さてさて、今回は・・・ぶっちゃけ、息抜きに作った&おふざけ全開フルスロットルのクソストーリーです。そのため、出てくる巨影も特撮関係ですら無いというね・・・
とはいえ、実は今回のお話は現実世界でも起きている獣害、というか「過度な都市開発による自然破壊」をテーマにしている(?)ので、おかしくはないと・・・思います。
ついでに、今回のストーリーは「ある映画」を元ネタにしつつ、現在アニメが放映されている「ある漫画」を参考に作りました。一体なんでしょうか・・・?
ヒントは、
映画→とある超絶B級映画(韓国の映画)
漫画→『和風闇鍋ウエスタン』の異名を取るヤ〇ジャン連載の漫画
です。
では、どうぞ!!
何気ない平和で当たり前の日常。もし、その平和で当たり前の日常に異形の存在「巨影」が現れたなら・・・
―――キィイイイイィィィ・・・フィギィイイイィィィ・・・―――
「はあっ!はあっ!助けて・・・誰か・・・助けて・・・!!」
―――キィイイイイィィィ・・・フィギィイイイィィィ・・・―――
「ひぃっ!い、いやっ・・・!いやぁああぁぁっ!!来ないで!来ないで―――」
―――キィイイイイィィィ・・・フィギィイイイィィィ!!―――
どこかの大都市の近場にある山林地帯の中に響く若い女性の悲鳴と・・・不気味で、それでいて野蛮で強力な生物、否「巨影」の鳴き声。
見れば、月明かりが照らす深夜の山林地帯にて、この山林地帯を抜けた場所にある村に帰ろうとしていた女性が・・・件の巨影に襲撃され、その身を"貪られて"いた。
―――キィイイイイィィィ・・・フィギィイイイィィィ!!―――
不意に、女性"だったモノ"を貪っていた巨影が顔を上げた。そんな巨影の正体とは―――イノシシだった。
ただ、その大きさは尋常ではなく大きかった。少なく見積もってもその全長は・・・5mを超えていた。
―――キィイイイイィィィ・・・フィギィイイイィィィ・・・―――
本来、我々が知っているイノシシは大きさは1m程度、体重も100kgになるかならないかだ。
だが、このイノシシは違う。その5mを超える異常な大きさに加え、そのギラついて血に餓えた目、月明かりを受けてギラリと輝く長い牙、そして・・・人間を襲って食い殺すという凶暴性、とどう見ても普通では無い、どう考えても異常な、もはや「怪獣」と言って当然の存在であった。
―――キィイイイイィィィ・・・フィギィイイイィィィ・・・―――
そんな怪獣イノシシは貪っていた"モノ"を食い尽くすと何処かを目指して歩き始め、ものの数十分で目的地にたどり着いた。その目的地とは―――怪獣イノシシが貪った女性が目指していた村であり、怪獣イノシシの「エサ」が無数に住まう
―――キィイイイイィィィ!!フィギィイイイィィィ!!―――
「ぎ、ぎゃあああぁぁぁっ!?何だこの化け物はっ!!?」
「イ、イノシシ!?アレ本当にイノシシか!!?デカすぎるだろっ!!」
「逃げろ!とにかく逃げろ!!ソイツ、人を喰うぞーーー!!」
白昼の山間の村に響く村人たちの悲鳴と・・・その村人たちを手当たり次第に襲い、突進の勢いで轢死させる、鋭い牙で突き殺す、数百キロもの体重でのしかかって圧死させる、といった具合でやりたい放題の、怪獣にして人喰いのイノシシがそこにいた。
