そしてサイヤ(3月18日)の日キターーーーッ!!
それではどうぞ
ブランside
次の日
「自分が何やったか分かっとんのか?」
「・・・」
目の前の
「分かっとんのかぁぁぁぁ!!」
「?」
「カツ丼食えよ……カツ丼食えよぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」
自身の残像を複数作り出し、涙流しながらそれらの指を一斉にオーフィスへと突きつけながら叫ぶ。しかし、目の前のオーフィスはコテンと首を傾げて俺を不思議そうに見つめている。残像拳が珍しいのか、俺が怒ってる理由が分からなくてそうしてるのか……少なくとも自分が何しでかしたか分かっていないのだろう。まっ、とりあえず
「食えよ」
「いただきます」
昨日で作法を覚えたようだ。食う前にはしっかりと『いただきます』と言い、律儀に両手を合掌する。そしてオーフィスは箸を持ち、次々と出されたカツ丼を頬張っていく。口の中が一杯なのか、つい最近見た『惑星ピポパポ』の『バグハムスター』にそっくりだ。おいこら、そんなハイライトが薄い目を頑張ってキラキラさせても可愛いなんて思わねーぞ。
それに俺は心の広い神様だ。いや、これは本当にそう言えると自信がある。悪く言えば甘いのかもしれない。しかし、これでも弟子なのに変わりはないんだ、無闇にキツく当たっても無知すぎるコイツは成長しない。一から十までしっかりと教えてやらないとその内暴走して星々を全壊しかねない。
「あのな、確かにお前はまだ新米ぺーぺーで分からないことも沢山ある。な?な?」
「もきゅもきゅ」
カツ丼を頬張りながらコクリと頷くオーフィス。おう、美味そうに食ってるじゃねーかバーロー。このカツ丼は俺の物とは他にコイツの分として地球で買ってきたんだ……どうだ、俺は優しいだろう?
「けどな、けどな……俺のプリンを食べるとはどういうことだぁぁぁぁ!!?お前、お前おまっ、おっ、おまっ……お前お前お前お前ぇぇぇぇぇ!!」
何が言いたいのか分からなくなってきたので一旦落ち着こう。オーフィスはカツ丼を食べ終わると、満足そうに俺をジッと見て、にへらと笑いながら口を開いた。
「ご馳走さまでした。プリンっていうの、あれ、美味しかった。我、また食べたい」
「俺の!あれ俺のプリン!!取っておいた俺のプリンを何で食った!?」
「冷蔵庫、目に、入った、それで、惹かれた」
「急に露骨な片言になるなぁ!魔が差したって正直に言え!」
冷静になれ。まぁ、俺も名前を書いていないというのも悪い。コイツのことをまだ理解していなかった俺も悪い。けど、言わせてもらう。
「クソガキ、たとえばお前……次元の狭間が故郷なんだろ?」
「うん」
「でだ……その中のグレートレッドに追い出されてお前は故郷を離れざるを得ない状況ってなった。これに対してどう思う?」
「むかつく」
「そうだ!むかつくんだ!嫌だろう!?自分に嫌な事されてその気持ちになるなら俺の気持ちが分かるはずだ!!悪い事したら?おい、どうする?どうするんだクソガキぃぃぃぃ!!やることは一つだろうがぁぁぁ!!」
「あぅ、あぅ〜」
両肩を掴んでガクンガクンと揺らす。これも分からないのか……!
