巨影都市オブ・ジ・エンド   作:銀色の怪獣

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こんにちは。作者です。

今回は恒例の『特別話』ということであの怪獣さんが出ます・・・

ただ、スゴイ短い&結構過激な物言いしてますのでその辺はご容赦願います。


とはいえ、今回は作者の思いを、書きたかった事を書き綴ってみました。




特別話 『巨影』・同族嫌悪

 

何気ない平和で当たり前の日常。もし、その平和で当たり前の日常に異形の存在「巨影」が現れたなら・・・

 

 

「た、大変だーーーっ!!」

 

「ど、どうしたんだ一体?そんなに慌てて・・・」

 

「漁船が・・・マグロ漁に出てた漁船が・・・どっかの国がぶっ放した水爆に巻き込まれって・・・!!」

 

「はっ・・・?はぁあああぁぁっ!?ほ、本当なのかソレ・・・!?」

 

「あ、あぁ・・・間違いないらしい・・・」

 

島国、日本のとある漁港で騒ぎが今まさに起きていた。

 

その原因、それは・・・遠洋までマグロ漁に出ていた日本の漁船が某国が海上で行った水爆の実験に巻き込まれ、乗組員が被爆した事が原因だった。

 

 

「またか・・・また原爆(ピカドン)か・・・」

 

「どれだけ俺たちを苦しめれば気が済むんだよ・・・」

 

そう言って、悲痛な面持ちの漁師たち。その落ち込み様は、悲痛さは相当な物だった。

 

何故なら、日本では先の二度にも及ぶ原子爆弾投下に加え、今度はマグロ漁船が被爆したからだ。

 

 

 

一体、どれだけ日本国と日本人は「放射能」に苦しめられなければならないのか・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だが、悲劇はこれだけに収まらなかった。何故なら―

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――アンギャアアアァァァオオオオォォォォン!!―――

 

―――ドォオオオォォォン!!―――

 

「な、何じゃありゃぁああぁぁっ!!?」

 

「バ、バケモンだっ!!」

 

「ゴ、()()()だ!()()()がやって来たぞーーーっ!!」

 

ある日、何の前触れも無く日本列島に巨大な・・・「怪獣」が上陸した。

 

―――アンギャアアアァァァオオオオォォォォン!!―――

 

凄まじい咆哮を轟かせ、その巨体で、その巨大な足で、その巨大な口から吐く白い熱線で全てを壊し・灼き・滅ぼし尽くす漆黒の大怪獣、巨影「水爆大怪獣 ゴジラ」が日本列島へ上陸し、列島を蹂躙した。

 

「調査の結果、ゴジラは海底洞窟に潜んでいた200万年前のジュラ紀の生物が、先の水爆実験で安住の地を追われたために出現したと推測されます」

 

「ゴジラの体からは常に高濃度の放射能が放出されています。どうやら、ゴジラも被爆しているようです。ある意味では、ゴジラも水爆の被害者、我々日本人と同じ被爆者ということです」

 

「とはいえ、ゴジラは人間に対して明確な敵意を持っています。このままでは我々はゴジラに滅ぼされる定めでしょう」

 

突如として日本を襲い、甚大な被害と多大な犠牲者を出した大怪獣ゴジラを調査した一人の学者がゴジラについての調査結果を発表した。すると、

 

「ふ、ふざけるな!ゴジラも被爆してるだと!?じゃあ、じゃあ・・・何で、何でゴジラは自分と同じように原爆ピカドンで苦しんでる日本と日本人を襲ったんだ!!?俺たち、同じ苦しんでるもの同士じゃないか!!」

 

「そうだ!何でゴジラはこんな惨い事が出来るんだ!?ヒドいじゃないか!!ゴジラには血も涙もないのかよ!!?」

 

「何でゴジラは分からないんだ!?俺たちに原爆ピカドンを浴びせたのは"あの国"じゃないか!!襲うなら"その国"を襲えよ!!!」

 

先の学者のゴジラに対する調査結果を身いた人々は怒り、悲しみ、そして呆れた。

 

何故なら、ゴジラは先の某国が行った水爆実験で被爆した「被爆者」にも関わらず、同じように二度に渡る原爆投下で爆被して苦しんでいる日本を、日本人を襲ったのだ。

 

ゴジラと日本人は同じ「被爆者」なのに。同じ「被害者」であって「放射能に苦しめられる同士」なのに・・・

 

何故かゴジラは自分を被爆させた"あの国"を襲わず、むしろ同じ「被爆者」である日本人を、日本を襲って蹂躙した。

 

これが怒らずに、これが嘆かずに、これが呆れずにいかれるだろうか・・・

 

結果、ゴジラのあまりにも惨く、無慈悲な行いに怒った日本人はゴジラを「同士」から「殲滅すべき"敵"」と認識、あらゆる手段をもってゴジラを駆逐することに決めたのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

痛い・・・痛い・・・体が焼ける・・・

 

苦しい・・・胸が苦しい・・・体の中で火が燃えてるみたいだ・・・

 

ああ、クソ・・・あの虫ケラどものせいで、何で俺がこんな目に遭わなきゃいけねぇんだよ・・・

 

地上で人間たちが、日本人がゴジラ殲滅の準備を整えていた頃、当のゴジラは遙か深海にある自分の住処で呻き、もがき、苦しんでいた。

 

