 小学校」だ。そんな間単御小学校では下校時間になり、大勢の子供たちが校門に立っている教員たちに見送られながら下校していた。

 

「ふぁ~あぁ・・・やっと終わったか。さて、帰るか・・・」

 

子供たちが下校し、幾分か静かになった校内から大欠伸をしながら出てきた中年の男性教員がいた。この男の名は笠井といい、一応は教師ではあるものの正確には非常勤の教師であった。

そんな笠井は普段からだらしなく、真面目に仕事に取り組まないために正式な教員になれず、ずっと非常勤の教師だった。とはいえ、それでも教員免許を持っていることと、昨今の教職員の人員の不足からこの小学校で働くことは出来ていた。

それはさて置き、笠井が帰宅するために校門を出て学校沿いの道を歩いていた時の事だった。

 

「んん?何だ、アイツは・・・?」

 

ふと、笠井の目に「とある人物」が留まった。

その人物はフード付きのパーカーを着ており、フードで頭をすっぽりと覆って顔を隠し、両手には革手袋、下は長ズボンを履いて見るからに怪しかった。

そんな見るからに怪しい人物は、小学校と下校する生徒たちをフェンス越しにジーッと微動だにせずに見ていた。

そんな怪しい謎の人物および怪しい人物の行動を見た笠井が一番最初に思ったのは、

 

(うわぁ、アレ絶対ロリコンか不審者だな。でも・・・俺には関係ないな)

 

そんな怪しい人物を小山は・・・放置した。何故なら、ここで下手に声をかけても不審者では無かったら?あるいは、もし万が一に不審者だったとしてもそれで襲われたり、下手すれば殺されたりすれば・・・たまったものではない。

だから小山はその怪しい人影を放置し、さっさと帰路についた。自分のためだけに。

 

―――フォフォフォフォ・・・フォフォフォフォフォ・・・―――

 

 

 

 

「ふぅ、異常は無しっと・・・これでパトロールは終わっていいかな?」

 

日はすっかり暮れ、山にも都会にも都市にも夜の帳が下りていた。そんな夜の帳の下りたとある街、スーパー東宝や木野子駅、間単御小学校のある街で一人の警察官の男、村井という新米警察官がパトロールを行っていた、その矢先であった。

 

「んっ?何だ、あの人は・・・?」

 

ふと、村井の目に閑散とした街の大通りを歩く「とある人物」が留まった。

その人物はフード付きのパーカーを着ており、フードで頭をすっぽりと覆って顔を隠し、両手には革手袋、下は長ズボンを履いて見るからに怪しかった。

加えて、その歩き方はあっちにフラフラ、こっちにフラフラと足取りがおぼつかず、見ていて怪しくもあった。なので、

 

「すみません、あの・・・大丈夫ですか?」

 

と言いつつ、村井は件の人物の肩に手を置きつつ話しかけた。しかし、

 

「・・・・・・・・・」

 

村井に話しかけられ、肩に手を置かれたパーカーを着ている謎の人物は何も答えなかった、ばかりかそのまま歩き去ってしまおうとしていた。

 

「あ!ち、ちょっと!!どこに行くんですか!?待ちなさい!!」

 

せっかく心配して、同時に警察官としての「仕事」として声をかけたのに無視されたばかりか、そのまま立ち去ろうとする謎の人物の態度に不審さを覚えた村井は、声を荒げつつ謎の人物を引き止めようとして服を掴んでしまった。

その結果、謎の人物が着ていた服が引っ張られて頭を覆っていたフードが取れて謎の人物の顔が露わとなった、その瞬間!!

 

「う、うわああああああぁぁぁぁぁっ!?な、何なんだお前は!!?」

 

謎の人物の顔が露わとなった瞬間、村井は絶叫した。何故なら、謎の人物の顔には・・・目も鼻も口も、耳も髪の毛も何もかもが無く、そのかわりに皮膚の表面がビッシリとコブで覆われ、挙句は頭頂部にはまるでキノコの(・・・・)ような傘(・・・・・)があったのだ。その見た目はまるで―

 

「キ、キノコの化け物っ!!いやっ、キノコ人間だーーーっ!!!」

 

謎の人物の顔を見た村井が叫んだ言葉、それは正しく件の謎の人物、もとい人外の(・・・)「ソレ」を言い表すのにピッタリの表現であった。

そう、今まさに村井の目の前にいるのは姿形こそ人間なのだが・・・キノコだ。人間の形をしたキノコだったのだ。人間の形をしたキノコが服を着て歩き回っていたのだ。と、ここで―