「ごめんなさい……だ」
「ごめん……なさい?」
「そう、相手を不快に思わせてしまったならちゃんと謝まれ。二度としません、ってそう誓うんだよ」
「……ごめんなさい……もう、勝手に食べない」
「そうだ、それなら許す。俺も今度からは名前を書く。食べたいならちゃんと言え。分かったな?」
「分かった」
うん、ひとまずこれでいい。オーフィスはこれから破壊神候補として学ぶ時間が設けられているのでレムギットの元へと向かう。宇宙の知識担当はレムに任せているのでその間は自主鍛錬でもしてようか。
三人称side
「これが……怒られた?」
「どうしましたオーフィスさん?」
とある部屋に入ったオーフィスは誰にも聞こえないようにそう呟いた。そこに先に部屋に入っていたレムギットはそんな彼女の様子に頭に疑問符を浮かべている。
「ししょーのプリン、食べちゃった」
「あらまぁ」
オーフィスはそう言うと、レムギットは手を口の辺りに翳しながら驚く。
「悪い事したら、謝るって言われて……謝ったら、ココがチクチクするようになった」
オーフィスは心臓の辺りに手を添えながら顔を俯かせる。しかし、レムギットは優しく微笑みながら彼女の肩に手を置く。
「フフフ……オーフィスさん、それは良い事なのですよ?」
「え?」
「それは反省している証拠です。その反省は次に活かし、相手の心を理解する第一歩なのです。気に病まず、前向きになってみてはどうでしょう?」
「……これも初めて……でも、怒られるようなことはもうしない」
「貴方が感じる『初めて』が必ずしも良い事とは限らないことが今回証明されましたね。さっ、キリのいいところでお勉強をしましょう」
宇宙の神々、神話系についてレムギットはオーフィスに説明。オーフィスは椅子に座り、興味津々にレムギットの話を聞く。
「まずオーフィスさん、貴方方のような地球の神々は宇宙全体でみるとどれくらいの地位にいると思いますか?間違ってもいいので答えてみてください」
「ーーー?三番目」
「ブッブー!正解は七番目です。あくまでだいたいなのですがね」
かなり適当に答えてみたがやはり間違っていた。レムギットは杖を床に突くと、オーフィスの目の前に立体映像を出現させる。そこにはピラミッド型の図が表示されており、レムギットは棒を指しながら説明をする。
「まず、『界王神』。この方はブラン様の言った通り、星を創造する神……地位はブラン様と同じ三位と言ったところでしょうか。この界王神とブラン様のような破壊神は対となっており、この両者による創造と破壊により宇宙の均衡は保たれているのです」
「なんで創造と破壊、する?」
これはもっともな質問だ。理由もなく破壊と創造を繰り返す意味をオーフィスは知りたいのだろう。レムギットはその問いに淡々と答える。
「それは『人間レベル』を保つ為です」
「人間レベル?」
「そうです。人間レベルというのは、宇宙全体の生きる者の戦闘力、文化、知能、様々なステータスを星の価値として平均して出される数値。これを保つ為なのです」
「でも、それに関係、ある?」
「勿論です。たとえば、人間のいない星が存在したとしましょう。土地も荒れ果て、環境は汚染されている……そんな星などあっても平均を出すときに足を引っ張るだけで意味がないでしょう?悪く言えば『価値』がないのです。そしてそれを破壊神が破壊し、新たに文化を築くことを期待を込めて界王神が星を創造する。これは仕事……破壊神と界王神に課せられた義務なのです」
「ん……難しい。いつか、我もそれをするの、大変」
「それに関しては問題ありません。その為のサポーター、付き人として私がいるのですから」
オーフィスはそれを聞いて少し安心した。右も左も分からない彼女にとってレムギットの存在はとても心強かった。
「それと、破壊神に使えるこの私は『天使』なのですよ。驚きましたか?」
「ん、地球の天使とは何が違う?」
「根本的に種族的に違う……かもしれませんね。呼び名が同じだけで彼等とは全く接点がありませんから。まぁ、ここは特に重要ではありません。話を戻します。私は破壊神に仕える者ですから地位的なものは存在しません。破壊神と同等の立場にあるのが界王神、それより一つ下が『大界王』です」
「大界王?」
「簡単に言えば、宇宙全体のあの世の管理者のトップ。主に界王は天国に行ってしまわれた者を育てたり、見守ったり、時にはあの世で武道大会なども開きます。その大界王に仕える者が四人の『界王』。次に宇宙全体のあの世の死者の生前の罪を裁くのが『閻魔大王』ですね」
「あの世……ハーデス?」
「ハーデス……地球のギリシャ神話の冥府の神の名前ですね。それはあくまで地球担当の冥府神でしょう。閻魔大王はハーデスにとっては上司という立場になります」
「おー」
オーフィスは気になったことを知ることができて喜んでいる。レムギットはさらに続けた。
「そして、貴方方地球の神はそのハーデスと同じ地位です。ここからは破壊神より上の存在について話しましょう」
「破壊神よりも……上?」
