巨影都市オブ・ジ・エンド   作:銀色の怪獣

70 / 72
どうも!銀色の怪獣です!!

さて、今回の更新は前回でも予告した通り

『作者が思う「現代社会に出現したら間違いなく危険な巨影」』

でお話を作りました・・・出てくる怪獣、マイナーですが、以外と恐ろしい―――マジで『現代社会だからこそ恐ろしさを発揮する』怪獣です。

・・・あえて新年号・令和の一発目に"コイツ"を選んだのも、"コイツ"の恐ろしさは令和の時代も、これから先もずっと続くからです。

それが一体何なのか、どうぞ予想しながらご覧下さい。

では、どうぞ~


余談ですが『隠者の蟹=ハーミットクラブ』であって『隠者の紫=ハーミットパ〇プル』じゃないですよ?


第五十九話 『巨影』・隠者の(ハーミット)(クラブ)

「ねぇ、聞いた?」

「えっ?何をだい?」

「アソコ、あの空き地に今度なにが建つか、よ」

「いや、知らないなぁ。一体、何が建つの?」

「マンションだって。しかも、20階建てのタワーマンションだってさ」

「えぇ・・・またマンションなの?だって、この間も別の空き地にマンション建ったばかりなのに」

「そうねぇ・・・どうせなら、スーパーとかコンビニとか、あるいは図書館とかゲーセンとか建てて欲しいよねぇ」

 

とある大都市、の外れにある団地にて、帰宅中の高校生ぐらいの男女が

 

『建設予定地』

 

の立て看板が立てられている空き地の前を通りがかった際、件の空き地とそこに建つというタワーマンションのことを話題にしていた。

 

そんな学生たちの歩む団地にはマンション、マンション、マンション、マンション・・・と、地上を歩く一人々に言い知れぬ圧迫感を放つマンションだらけであり、そのマンション群の高さは優に30m~50mもある高層マンションばかりだった。

 

だが、これは別に珍しくも無い当たり前(・・・・)の光景(・・・)だ―――特に、北は北海道から南は沖縄までマンション、あるいは様々な高層ビル軍が乱立している島国・日本では特に珍しくも無い「今時の光景」だろう。

 

というか、無駄に高いビル群が乱立し、人々に言い知れぬ圧迫感を与えるのはなにも日本だけではなく、中国も、韓国も、ロシアも、アメリカも、アフリカも・・・といった具合に世界中がそんな感じになっている。

 

そう、今や地球という星において「ホモ・サピエンス=人間」という生物が建造した建築物が存在しない場所は、土地は無いと断言できるのだ。

 

・・・問題は、地球中の至ることに建築物を乱立しまくる人類が建造する建築物は時代が進むにつれ高くなり続けている事だろう―――時代が進むにつれ、人類が持つ建造技術の進歩や建築素材の進化もより高度になっているためだ。

 

結果、今や地球中のあらゆる土地は、国は狭くなり続けている・・・にもかかわらず、人類は建物を、それも地上数十メートル~数百メートルの建造物を建て続けている。

 

その様はまるで

 

「地球《この星》は人間様の物だ!!」

 

と主張するための"マーキング"なのかもしれない。

 

まぁ、人類は祖先が樹上で生活していた名残か、あるいは他者を見下して優越感に浸りたいという習性があるためか、とにかく高い場所が好きで、それに平行して高い建物を建てたくなる生き物なので仕方がないのであろう。

 

『バカと煙は高いところが好き』

 

という、紛れもない事実が示す通りなのだから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だが、幸いというか不幸中の幸いというか、人類が乱立する地上数十メートル~数百メートルの建造物や高層ビル軍は(当たり前だが)

 

"動かない"

 

からまだいい(・・・・)

 

だが、もしもこれらが動いたら?

 

それこそ、人類が北は北極から南は南極まで、灼熱の砂漠から極寒のツンドラ地帯まで、あるいは海洋のど真ん中、果ては地球を離れた宇宙空間にまで・・・と至る所に建設した建物が万が一に動いたら?

 

それこそ・・・それらを、それらの建造物を動かすような"人知を越えた存在"が現れたら?

