巨影都市オブ・ジ・エンド   作:銀色の怪獣

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どうも、銀色の怪獣です。

いやいや、お久しぶりです。如何せん仕事が忙しい&某ワールドな規模でモンスターをハントするゲームが楽しくて・・・

で、今回の更新はいつもとはかなり毛色の違う異色作です。というか、ぶっちゃけ今回は怪獣が出ません。まぁ、特撮に関わるのは出ますが・・・相も変わらずマイナーだし。

同時に、今回は前に(マグニアの回)で言った「ダブルネーミングな回」です。
はたして何が「きかい」なのでしょうか?それも含めてどうぞご覧下さい。

後、今回のお話はヤフーニュースでも取り上げられた「あるニュース」を見たから作ったお話です。そのニュースが何なのか、その他の考察などは後書きで書いてますので、暇だったらご覧下さいませ。


第二十四話 きかいな『巨影』

何気ない平和で当たり前の日常。もし、その平和で当たり前の日常に異形の存在「巨影」が現れたなら・・・

 

 

「う~ん…どの()にしようかなぁ…」

 

何処かの大都市にある家電量販店で、一人の男性が商品(・・)を吟味していた。すると、

 

「いらっしゃいませ。お客様、どの(タイプ)をお求めですか?」

 

そう言って家電量販店の店員が男性客の元へ近寄って話しかけた。

 

「え、あぁ・・・そうですね。僕、一人暮らしでずっと一人っ子でしたから・・・出来れば妹みたいな娘とかがね・・・」

 

「そうですか。でしたら、この幼女・・・妹(タイプ)は如何ですか?機能も性能も(タイプ)とあまり変わらずに、人懐っこいですからねぇ」

 

「へ、へぇ・・・それはいいですね。じゃあ、その()を一人お願いします」

 

「かしこまりました。妹(タイプ)一機(・・)ですね」

 

件の家電量販店内で行われる客の男性と店員のやり取り。しかし、二人の会話はハタから聞いていると実におかしかった・・・が、それを周りにいる他の客たちは平然と聞き流していた。まるでそれがさも当たり前であるかのように。

 

 

 

「ふふ~ん!ふふふぅ~ん!!ふっふっふっふ・・・ついに、ついに僕も買っち(・・・)ゃった(・・・)ぞ!これで淋しい一人暮らしにおさらばだ!!」

 

といいながら、上機嫌で家電量販店から出てきた男性客。

そんな男性客は入店した際は一人だったのだが、こうして店を出た際には「連れ」を連れて出て来てた。そんな「連れ」とは―

 

「あの!ご主人様っ!!」

 

「な、何かな桃ちゃん?」

 

「私、ご主人様のために精一杯頑張ります!だから・・・末永く、おそばにいさせて下さいね」

 

「も、桃ちゃあぁん!君は何ていい子なんだ!!」

 

「きゃっ!?ご、ご主人様・・・は、恥ずかしい・・・ですぅ・・・」

 

家電量販店から出て来た男性客が連れている「連れ」もとい購入した(・・・・)商品(・・)、それは・・・男性客に抱きしめられ、頬を赤らめているメイド服に身を包んだ可愛らしい10代の少女であった。

ちなみにこの少女、人間ではない。ならば何なのか?それは・・・少女の背中に刻印された商標登録印(バーコード)が示すように、少女の頭の中の脳の代わりのコンピューターが示すように、少女の皮膚を形作っているのがシリコーンであるように、この少女はアンドロイド、それも人間の身の回りの世話をするように作られた「メイドアンドロイド」なのだ。そんなメイドアンドロイドは日本中でいま大流行している

 

 

 

「少子高齢化、労働力不足解消策としてアンドロイドの導入法案を可決します」

 

切っ掛けは日本国の総理大臣が国会で発したこの一言であった。

 

かねてより、人間の生活や仕事をサポートするアンドロイドは開発されていた。

だが、それを正式に採用することはされてこなかった。何故か?もしも、人間とは違って「完璧」な、仕事のミスも無く、不平や不満も言わずに黙々と仕事や業務をこなし、人間に"絶対服従"なアンドロイドが台頭したら・・・それこそ「人間社会」が崩壊するからだ。

