巨影都市オブ・ジ・エンド   作:銀色の怪獣

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こんにちは、銀色の怪獣です。 さてさて、お仕事の合間のお昼休みに投稿っと・・・

今回のお話は今までで一番長いです。でも、読み応えはあるかと・・・で、加えて今回はとある特撮作品の超名作回を参考に、「愛」をテーマにした頭おかしいクソストーリー・・・笑える(かは微妙)バラエティ色満載のお話です。

加えて、出てくるキャラクターは今や日本が世界に誇る某ブラウザゲームを参考にしています・・・が、作者はこのゲームやったこと無いどころか触ったことすら無いので何かおかしい点があったらスミマセン。

はい、では作者が昨日の休日を使って書き上げたクソストーリー・・・「愛」に溢れたお話をどうぞ~


第十九話 人となった『巨影』

何気ない平和で当たり前の日常。もし、その平和で当たり前の日常に異形の存在「巨影」が現れたなら・・・

 

 

「いよいよだ!いよいよ・・・地球を我が物にする時がやって来たぞ!!」

 

 

美しい大自然と広大な海を持つ惑星、地球。

そんな地球を宇宙から見下ろしている物体が、黒と白の縞模様でヒトデのような五角形の円盤と、その円盤に乗った俗に言う「宇宙人」がいた。

そして、その宇宙人は地球を先の言葉のように地球を我が物にしようとしていたのだ。そのやり方とは?

 

「よし、では・・・まずは手始めにあの島国、日本を滅ぼしてきなさい。アイアンロックス大和よ」

 

「はい、ミミー星人様。仰せのお通りに」

 

そう言って宇宙人が近くにいた誰かに、腰まである長さの焦げ茶の髪を一つ結びにし、紅白の前留め式のセーラー服を身に纏った・・・地球人の美少女に呼びかければ、件の美少女は宇宙人の前にひざまずいた。

しかし、なぜ宇宙船の中に地球人の美少女がいるのであろうか?

 

「いいですかアイアンロックス大和よ。お前は我らミミー星人が海底に沈んだ戦艦などから作り上げた対地球人用の特殊侵略兵器です。お前の見た目、雰囲気、そして心は全て地球人と同じに擬人化しておきました。それをもってすれば、地球人の中に潜伏しても怪しまれずに侵略を行えます」

 

「はい、心得ております」

 

ミミー星人にひざまずく謎の地球人の美少女であったが、その正体は何とミミー星人が地球の海から引き上げた戦艦などから作り上げた地球侵略用の兵器であり、地球人の姿をしているのも地球侵略を円滑に行うためにとミミー星人が「擬人化」を施しておいたのだ。

確かに侵略兵器丸出しな外見よりも、こうして地球人と寸分違わぬ姿をしていれば難なく地球と地球人の中に潜伏可能で、怪しまれずに侵略を成し遂げれる・・・実に頭のいい発想である。

 

「うむ、よろしい。では、先に行ったようにまずは日本の・・・そうですね、このやたら地球人が集まっていイベント会場に潜入し、そこで地球人を大量に殺してきなさい。それをもって我々は地球へ宣戦布告します」

 

「了解しました・・・ですが、私の外見はともかく武装はそのままでよろしいのでしょうか?地球人たちに怪しまれるのではないでしょうか?」

 

こうして宇宙人の恐るべき計画が始動されようとしていたが、宇宙人が擬人化した侵略兵器の美少女がふと抱いた疑問を宇宙人にぶつけた。

事実、侵略兵器の美少女は外見は地球人ではあるものの、彼女の武器や各種武装までは擬人化できなかったため、彼女が身に纏って使用しなければならない。これではせっかくの擬人化が台無しではなかろうか、侵略兵器の美少女はそう思ったのだ。

 

「ああ、そのことですか。それは心配には及びません。何故なら、今から貴女が潜入するイベント会場は地球人が様々な仮装をしているようです。これなら怪しまれることは無いでしょう」

 

「そ、そうなのですか・・・分かりました」

 

しかし、侵略兵器の美少女の疑問を宇宙人は問題ないと断言した。何故なら、今から侵略兵器の美少女が潜入する「イベント会場」では非常に大勢の地球人が仮装(・・)をしているらしく、その中ならば侵略兵器の美少女が武装を纏っても怪しまれないのだという。

しかし・・・仮にも大砲などを流用した武装を纏う侵略兵器の美少女が潜入しても怪しまれないイベントは一体なんなのであろうか?