 

そのとき人類は、地球はどうなってしまうのだろうか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――バワァアアァウウゥゥ!!―――

 

「!?な、何じゃありゃーーーっ!!?」

「か、怪獣だーーーっ!!!」

「いやーっ!こわーーーい!!!」

 

とある大都市に響き渡るパニックを超して逃げ惑う人々の悲鳴と、大都市中に轟く咆哮・・・なのだが、その咆哮は何とも言えない、まるでアシカかオットセイの声を加工したかのような間の抜けたものだった。

 

―――バワァアアァウウゥゥ!!―――

 

何度聞いても脱力してしまいそうな珍奇な咆哮の主だが、その見た目も何とも奇妙な容姿だった。

 

まるでディフォルメされたワニのような顔にやたら大きくパッチリとした目、頭部に生える2本の長い触角を持ち、その両手はハサミになった怪獣が、俗に言う「巨影」が突如として宇宙(そら)より大都市のど真ん中に降ってきたのだ。

 

―――バワァアアァウウゥゥ!!―――

 

そんな珍奇な容姿の巨影であるが、大都市のど真ん中に落ちた直後こそ怯えているかのような動作をみせていたが、すぐに落ち着くと乱立するビル群や道行く車などを物珍しそうに眺めていた、その矢先だった。

 

―――バワウゥ?バワァアアァウウゥゥ!バワァアアァウウゥゥ!!―――

 

不意に、辺りを見て回っていた巨影が吠えた―――とても嬉しそうに。まるで求めていた物を見付けたかのように。

 

そんな巨影の目線の先には・・・この大都市でも有数の高さを誇る、地上144m・40階建ての超高層マンションがあった。

 

―――バワァアアァウウゥゥ!!―――

 

尚も嬉しそうな声を上げつつ、件の超高層マンションに近付く巨影。

 

一方で、

 

「マズいぞ!怪獣が真っ直ぐこっちに来るぞ!!」

「逃げろ!早く逃げるんだ!!」

 

「早く、早く来いよ!早く動けよエレベーター!!」

「オイ!もっと詰めろよ!!乗れないじゃないか!!」

「わぁ、押すな!もう乗れないって!!満員なんだよ!!」

「どうしよう、エレベーターは満員でもう乗れないぞ!?」

 

「仕方ない、階段で下りるぞ―――」

「そんな!下につくまで何十分かかると思ってるの!?その間に怪獣が来ちゃうわよ!!」

「でも、エレベーターが満員だし、みんなが一階一階で止めるから乗れないんだよ!!なら、階段で下りるしかないじゃないか!!」

 

迫る巨影を前に、超高層マンションの住民たちは必死で逃げようとしていた・・・が、特に上階の人々は(超高層)マンションゆえの欠点に、下に降りる手段がエレベーターか階段しかないがためにその二つに人が殺到し、結果で逃げるのに手間取ってしまっていたのだ。

 

―――バワァアアァウウゥゥ!!―――

 

「!?マ、マズい!怪獣がもう来たぞ―――」

 

超高層マンションの住民たちが逃げるのに手間取っている間も巨影は尚も歩を進め、とうとう超高層マンションのすぐ目と鼻の先の距離までやって来た。

そして、とうとう巨影は超高層マンションに手が届く距離にまで近づくと―――

 

―――バワァ・・・アアァウウゥゥ・・・ウゥン・・・?バワァ・・・?―――

 

「えっ?アイツ、何してるんだ・・・?」

「ハサミをマンションに押し付けてる・・・?」

「マ、マンションの周りをグルグル回って見てる・・・?」

 

超高層マンションに手もといハサミが触れる距離まで近づいた巨影は・・・何故か両手のハサミを超高層マンションの外壁に押し付ける、そのハサミでマンションを撫で回す、何度も何度もマンションの周りをグルグルと回ってマンションを見る、といった行動を取り始めた。

 

その一方で、巨影は決して超高層マンションを破壊したりはしなかった・・・どころか、両手のハサミでマンションに触れる際は慎重に、絶対にマンションを傷付けまいとするかのような気遣いすら見せていた。

 

そんな巨影の行動を人々が見たとき、みなこう思った―――

 

「あの怪獣・・・マンションを品定め・・・採寸(・・)してる(・・・)のか・・・?」

 

と。

 

そう、実はその通りであり、巨影は目を付けた超高層マンションを「採寸」しているのだ―――この巨影にとって必要不可欠な"ある事"をするために。

 

それこそ、

 

―――バワァ・・・バワァ!バワァアアァウウゥゥ!!―――

 

―――メキッ!バリバリバリッ!!バキバキバキッ!!ドォオオオォォン!!―――

 

「!?う、うわっ!?あ、あの怪獣、マンションをぶっ倒したぞ!!?」

 

突然、それまで超高層マンションを採寸し、品定めしていた巨影が吠えた・・・かと思えば、巨影はマンションの土台の部分にハサミを激しく突き立て、あっという間にマンションを横倒しにしてしまった。

 

その直後、

 

―――バワァアアァウウゥゥ!!―――

 