考えただけであのオーフィスが震える。自分よりも圧倒的な力を持っているあのブランよりも高い地位にいる存在を知ってオーフィスは驚きを隠せていない。
「破壊神であるブラン様よりも上の地位にいらっしゃるのが『大神官』様。強さはブラン様を遥かに超えてます」
ここで、レムギットは大神官が自身の親だということは言わなかった。言う必要はないとの判断の上だろう。オーフィスは驚きながらもレムギットの話を聞く。すると今度はレムギットの口調に重みがのしかかる。
「そして……全宇宙の頂点立つお方が……『全王』様なのです」
「あっ……」
オーフィスは昨日ブランの口から出た『全王様』と言う言葉を思い出す。
「これだけは言っておきます。全王様には逆らわないで下さい。何があっても」
「どうして?」
「全王様は全宇宙で一番お偉い方なのです。機嫌を損ねたり、問題を起こしすぎると即……消滅されるかもしれませんよ」
レムギットの笑顔を見るに冗談ではない、これは本当なのだとオーフィスは直感し首をブンブンと振る。因みに今の話を分かりやすくまとめるとこんな感じである。
ランキング
一位 全王
二位 大神官
三位 破壊神=界王神
四位 大界王
五位 界王
六位 閻魔大王
七位 その他の神
「敬語の使い方も覚えないといけませんね、いつか、もしかしたら近いうちに全王様にもお会いすることになるでしょうから。さて、続けましょう。これが今日で最後のお勉強です。オーフィスさん、私の話で気になることがありませんでしたか?」
「色々気になる。もっと知りたい」
「そうですか。ならばお教えしましょう。宇宙は13個あるのですよ」
「………………ん?………………!?」
言葉の意味を理解しようとしたが追いつかない。オーフィスはレムギットの言っている意味が分からなかった。宇宙に個数などあるのか、そもそも宇宙って何だ?そんな疑問が頭の中で循環していた。
「宇宙は1つではないのです。地球に様々な国があるように宇宙も分けられて存在しているのです。宇宙は無限に広がっているとはよく聞きますが、実はそれ、普段は見えない壁に阻まれておりそれを通過することで他の宇宙に移動できるのです」
「我、頭がこんがらがってる」
無理もないだろう。いきなり話のスケールが壮大になり、それが重なればいくら以前周りに関心がなかったオーフィスでも動揺してしまう。
「頭に詰め込みすぎるのは良くないですから、この宇宙の数、そしてこの『第0宇宙』に関しては次回のお勉強に持ち越しましょう。今日はここまでです。お疲れ様でした〜」
「お疲れ様でした」
レムギットに合わせてぺこりとお辞儀をしてオーフィスは部屋を出て行く。
「我、色々なことを覚えた」
胸を張りながら自室へと戻っていくオーフィス。徐々に他への関心を深めながら彼女はこれからも成長していくだろう。
そして
「ふぅ、これで終わりにするか」
ブランは宮殿から離れたところで自主鍛錬を行なっていた。両手首、両足首には何やら重りなどが巻かれており、
その重さを感じさせないほどの素早い動きで戦いのシミュレーションをしていた。
「今の俺じゃ100トンの重りじゃ軽いわな……今日はここまでにして部屋に戻るか」
ブランは思い出す。昨日、レムギットから第7宇宙と第6宇宙が選手を出して格闘試合を行なったとの情報を聞いた。実際に行われてからはそこそこ経ってはいるが。
「よし、早速見てみるか」
そこでブランは部屋に戻り、神々の間でサービスとして提供されている動画サイト、『神tube』というものを使ってその格闘試合の映像を拝見してみた。
「まさか……サイヤ人が他の宇宙にいたなんてな」
ブランと同じサイヤ人が第6宇宙と第7宇宙に存在することに驚愕し、ある二人のサイヤ人に注目した。
『界王拳!!』
『ファイナルフラーーーッシュ!!』
「おいおい、そんなことしたら体ぶっ壊れるだろうが……あっ、なんか骨や筋肉がボキボキいってら。おっ、コイツは……同じサイヤ人として気高い誇りを感じる……まだまだ伸びるな。しかもこの二人……まさか俺と同じブルーになれるとはやるじゃねーか。しかし、まだまだムラがある……神の気を完全には使いこなせていないな」
その二人のサイヤ人を冷静に評価する。これを見てブランは近いうちにこのサイヤ人二人に会うことを決意。しかし、この二人を見てブランはどこか不思議そうな顔をする。
「なんか……顔似てないか?」
自分はその二人を足して二で割ったような顔をしているとブランは思わずそう思ってしまった。
ブランのイメージモデルはベジットだからね、しょうがないね。
惑星ピポパポというのは私が勝手に作っただけでドラゴンボールには一切出ません。ストーリーにも一切関わりはありません。
ハーデスと閻魔大王はこんな感じの立ち位置なんじゃないかとのあくまで予想です。実際はどっちが偉いんだろうか。
くっ、やはりロリコンを隠しきれていないのか執筆中に心が高ぶる……潰れる、流れる、溢れ出るゥゥゥ!!(意味深)ロリコン・イン・オラオラチャージ!!ドォォラァァァッ!!
要するにオーフィス可愛い(末期)
次回は地球へとまたお邪魔します。それでは
次回もお楽しみに!