 

「さて、お喋りはここまでにしましょう。では、行ってきなさいアイアンロックス大和よ!!」

 

「はい!戦艦大和、推して参ります!!」

 

それはさて置き、疑問が解決した侵略兵器の美少女ことかつての大戦時代に海の藻屑と化した戦艦大和を流用し作られ、擬人化された「軍艦ロボット アイアンロックス大和」は、彼女を作った宇宙人「宇宙海底人 ミミー星人」の名を受けて地球へ、島国日本のとある場所で行われている「とあるイベント」の会場へと送り込まれたのだった。

 

 

 

 

「新刊如何ですかーーー?今ならセット販売もしていますよーーー!!」

 

「今回はCG集でーす!よければご覧になってくださーい!!」

 

「目線コッチに下さい!!そうそう!いいよいいよぉ!!」

 

 

 

「・・・な、何なのだ・・・コレは・・・!?」

 

 

地球侵略を企むミミー星人によって地球に、日本の「人が大勢集まっているとあるイベント会場」に送り込まれたアイアンロックス大和(擬人化態)であったが・・・今、アイアンロックス大和は目の前に広がる異様な熱気と光景に気圧されていた。というのも、

 

「一面が・・・地球人の山ではないか・・・!?何千、何万・・・いや、とても数えきれる数ではないぞ!!?」

 

今、アイアンロックス大和の目の前には「人集り」なんて可愛い表現ではすまない人・人・人・人・・・と尋常ではない数の地球人もとい日本人がもはや意味をなさない列を作り、件のイベント会場もとい同人誌即売イベント、通称「コミッ〇マーケット」縮めて「コ〇ケ」の会場に詰めかけていた。

 

「うぅ、これは何とも・・・いくら私がかつて大勢の日本人を乗せたとはいえ、これは規模が違う。人酔いしそうだ・・・」

 

目の前に広がる人の山・・・どころか「人の海」に気圧され、かつては何千という軍人を乗せていた戦艦大和もといアイアンロックス大和も人酔いしてその場にうずくまっていた。すると、

 

「あの・・・大丈夫ですか?」

 

「!?は、はいっ!?な、何でしょうか!!?」

 

不意に、うずくまっているアイアンロックス大和に声をかけた。それに驚いたアイアンロックス大和は少女のような声と喋り方で主の方を振り向けば―

 

(な、何だこの女は・・・?私と・・・私と同じ服装に装備をしているではないか!?一体、何者なのだ!!?)

 

振り向いたアイアンロックス大和の目の前にいた人物、それは細部こそ微妙に違えどもアイアンロックス大和が擬人化している姿とほぼ同じような服装と髪型、そして装備している兵器と同じ物を身に纏った女性がいた。すると、

 

「あの・・・気分が悪くなったんですか?よければ、私が休憩所までご案内しますよ?」

 

「へっ・・・?あぁ、いや別に・・・大丈夫ですよ・・・では、私はこれで・・・(関わらない方がよさそうだ。早く離れなければ)」

 

そう言って、アイアンロックス大和の顔をのぞき込む女性。そう、実はこの女性はアイアンロックス大和のことを「具合が悪くなったのかな?」と思い、純粋に心配しただけだったのだ。

それに対し、アイアンロックス大和は色々と疑問を抱いたが即座に平静を装ってその場を離れようとしたが、

 

「あっ!待って下さい!!」

 

「きゃっ!?な、何ですか急に!!?(何をするのだこの女は!?吹き飛ばしてやろうか!!)」

 

突然、アイアンロックス大和の手をあの女性が掴んだ。それに驚いたアイアンロックス大和は平静を装いつつも、腹の中では女性を吹き飛ばしてやろうと考えながら振り向いたのだが―

 

「あの・・・よければ私と一緒にイベントに参加しませんか?」

 

