巨影都市オブ・ジ・エンド   作:銀色の怪獣

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はい、銀色の怪獣です。第六話目です。

今回はね・・・今回は・・・何と言うか今回出てくる怪獣が出た作品を見た人に容赦ないトラウマを植え付けた「アイツ」が出ます。
加えて、その「アイツ」はいきなりデカいんじゃなくて、小さいままやらかします。

何故か?下手に大きい怪獣より、等身大の怪物とかの方が恐怖心を煽るからです。

あと・・・登場人物が原作のモデルにした人と違ってゲスっぽくなっている部分があるため、原作好きの方には不快かもしれませんが、その辺りは御慈悲を・・・

では、どうぞ~


第六話 取り込む『巨影』

 

何気ない平和で当たり前の日常。もし、その平和で当たり前の日常に異形の存在「巨影」が現れたなら・・・

 

 

「う・・・ん・・・?アレ・・・ここは・・・どこ、なの・・・?」

 

太陽の光が届かない薄暗い空間で少女、アヤナは目を覚ました。そんなアヤナはまだ意識がハッキリしていない頭で体を動かそうとしたのだが―

 

「あ、あれ?どうして動けない―――って、な・・・何よこれ!!?」

 

体を動かそうとしたアヤナは動くことが出来なかった。何故か、今アヤナの体は謎の粘液(・・)で壁に固定されており、体はおろか手足も動かすことが出来なかったのだ。すると、

 

「アヤ・・・ナ・・・気ぃ付いたんか?」

 

「え・・・?あ・・・モリベ君・・・?」

 

不意に、アヤナのすぐ近くから若い男の声がした。見れば、アヤナの二・三メートルほど隣に若い男、高校生ぐらいの「少年」がアヤナと同じように謎の粘液で壁に貼り付けにされていた。そして、この少年「モリベ」はアヤナの友人だ。

 

「モリベ君・・・ねぇ、私たちどうしてこんな所に、というよりも何でこんな事になってるの!?訳が分からないよ!!」

 

「お、おいアヤナ、落ち着けや。そないに騒いだらアイツ(・・・)が来る―――」

 

「これが大人しく出来るわけがないじゃないのよ!ねぇ、何がどうなってるのか説明してよ!!」

 

目を覚ましたら本当に訳が分からない状況下に置かれていたアヤナであったが、すぐ近くに顔見知りがいたことで証書落ち着きを取り戻して・・・いなかった。むしろ、顔見知りを見付けたことで変に落ち着いてしまったせいで余計にパニックを起こしていたのだ。

一方のモリベであるが、パニックを起こしてわめき立てるアヤナを必死で落ち着かせようとしていた。何故なら、こうも大声で騒いだらアイツ(・・・)が騒ぎを聞きつけて戻って来る(・・・・・)からだ―

 

―――キュゥー・・・―――

 

「!?ア、アカン!も、戻ってきてもうた・・・!!」

 

「え?どうしたのモリベくん―――って、何コイツ(・・・)!!?」

 

突然、奇妙な「鳴き声」が聞こえた。その鳴き声の主こそがアヤナとモリベのいる薄暗い空間へと入ってきたコイツ、愛らしいつぶらな瞳の黒目を持つ鳥のような頭部と、まるでタコかカタツムリのような胴体から伸びる無数の触手を持つ奇怪な生物であった。そして、この奇怪な生物こそがモリベの言う「アイツ」なのだ―

 

―――キュゥー・・・―――

 

「ひ、ひぃっ!?こ、来ないで!来ないでよ!!イヤーっ!助けて―――」

 

「アヤナ!騒いだらアカン!!騒いだら、他の人たち(・・・・・)みたいにミイラにされる(・・・・・・)で!!!」

 

突如として現れた奇怪な生物を前にアヤナは大声でわめき立てて悲鳴を上げたが、それをモリベが遮ったことでアヤナは大人しくなった・・・正確に言えば、アヤナはモリベの言った「ある言葉」に反応して騒ぐのを止めた、というか止めざるを得なかった(・・・・・・・)のだ。

 

