軍神の義兄   作:速報
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五話

 越後国 扇山城
 
 僕は今、自身の居城である扇山城にいた。
 扇山城は、簡素な山城だが実戦を意識して造られた城なので、それなりの防衛力を持っている。
 僕の領地の国高は最初、ニ万石程度だったが、二毛作から三毛作に変え、肥料を変え、天然の殺虫剤を撒いた。更に、開墾の効率を上げるため、木製の農具から、鉄製の物に変えるなど工夫を行ったことで、三万石にまで増えた。
 商業では、新潟県の名品である、漆器と金を合わせた
蒔絵を漆器職人達と協力し作り上げ、商人達と協力することで越後の名品にした。
 その為、金庫の方にも余裕ができたので、軍事にも手を加える事にした。 
 農兵を中心としていたのを、足軽に変えることだ。
戦国時代の足軽は傭兵の様な物で、忠誠心も糞もないが家の足軽は、山瀬の元家臣なのでかなりの忠誠心を持っており戦意、練度共に高い。
 こんな、少し内政チートの様なことをしながら、肥料領地を、ここまで発展させてきた。
 
 そんな事を思い返しながら呆けていると、伊左衛門が凄い形相をして走ってた。
 「どうした伊左衛門。そんな凄い顔をしてお前、もう少しゆっくり、過ごさないと早死にするぞ」

 「為久様ゆっくりしている暇なんど、有りませんぞ‼」

 「よくお聞き下され、晴景様の支援を受け、虎千代様が殿に秘密で姫武将となり、景虎と名乗りました。その上、栃尾城に入城いたしました。」

 それを聞き僕は、鈍器で頭を殴られた様な衝撃を感じた。
 たまらず僕は、伊左衛門に本当の事かどうか確認を取るが、どうやら本当のことらしい。
 僕は堪らず倒れ込んでしまった。今まで、僕が必死に領地を発展したきたのは、領民や家臣のためでもあるが、虎千代のためでもあった。
 虎千代が、いずれ姫武将に成るのは、分かっていたため、様々な準備を行っていた。領地の開墾は、越後国の国高を上げことで、戦に必要な兵糧の確保ため、商業の発展は、軍事資金のため、兵農分離は、上杉謙信は生涯に渡って戦をしていたので、いつ戦になっても対応出来るようににするためだ。
 これら全ては、虎千代の支えになりたいと言う兄心によるものだ。
 同時に僕の、力を蓄え、いずれ虎千代を越後国の王として立て僕と定満・大和で支え、人としての幸せも、他人のために一生を費やした上杉謙信と言う人物に掴ませるための、計画も努力も無駄になってしまった。

 「殿の、幼少からの頃からの計画の全てが、無駄になりましたな」

 「そうだな。」

 僕の計画は、幼少の頃に前世で毘沙門天の化身と言われていた、上杉謙信と同一人物で、まだ赤子であった虎千代に会ったときに思い付いた物だ。
 僕は、初めて虎千代に出会った時に運命を感じた。それは、僕が夜叉丸とゆう名前で兄に成ったからだ。
 夜叉とゆうのは毘沙門天の眷族で、この名前を持っている僕は、虎千代を支える事が、この時代に産まれてきた理由だと思ってしまった。
 まあ、結局は僕が勝手に運命を感じて、勝手に努力しただけのことだが。
 しかし、僕にとってこの計画がこの時代で生きる唯一の理由だった。この計画が潰れた今
 
 「これから、僕はどうしていけばいいんだろう」






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