この三話目ではみんな大好き(?)、みんなに愛されている(?)あの怪獣が出ます。
まぁ、彼(オスだし)は話題には事欠かないからね・・・一体何が出るのか、是非ともご覧下さいませ。では、どうぞ~
何気ない平和で当たり前の日常。もし、その平和で当たり前の日常に異形の存在「巨影」が現れたなら・・・
「う、嘘だろ!?何なんだよ
「ば、化け物じゃねぇかよ!?」
「こ、こんな
ここは海岸に近い大都市にある魚市場だ。そんな魚市場ではここ最近魚の、特にマグロの盗難事件が頻発していた。
ある店では店の裏手に積んでいた箱に入った魚が根こそぎ消えた、ある店では店頭に並べていた魚がいつの間にか消えた、ある店では生け簀の魚が一匹残らずいなくなった・・・という具合に大事な商売品の魚が消える事件が魚市場全体で頻発していた。
当然、魚市場の人々は黙ってはおらず、大事な商品を盗む不届き者を捕らえるため、大量の魚を広場に積んだ囮を用いて犯人をおびき寄せた。その結果、犯人はあっさりその姿を現した・・・まではよかったのだが―
―――ガアァオォン!!―――
「ト、トカゲ?いや、イグアナの化け物だーーーっ!!」
姿を現したマグロ泥棒もとい魚泥棒だが、その姿は「お魚咥えたドラ猫」のような可愛いらしいものではなく、全長が3mはあろうかという後ろ足二本で歩く巨大なイグアナのような「怪獣」だった。しかも、
―――ガアァオォン!!―――
―――ガアァオォン!!―――
―――ガアァオォン!!―――
「な、なんて数なんだ!?ウジャウジャいるぞ!!」
「い、一、十、百・・・か、数えられねぇ!!」
「お、多過ぎだろこれ!!」
魚市場の人々の言うように、姿を現したイグアナ怪獣は一頭や二頭では収まらず、広場の近くのマンホールや下水道の出入り口などから次から次に際限なく現れた。その数は優に200頭は下らないだろう。
―――ガアァオォン!!―――
―――ガアァオォン!!―――
―――ガアァオォン!!―――
一方で、まさか魚泥棒の犯人がこんなイグアナ怪獣であった事に加え、その数もおびただしかった事に魚泥棒の犯人をとっちめてやろうと思っていた魚市場の人々は何も出来ずにいた・・・かと思いきや、
「調子に乗るなよイグアナどもっ!!」
「うおおおぉっ!商売人舐めんなよっ!!」
「地獄に墜ちろイグアナ風情がっ!!」
―――ガアァオォン!?―――
―――ガアァオォン!?―――
―――ガアァオォン!?―――
意外や意外。何と、魚市場の人々はイグアナ怪獣に向かって戦いを挑んだ。
ある者は手にした金属バットや消火器でイグアナ怪獣を殴り殺して、ある者は市場で使っているフォークリフトやトラックでイグアナ怪獣を轢き殺して、ある者はガスバーナーやお手製の火炎瓶でイグアナ怪獣をローストして、といった具合で魚市場の屈強な
「コイツで・・・最後だっ!!」
―――バキッ!!―――
―――ガッ!?ガアァ・・・オォン・・・―――
威勢のいい魚市場のオヤジの一声と共に、オヤジが手にした消火器がイグアナ怪獣の最後の一頭の頭を打ち据えて地にひれ伏させた。これで、辺りにはもう生きているイグアナ怪獣は一頭も残っていない。つまり―
「やったぜ!駆除完了だ!!」
「俺たちの勝ちだぜっ!!」
「ひゃっほーっ!ざまーみろイグアナがっ!!調子に乗った罰だぜ!!」
あれだけいたイグアナ怪獣は魚市場の人々の活躍で一頭残らず駆除された。つまり、彼らが勝ったのだ。
これで商売の邪魔をされる心配はもうないし、もしかしたら新聞やテレビで取り上げられて自分たちはヒーローになれるかもしれない、等々と魚市場の人々が考えていた、その瞬間!!