まさか114mもの超高層マンションがいとも容易く横倒しになるなど、普通は有り得ない―――その「普通は有り得ない」ことを難なくやってしまうのが人知を越えた存在・巨影なのだ。

 

それはさておき、超高層マンションを巨影が横倒しにした直後、巨影は何故か横倒しにしたマンションに近付いて、そして―――

 

―――バワァアアァウウゥゥ!!―――

 

「ウソ、だろ・・・」

「マ、マジかよ・・・」

「なにしてるんだ、あの怪獣・・・?」

 

自らが横倒しにした超高層マンションに近付いた巨影、を遠巻きに見ていた野次馬たちは呆然としていた。

何故なら、いま巨影は自らが横倒しにしたマンション(・・・・・)を背負(・・・)っている(・・・・・)から(・・)だ。

 

―――バワァアアァウウゥゥ!!―――

 

それまで、直立二足歩行していた巨影は四つん這いとなり、その背中にあった出っ張りを横倒しにしたマンションの土台部分に出来た穴に入れ込み、器用にマンションを背中に乗せて"背負った"のだ。

 

そうなった巨影の様は、そうなった状態の巨影の容姿を見たとき、誰しもが口を揃えてこう言うだろう。

 

「何だよアレ・・・何かヤドカリ(・・・・)みたい(・・・)だよな・・・?」

「あぁ、背負ってるのはマンションだけど、アレじゃ完全にヤドカリ(・・・・)だぞ」

「アイツ・・・もしかしてヤドカリ(・・・・)の怪獣(・・・)か?」

 

超高層マンションを背負って"殻"とし、背負ったマンションの"殻"をものともせずに"四つん這い"で行動し、、頭部から伸びた一対の"触角"を揺らし、両手が"ハサミ"になっている巨影。

 

その様は、その容姿は、その行動は、その全てが・・・完全に「ヤドカリ」だった。

 

だが、それは当然のこと―――何故ならこの巨影は(宇宙産とはいえ)歴としたヤドカリ(ハーミット・クラブ)の怪獣、その名も巨影「やどかり怪獣 ヤドカリン」なのである。

 

・・・が、そこは体のサイズがケタ違いに大きな巨影であるヤドカリンだからこそ、宇宙からやって来た宇宙怪獣のヤドカリンだからこそ、地球の海の中や浜辺にいる貝殻を背負うようなちっぽけなヤドカリとは違い、何とヤドカリンは隕石や宇宙ステーション、あるいは建造物を殻として背負ってしまうのである。

 

そう、実はヤドカリンが地球へやって来たのは背負うべきヤドを求めてだった―――特に、今の地球は世界中の至るとこに建造物が乱立されている。

加えて、それらの建造物は非常に巨大で、それこそ身長が52mもあるヤドカリンでも余裕でヤドに出来るような大きさ・高さの建造物がわんさかと、選り取り見取りで乱立されている。

 

そんな好条件の星、ヤドカリンが訪れない訳がないのだ。

 

―――バワァアアァウウゥゥ!!―――

 

「!?ヤ、ヤバい!あの怪獣が動き出したぞ!!」

「オイオイ、あのマンション背負ったままで動けるのか?スゲェ馬力だな・・・」

「か、感心してる場合じゃないぞ!ただでさえデカい怪獣が、それよりデカいマンション背負って動き回るとか、冗談抜きでシャレになんねぇよ!!」

 

ヤドを求めて地球にやって来た後、お気に召した114m・40階建ての超高層マンションをヤドにしたヤドカリンが動き出した。

 

結果、ヤドカリン体重5万トンにマンションの総重量が加わったため、ヤドカリン(とマンション)の進行方向上にある建物は全てが踏み潰され押し潰されて、と大惨事になっていた。

 

ばかりか、ヤドカリンのヤドになったマンションはヤドカリンの動きに合わせて右に左にと動く・・・114mもあるマンションが、リーチ(・・・)が114mもあるコンク(・・・)リートと(・・・・)鉄骨の塊(・・・・)が右に左にと揺れれば、周囲一帯の民家や商業施設、あるいはビル群などをなぎ倒していた。

 

 

 

「早く!あの怪獣を駆除するんだ!!自衛隊は何をしている!?早く出撃を―――」

「それは・・・出来ません。あの怪獣に攻撃は出来ません」

「何!?どういう事だ!?何故、怪獣に攻撃できないんだ―――」

「あの怪獣が背負っているマンションの中には、まだ生きてる人々が大勢います。もし、あの怪獣に攻撃したら・・・マンションの中の人々を殺すことになるのです。そんなこと、出来るわけがありません!!」