そう、人喰いのイノシシは白昼堂々と村を襲撃して"食事"にありついていたのだ。
「うぉおおぉっ!死ねぇ化け物っ!!」
―――ドォンッ!!―――
だが、村人だって黙って食い殺される気など毛頭無い。現に、一人の村人が人喰いイノシシに向かって猟銃をぶっ放した。だが、
―――キィイイイイィィィ!!フィギィイイイィィィ!!―――
「!?ウソ・・・だろ・・・?効いてねぇ―――」
―――キィイイイイィィィ!!フィギィイイイィィィ!!―――
「ぎ、ぎゃぁあああぁぁぁっ!!?」
村人が撃った銃弾は確かに人喰いイノシシに当たった・・・が、"それだけ"だった。別にイノシシは倒れるでも無く、ちょっと「痛ぇな」程度に顔をしかめた程度だった―――とはいえ撃たれた事に、イラッとさせられた事にかわりはない。
なので、人喰いイノシシは自分を撃った愚か者を牙で突き殺した。
「ダメだ!奴には敵わない!!みんな、公民館に避難するんだーーー!!!」
銃で撃っても倒れない、どころか全く応えてすらいない人喰いイノシシを前に、村人たちはただ逃げることしか出来なかった。村人たちは我先にと村にあった公民館に逃げ込み、そこで籠城することに決めた。
―――キィイイイイィィィ!!フィギィイイイィィィ!!―――
だが、
人喰いイノシシはのしのしと歩を進め、村人が逃げ込んだ公民館までたどり着くと・・・イノシシご自慢の突進で公民館の壁を突き破り始めた。
このままでは人喰いイノシシが公民館内に侵入し、公民館の中が血の海になるのは時間の問題であろう。
「たかがデカいだけのイノシシ如き、人間様に勝てるのか?人間様には銃に罠もあるんだぜ?」
普通、いくら大きくてもイノシシ程度なら銃で撃つなり、トラバサミなどで捕獲してしまえば後は鍋にするなり剥製にするなり出来るだろう。
しかし、もしも万が一に・・・それが異様な大きさを、異様な能力を、異様な、文字通りの「怪」なる「獣」に、俗にいう「怪獣」となった時、「イノシシ程度」などと言っている余裕は無い。
特に、他の動物のように爪や牙といった武器も無く、空を飛んだり土に潜ったりも出来ない「無力な」人間のようなか弱い存在なら・・・ただひたすらに蹂躙され、弄ばれるだけだ。
―――メキッ・・・バキバキバキッ!!―――
―――キィイイイイィィィ!!フィギィイイイィィィ!!―――
「ひ、ひぃいぃっ!?入って来やがったーーー!!」
「ダメだ・・・もうお終いだ・・・!!」
「嫌だ・・・死にたくない・・・死にたくない・・・!!」
村人たちが籠城した公民館の壁が人喰いイノシシの突進で破られ、とうとう人喰いイノシシが公民館にへ入って来た。ここから先は・・・人喰いイノシシによる一方的な虐殺劇の幕が上がるのみだ。
だが、人は諦めない。
人には獣ごときでは決して持つことが出来ないものあるのだ。それは―
「姫~~~ッ!!」
「おやぶぅん!?」
(姫!?)(姫!?)(姫!?)
人を喰らう猪、否、人喰いの「怪獣」の暴虐によって血に染まった公民館に取り残されていた壺振り
一睨みで人を殺せそうな目力を持つ極道の親分が、曇り無き眼をキラッキラに輝かせながら愛する者へ咆哮した。
「姫~~~ッ!!」
「おやぶぅん!?」
(姫!?)(姫!?)(姫!?)
