巨影都市オブ・ジ・エンド   作:銀色の怪獣

33 / 72
どうも、作者です。

今回は前回に続いて短いです。ですが、内容が濃いというか何と言うかです。加えて、今回出る巨影はマジで原作『巨影都市』には出ていません。

じゃあ、何故に出したのか? まぁ・・・出したかったから&一応は今回の『巨影』は、一応は原作で出た『巨影』たち(主に初代)と世界観を共通しているらしいので、変じゃない・・・とは思います。はい

ちなみにサブタイトルの「金の権たる~」の「金の権」とは「かねのごん」と読みます。

そうです『ヤツ』が出ます。ただし、捻くれている僕のことなので"普通じゃない"『ヤツ』を出しますよ。

では、どうぞ~


第三十一話 金の権たる『巨影』

 

何気ない平和で当たり前の日常。もし、その平和で当たり前の日常に異形の存在「巨影」が現れたなら・・・

 

 

「うぅ・・・どうしよう・・・」

 

とある大都市の片隅にあるアパートの一室で、一人の女性が頬杖を付いて呻いていた。

 

「再生数も伸び悩んでるし、動画にお気に入りしてくれる人も減ってるし・・・このままじゃ収入なくなって、飢え死にしちゃうよぉ・・・」

 

そう言って女性は目の前の机の上にあるパソコンの画面に表示される自身の口座の残高と、自身の「チャンネル」と呼ばれる個人のアカウントに「お気に入り」をしてくれている人数の減少っぷりにため息をついていた。

実はこの女性は俗に言う「動画配信者」であり、その動画配信によって発生する広告収入を糧にして生活している・・・のだが、前述のように女性の動画に関してはお気に入りを付ける人も、観てくれる人も減っており、それに伴って女性の生きる糧の動画収入も減少の一歩をたどっていた。

 

「うぅ・・・身を削ってお色気配信までしてもこの有様はどういうことなのよぉ・・・」

 

当然、生きる糧の動画収入が減っている女性はあの手この手で自身の動画を見て、お気に入りを付けてくれる人を増やそうと努力し、最終手段であるお色気・・・もとい「女の武器」まで使って動画を作ったが・・・結果は散々であった。

 

「はぁ~あ・・・別にお気に入りは減ろうが、動画見てくれる人は減ってもいいのよ。ただ、お金にさえなればそれでいいのよ・・・って、とにかくお金が欲しいぃいいいぃぃぃ~~~っ!!!」

 

どれだけ頑張っても減るお気に入りと(主に、というか一番は)お金に嫌気がさした女性はその場で仰向けになりながら絶叫した。

とはいえ、どれだけ絶叫しようが女性が今のまま(・・・・)では現状を打破する手立ては無いのである。

 

「お金~!お金~~!!お金~~~!!!お~か~ね~!!!・・・って、あれこれ考えて叫んだら疲れちゃった。このまま寝よっと・・・」

 

気が済むまで絶叫した女性は疲れやら何やらが相まって、あっという間にそのまま寝落ちした。

その結果、女性は気付けなかった。寝落ちした女性の・・・愛用しているパソコンの画面から何か"白い糸"のような物が無数に伸び、あろうことか女性をそのまま包み込んで「繭」にしてしまったことに。

 

そして、繭の中に捕われた女性は醜い芋虫が可憐な蝶になるように、全く別の姿へと変わるのだ・・・ただし、今回の場合は前述の「醜い芋虫が可憐な蝶に」ではなく「可憐な女性が醜い化け物になる」のではあるが。

 

 

 

 

 

「き、きゃあああああぁぁぁぁぁーーーっ!!?な、何よコレーーー!!?」

 

いつの間にか寝落ちしていた女性はふと目を覚ました。そんな女性を包んでいたあの白い繭は何処かへと消え去っており、女性は自身の身に起きた異変にも気付かなかった。

そして、目を覚ました女性が何となく風呂に入ろうと脱衣所に向かい、これまた何となく脱衣所の鏡を見た瞬間に悲鳴を上げた。何故なら女性は・・・人外の姿に、俗に言う「怪獣」になっていたのだ。

 

巨大ながま口つきのカエルかアンコウのような頭部、その頭部から飛び出した先端に目の付いた触角、妊婦のようにポッコリと出たお腹、そして本来はヘソのある部分には何かの「メーター」が付いたあまりに珍奇な怪獣だった。とはいえ、ピンクがかった体色とおさげ髪(に見える突起物)に体の各所にあしらわれたハートが相まって、幾分か「可愛らしく(?)」はあったが。

 

「あ、あわわわわ・・・!ど、どうすればいいの!?と、とりあえず病院、いや救急車を・・・」

 

『目が覚めて鏡を見たら人外の姿になっている』というあまりに有り得ない、あまりに理解しがたい状況には流石の女性も動揺しており、大慌てで救急車を呼ぼうとしたが―

 

「うぅ、でも・・・こんな変な姿を誰かに見られたくない・・・」

 

女性は病院に行くのも救急車を呼ぶのも躊躇った。何故なら「恥ずかしい」からだった。

いくらマトモに働きもせずに引き籠もっているとはいえ、いくら身を削ったお色気動画配信をしているとはいえ、女性にも「乙女の恥じらい」というものはある。故にこんな珍奇な姿を誰かに見られるのは女性の最低限の"乙女としての"羞恥心がそれを許さなかったのだ。

