巨影都市オブ・ジ・エンド   作:銀色の怪獣

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どうも、銀色の怪獣です。

いきなりですが、作者は深く反省したしました。何を?

最近の「巨影都市オブ・ジ・エンド」はとりあえず風刺や皮肉ばかり折り込み、僕が一番やりたかった、この作品を書こうと思った理由の

「怪獣や宇宙人、特撮の"キャラクターたち自身"の『魅力』を伝えたい」

を忘れ、とにかく皮肉ったり風刺ばかりでした・・・

これじゃイカンと、巨影もとい怪獣や宇宙人たちの魅力を伝えるのが目的だっただろう、と反省しました。

なので、今回からはその路線に戻します・・・それでも、たまには風刺とかもやりますが、その辺は御慈悲を。

ということで、今回は巨影の魅力と能力を演出しました(と思います)。どうぞお楽しみ下さい。


あと、後書きで今回出てくる巨影の出ているシリーズに関わる未確認情報を書いております。よろしければご覧下さいませ。


では、どうぞ~


第三十九話  かいたいする『巨影』

 

何気ない平和で当たり前の日常。もし、その平和で当たり前の日常に異形の存在「巨影」が現れたなら

 

 

「危険すぎます!習性も何も分かっていないのに、推測だけで捕獲するのはリスクが大きすぎます!!」

 

「長峰君、これは決定事項なのだよ」

 

「そんな・・・」

 

ある日、島国日本のとある孤島で奇怪な生物が、翼長15mを超える上に人を捕食する巨大な鳥―――専門家の言葉を借りれば「羽毛がなく牙がある、あんな鳥はいません!!」ということで鳥ではなく「怪獣」が発見された。しかも三頭もだ。

 

しかし、その怪獣は「学術的側面から見て非常に貴重な存在」の名目で処分されるどころか保護対象となった。結果、その怪獣の第一発見者である鳥類学者の女性および怪獣の調査に同行した警部補が、怪獣の捕獲の立案をお偉いさんから要求されたのだった。

 

 

 

 

「どっかに"アレ"を閉じ込められるような場所があれば・・・」

 

そんな(そげな)場所」

 

「ないよねぇ」

 

お偉いさんから言い渡された「人を食らう翼長15mの怪獣の捕獲案を考えろ」という無理難題を前にして、鳥類学者の女性と警部補は当然のように行き詰まっていた。だが、

 

「あっ・・・ありました・・・!」

 

「えっ?」

 

あるんですよ(あるですよ)!あるんですよ(あるとですよ)!!」

 

不意に、本当に不意に警部補が何となく見た新聞を、新聞の一面を飾っていた野球の記事を、その野球の試合が行われているドーム(・・・)を見た事で怪獣の捕獲の手立てが完成することとなった。

 

 

 

「オーライ!オーライ!!」

 

「足下注意!前へ!!」

 

「こちらの交通規制、報道規制は済みました。どうぞ」

 

とある地方の大都市にある多目的ドーム内、あるいはその近辺で慌ただしく動き回る自衛隊の大隊や警察に機動隊に、と相当数の人員が今からこのドームで行われる「ある作戦」の準備をしていた。そんな「ある作戦」とは―

 

「しかし、まさかドームまで怪獣を誘導し、ドームの中に閉じ込めてしまうとは・・・中々に奇抜な作戦を考えましたな、あの鳥類学者のお嬢さんは」

 

「とはいえ、相手が鳥の化け物ならカゴに、鳥籠(とりかご)に閉じ込めるのはもってこいですな」

 

「ははっ、確かに・・・」

 

そう、今からドームで行われる「ある作戦」とは・・・件の翼長が15mにもなる人食いの怪獣の捕獲方法の立案を任された鳥類学者の女性(と警部補)考案の怪獣の捕獲作戦であった。

 

その作戦内容は、怪獣を孤島からヘリコプターで誘導した後、天井が開閉するドーム内のグラウンドにエサを設置して怪獣を誘い込み、怪獣がエサに貪り付いている間にドームの天井を締めて怪獣をドーム内に閉じ込めてしまおう、というかなり大胆な作戦であった。果たして成功するのだろうか?