 

―――フォフォフォフォ・・・フォフォフォフォフォ・・・フォフォフォフォフォフォ・・・!!―――

 

「ひ、ひぃっ!?わ、笑った―――」

 

―――フォフォフォフォ・・・フォフォフォフォフォ・・・!フォフォフォフォフォフォ・・・!!―――

 

「あっ!?ま、待てーーーっ!!!」

 

突然、人間の形をしたキノコ、あるいはキノコ人間(・・・・)が不気味な笑い声を上げ、それに驚いて村井は後退った。その瞬間、キノコ人間は村井に背を向けると猛ダッシュで逃げ出した。

 

―――フォフォフォフォ・・・フォフォフォフォフォ・・・!フォフォフォフォフォフォ・・・!!―――

 

「ん?何だ―――って、ぎゃあああぁぁぁっ!?な、何だアレーーーっ!!?」

 

「ひぃいいいぃぃぃっ!?ば、化け物よーーーっ!!!」

 

「キ、キノコの化け物だーーーっ!!!」

 

突如として夜の街に響き渡る謎の笑い声。そんな笑い声につられ、数こそ少ないが道行く人々が声の主の方を見れば―――そこにはパーカーを着たフォルムこそ人間だが、顔はのっぺらぼうで頭にはキノコのような傘を被った人外の存在が笑い声、にも聞こえる不気味な声を上げながら爆走している光景が映った。

 

―――フォフォフォフォ・・・フォフォフォフォフォ・・・!フォフォフォフォフォフォ・・・!!―――

 

一方で、笑い声にも聞こえる不気味な声を発しながら爆走しているキノコ人間は自分を見て驚き、叫んだり腰を抜かしたりしている人々を尻目に爆走し続け、あっという間に大都市を抜けて何処かへと行方をくらましてしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

―――フォフォフォフォ・・・フォフォフォフォフォ・・・フォフォフォフォフォフォ・・・―――

 

―――フォフォフォフォ・・・フォフォフォフォフォ・・・!フォフォフォフォフォフォ・・・!―――

 

―――フォフォフォフォ・・・フォフォフォフォフォ・・・!フォフォフォフォフォフォ・・・!!―――

 

所変わって、ここは突如として街中に現れた化け物に人々が大騒ぎしている大都市の近くにある山の中だ。そんな山の奥深く、大量の落ち葉や腐った木々が地面を形成している場所では不気味な笑い声が響き渡っていた。そして、その笑い声の主は―

 

―――フォフォフォフォ・・・フォフォフォフォフォ・・・フォフォフォフォフォフォ・・・―――

 

―――フォフォフォフォ・・・フォフォフォフォフォ・・・!フォフォフォフォフォフォ・・・!―――

 

―――フォフォフォフォ・・・フォフォフォフォフォ・・・!フォフォフォフォフォフォ・・・!!―――

 

件の笑い声の主たち(・・)、それはあのキノコ人間であった。しかも、それが何体もいた。加えて、キノコ人間たちは・・・あろうことか「会話」を行っていた。

そう、実は人間に笑い声に聞こえる声はキノコ人間たちの「言葉」なのだ。そんなキノコ人間たちの言葉を、その会話を人間の言葉に訳すならば、こうだ。

 

『首尾はどうかね?あの街に我らの胞子をばらまく計画は上手くいきそうかね?』

 

『はい、勿論です。何せ、人間たちは我々どころか他人へは基本的に無関心です。自分さえよければいい、他人なんてどうなってもいい、他人に関わってる暇は無い、といった有様です』

 

『そうかそうか!それは好都合だ。これで我々の仲間が確実に増える事となるだろう』

 

キノコ人間たちの会話の内容は恐ろしいものであった。何と、このキノコ人間たちはあの街に自分たちの胞子をばらまき、あろうことか人間たちを自分たちと同じキノコ人間に作り替えてしまおうと目論んでいるのだ!!