「・・・はい?(ん?ど、どういう意味だ?)」

 

女性がアイアンロックス大和の手を掴んだ理由、それはアイアンロックス大和に「自分と一緒にイベントに参加しないか」というお誘いをするためであった。

一方のアイアンロックス大和は女性のいった言葉の意味が分からずにキョトンとしていた。

 

「じ、実はですね・・・私、今回コ〇ケに参加するの初めてなんです。でも、今日は初コ〇ケってことで気合入れて作ったコスプレしてきたんですけど・・・一緒に参加してくれる友達も知り合いもいないし、正直言って一人じゃ怖かったんです。そしたら、私と同じコスプレしてる貴女がいたからつい声をかけちゃって・・・お願いします!どうか私と一緒にコミケに参加してくれませんか?この通りです!!」

 

「・・・・・・・・・」

 

そう言いながら完全に固まっているアイアンロックス大和に深々と頭を下げて懇願する女性。

実はこの女性、初めて参加するコ〇ケのために相当気合を入れ、コスプレ衣装なども頑張って手作りして来た・・・まではよかったが、友達や知り合いがいないことが仇となってかなり不安だったが、そんな折に自分と同じコスプレの女性(アイアンロックス大和)がいるのを見付け、勇気を出して声をかけたというのが事の真相であったのだ・・・つまり、アイアンロックス大和は女性にコスプレイヤーだと間違われていたのだった。何と言う屈辱か・・・しかし、

 

(いや、待てよ・・・コイツを利用すればこのコ〇ケだったかで一番地球人が多い場所にたどり着けるかもしれん。そうすれば、そこで大勢の地球人を一度に殺すことが出来る・・・これは好都合ではないのか?よし、ならば―)

 

「い、いいですよ~正直、私も今回が初参加で右も左も分からなかったんです。だから、誰かと一緒に参加できるなんてとっても助かりますから、ぜひ一緒に参加しましょう!!」

 

女性の話を聞いたアイアンロックス大和は冷静に状況を判断した後、女性を利用することを思いついた。そこで、愛想よく女性の申し出を承諾した。

 

「えっ・・・?ほ、本当ですか!?や、やったぁ!!嬉しい・・・ありがとうございます!!」

 

一方で、まさかのお願いをアッサリと聞き入れてもらえた女性は満面の笑み、どころか嬉し涙すらな流してアイアンロックス大和の両手を握り、感謝の意を示した。と、ここで―

 

(な、何だこの感情は・・・この女に「ありがとう」と言われた途端、胸どころか体がポカポカと暖かくなってきた・・・これは一体なんなのだ?)

 

不意に、女性に両手を握られてお礼を言われたアイアンロックス大和は妙な感覚を覚えた。それは言葉では言い表せないが、とても暖かくて、とても気分がよくて、とても気持ちよかった。

 

(一体、何なんだこれは?私に何が起きたんだ?)

 

不意に芽生えた謎の感覚というか気持ち。その体験したことのない感覚に、気持ちよさにアイアンロックス大和が一人で戸惑っていると、

 

「よし、じゃあさっそく行きましょう!コスプレが出来るエリアはあっちですよ!!」

 

「あっ!?ち、ちょっと待ってくれ―――」

 

「早く早く!このままじゃ入るのに時間が相当かかっちゃいますからね!!急ぎますよーーー!!」

 

急に芽生えた謎の感覚というか気持ちに戸惑うアイアンロックス大和を尻目に、上機嫌な女性はアイアンロックス大和の手を掴みつつコスプレを行ってもいいエリアへの入場口へと誘った。

そして、この事がアイアンロックス大和にとんでもない影響を与えるのであった。

 

 

 

 

「ねぇ見てあの二人!もの凄くコスプレのクオリティ高いわぁ!!」

「あのー、撮影いいですか?え、いい?わぁ、ありがとうございます!!」

「おぉーっ!スゲー!!コスプレもだけど、女の子も神レベルだ!!」

 