 

 

 

―――ギャァオオオォォォッ!!―――

 

「誘導完了!!」

 

「了解!電源切り替え、天井閉鎖お願いします!!」

 

「はい!」

 

鈍い音を響かせながら閉まっていくドームの天井部分。そんなドーム内のグラウンドでは設置された大量の生肉(エサ)に何の警戒心も無く貪り付き、一心不乱に己が食欲を満たす三頭の怪獣がいた。

そう、鳥類学者の女性考案の怪獣捕獲作戦は見事に成功し、三頭の「学術的側面からは貴重な」人食い怪獣たちを「鳥籠」に閉じ込める事に成功したのだった。

 

 

 

 

 

「例の生物だが・・・人を食べることから飼育は無理と、特級の危険生物と判断、内閣によって処分命令が下された。ついては―――」

 

「あの体の大きさと食欲ですし、代謝の事などをふまえれば放置しても数週間で飢え死にすると思います。よってドームを完全閉鎖して餓死させるのが一番だと思います」

 

「・・・分かった」

 

「それにしても身勝手すぎです!!」

 

どうにか三頭の怪獣をドーム内に閉じ込める捕獲作戦は大成功を収めた矢先、あろうことか件の怪獣の捕獲を命じた内閣が「やっぱ人食う危ないヤツだから殺せ」という真逆の、鳥類学者の女性が憤慨するように身勝手すぎる命令を下したのであった。

とはいえ「日本国内で一番のお偉いさん」である内閣様々がそう言ったのだからみな従うしかなかった。

 

こうして三頭の怪獣は鳥類学者の女性の助言の元、ドーム内に餓死するまで閉じ込められる事と相成ったのであった。

 

 

―――ギャァオオオォォォッ!!―――

 

―――ギャァオオオォォォッ!!―――

 

―――ギャァオオオォォォッ!!―――

 

身勝手な人間たちにより、狭く薄暗いドーム内に閉じ込められた三頭の怪獣は苛立ち、そしてエサを全て食い尽くしたために空腹を訴えていた。

しかし、いくら鳴けど叫べど怪獣たちがドームの外に出ることが叶うはずなどない。だが、それでも腹は減る・・・結果、怪獣たちは仲間同士で殺し合って食い合って、最終的に一頭だけが生き残った。しかし、その一頭もいずれは死ぬ定めだ。

ドームから出ることも叶わず、殺して一時的に手に入れた仲間の肉(しょくりょう)も残りわずか・・・着実に「餓死」の恐怖が生き残った一頭に迫っていた―――それはつまり、鳥類学者の女性の言った言葉が現実になろうとしている証拠であった。

 

―――ギャァオオオォォォッ!!―――

 

だが、そうは問屋が卸さなかった。ドーム内に閉じ込められた怪獣だからこそ(・・・・・)持ち得た異常にして異様な「適応能力」と「生命力」が、怪獣を飢え死にさせまいとしていたからだ。

 

同時に、人々はこの怪獣が持つ適応能力と生命力を過小評価してしまった事を悔しても後悔しきれないほどに、まざまざと見せつけられる事になる―――

 

 

 

―――ギャァオオオォォォッ!!―――

 

「な、なんじゃぁありゃあ!!?」

 

「ば、化け物がドームをぶち破って出て来たぞ!?」

 

「な、何て大きな()なんだ・・・!!」

 

ある日、突如として地方の大都市にあるドームが、人を食らう翼長15mの怪獣たちを閉じ込めているドームが内側(・・)から破壊され、崩れ落ちた。そんなドームの崩壊を起こしたのは―

 

―――ギャァオオオォォォッ!!―――

 

甲高い咆哮を轟かせ、窮屈そうに折り畳んでいた翼をはためかせるのは、赤い皮膚と二股に分かれた鶏冠を持った太古の翼竜のような姿をしたこの怪獣こそ、ドームを内側からぶち破って出て来た張本人であった。

その大きさはたったいま怪獣が天井をぶち破って出て来たドームなど比較にならない程に巨大だった。

 

―――ギャァオオオォォォッ!!―――

 

「オ、オイオイ・・・アレって・・・前にドームに閉じ込めた鳥だよ・・・な?」

 

「あ、あぁ・・・色とか姿とかは間違いなくあの鳥だ・・・大きさが違いすぎるけど・・・」

 

「つ、つーかエサとか無いハズなのに何で生きてられたんだよ・・・?」

 

突如としてドームをぶち破って現れた巨大怪獣を前に、ドーム近辺の監視を行っていた自衛隊員や警察官、そして騒ぎを聞きつけて集まった野次馬たちは呆然とするしかなった。

 

そんな怪獣だが、実は誰かの言ったように元々はあの翼長が15mの怪獣だった・・・今となってはその翼長は185mと十数倍に成長している。それもわずか数週間でだ。その成長速度はハッキリ言って「異常」だった。だが、この怪獣の「異常」な点はその成長速度ばかりではない―

 

―――ギャァオオオォォォッ!!―――

 

不意に、怪獣が羽ばたいた。するとどうだろうか。辺り一帯には凄まじい腐敗臭が広がり、怪獣を呆然と見上げていた人々を悶えさせた。

そんな腐敗臭の出所だが・・・怪獣の足下に散乱するおびただしい量の怪獣の同族の死骸(・・・・・)だった。だが、その死骸はどれも一様に小さいまるで雛もとい「子供」のようであり、加えて死骸以外にも怪獣の足下には白い何かが、何かの()の破片も散乱していた。

 