「そんな・・・クソッ!あのヤドカリめ!!なんて厄介で忌々しいんだ!!」

 

大都市のど真ん中に落下し、その後も大都市でやりたい方題する巨影・ヤドカリンに対し、国のトップが自衛隊に出撃とヤドカリンの駆除を指示したが、それは出来なかった。

 

何故なら、今ヤドカリンが背負っている超高層マンションの中には住民たちが、取り残された命ある(・・・)住民たち(・・・・)がまだ多数いるのだ。

 

結果、当然ながら自衛隊はヤドカリンへ攻撃は出来なかったのだ。

 

―――バワァアアァウウゥゥ!!―――

 

街を壊すわ、建造物をヤドにするわ、(完全な不可抗力だが)人質を取るわ・・・とやりたい放題のヤドカリンを、人々は恨めしそうに見ていた。

 

見ることしか出来なかった―――相手は慎重が52mにも達する超弩級の巨影であり、オマケに114mの超高層マンションを倒したり背負ったり出来るような"化け物"だ。

 

そんな人知を越えた存在に、人間が何か出来るハズもなかった。

 

だから、人々はヤドカリンの横暴を黙って見ていることしか出来なかったのである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だが、大元を正せば、(ヤドカリンのせいもあるとはいえ)人間たちが後先も考えずに建物を乱立し、とにかく高く高くと建造物を高くしていったのが原因だったのだ。

 

そう、今回の"災害"は人間たちが招いた面も、所謂「身から出たさび」な部分もあったのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しかし、事はこれだけでは終らなかった。

 

―――バワァアアァ・・・ウウゥゥ・・・―――

 

「な、何だ?あの怪獣、苦しそうだぞ?」

「あ、あぁ・・・何か震えてないか?」

「どうしたのかしら?お腹でも痛いのかしら・・・?」

 

背負った超高層マンションを揺らし、大都市のど真ん中を爆進していたヤドカリンだったが、突然その動きを止めた。

そんなヤドカリンであるが、何故かとても苦しそうに呻き、目泳がせ、口を開けっぱなしにしてゼイゼイと喘ぎ・・・と、ハタから見ていても分かるほどに苦しそうだった。

 

と、その直後!!

 

―――バワァア・・・バワァアアァウウゥゥ!!―――

 

突然、ヤドカリンが力の限り叫んだ―――瞬間、

 

―――バワァアアァウウゥゥ!!―――

 

―――パワァウゥ!!―――

―――パワァウゥ!!―――

―――パワァウゥ!!―――

―――パワァウゥ!!―――

―――パワァウゥ!!―――

―――パワァウゥ!!―――

―――パワァウゥ!!―――

―――パワァウゥ!!―――

 

「!?な、何だ!!?」

「う、嘘だろ!?マジかよ・・・!!?」

「そんな・・・あの怪獣、子供を産んだわよ!!?」

「ア、アイツ・・・メスだったのか!!?」

「も、もの凄い数の怪獣の子供が生まれたぞ!!?」

 

今の今まで苦しそうだったヤドカリンが力の限り叫んだ直後、何と・・・ヤドカリンのお腹の下から無数の、サイズこそ小さいが、紛れもなくヤドカリンの姿形をした小さな(・・・)ヤドカリン(・・・・・)たち(・・)がワラワラと現れた。

 

そう、何とヤドカリンは出産したのだ・・・何の偶然か、このヤドカリンは子を宿した母親だったのだ。

 

そして、それがより大きな災厄を招くこととなる―――地球の住民にして、地球の支配者面をしている人類にとっての災厄を、だ。

 

―――バワァアアァウウゥゥ!!―――

 

―――パワァウゥ!!―――

―――パワァウゥ!!―――

―――パワァウゥ!!―――

―――パワァウゥ!!―――

―――パワァウゥ!!―――

―――パワァウゥ!!―――

―――パワァウゥ!!―――

―――パワァウゥ!!―――

 

「あぁ!?お、俺の家がーーーっ!!?」

「うわぁ!?止めろ!ウチの店を持っていくなーーー!!!」

「きゃぁああっ!?バスを背負ってるわよ!!?」

「ヤバいぞ!あの怪獣の子供も、建物とかを背負うんだ!!」

 

出産を終えたヤドカリンの母親の周りに蠢く無数の子ヤドカリンたち。

 

そんな子ヤドカリンたちであるが、すぐに親と同じようにヤドを求めて大都市中に散らばった―――52mの大きさの母親に比べ、生まれたての子供たちは10mにも満たない大きさだった。

 