いよいよコ〇ケの入場開始時間となり、数え切れない数の人々が雪崩の如くコ〇ケ会場に流れ込んできた。

そんなコ〇ケ会場の内、数多くのコスプレイヤーとコスプレイヤーをカメラに収めようとする通称「カメコ」と呼ばれる人々がいる通称「コスプレエリア」があった。

そんなコスプレエリアの一角には人集りが出来ており、その中心では二人のコスプレイヤーが詰めかけたカメコや他のコスプレイヤー、見物人たちから賞賛の嵐を受けていた。そんな二人とは―

 

「うわぁ、私たちもの凄く注目されてますね大和(たいわ)さん!あっ、鉄子さんの方がよかったですか?」

 

「べ、別にどちらでも構わない。と、というか・・・そろそろここを出ないか?何かその・・・恥ずかしいというか・・・」

 

「なに言ってるんですか大和さん!コスプレイヤーたるもの、たくさんの人に見られて撮られてナンボなんですよ!!恥ずかしがっていては始まりません!!だからまだまだここを出たりはしませんよ!!!」

 

「・・・もう、勘弁してくれ・・・」

 

コスプレゾーンに出来ている人集りの中心には二人の女性が、あのアイアンロックス大和とそのアイアンロックス大和をこのコスプレゾーンへと誘ったあの女性がいた。

そんな二人の内、女性の方は初めてのコ〇ケにもかかわらず、自分が作ったコスプレの衣装に加えてコスプレをした自分を大勢の人々に見て撮って、そして褒めてもらえる快感と嬉しさ、そして充実感に浸っていた。

 

(うぅ・・・どうしてこうなってしまったのだ?私はどうすればいいんだ・・・)

 

一方のアイアンロックス大和は女性とは対照的にグッタリとしており、その顔は心底疲れていた。というのも、まず自分を連れて女性がとにかくお喋りであった事、女性に名前を聞かれて咄嗟に、

 

「私は・・・大和(たいわ)鉄子(てつこ)だ」

 

と答えて以来、女性にずっと名前を呼ばれていた事、そして何よりもこの圧倒的な人の多さに加え、自分が与えられた任務をいまだに実行に移せない事などが相まって披露していたのだ。だが、

 

「ありがとうございます!素敵な写真をありがとう!!」

「スゴいですねその衣装!とっても素敵ですよ!!」

「お姉さんたち本当に美人だね~もしかしてモデルさん?」

 

 

「うふふ、私たち一躍スターですよ大和さん!あぁ、勇気を出してコ〇ケに参加してよかった・・・!おかげで、こうして大和さんとも友達になれたし、今日はいいこと尽くめです!!」

 

「あぁ、それはよかったな・・・(本当に、何なのだこの気持ちは・・・とっても温かくて、とっても気持ちがいい・・・)」

 

確かに大和(たいわ)もといアイアンロックス大和はグッタリしていた。していたがだ、その体と心は今まで体験したことのない充実感と暖かさと気持ちよさ、そして何よりも幸福感に満ちていた。

 

(思えば、今日ここに来てから私は人間たちに礼を言われ、褒められてばかりだ・・・兵器であった私を完全な『物』として扱っていた軍の人間や、ミミー星人様たちとは大違いだ・・・)

 

ふと、アイアンロックス大和は今日このコ〇ケ会場に来るまでの自分の過去を思いだしていた。

かつて「お国のため」という大義名分の本に人殺しの道具として作られた自分に乗っていた軍人たち。

戦いが終わって必要がなくなったために暗い深海に沈んだ自分を引き上げて兵器に改造したミミー星人たち。

 

(ひょっとして、それがさっきから感じているこの不思議な、温かい気持ちの原因なのか?)