「まさかあの鳥・・・卵を産んでたのか!?しかも、その卵が孵化してたってのか・・・?」

 

「って言うか、アイツ・・・自分で産んだ子供を食って生き延びてたのか・・・!?」

 

「そ、そんな・・・自分の子供自分で食うとか・・・ありえねぇだろ!?」

 

相も変わらず漂う腐敗臭に悶絶する人々は腐敗臭の出所に気づき、その腐敗臭の原因である怪獣の同族の死骸を見て、怪獣が何を行ったのか、何をして今まで生き長らえて成長したのかを悟ってゾッとしていた。

 

そう、実は怪獣が"小さいときに"ドーム内に閉じ込められた後も生き長らえていたのも、現在の大きさにまで成長できたのも、全ては怪獣が「共食い」を行っていたからであった。

 

恐ろしいというか浅ましいというか、この怪獣は空腹になれば同族であっても躊躇なくエサにしてしまう。そのため、元々ドーム内に閉じ込められた怪獣が三頭だったのに今は一頭しかいないのも今いる一頭が残りの二頭を捕食してしまっていたからであった。

 

だが、共食いは色々な生物で見られる現象だ。それこそザリガニや昆虫に始まり、魚類も両生類も爬虫類も鳥類も、あるいはネコやチンパンジーなどの哺乳類、挙句は「カニバリズム」という単語が示すように人類でさえも共食いは行われている現象だ。

 

しかし、いくら共食いを行う動物たちでも行わない行動がたった一つある。それこそが―

 

「まさかあの鳥・・・卵を産んでたのか!?しかも、その卵が孵化してたってのか・・・?」

 

「って言うか、アイツ・・・自分で産んだ子供を食って生き延びてたのか・・・!?」

 

「そ、そんな・・・自分の子供自分で食うとか・・・ありえねぇだろ!?」

 

人々が怪獣の足下に散乱する怪獣の同族の死骸を見てゾッとした理由、それこそが"共食いを行う動物たちでも行わないたった一つの行動"―――「自分で産んだ子供を自分で食べる」もとい「自分の食料にするために子供を産み、食らう」という常識的に(・・・・)考えて"有り得ない"行動を実際に行った怪獣をその目でしかと見たからであった。

 

―――ギャァオオオォォォッ!!―――

 

だが、人々は忘れていた。その"常識"が通じない存在こそが「怪獣」という全てを超越した存在なのだと、至極当然の「常識」を忘れていた事に。

加えて、その怪獣という常識が通じない存在の中でも特に異質で、異様な巨影「超遺伝子獣 ギャオス」だからこそ今回の出来事もまかり通るのだ―

 

 

―――ギャァオオオォォォッ!!―――

 

「!?か、怪獣がこっちに来るぞ!逃げろーーーっ!!」

 

「ア、アイツ俺たちを食う気だーーーっ!!」

 

空腹を満たすために仲間を解体(かいたい)して食らい、空腹を満たすためにたった一頭で子供を懐胎(かいたい)して食らうという数々の暴虐を行うギャオス。

そんなギャオスの次なる暴虐は・・・ギャオスの眼下で逃げ惑うちっぽけなエサ(にんげん)どもを絶滅するまで食らい尽くす事だ。

 




如何でしたか?

今回はガメラシリーズの常連にしてスタッフ(金子修介監督や伊藤和典氏に)から「いい加減に飽きた」や「出ずっぱりで面白みがない」と言われしまったギャオスが、それも平成三部作ガメラのギャオスが登場です。(ちなみに前述の金子監督たちの発言は『特撮秘宝』というムック本より抜粋)

で、今回の「かいたいする~」の「かいたい」は

・仲間を食らう、仲間を"解体"して食らう=解体・かいたい



・たった一頭で"懐胎"して繁殖する=懐胎・かいたい(ようは処女懐胎、つまりは単為生殖です)

っていう意味のダブルネーミングです。

そういえば、2015年の"あのPV"以降まったく音沙汰の無いガメラシリーズもといKODOKAWAがガメラの新シリーズを考えているようですよ、CGアニメで。
しかもそのCGアニメでガメラ史上初のメカ怪獣を出そうとしているとか・・・本当ですかねぇ?

「金にならない作品は即座に切り捨てる」KADOKAWAが、ガメラに「愛」も「親心」も無い、ただ単にガメラの「版権買い取っただけ」のKADOKAWAさんがガメラの新シリーズに本腰入れるのか・・・疑問です。

2005年版キングコングの監督、ピーター・ジャクソン氏みたいに「コングが大好きなんだ!だから私が自腹切ってでも映画をやりたいんだ!やらせてくれ!!」みたいな感じで、ガメラの熱烈なファンの方が、自腹切ってでもガメラ映画の監督やりたいって方が監督にならない限りはガメラの版権をKADOKAWAが持ってる以上、ガメラ映画の新作は無理だと思いますが・・・

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