「ミ、ミイラにされる・・・?それって、どういうこと―――」

 

アヤナが反応したモリベの言葉、それは「騒いだらミイラにされる」という発言であり、そのあまりにも信じられないような内容にアヤナは呆然となってしまったのだ。だが、

 

―――キュゥー・・・―――

 

―――ザクッ!!―――

 

「がっ!?あっ・・・あがっ・・・あぁ・・・!!」

 

「えっ?何、どうしたのモリベくん―――って、きゃああああぁぁぁぁっ!!?」

 

突然モリベが悲鳴を上げ、続いてアヤナも悲鳴を上げた。何故ならば―

 

―――キュゥー・・・―――

 

「や・・・めろ・・・!吸うな・・・や・・・!!」

 

「モ、モリベ君が・・・モリベ君が・・・ミイラになって・・・る!!?」

 

アヤナの言う通り、今まさにモリベはアヤナが見ている目の前で生きたままミイラになっていっているのだ。

その原因、それはモリベの脇腹に刺さった一本の触手、もとい触手の持ち主であるあの奇怪な生物だ。そう、この奇怪な生物がモリベの血液を、体液を吸い上げているのだ。モリベが生きたまま・・・

 

「モリベ君!モリベ君!?ねぇ、モリベ君!!!?」

 

「あっ・・・あがっ・・・あぁ・・・!!ア、アヤ・・・ナ・・・」

 

「ひっ!?い、いやあああぁぁぁーーーっ!!?」

 

目の前で繰り広げられる惨劇。だが、謎の粘液で体を壁に固定されているアヤナにはどうすることも出来ない。そうこうしているうちにも、モリベの体は干からび、着実にミイラへと変わって行っている。と、ここで―

 

―――キュゥー・・・―――

 

「えっ?ひっ!?い、いやっ・・・!いやっ!!いやいやいやいや・・・いやっ!!!止めて!!止めてーーーっ!!!」

 

不意に、アヤナはあの奇怪な生物と目があった。すると、奇怪な生物は空いている触手をアヤナの方へと伸ばし敵た・・・そう、奇怪な生物はアヤナもその手にかけようとしているのだ。

 

「やだっ!やだやだやだやだやだ!!やだっ!!死にたくない・・・死にたくない!!お願い、お願い!!止めてーーーっ!!!」

 

自身に伸ばされる触手を、死に神の魔の手から必死で逃げようと動かせない体でもがき、大声で叫ぶアヤナ。

だが、そんなことをしても奇怪な生物には言葉が通じないし、詰まるところ全くの「無駄」なのだ・・・すると、

 

「お願い!ミイラになんてなりたくない!ミイラになるのはモリベ君だけでいいの!!私は死にたくないの!!!」

 

完全に追い詰められ、正気を失いかけたアヤナの口から出たまさかの言葉。

とはいえ、ここまで追い詰められた極限の状況で冷静な判断、あるいは「他人」を気にかける余裕を持てる人間などいないだろうし、何を言っても人間は「可愛いのは我が身」なのだから・・・しかし、ここで意外なことが起きた。

 

―――キュゥー・・・―――

 

「えっ・・・?あ、あれ・・・?本当に止めてくれ・・・た?」

 

何と、あの奇怪な生物がアヤナの体に伸ばしていた触手を引っ込めた。それはまるで、アヤナの必死で自己中心的な願いを奇怪な生物が聞き入れてくれたかのようであった。

そんな奇怪な生物は、そのつぶらな瞳でアヤナをジッと凝視していた。まるでアヤナを「品定め」するかのように―

 

「よかった・・・」

 

とりあえず助かったことにホッとしたアヤナは安堵のため息を吐いた、次の瞬間!!