 

自分の過去に加え、自分を「物」してしか扱ってこなかった軍の人間やミミー星人と、今日このコ〇ケ会場で出会った人間たちを比べた時、アイアンロックス大和の中で先程から感じていた不思議な感覚や気持ちの数々に対する答えが出ていた。

 

(そうか、そうだったのか・・・これは『嬉しい』や『楽しい』、『気持ちがいい』という感覚なのだな・・・)

 

こうしてアイアンロックス大和がたどり着いた結論は紛れもない事実であった。

そう、アイアンロックス大和は今日こうして人々と触れ合い、交流する内に初めて褒められ、感謝され、人に喜ばれることの気持ちよさを知った。それを知ったとき、アイアンロックス大和はもう・・・人々を殺す気にはなれなかった。だが、

 

『アイ・・・クス・・・和!アイ・・・ンロッ・・・ス大和!アイアンロックス大和!応答せよ!!地球人を大量に殺害する任務はどうなっているのだ!!?』

 

『!?ミ、ミミー星人・・・様・・・!!』

 

突然、アイアンロックス大和の頭の中に直接ミミー星人が語りかけてきた。何故なら、いつまで待ってもアイアンロックス大和がコ〇ケ会場に集まった人々を殺害しないことに業を煮やしたからだった。

 

『まず手始めに、お前の周りにいる人間を皆殺しにしろ!!』

『それは…』

「どうした?早く殺せ!皆殺しにしろ!!』

『・・・出来ません』

『何だと!?お前、何を言っている―――』

『そんなこと出来ません!私は今、大和鉄子という人間なんです!!』

『お前はニセモノだっ!!侵略兵器、人間軍艦ロボット アイアンロックス大和だろう!?』

『確かに私は、悪の星の下に生まれた侵略用の兵器だと、人殺しのための道具だと思ってました。だけど、みんなが教えてくれんたんです。 運命は変えられる―――私だって、私だって人気者・・・いいえ、ヒーローに!人間になれるんです!!』

『貴様、いい加減にしろ―――』

『だから、私はもうあなた達とは関わるつもりはありません!さようなら!!』

『オイ!オイッ!?アイツ・・・通信を切断しやがったなぁ!!?』

 

業を煮やし、アイアンロックス大和に作戦の実行を命じたミミ―星人であったが、当のアイアンロックス大和は「あなた達とは関わるつもりはありません!さようなら!!」という言葉を最後に通信を切断、したばかりかアイアンロックス大和は完全にミミー星人の管理下を離れたのだった。

 

「・・・あの!あの役立たずがっ!!誰が作ってやたっと、誰が擬人化してやたっと思っているのだ!?もういい!!こうなったら・・・行けお前たち!!!」

 

「「「「「はっ!!仰せのままに!!!」」」」」

 

任務を放棄した挙句で離反したアイアンロックス大和に激怒するミミー星人。

そんなミミー星人は「万が一のため」を想定し、あらかじめ用意していた新たなアイアンロックスたちを招集して地球へと、裏切り者のアイアンロックス大和がいるコ〇ケ会場へと送り込んだ。

 

 

 

 

 

「いいね!いいねー!すっごくいいよー!!金剛型のコスプレのお姉さんたち、目線こっちに頂戴!!」

「こ、こうデスカー?」「ひ、ひえ~・・・何か恥ずかしい・・・」「榛名!全力で参ります!!」「カメラのチェックはよろしいのですか?撮るならばキレイに撮って下さい」

 

「おぉ・・・!こうも空母や戦艦が並ぶと圧巻だ!!クオリティも半端じゃないし・・・本当にスゴい!!」

「あら、このお菓子美味しい・・・!もっと頂けますか?」「赤城さん、食べ過ぎですよ・・・」「オ、オイ!?あまり艦装に触らないでもらおうか・・・?」「そうよ~あまり火遊びはしないでね~?」「どこを撮っているのだ?私はここだぞ?」

 

ミミー星人が裏切ったアイアンロックス大和に替わり、別のアイアンロックスたちをコ〇ケ会場に送り込んで数時間後、コ〇ケ会場にあるコスプレエリアは異様な熱気と盛り上がりを見せていた。というのも、

 

「いやぁ、今回のコミケはすごいな!あれだけクオリティが高くて、おまけに美人なコスプレイヤーが勢揃いしてるんだもんな!!来てよかった!!」

「俺、あのコスプレしてる人たちに何十枚も写真撮らせてもらったぜ!これは家宝決定だ!!」

「でも、あのお姉さんたどこのレイヤーだ?あんな人たち、見たこと無かったけど・・・?」

 