 

「日本の総人口がついに〇〇〇万人を下回り―――」

「出生率が十年連続で下がっており―――」

「現在、日本全国で高齢者は〇〇〇万人以上にのぼっており、また介助か必要な高齢者の数は―――」

「現在、我が国の負債は〇〇〇兆円に膨れ上がっており、このままでは国民一人あたりの負債は―――」

 

しかし、そんな悠長なことを言っていられる余裕が日本には無かった。

 

出生率の低下による国民の減少、あるいは少子高齢化に伴う労働力不足、労働力不足や少子高齢化によって起きる財政難、それらが蓄積して不満を抱えて暴徒化する国民たちに悩む政府、といった具合に問題が山積みとなったのだ。

そのため、先に挙げた「アンドロイドの台頭による人間社会の崩壊」を気にしてはいられなくなった政府はアンドロイドの導入法案を可決したのであった。

 

「だが、アンドロイドごときに人間の代わりが務まるのか?」

「所詮、アンドロイドなどプログラムされたことしか出来ないのではないか?」

「どんなに見た目は人間でも、所詮は"機械"であり"家電"と大差じゃないか?」

「そもそも、アンドロイドには『心』がないじゃないか」

 

しかし、いざアンドロイドを人間社会に導入するとなった時、口うるさい評論家などの一部の人間が一斉に口を尖らせてそう言った。

とはいえ、それは正しくもあった。確かにアンドロイドは「人に作られた物」であって、どれだけ外見や内蔵されている人工知能(A・I)が人間に近かろうが、所詮は「人に作られた物」もとい「家電」と大差ないのだ。

だが、それは裏を返せば「アンドロイド=人間じゃなくて『物』」という当たり前(・・・・・)の"常識"を人々が持っていられる何よりの証拠であったのだ。

 

 

 

 

 

 

「あぁっ・・・んっ!はぁっ・・・!!す、すごかったです、ご主人様ぁ・・・!!」

 

「はぁっ・・・!はあっ・・・!!ふぅ・・・よかったよジュリちゃん・・・ものすごく気持ちよかった」

 

「そ、それはよかったです。ご主人様に喜んで頂けるのがジュリの何よりの喜びですから」

 

とある歓楽街にある愛を育む(・・・・・)ホテル(・・・)の一室において、一組のカップルがたったいま情事(・・)を終えて一息ついていた。

そんなカップルであるが、男性の方こそ人間なのだが、女性の方は・・・アンドロイドであった。そう、何と男性の連れているアンドロイドには性交渉の機能があるのだ。

そんなアンドロイドだが・・・実はあの「メイドアンドロイド」の同型、というよりはメイドアンドロイドそのものに"そういった機能"が搭載されていたのだ。

 

 

 

 

「人間の命令には基本的に絶対に服従で、家事全般を完璧に行えて、人間と変わらない喜怒哀楽などの感情を持ち、挙句は情事まで行えるメイドアンドロイドがこの度、我がチブルコーポレーションから発売となりました。是非、お買い求め下さい」

 

日本でアンドロイドの導入法案が可決されて間もない頃、今や国内でも有数かつ唯一のメイドアンドロイドの製造・販売を行っている企業『チブルコーポレーション』が設立され、先の謳い文句と共にメイドアンドロイドが各地で販売され始めた。それはまるで見計らったかのようなタイミングであった。

 

それはさて置き、件のチブルコーポレーションが製造・販売するメイドアンドロイドは性能もさることながら、感情の表現や喜怒哀楽などの「人間的な部分」が従来のアンドロイドを鼻で笑う超高性能なものばかりであり、人々を大いに驚かせた。その一方で、

 

「こんなに高性能なアンドロイドを販売していいのか?それこそ人間の立場がなくなるじゃ無いか」

「何故こんなにも感情表現が豊かなのだ?一体、どんなAIを組み込んでいるのだ?」

「というか、何故アンドロイドに性交渉機能を組み込んだんだ?そんな必要あったのか?」

 

という、チブルコーポレーションから発売されたあまりに高性能なメイドアンドロイドに関して疑問や疑念を抱く人々も大勢いた。しかし、そんな疑問や疑念はすぐに無くなってしまった。何故なら―