突然の親分の登場と、親分による"姫"への呼び掛けに困惑する賭場に取り残されていた人々。
が、気にしちゃいられないのでスルーしつつ、その場から逃げ出した。
―――キィイイイイィィィ!!フィギィイイイィィィ!!―――
「死ねぇ!化け物っ!!」
―――ドォン!ドォン!ドォン!ドォン!ドォン!ドォン!ドォン!ドォン!ドォン!ドォン!!―――
―――キィイイイイィィィ!?フィギィイイイィィィ!?―――
一方で、突然の闖入者に驚いた人喰いイノシシは親分に襲いかかった。
それに対し、親分はマキシム機関銃の斉射で応戦し、人喰いイノシシは鏖殺されて―――いなかった。
―――キィイイイイィィィ!!フィギィイイイィィィ!!―――
「なっ!?」
マキシム機関銃から放たれる無数の鉛弾をその身に受けても尚、人食いのイノシシは止まらなかった。
人食いの猪は愚かにも自身に向かって鉛玉を撃ち込んできた親分に向かって猛突進。その鋭い牙で親分を突き殺して―いなかった。
「おや・・・ぶぅん!!」
―――ザシュッ!!―――
―――キィイイイイィィィ!?フィギィイイイィィィ!?―――
「ひ、姫っ!!」
人喰いイノシシの牙が親分を突き殺そうとした刹那、逃げ出した人々とは違ってその場に残って親分と人喰いイノシシの戦いの行方を見守っていた""姫"が、親分が預けてくれていた長ドスで人喰いイノシシの背を突き刺した。
おかげで親分は助かった・・・しかし、
―――キィイイイイィィィ!!フィギィイイイィィィ!!―――
―――バリッ・・・ボキボキッ!!―――
「あぅぐうぅっ!!」
「ひ、姫っ!!?」
"姫"のおかげで親分は助かった。しかし、いきなり背中を長ドスで刺された事で怒った人喰いイノシシの怒りの矛先は"姫"ヘと向いた。人喰いイノシシは姫の首筋に噛み付いて致命傷を負わせた。
「姫っ!!おおおぉぉぉっ!!!」
―――キィイイイイィィィ!!フィギィイイイィィィ!!―――
目の前で親分の愛する"姫"が人喰いイノシシの魔の手にかかる。
このあまりにも悲劇的な展開を前に、その場から逃げだそうとしていた人々も思わず足を止めていた。
一方で、愛する"姫"を傷付けられた親分は何の躊躇もなく人喰いイノシシに挑みかかった―――"姫"が人喰いイノシシの背に突き立てた、親分の長ドスを奪取して。
「むぅうぅんっ!!」
―――ザシュッ!!―――
―――ギャッ!?―――
人喰いイノシシの背から長ドスを奪取した親分は長ドスを人喰いイノシシの前足に振るい、その指を切り落として見せた。しかし、
―――キィイイイイィィィ!!フィギィイイイィィィ!!―――
―――ドシュッ!!―――
「ぐっ!?うぅう・・・!!」
前足の指を切り落とされた人喰いイノシシは親分を突き飛ばし、親分に馬乗りになり、その牙を親分の腹に突き立て、親分の腹の中の臓物をぶちまけさせた。だが、
「舐めんじゃ・・・ねぇよっ!!」
―――ザクッ!!―――
―――キィイイイイィィィ!?フィギィイイイィィィ!?―――
人喰いイノシシの牙で腹を裂かれ、臓物をぶちまけさせられてもなお、親分は気力を振り絞って戦った。
親分は長ドスを人喰いイノシシの首筋に突き立て、イノシシが怯んだ一瞬の隙をついて脱出し、
「むんっ!!」
―――ズドッ!!―――
―――キィイイイイィィィ!?フィギィイイイィィィ!?―――
見事に人喰いイノシシの体の下から脱出した親分は長ドスを思いっきり振りかぶり、勢いよくイノシシの鼻先を一刀両断!!
これには流石の人喰いイノシシもたまらず、大量の血を流しながら逃げだそうとした。だが、そうは問屋が卸さない。
「今さら逃げんのかよ!オイッ!!」
―――ズッブッ!!―――
―――キィイイイイィィィ!?フィギィイイイィィィ!?―――
あれだけ好き勝手暴れ回り、暴虐の限りを尽くしておきながら不利になったら逃げる・・・そのあまりに"みっともない"振る舞いを天は、親分は見逃さなかった。
親分は再び長ドスを思いっきり振りかぶり、勢いよくイノシシの肛門に突き刺した!!