と言うカメコや見物人の声と共に、コスプレエリア出来ている人集りの中心にはあのアイアンロックス大和、に加えてミミー星人が新たに送り込んだ金剛、比叡、榛名、霧島、加賀、赤城、長門、陸奥、武蔵を元に製造、擬人化を施したアイアンロックスたちがそれはそれは楽しそうにしていた。

 

 

「何・・・を、何をやっているのだアイツらは!?何故みんなして私を裏切って、あんなに楽しそうにしてるんだ!!?」

 

そんなコ〇ケ会場の様子をモニターで見ているミミー星人はパニックを起こして取り乱していた。一方で、

 

「どうだみんな?地球人に、誰かに褒められ、認められ、感謝され、人気者になる気分は?悪くない、どころかとても気持ちがいいだろう?」

 

「ま、まぁ・・・悪くはないな・・・」「た、確かに・・・」「Yes!Very Goodデース!!」「こんな気持ちになったのは初めてだ・・・とても気分がいい」「むしろ、ずっとこのまま人気者でいたいな・・・」

 

大勢の人たちに囲まれているコスプレイヤーもとい、擬人化された戦艦ベースの各種アイアンロックスたちはみな笑顔で本当に楽しそうだった。

 

 

 

「いたぞ!大和だ!!」「見付けた・・・!!」「この裏切り者!!」「許しまセーン!!」「覚悟っ!!」「跡形もなく吹き飛ばしてやろう!!」「今さら謝っても遅いですよ!!」「容赦はしません!!」「吹っ飛びなさいっ!!」

 

「くっ・・・!いくら何でも多勢に無勢すぎる・・・!!」

 

時は少し遡り、アイアンロックス大和がミミー星人を裏切った直後のことだ。

アイアンロックス大和は、裏切り者である自分を始末するためにミミー星人が送り込んで来るであろう追っ手との戦いに人々と巻き込まないようにと、コ〇ケ会場から一刻も早く離れるつもりでいた。

しかし、ミミー星人が送り込んだ追っ手の各種アイアンロックスたちのコ〇ケ会場到着はあまりにも早く、アイアンロックス大和は各種アイアンロックスたちに包囲され、最早これまでという状況になったハズだったが―

 

「オイ!見ろよ!!美人でクオリティ高いレイヤーが増えたぞ!!」

「本当だ!全員、スゲぇ美人でハイクオリティなコスプレだ!!」

「あのっ!是非とも写真撮らせて下さいっ!!」

 

「う、うわっ!?何だコイツらは!!?」「オ、オイ!寄るな!触るな!ジャマをするな!!」「ひ、ひえーっ!お姉様以外に触れて欲しくなーい!!」「NOー!?止めて下サーイ!!」「こ、この私に触るとはいい度胸だな!吹き飛ばすぞ!!」

 

裏切り者のアイアンロックス大和に迫る各種アイアンロックスたち、の間に突如として割り込む大勢のカメコや見物人たち。そのあまりの数の多さ、熱気、その他諸々はアイアンロックスたちを完全に圧倒していた。

 

「うわぁ、あの人たちって大和(たいわ)さんのお知り合いですか!?」

 

「あ、あぁ・・・まぁな・・・」

 

「やっぱり!あのハイクオリティなコスプレ、みんな揃いも揃って美人、納得ですね!!」

 

「い、いや・・・まぁ、そうだな・・・(というか、早くみんな逃げないと危ないんだが・・・いや、待てよ・・・そうだ!!)」

 

目の前で起きているまさかの、カメコや見物人が追っ手の各種アイアンロックスたちを圧倒するというまさかの光景を見たアイアンロックス大和は呆然と立ち尽くしていたが、ふと「ある事」を思いつくと―

 

 

 

 

「いいね!いいねー!すっごくいいよー!!金剛型のコスプレのお姉さんたち、目線こっちに頂戴!!」

「こ、こうデスカー?」「ひ、ひえ~・・・何か恥ずかしい・・・」「榛名!全力で参ります!!」「カメラのチェックはよろしいのですか?撮るならばキレイに撮って下さい」

 