―――ガアアアァァァオオオオォォォォン!!―――
「「「!?な、何だっ!!?」」」
突然、辺りに凄まじい
―――ガアアアァァァオオオオォォォォン!!―――
「ひ、ひぃいいいぃぃぃっ!?何だコイツは!!?」
「そ、そんな・・・マジかよ!!?」
「バ、馬鹿デケぇ・・・!!」
道路が崩落して出来た穴の中から現れた者、それはたったいま魚市場の人々が駆逐したイグアナ怪獣に酷似した怪獣であった。
ただ、穴の中から現れた怪獣の全長はゆうに60mを超えており、せいぜい3m程しかないイグアナ怪獣たちとは桁違いの大きさを誇っていた。
―――ガアアァァ・・・ガアアァオオォン・・・―――
「オ、オイ!見ろよアレ!!」
「んっ?な、何してんだアイツ?」
「揺り動かそうと・・・してる?」
突如として現れた巨大なイグアナ怪獣は穴から這い出ると、自身を見上げて呆然としている魚市場の人々には目もくれず、一番に手近に
しかし、巨大なイグアナ怪獣が何度つついても、どれだけ呼びかけても小さなイグアナ怪獣は当然ながら反応しなかった・・・すると、
―――ガアアァァ・・・オオォォン・・・!!―――
「ひっ!?こ、こっち見たぞ!!」
「っていうか、何か怒ってねぇか・・・?」
「も、もしかして・・・アイツ、コイツらの親か・・・?」
不意に、巨大なイグアナ怪獣が小さなイグアナ怪獣をつつくのを止めると、小さなイグアナ怪獣の近くにいる魚市場の人々を睨んだ。その目は明らかに「怒っていた」・・・それもそのハズ、実はこの巨大なイグアナ怪獣と小さなイグアナ怪獣は誰かの言ったように「親子」なのだ。そして、当然ながら愛する我が子を殺された親に芽生える感情は―
―――ガアアアァァァオオオオォォォォン!!―――
「!?ヤ、ヤベぇぞ!アイツ、怒ってるぞ!!」
「や、やっぱりコイツらは親子なんだ!!」
「ってことは・・・俺ら殺されるぞ!!」
「に、逃げろーーー!!!」
突然、巨大なイグアナ怪獣が吠えた。その声は深い悲しみと拭えない怒りに満ちていた。
もし、この巨大なイグアナ怪獣が涙を流せたならば大粒の涙を滝のように流しただろう。しかし、この巨大なイグアナ怪獣は涙を流す事は出来ない。その代わり、そんじゅそこらの生物には出来ない芸当が出来る。それこそが―
―――ガアアアァァァオオオオォォォォン!!―――
―――ドォオオオオォォォォンッ!!―――
「な、何だありゃ―――」
愛する子供たちを殺された怒りと悲しみに燃える巨大なイグアナ怪獣は吠ると、大きく息を吸い込み吐いた。ただそれだけで全てが燃え上がり、全てが吹き飛んだ―
この日、大きな魚市場のある海岸に近い大都市が崩壊・・・否、都市
そんな人が住めなくなった都市では巨影「強足怪獣
だが、ジラに都市を崩壊させたつもりもなければ、人間を駆逐したつもりは無かった。ジラたちからすればただ単に生活し、繁殖しているだけだ。
しかし、それもひとえに、ジラたちが桁違いの大きさと力、そして繁殖力を持つ「怪獣」という存在であるがための「悲劇」であり「必然」ゆえだったのだ。
「やっぱりマグロを食ってるようなのはダメだな・・・ってなことはねぇか・・・」
如何でしたでしょうか?
ということで、第三回目は東宝シリーズよりゴジラ(1998年のハリウッド版)が登場です。
正直、僕はジラ好きです。そりゃ、最初こそあの映画見たとき(当時小学生)は「こんなんゴジラじゃねぇ!!」ってなりましたが、何度も映画を見ている内に好きになっていました。だから「これはこれでアリじゃね?」として受け入れています。
ちなみに、映画の制作費で言ったらエメゴジはギャレゴジより数十億安く出来てるし、制作期間も一年ほどで興行収入が500億を超えている。
対するギャレゴジは制作費はエメゴジの数倍、制作期間も三年ぐらいかかってる、興行収入は500億に届いていない・・・正直「映画としては」エメゴジに軍配が上がっております。
ついでに言えば、ゴジラに対する愛が全くないエメリッヒ監督ですが、「映画を撮る」という事に関してはちゃんとやっておりまして、ジラはCGだけではなくミニチュアや着ぐるみ、アニマトロにクスや実寸大のジラの足などを作って映画を作っています。
対するギャレス監督は、ゴジラに対する愛はスゴいですが、ゴジラはオールCGでミニチュアや着ぐるみなどは全く無し・・・その理由は「時間がかかるから、つーか面倒くさい」だそうです。アレ?愛がある・・・の・・・?