 

―――キュゥー・・・キュゥー!!―――

 

「えっ?なに―――」

 

突然、奇怪な生物が鳴いた。それにつられ、顔を上げたアヤナが最後に(・・・)見たもの、それは―

 

「な、なんで胸が開いてるの―――」

 

―――キュゥー!キュゥー!!―――

 

―――ズチュッ!!―――

 

「!?・・・!・・・!!・・・!!?」

 

奇怪な生物が突然上げた声につられて顔を上げたアヤナが最後に見たもの、それは奇怪な生物の部分にあった殻に覆われた胴体の胸に当たる部分の中央がパックリと割れ、その割れ目から出ている胃袋のような物体であった・・・アヤナがその胃袋のような物体を認識した瞬間、件の胃袋のような器官がアヤナの顔に、頭に張り付いてアヤナを飲み込み始めた。

 

―――キュゥー!キュゥー!!―――

 

「!?・・・!・・・!!・・・!!?」

 

アヤナを頭から開いた胸の中から伸ばした胃袋のような器官で飲み込み始めた奇怪な生物はまるで喜びに震えるかの如く鳴き、体を震わせていた。

一方のアヤナはといえば、頭から奇怪な生物の胃袋のような器官で飲まれているために声も出せず、息苦しさから必死になって抵抗を試みていたが全くの無駄であった。

そうこうしているうちにもアヤナの体は奇怪な生物の胃袋のような器官に飲み込まれ続け、そして―

 

―――ズチュ・・・ルンッ―――

 

―――キュゥー・・・―――

 

とうとう、アヤナの体は全て奇怪な生物の胃袋のような器官もとい体内に収まり、アヤナの体を飲み込み終えた奇怪な生物は出していた胃袋のような器官を体内に戻し、開いていた旨を閉じた。すると―

 

―――キュゥー・・・キュゥウウウ・・・!!―――

 

アヤナをその体の内に納めた奇怪な生物が低く唸った・・・その次の瞬間、何と奇怪な生物の体が一気に膨張し―

 

―――クウウウゥゥゥゥ!!―――

 

せいぜい人間より少し大きい程度だった怪物はあっという間に巨大化し、今の今までいた薄暗い空間を破壊しながらその天をつくような巨体を、美しくも禍々しい巨体を満月が輝く夜空の元へ晒し、咆哮を轟かせた。

 

 

この日、日本のとある都市が崩壊した。

そんな崩壊した都市では数ヶ月前から人間の行方不明事件が頻発していた。当然、警察などが必死になって行方不明者の捜索や事件の犯人を探していたが、何の手がかりも掴めていなかった。

だが、この日その行方不明事件の犯人である巨影「邪神 イリス」がその禍々しくも美しい姿を都市の中央に現わし、全てを破壊して崩壊させた。

 

そんなイリスの体内には一人の少女が取り込まれていた。

だが、意外なことに少女は死んでは(・・・・)いなかった(・・・・・)

ただし、少女は死んでこそいないが逆にいえば死ぬこと(・・・・)出来ない(・・・・・)のだ。

何故か?少女はイリスと一体化し、イリスによって生かされ、死ぬことを許されない存在(・・)となっているのだ。

 

「助けて・・・誰か・・・助けて・・・」

 

イリスの体内(なか)で少女は、アヤナは必死に願った。だが、それは絶対に叶うことは無い。

もし、アヤナがあらかじめこうなってしまうことを知っていたならばこう思ったであろう。

 

「一思いに殺してもらえばよかった」と。

「一思いに死ねていればよかった」と。

 




如何でしたでしょうか?

ということで、第六話は『ガメラ3』より「特撮史上屈指の外道怪獣」と称されるイリスの登場です。
加えて、今回はあえて成体になったイリスじゃなくて幼体の、あのタコ丸出しなイリスが暴れました。
何故か?実のところ、イリスが人間をたくさん殺したのは成体のときよりも幼体の時ですからね?あのミニサイズであれだけの人間を殺したイリス・・・正直、ヤバいです。

また、今回の登場人物のアヤナとモリベのモデルは「平良坂綾奈」と「守部龍成」です。ただね・・・アヤナがエラいゲスってる。物語の都合上しかたなかったんですよ・・・

何と言うか、平成三部作は色々とスゴいです。特に予算は極悪レベルなのにアレだけスゴい展開や戦闘シーン等々・・・今じゃ出来ないだろうなぁ(白目)


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