「おぉ・・・!こうも空母や戦艦が並ぶと圧巻だ!!クオリティも半端じゃないし・・・本当にスゴい!!」

「あら、このお菓子美味しい・・・!もっと頂けますか?」「赤城さん、食べ過ぎですよ・・・」「オ、オイ!?あまり艦装に触らないでもらおうか・・・?」「そうよ~あまり火遊びはしないでね~?」「どこを撮っているのだ?私はここだぞ?」

 

と言うカメコや見物人たちの声と共に、コスプレエリア出来ている人集りの中心にはあのコスプレイヤーの女性とアイアンロックス大和、に加えてミミー星人が新たに送り込んだ金剛、比叡、榛名、霧島、加賀、赤城、長門、陸奥、武蔵を元に製造、擬人化を施したアイアンロックスたちがそれはそれは楽しそうにしていた。

 

(そうか、これが楽しいという感情か・・・)(榛名、幸せです・・・)(とっても暖かくて、気持ちがいい・・・)(こんなのもアリかな・・・)(これが嬉しいということなのか・・・悪くない、どころか好きだな・・・)

 

そんな楽しそうに、幸せそうにしている各種アイアンロックスたは、人に喜ばれたり感謝されたりすることの気持ちよさを知っていた。先に送り込まれたアイアンロックス大和のように。

 

(作戦は成功だ。私が人々から賞賛され、感謝された喜びや楽しさを皆にも実感させることがこんなにも効果があったとはな・・・上手くいってよかった)

 

先程までの殺気立ち、裏切り者の自分を始末する満々だった各種アイアンロックスたちがこうも穏やかに、嬉しそうにしているのは、先に人々に感謝されたり喜ばれたりする事の気持ちよさを知ったアイアンロックス大和が、自分と同じように各種アイアンロックスたちに身をもって体験させたからであった。

 

「どうだみんな?地球人に、誰かに褒められ、認められ、感謝され、人気者になる気分は?悪くない、どころかとても気持ちがいいだろう?」

 

「ま、まぁ・・・悪くはないな・・・」「た、確かに・・・」「Yes!Very Goodデース!!」「こんな気持ちになったのは初めてだ・・・とても気分がいい」「むしろ、ずっとこのまま人気者でいたいな・・・」

 

大勢の人たちに囲まれているコスプレイヤーもとい、擬人化された戦艦ベースの各種アイアンロックスたちはみな笑顔で本当に楽しそうだった。その結果、

 

『『『『『『ミミー星人様、我々はたった今をもってもうあなた達とは関わるつもりはありません!さようなら!!』』』』』』

 

『オイ!?ちょっと待てオイ!?大和どころか、お前たち全員まで裏切るのか―――って、クソッ!!通信が途切れたーーーっ!!!』

 

最初こそミミー星人の命令を実行し、裏切り者のアイアンロックス大和を始末する気満々だった各種アイアンロックスたちであったが、そのアイアンロックス大和から教わり、実際に体験した人々から喜ばれたりする気持ちよさが忘れられず、最終的には全員が揃いも揃ってミミー星人を見限ってしまった。

 

『クソッ!クソッ!!こうなったら、私が直々に地球に乗り込んで支配してやる!!まずは手始めに、裏切り者どもがいるあのイベント会場で暴れてやろうか―――』

 

まさか自分が用意した侵略兵器の擬人化態たち全員に見限られるという事態に陥ったミミー星人は怒り狂い、自分が直接地球に乗り込んで地球を我が物にしようと決断した。

そんなミミー星人が最初の目的地に選んだのは自分を裏切った裏切り者がいるコ〇ケ会場であり、ミミー星人は目的地のコ〇ケ会場をモニターに映した、その瞬間―

 

「いいよぉ!いいよぉ!!とぉっても可愛いよーーー!!!」

「おっ!ナイスパンチラ!!お宝決定だ!!」

「でゅふふふふ・・・素晴らしいでござる・・・!!」

 

『・・・何だ・・・これは・・・?』

 

怒り狂ったミミー星人がコ〇ケ会場をモニターに大写しにした瞬間、モニターに映ったのは・・・いい年した大人たちがコスプレイヤーのパンチラを狙ったり、堂々と卑猥な本を大量に購入したり、他にも品性も常識の欠片もない「キモい」とか「ウザい」と言われて当然な行動を平然と行う地球人たちの姿であった。