 

しかし、そんなことが出来るのか・・・実は出来てしまうのだ。このキノコ人間たちはとある南方の島で人類が生んだ英知の炎(ほうしゃのう)の影響で誕生した。そんなキノコ人間の恐ろしいところは、万が一にキノコ人間あるいはキノコ人間の()を動物が食べた場合、何とキノコ人間の同族と化してしまうのである。

 

『・・・しかし、人間とは他人との繋がりやコミュニケーションを何よりも大事にすると聞くが・・・間違いだったのか?』

 

『はぁ・・・どうやら、それは昔の話のようです。現代の人間はとにかく事を荒立てず、他人との関わりを『煩わしい』と思い、最低限度の関わりしか持たないようですね。ここ数日、人間たちの世界を見てそう確信しました』

 

『そうか・・・ふむ、だが好都合であることにかかわりはない。引き続き、人間たちの街に胞子をばらまいて我らの同族に作り替えるのだ!!』

 

『『『はっ!了解しました!!!』』』

 

そんなキノコ人間たちだが、元はそこまで頭がいいわけでは無い。

しかし、何万・何千万年も残る人類の英知が生んだ炎(ほうしゃのう)は時間の経過とともにキノコ人間たちをより知的に、より高度に進化させた。その結果、キノコ人間たちは生まれ故郷の南の島を旅立ち、こうして大都市に潜伏して仲間を増やそうと目論んでいるのだ。

加えて、現代社会は大都市に潜伏して人間を観察してきたキノコ人間の言うように、自分さえよければいい、他人などどうなってもいい、あるいは事を荒立てずに大人しくして迷惑を被ることを極端に嫌う、と「触らぬ神に祟りなし」を地でいく、あるいは「雉も鳴かずば雉も鳴かずば撃たれまい」をもっと極端にした社会となってしまっているのだ。

 

そんな現代社会と現代人にキノコ人間たちの悪巧みを防ぐ手立ては・・・無い。

 

―――フォフォフォフォ・・・フォフォフォフォフォ・・・!フォフォフォフォフォフォ・・・!!―――

 

 

 

 

この日、日本のとある都市が崩壊した。そんな都市ではあろうことか、人々がみな不気味な笑い声を上げるキノコ人間と化していた。だが、この事態を招いたのは他ならぬ人間、それも「現代人」の行いが原因であった。

 

「〇〇市のアパートの一室で80代の男性が孤独死しているのが発見されました。男性の遺族は男性と連絡を取るのを拒んでいたようで―――」

「〇〇街で女子児童が行方不明になった事件について、〇〇街では数日前から不審な男が目撃されていたものの、誰も警察などに連絡を入れていらず―――」

「昨日、実の子供に対する虐待と死体遺棄の容疑で逮捕された両親ですが、近所の住民によると無くなった子供たちの泣き叫ぶ声が近所中に響いていたとのことですが―――」

「〇〇町で起きたひき逃げ事件で、現場には多数の目撃者がいたにもかかわらず情報提供がされておりません。何が情報がありましたら、是非とも情報の提供を―――」

 

もしも現代人が昔のように他者を思いやり、他者を気遣い、「自分さえよければいい」ばかりで生きていなければ・・・キノコ人間もとい巨影「第三の生物 マタンゴ」、がより知的で狡猾に進化した「第三の生物 ネオマタンゴ」に大都市を乗っ取られ、人々がネオマタンゴに変えられることは無かっただろう。

 

―――フォフォフォフォ・・・フォフォフォフォフォ・・・!フォフォフォフォフォフォ・・・!!―――




如何でしたか?

今回はゴジラが所属する東宝が生んだ変態・・・変身人間シリーズ『マタンゴ』よりトラウマの申し子ママタンゴダケもといマタンゴ、がより進化した僕のオリジナル「ネオマタンゴ」が登場です。

いやねぇ、あの映画はマジでスゴいけどトラウマだよ・・・しばらくキノコ食えなくなるよ。
加えて、特撮界隈にはキノコの怪獣とか数々いますけど、「人間をキノコに変えて増殖する」「一度キノコ人間になったら二度と元に戻れない」という設定を持つのはマタンゴだけで、そのマタンゴは完全に地球産だからね・・・フォーガスやバッカクーン、マシュランよりもヤバい地球産キノコって・・・放射能スゲー

ちなみに、今回はどんな巨影が出ててくるのか、ヒントを作中に散りばめておきました。それは・・・

「スーパー東宝」と「木野子駅」と「間単御小学校」です。
それぞれ、
・東宝→映画の会社「東宝」
・木野子→キノコ、茸
・間単御→またんご、マタンゴ(当て字)

東宝でキノコでマタンゴと言えば・・・映画『マタンゴ』しないでしょ?分かった人いましたか?

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