先の水爆で受けてしまった己の体を蝕む放射能に。

 

 

チクショウ・・・どうやっても痛みが、熱が収まらない・・・どうすればいいんだ・・・

 

クソッ、どうしていいか分からねぇ・・・イライラして仕方がないぞ・・・

 

 

相変わらず、己の体を蝕む放射能に苦しむゴジラは七転八倒するしかなかった。

 

 

何で・・・何で・・・この俺がこんな目に遭わなきゃならねぇんだよ・・・俺が何かしたのか・・・

 

 

あの日、水爆によって被爆した日、たまたま食事をしに遠洋まで出掛けたゴジラは突如として何かがピカッと光ったのに気付いた―――次の瞬間には、凄まじい衝撃と熱、そしておびただしい量の放射能を浴びて被爆した。

 

結果、ゴジラの皮膚は焼けただれてケロイド状になり、おまけに体に変調をきたした結果、凄まじい巨体を手に入れた・・・その身を灼き続ける熱と痛みを体に宿すことと引き換えに。それも無理矢理に。

 

 

痛い・・・痛い・・・あぁ、イライラしてきた。こうなったら・・・憂さ晴らしに行こう。この俺をこんな目に遭わせたあの人間(ムシケラ)どもを殺しに・・・

 

 

不意に、ゴジラが動いた。

そんなゴジラは住処を離れて再び日本へ向かった。自分をこんな目に遭わせたあのピカッと光ってドンっと爆発した変なの(すいばく)を作った人間に仕返しするために。

 

 

 

―――アンギャアアアァァァオオオオォォォォン!!―――

 

―――ドォオオオォォォン!!―――

 

「ひ、ひいいいぃぃぃっ!?また出やがったぞーーーっ!!」

 

「ゴ、()()()だ!()()()がやって来たぞーーーっ!!」

 

凄まじい咆哮を轟かせ、再び日本列島に上陸したゴジラは破壊と殺戮の限りを尽くしていた。

 

「止めろ・・・止めてくれ!俺たち、同じ被爆者じゃないか!!俺たち、仲間じゃないかよゴジラ!!!」

 

「そうだよ!俺たちは同じなんだよ!仲間なんだよ!だから、もう俺たちを襲うのは止めてくれよゴジラ!!」

 

「ゴジラーーー!どうせ襲うなら俺たちやお前に原爆ピカドン浴びせた"あの国"を襲えよ!!悪いのは全部アイツらなんだーーーっ!!!」

 

その際、人々がゴジラに向かって口々に訴えた。

 

自分たちとゴジラは同じ被爆者であると

 

自分たちとゴジラは同じ目に遭った同士だと

 

自分たちもゴジラも放射能に苦しんでいるんだと

 

自分たちとゴジラをこんな目に遭わせたヤツらは別のヤツらだと

 

だから自分たちを襲わないで、殺さないで、と人々は力の限りゴジラに訴えた―

 

 

―――アンギャアアアァァァオオオオォォォォン!!―――

 

―――ドォオオオォォォン!!―――

 

しかし、人々の必死の訴えも、叫びも、願いも、全てはゴジラには届かなかった。

 

 

 

 

だが、それは当たり前だ。何故なら、

 

 

 

におう・・・におうぞ・・・俺と同じにおいがするぞ・・・

 

感じる・・・感じるぞ・・・俺と同じ感じがするぞ・・・

 

ああ、イライラする・・・ムカつく・・・思い出すじゃねぇか!!

 

思い出したくもないのに・・・ムカつく!!

 

よし、コイツらを殺そう!消そう!そうでもしないと思い出してムカつくからな!!

 

 

ゴジラにとって、自分の体に染みついた放射能の熱は、ニオイは、気配は―――

 

許しがたいものだった。

 

認識したくもないものだった。

 

感じたくもないものだった。

 

だから、ゴジラはその許しがたい放射能を消してしまおうと考えた。

 

だからゴジラは特に放射能のニオイや気配が強い・・・日本と日本人を、自分と同じ「被爆者(ニオイや気配がするヤツら)」を襲ったのだ。

 

この状況を、この事情を一言で表すならばこうだろう―

 

 

「同族嫌悪」

 

 

と。

 

―――アンギャアアアァァァオオオオォォォォン!!―――




如何でしたか?

今回、前書きで書いたようにメッチャ短いです。とはいえ、言いたかった・やりたかった・書きたかった点は表現できたのでヨシと言うことで。

そもそも、何故こんな話を作ったかというと・・・

最近はハリウッド版『GODZILLA(2014)』や『シン・ゴジラ』などを筆頭にして怪獣映画ブームが再燃している嬉しい時代・・・ですが、

「ゴジラ=強い怪獣スゴーい!!」

だけでゴジラが核を忘れる、ゴジラという怪獣の存在意義の消失(ゴジラ=平和へのメッセンジャー)が強くなっているこのご時世に一石を投じたかったのです。

同時に、「なぜ被爆者であるゴジラが、同じように被爆者の日本人や日本を襲ったんだろう?」という昔からの疑問に対する自分なりの表現を表したかったからですかね?

まぁ、文章力がない僕が書いたのでヘタクソな文章ですし、いつまでも「『ゴジラ=核の化身』に固執してゴジラという"キャラクター"の魅力を活かせない」ってのもイカンっちゃイカンでしょうが・・・だからといって「忘れる事」もイカンと思います。

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