 

「でも、本当にどうしよう・・・これじゃ人前に出られないし、何よりも動画なんて作れないよぉ・・・」

 

解決策が見つからず、途方に暮れる女性はその場にへたり込んだ。が、そんな状況においても女性は動画作りのことを考えていた。まぁ、女性にとって動画作りで得られる収入が唯一の生きる糧なので仕方ないといえば仕方はないのだが・・・と、ここで―

 

「あれ?ちょっと待ってよ・・・私、今ものすごく目立つよね・・・と言うことは!!」

 

ふと、相変わらず鏡を見ながら怪獣と化した自身の姿を見てパニクっていた女性であったが、本当に不意に「とんでもない事」を思いついたのだ。それは―

 

 

 

「なぁなぁ、この動画みた?」

「おお、見た見た。いや~マジで面白いよなぁ」

「だよなぁ、マジで神ってる動画と配信者だよなぁ」

「確かに。にしても、まさかバーチャルとかに続いて着ぐるみ(・・・・)の配信者が出てくるなんて・・・次は何だろうな?」

「う~ん・・・次は動物とかじゃね?」

「いや、そりゃねぇだろ・・・」

 

どこかの大都市にあるカフェにて二人の男子学生が手元にあるパソコンで「ある動画」を見ながら談笑していた。

ちなみに、そんな二人が見ている「ある動画」とはここ最近かなり「面白い。特に動画の投稿者(・・・)が」と視聴者の間で話題になっている動画であった。

 

 

 

「うふふ、また増えてる・・・お気に入りの登録者も、預金の残高も・・・!うふふふふ・・・!!」

 

所変わって、ここはとある大都市の片隅にあるアパートの一室だ。そんな部屋の主は・・・あの珍奇な姿の怪獣、になってしまった動画配信者の女性であった。

 

「うふふ、じゃあ早速、明日の分の動画を作ろうっと」

 

そう言って現怪獣で元女性は今しがたまで眺めていた預金通帳を、ついこの間まで残高が数ケタだったハズなのに現在は残高が現在進行形で(・・・・・)スゴいことになっている預金通帳、を閉じて翌日に投稿する予定の動画を作り始めた。

 

現在、女性はほとんど外に出ることはないし、そもそも「出る必要がない」のだ。

何故なら、生活の糧の広告収入は女性が現在の姿を、怪獣となった姿を利用して作った動画の数々が「着ぐるみで動画配信をしている面白配信者」として有名になり、そのおかげで女性は今や超売れっ子動画配信者となっていた。

加えて、現代はネットでの通信販売などによって生活必需品や食料品は手に入れられるし、公共料金などの支払いも口座引き落としなどにしておけば本当に外に出る必要がなく引きこもっておけるのだ。

 

そんな女性の部屋であるが、外から見ると・・・白い糸に覆われた、まるで「繭」のようになっていた。そう、女性は「繭」に閉じこもっているのだ。繭の外に出ることもせず、繭の外に出たいという気すらなく。だが、

 

「お金、お金、お金・・・うふふ、楽してこんなに儲かるとか最高!あんまり外に出なくてもいいし、人付き合いとかに悩まなくてもいい・・・もう、本当に最高!!」

 

そう言って現状を、特に苦労もせずに増えていく預金残高を眺める女性は本当に幸せそうであった。

それもそのはず、前述のように女性は今や大人気動画配信者として有名人の仲間入りをしており、それに伴ってお気に入りの件数は凄まじく、また発生する広告収入も凄まじいのでかなりお金持ちになっている。

加えて、元々めんどくさがり屋で人付き合いが苦手で嫌いな女性であっても普通に、何の苦もなく生活できる環境が女性の閉じこもっている「繭」の中には、もっと言えば現代社会には出来てしまっているのだ。

 

本来、人間はどんなことがあっても外に、自分の殻もとい「繭」から出なければならない。だが、現代社会ではその「繭」を破らずして生活できる環境が出来上がってしまっている。そして、その環境を作っているのは、他ならぬ現代人なのだから・・・

 

このままではあの女性の変身した巨影「コイン怪獣 カネゴンヌ」は大発生することとなるだろう。そうなれば・・・(かね)(ごん)と化したあの女性は生活の糧を失い、お腹のメーターがゼロになる(うえじにする)だろう。




如何でしたか?

今回はマスコット扱いされる事は多いけど、誕生経緯や内容がガチホラー&鬱エンドorバッドエンド出有名なカネゴン・・・の亜種であり、かの『子供に見せられない・見せちゃいけない』として有名な『ウルトラQ darkfantasy』より「コイン怪獣 カネゴンヌ」の登場です。やっぱりカネゴンはホラーじゃねぇか!!

で、今回のカネゴン(ヌ)の話は割とハッピーエンドにしました。何故か?カネゴンの話って基本的にバッドエンドだったり、教訓を含めた話ばかりです。だから、だからあえてハッピーエンドというか皮肉った感じにしました。

まぁ、普通は朝起きてあんな珍奇な姿になってた即座に病院行くわ。受け入れてもらえるかは別にして。

しかし・・・現代は実に『変』だ。動画だ広告収入は云々かんぬんは触れませんが。
まぁ、マジメに働くのがバカらしくは・・・ならないよ。自分にために、家族のために働くのが意味があるんだもん。

 ▲ページの一番上に飛ぶ
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。