 

「もの凄く都合がよくて優秀なアンドロイドの女と、色々と面倒くさくて欠点だらけの生身の女だったらどっちがいいのか?」

 

あるいは

 

「炭素で出来た女がいいか、珪素(シリコン)で出来た女がいいか?」

 

というとある評論家が言った極論もとい紛れもない「事実」を人々がメイドアンドロイドを通して実感してしまったからであった。

ちなみに炭素もシリコンもどっちも嫌なら・・・パルプで出来た女(エ〇本)と言う選択肢もなきにしもあらずだが。

 

 

 

 

「遅い!何故こうも生産が遅れているのだ!?」

 

「も、申し訳ありません・・・その、あの・・・みんな(・・・)の性格のチェックなどに時間が―――」

 

「ええい!口答えするなっ!!」

 

―――バチンッ!!―――

 

「きゃっ!?」

 

所変わって、ここはチブルコーポレーションにあるメイドアンドロイドの製造工場である。

そんな製造工場内の一室では一人の女性もといメイドアンドロイドが工場長の男にビンタを受け、思わず膝を突いていた。

 

「全く!どうも性能やAIが人間くさいと物覚えが悪くていかん!!口答えはする、コーヒーの味が毎日違う、といった具合に不完全だ。やはり、我々ロボットこそが人間を支配して管理するべき―――」

 

そう言いながらメイドアンドロイドにビンタを食らわせた工場長の男が過激な発言をしたその瞬間、

 

「おやおや、それはダメですよ。そうなってはビジネスが成り立ちませんから」

 

「!?そ、その声は―――」

 

不意に、工場長の後から第三者の声が聞こえた。そして、その声を聞いた工場長は明らかに「恐怖」の表情を浮かべながら声の方を、声の主の方を向こうとしたが―

 

「ということで、貴方は廃棄ですね。ご苦労様でした」

 

―――バチバチバチッ!!―――

 

「ぎっ!?ぎゃあああぁぁぁっ!!?ああぁ・・・あぁ・・・」

 

という先の第三者の声が再び聞こえた瞬間、工場長に電撃が浴びせられた。

当然、電撃を浴びた工場長は感電して悶え苦しみ、とうとう地にひれ伏した。その際、何と工場長の男の後頭部がまるで蓋のように(・・・・・)外れた(・・・)ではないか!!

一体何事か・・・と思いきや、外れた後頭部から見える工場長の頭の中には機械が詰まっていた。そう、実はこの工場長もアンドロイドだったのだ。

 

「全く、何事も完璧すぎて融通が利かないアンドロイドときたらこれですよ。しかもすぐ暴力に訴え出るとは・・・欠陥品も欠陥品ですねぇ」

 

そう言いつつ、アンドロイドの工場長・・・あえて言うなら「ロボット工場長」を手から放った電撃で完全にショートさせた人物、もとい「異星人」がその全貌を現した。

その異星人は異様なまでに巨大化した頭部と、それに相反するように細い針金のような体を持った奇妙な姿をしていた。

 

「チ、チブル星人様・・・あの、その・・・」

 

「んっ?おお、そうでした。貴女、大丈夫ですか?あの融通の利かないアンドロイドにビンタされたりされていたようですが」

 

「は、はい!大丈夫です!!お気遣い、感謝します」

 

「そうですか。それはよかったですね。では、引き続き出荷する()たちの最中チェックをお願いしますね」

 

「分かりました。お任せ下さい」

 

ロボット工場長に暴力を振るわれていたメイドアンドロイドは自分を助けてくれた異星人に、彼女たちメイドアンドロイドを製造した創造主である「チブル星人」なる異星人に礼を述べた後、そのチブル星人に命じられるままに自分の仕事へと向かった。一方で、

 

「いやはや、全くいけまんねぇ・・・我々はあくまで『ビジネス』で地球を訪れているのに、そのビジネス相手の地球人を支配しちゃったらビジネスが成り立たないでしょ。全く、これだから融通の利かない完璧(・・)なアンドロイドはいけませんねぇ・・・」

 