結果、内臓を長ドスで傷付けられた人喰いイノシシはそれまでのダメージと出血、そして最後の一撃がトドメとなって息絶えたのだった。
そう、まさかの親分の大勝利だった。しかし、
「姫・・・」
「おや・・・ぶぅん・・・」
人喰いイノシシの暴虐は確かに去った。しかし、親分も"姫"もイノシシによって負わされた傷はあまりに深く、二人とももう助からない、もう虫の息、もう命は風前の灯火、もう呼吸するのすらやっとだった。だが、
「ざまあみろ親分・・・もう私に隠れて浮気できないね・・・私と一緒に死んじゃうもんね・・・これで私は親分の最後のひとだからね・・・」
「バカ野郎ッ・・・俺がマジなのはお前だけさ・・・」
残されたわずかな最後の時を前に、親分と"姫"は満足げに、とても幸せそうに微笑みを交わした。
次第に力尽き、呼吸も弱まり、しかし二人は愛を確かめ合うかのように手を握る。
真実の「愛」がここにあった。 ただ一つ、その証のみを残し、「親分」と「姫」は息絶えた。
全ては「愛」ゆえに。
「愛」ゆえに親分は姫を守るべく戦った。
「愛」ゆえに"姫"は親分を助けようと長ドスで人喰いイノシシに挑みかかった。
そして「愛」ゆえに二人は死んでしまったのだ。
そんな二人の愛と頑張りを認めた神々の祝福を顕すかのようにして、黄昏の空には・・・それはそれは大きなハート型の雲が浮かんでいた。
そう、人にあって獣にないもの、それは「愛」である。
「愛」とは人間しか持つことが出来ない。何故か?
「愛」とは『情熱によってではなく、人間関係によって保たれるものであり、相手への理解と共感とある種の連帯感なのである』と言われている。
一方で「恋」は『ただ好きという感情が先にあって、なぜその相手なのかが本質的には不明・・・と言うか動物的な、相手の気持ちや理解など全く考えない利己的名ものである』と言われている。
そう、人間のように相手のことを理解し、思いやり、相手のために命すらも投げ出すことが出来る・・・それぐらいに相手を好きで、理解して、思いやれる・・・人間にという高等な動物にしか出来ないのだ。
つまり「愛」とは人間しか持ち得ないのだ。だからこそ親分と"姫"の愛は美しかった・・・
…例えそれが
例え小汚いホ〇のオッサン同士であっても、真実の愛は、純愛とは美しい…と思う。多分・・・
一応「壺振り"師"」って言いました。「師」って男のことです。つまり"姫"は男です。
目の前で繰り広げられる茶番・・・ホ〇の汚らしいオッサン二人の真顔の純愛劇をまざまざと見せつけられた村人たちは終始真顔で取り残されていた。
そんな一団から抜け出し、一人の村人がナイフを取り出して言った。
「皮、剥いでくる」
ナニの皮を剥ぐのか、ご想像にお任せします。
いつかきっとこの恋を思い出して泣いてしまう
如何でしたか?
今回はまさかの、2009年に韓国で公開された超絶B級映画『人喰猪、公民館襲撃す!』を元ネタにしつつ、色々と物議というかネタに事欠かない漫画『ゴールデンカムイ』のコミックで言えば7巻の後半部分をミックスさせた結果、こんなヒデぇ事に・・・
まぁ、一応は
「たかがイノシシでも、怪獣と呼べる存在になったときの恐ろしさ」
「人間の無力さ、野生の恐怖」
「恐怖に立ち向かう人間の雄志」
「人間しか持ち得ない"愛"をテーマにした」
「イノシシやクマが都市開発で住処を追われ、都市部に出没した結果で悲劇が起きる」
を前提にストーリーを作り上げました・・・ぶっちゃけ「ふざけたかった」の一言です。
何か・・・スンマセン。
でも・・・やってやったぜコノヤロー!あー、スッキリした・・・
余談ですが。この作品の法則として例えばタイトルの部分に「特別話」と付いた場合、ゴジラさんが出ますが、今回や少し前の「アップライジングする巨影」のように「番外編」と付いた場合は映画作品を元ネタにします。