そんな地球人の姿を見たとき、ミミー星人が口走った言葉は、

 

「もう、いいや・・・地球いらない・・・」

 

そう言って、地球人にドン引きしたミミー星人はアイアンロックスたちを放置して地球を去った。

 

 

この日、とある都市は元より地球という星そのものが滅亡の危機に、地球を狙う宇宙人の魔の手の危機に晒された。そんな宇宙人は地球への宣戦布告として彼らが作り上げた兵器、を美少女に擬人化した者たちを送り込んだ。

しかし、何の因果かその侵略兵器の美少女たちは地球人の「ある種族」と触れ合い、その結果で何と創造主である宇宙人に反旗を翻した。

当然、それに怒り狂った宇宙人は自分を裏切った兵器の美少女たちはもとより、地球人を自らの手で滅ぼそうと考えたのだが・・・宇宙人が宇宙船のモニター越しに「とある種族」の映像を見た瞬間、地球を諦めて去って行った。

そんな、兵器の美少女たちに反旗を翻させた「とある種族」と宇宙人に侵略を諦めさせた「とある種族」は実は同じだった。その「とある種族」とは―

 

『オタクって・・・何かスゴい・・・』

 

そう言って、今しがたモニターで見た、所謂「オタク」と呼ばれる人種のキモさ・・・迫力と魅力に戦慄した宇宙人「宇宙海底人 ミミー星人」はもう二度と地球を狙わないと決めた。

そう、今回見事に宇宙人に地球侵略を諦めさせ、最初は地球人を殺す気満々だった侵略兵器にして巨影「軍艦ロボット アイアンロックス」たちに色々な感情を芽生えさせたのも、日本が世界に誇る「オタク」の、宇宙人すら撃退(ドン引き)させる体は大人で心はちびっ子(大きなお友達)たちの愛の力(オタクパワー)だったのだ。

 

オタク(かれら)がかぎりいる限り、地球というか日本は宇宙人から狙われることはないだろう。ドン引きされるから・・・

 




如何でしたしたか?
今回は『ウルトラセブン』より「東宝からお古の戦艦大を買い取って作った」や「成田亨氏が一目見て恐竜戦車以上にブチ切れ、円谷プロに完全に身限りを付ける原因を作った」と言われるアイアンロックスが登場です。
まぁ、だってまんま戦艦大和だもん。あまりもにも捻りもへったくれも無いもんなぁ・・・

で、今回のストーリーを参考に、というか台詞すらもほぼまんま流用(大和がミミー星人を裏切った辺りの)したのは『ウルトラマンオーブ』の『ニセモノのブルース』ですねぇ。何つう名作をメチャクチャにしたんだ僕は・・・

そして、今回は「戦艦の怪獣(?)」や「地球を侵略するため、人間に擬人化させた兵器を送り込む」=擬人化、とあって某艦〇れを参考にしました。ほら、いま擬人化流行ってるし・・・でも、マジで作者は艦〇れやったことないんだよなぁ・・・

ただ、思うのは艦〇れはまだいいんですよ。でもね、ウルトラ怪獣擬人化計画だけは受け入れられないんですよ。何故か「エロいから」です。
確かに、あの企画そのものが「オタク向け」とは言ってますよ?でもね、腐っても(ウルトラ)怪獣って子供たちのために、あるいは視聴者に憧れや恐怖、スゴいと感じてもらって、何よりも「楽しむためのもの」じゃないですか?それをあんなエロ全開にしやがって・・・
いやね「可愛い」ならいんですよ?それこそアニメ版の『擬人化計画』は可愛らしい、それこそプリキュアだセーラームーンだみたいに「可愛いから」怪獣とかに興味ない女の子とかも取り込めて、客層を広げるいい機会になると思いますよ。大人も子供も、特に子供って可愛いの好きだし。
でもね、原作は・・・あれ、子供に見せられますか?というか、大人が見ても気まずくなるよ・・・もっとこう「節度」って物は考えて欲しい、それがウルトラ怪獣擬人化計画を始めとした現代日本で無駄に行われている擬人化に対する願いです。

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