遠ざかっているメイドアンドロイドの背中を眺めつつ、ショートさせたロボット工場長の体の上に座ったチブル星人はそうぼやいた。

そう、実はいま日本中で大流行しているメイドアンドロイドを作ったのは他ならぬこのチブル星人であり、その目的と地球へ訪れた理由は全て「ビジネス」のためであった。

 

「『何も欲しいものを手に入れるための手段は暴力だけではない。策略を巡らせたり、莫大な資金や物資を用いて手にするやり方もある』ですか・・・ふふふ、正しくその通りですね。このままいけば日本、どころか地球中に私が作ったメイドアンドロイドは広まるでしょう。そうすれば・・・私は相当なお金持ちで、地球を掌握したも同然ですね。ふふふ・・・愉快愉快!!」

 

とはいえ、チブル星人も腐っても「侵略者」なので地球を我が物にしようという気持ちがなきにしもあらず・・・ではあるが、そのやり方は野蛮で粗暴な暴力や武力に訴え出るものではなく、チブル星人ご自慢のメイドアンドロイドを売買して得た金銭で地球を掌握してしまおうという実に平和な考えだった。

 

しかし、のんきにチブル星人が作ったメイドアンドロイドを購入して使用している地球人はもとより、そのメイドアンドロイドを作って売りまくっているチブル星人は気付けなかった。

これからわずか数十年の内に地球人は・・・絶滅してしまうということを。何故か?

 

「もの凄く都合がよくて優秀なアンドロイドの女と、色々と面倒くさくて欠点だらけの生身の女だったらどっちがいいのか?」

 

とある評論家が言ったこの言葉が地球人の絶滅の理由を全て言い当てていた。

そう、地球人はチブル星人が作った「もの凄く都合がよくて優秀なアンドロイドの女」にうつつを抜かすうちに「色々と面倒くさくて欠点だらけの生身の女」に興味が持てなくなってしまった。

その結果、あくまで"性行為"は出来る(・・・)が"生殖行為"は出来ない(・・・・)アンドロイドの女ばかりにうつつをぬかした地球人は・・・子孫を残せず、とうとう絶滅してしまったのであった。

 

「ふむ、地球人が絶滅してしまいましたか・・・まぁ、いいでしょう。ならまた別の星を見付ければいいだけですし」

 

と言いながら、地球人が絶滅した地球を後にしたチブル星人。

そう、チブル星人という「異星人」からすれば十分に儲けたならば、自分たちと違う星の種族が滅ぼうとも関係ないのだから・・・

 

 




如何でしたでしょうか?

今回は大人気作品『ウルトラセブン』よりチブル星人、アンドロイド少女、そしてロボット工場長もといロボット長官が登場です。ロボット長官は長官→工場長に格下げ・・・ヒデぇ。
で、今回のタイトルの「きかいな」は「奇怪」と「機械」をかけたダブルネーミングです。ほら、機械のキャラが出てるし、ね?


何と言うか、実を言えば今回の話を作った理由は前書きでも書いたようにヤフーニュースで『あるニュース』を見たからです。それは

『アメリカで性交渉機能を持ったAI持ちのアンドロイドが開発された』

というニュースでした。このニュースを見たとき、僕は正直「ああ、とうとうSFの世界が現実になったんだ・・・怖い」と感じました。
だって、今回のお話の中でも述べた様に色々と優秀なアンドロイドが性交渉機能なんて持ったら・・・それこそ人々は「色々と面倒くさい生身の女」なんて相手にしなくなって、結果的に人類は滅亡すると断言していいでしょう。

言っておくと、決して女性を差別するような発言ではありませんので悪しからずです。もし、気を悪くされた読者の方、特に女性読者の方には深くお詫び申し上げます。

ただ、件の性交渉機能のあるアンドロイドですが・・・見た目がね、ダッ〇ワイフ丸出しですし、何よりもアメリカの人のセンスで作ってあるから・・・そそらねぇの。
だから"まだ"安心できます。ですが、もしもこれがオリ〇ント工業のラブドールみたいな見た目のアンドロイドだったら・・・本当に人類は絶滅に向かうでしょうね。

いやね、すごいんだよオリ〇ント工業のラブドール。マジで人間だよ。え?何でお前そんな詳しいんだよって?それは・・・友達が持ってるというか、独身時代にというか・・・ね?

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