だが、それでも人間たちよりははるかに大きいし、何よりも子供とはいえどもヤドカリンはヤドカリン・・・「やどかり怪獣」の名の通り、子ヤドカリンたちもヤドを求めた。

その際、体の小さい子ヤドカリンたちは手頃な大きさの建物を、民家やコンビニエンスストア、あるいはバスやトラック、電車の車両などを襲ってヤドにしてしまった・・・問題は子ヤドカリンたちはヤドカリよろしく、ヤドにする対象に中身が(・・・)いた場合、その中身を襲って追い出すか、最悪は殺すなどしていた

 

そんな"中身"とは・・・言わずもがな人間だ。

 

ヤドカリンたちが求めるヤドを、建造物を作った人間たちを、だ。

 

―――バワァアアァウウゥゥ!!―――

 

尚も大都市を我が物で、背負った114m超高層マンションを右に左にと由良しつつ闊歩する母親のヤドカリン。

 

―――パワァウゥ!!―――

―――パワァウゥ!!―――

―――パワァウゥ!!―――

―――パワァウゥ!!―――

―――パワァウゥ!!―――

―――パワァウゥ!!―――

―――パワァウゥ!!―――

―――パワァウゥ!!―――

 

「ぎ、ぎゃああぁっ!?止めろ、止めてくれーーーっ!!」

「い、痛い!痛い痛い!!止めろ!止めてくれ・・・殺さないで・・・」

「ひぃいいっ!?来るな・・・来るな来るな来るなーーーっ!!」

 

巨体の母親が闊歩するその足下で、母親から産まれた子ヤドカリンたちはヤドとなる手頃な大きさの建物や車などを求め、その中にいる邪魔な人間たちを襲い、追い出し、殺すなどしてヤドを手に入れていた。

 

その様は文字通りの地獄絵図だった―――もしも、地球にヤドカリンたちが気に入る(・・・・)ような(・・・)高さの(・・・)建物(・・・)が無ければ、ここまでの事態にはならなかっただろう。

 

だが、そうは問屋が卸さなかった―――今や、地球という惑星で人間たちが建物を建てていない場所は、建物が建っていない場所などないのだから。

 

つまり、ヤドカリンが地球にやって来た時点でこうなってしまうのは目に見えていたのだ。

 

調子に乗って、地球中に建物を乱立しまくった人類の自業自得なのだがら―――

 

―――バワァアアァウウゥゥ!!―――

 

―――パワァウゥ!!―――

―――パワァウゥ!!―――

―――パワァウゥ!!―――

―――パワァウゥ!!―――

―――パワァウゥ!!―――

―――パワァウゥ!!―――

―――パワァウゥ!!―――

―――パワァウゥ!!――




如何でしたか?

ということで

『作者が思う「現代社会に出現したら間違いなく危険な巨影」』

とはまさかのヤドカリンでした・・・『次郎くん怪獣に乗る』という、N〇Kの子度向け番組か、『ウルトラゾーン』でやりそうなタイトルの回に出たあの怪獣です。

・・・アイツの声、何度聞いても脱力するのは僕だけ?(アイツの声、実は『ゴジラ』の『凶悪怪獣 ガバラ』の声で、マジでアシカやオットセイの加工だとか。)

で、何故ソイツが恐ろしいかと思ったかといえば・・・作中でも述べたとおり、今や地球で人間が建物を建てていない場所は無いですし、それこそ建っている建物はみんな高層になっている・・・ヤドカリンが登場した昭和の時代、ヤドカリンがヤドに出来るような・気に入りそうな高さ&大きさのヤド(建造物)はそうそう無かったでしょう。

しかし、平成や令和の時代は100mを超える建造物がわんさか・・・ヤドカリンからしたらマジで選びたい放題でしょうね。

「俺、この星に住む!!」ってなりますよ。

んで、そんなヤドカリンがもしも100mを超える建物を背負って歩き回ったら・・・街は、都市は壊滅しますな。

だから作者はヤドカリンが現代に出たら危ない怪獣だと思います。

・シリコンを食い荒らし、電波を攻撃するレギオン
・いるだけで機械を狂わせ、人を喰うガゾート
・人を喰いまくって増えるギャオス

などなどいますが、コイツらっていつの時代でも危険&誰でも「危ない」って思うでしょう。

だからこそ、秘めたる危なさを、マジで現代の高層ビルなどが建ち並びまくる現代社会では特級の危険生物に化けるヤドカリンを取り上げました。

何気に人間にとって欠かせない「衣・食・住」の「住」を責める怪獣って珍しいですからね。



 ▲ページの一番上に飛ぶ
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。