ハイスクールD×D 第0宇宙の破壊神   作:オラオラドララ

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第2話 不愉快

一誠side

 

『兵藤 一誠』・・・それが俺の名前だ。両親や学校のみんなからは『イッセー』と呼ばれている。青春を謳歌している高校二年生だ。見知らぬ生徒に「あいつ、イッセーじゃね?」と言われたことがあるが人気者というわけではない。寧ろ、女子の着替えの覗きやエロ本を堂々と学校へと持ってくるほどエロいと言われてる嫌われ者だ。勿論、彼女なんていないし童貞である。

 

ある日、そんな俺には突然春が訪れた。

 

「付き合ってください」

 

突然の見知らぬ女の子からの告白。彼女がいない俺にとっては、あれは一陣の風だった・・・青春は甘酸っぱいというやつだろう。勿論こんな機会は二度と訪れないんじゃないかと思い、俺は即オーケーで恋人になりました。女の子の名前は『天野 夕麻』ちゃん。黒髪ツヤツヤでスレンダーな女の子!グフフ・・・夢かと思って頰をつねっても痛いと感じた、そう!これは現実なのだと俺は心の中で飛び跳ねた!

 

そして付き合ってからの初めてのデート。前々から練っていたプランをようやく実行する時がきた!歯垢を一切残さない思いで歯を磨き、おニューのパンツを買うというチェリー根性MAXでデートに臨んだ。

 

デートの途中、訳の分からないチラシ配りに怪しげなチラシを手渡された・・・『貴方の願いを叶えます?』・・・随分とオカルトなものだ。捨てたい気持ちがあったが、ポイ捨てはいけないし捨てたいにも捨てることができなかったのでズボンのポケットにしまっておいた。

 

デートは絶好調だと俺は思った。何故なら夕麻ちゃんの顔がとても楽しそうだったからだ!ふふふ、俺のプランは大成功だったということかな?そんなこんなでもう、夕暮れ。クライマックスは近い!?別れ際にキス!?なんて興奮しながら数分後・・・

 

 

夕暮れの公園にて

 

町外れにある公園で、人気はなく、俺ら以外は誰もいなかった。このシチュエーションに俺は次々と妄想を膨らませながら表情のニヤニヤをなんとか隠す。すると夕麻ちゃんは咄嗟に俺の手を離し噴水の前へ。

 

「今日は楽しかったね」

 

噴水をバックに微笑む夕麻ちゃん。くーっ!なんて可愛いんだちくしょう!

 

「ねぇ、イッセーくん」

 

「なんだい、夕麻ちゃん」

 

「私達の記念すべき初デートってことで、1つお願いを聞いてくれる?」

 

「な、なにかな?」

 

ふおおおおおおお!!こ、これはついにキス!?心臓がバクバクいってる・・・。そんな事を思っていると夕麻ちゃんは俺に微笑みながらはっきりと俺に向かってその言葉を言い放った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「死んでくれないかな?」

 

「・・・え?ご、ごめん、何言ったか全然分からなかった・・・もっかい言ってくれる?」

 

聞き間違いだ。そう、聞き間違いだと自分の心に何度も言い聞かせ、夕麻ちゃんに訊き返した。しかし

 

「死んでくれないかな」

 

すると次の瞬間、夕麻ちゃんの背中から黒い翼が生え、バサバサッと羽ばたきすると黒い翼が宙を舞い、俺の前に落ちてきた。え、なにこれ・・・わけがわからないよ。た、確かに夕麻ちゃんは天使のように可愛いけど・・・演出?ドッキリ?俺は頭が混乱して思考を一度止めてしまった。

 

「楽しかったわ。貴方との初デート。初々しい子供とのままごとに付き合えたって感じだったわ」

 

視線も冷たいものに変わり、妖艶な声音。口元は冷笑を浮かべていた。すると夕麻ちゃんの手から光る槍のようなものが現れた。いや、槍そのものだ。

 

ヒュッ!

 

風を切る音と共に俺の腹に何かが触れた・・・そう思った時、俺の腹は夕麻ちゃんの槍によって貫かれていた。そして俺はその場に前のめりになって倒れた。

 

「ごめんなさいね。貴方に宿っている神器(セイクリッド・ギア)は私達にとって危険な物だから早めに始末させてもらったわ」

 

セイ・・・何だって?あぁ・・・意識が・・・遠のいて・・・。このまま意識が途絶えたらさぞ気持ちが楽になるのだろう。しかしそれでは俺が死ぬという事・・・。いや、俺人生のまだ半分も到達してねーんだぞ!?家にあるエロ本が死後に見つかるとかシャレにならないって!!

 

俺は手を何とか動かし、腹の辺りをさすり、顔の近くまで動かす。紅い・・・ただそれだけだった。その時、俺は思い出した・・・1人の紅い髪の女の子を。

 

その時、俺の意識はさらに薄れていった。すると

 

「貴方ね、私を呼んだのは」

 

誰かが声をかける。しかし最早誰かすら分からないほど視界はぼやけていた。

 

「死にそうね。傷は・・・へぇ・・・面白い事になってるじゃないの。そう、貴方がねぇ・・・本当に面白いわ」

 

興味ありげにクスクスと笑う声。なにが面白いんだろうか・・・?

 

「どうせ死ぬのなら、私が拾ってあげるわ。貴方の命、私の為に生きなさい」

 

そこで俺の意識は完全に途絶えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ブランside

 

「いや、ふざけてんのかこいつ」

 

俺はレムの杖の水晶でその現場を眺めた後、第一声にその言葉を放った。

 

「おいレム、今の一連の流れ・・・ちゃんと録画したか?」

 

「えぇ、バッチリと」

 

破壊神と天使の正装に着替え直した俺とレムギットは無表情のまま応答する。

 

「町を管理しているとかほざいてるくせに簡単に他種族に侵入させられている・・・さらには一般人の死者を出す。そもそもこの時点で無能なのは分かった」

 

「しかし問題なのはその後・・・」

 

「あぁ、この紅髪のバカは挙げ句の果てに自分が管理(笑)している町の住民が死んで『面白い』なんて戯言を言い放った。そしてその後何か値打ちを計るかのように倒れてる奴を眺め、悪魔に転生させた」

 

「たとえば今、転生させられた方が何も力がない一般人だとしたら・・・恐らく放っておいたのでしょうね。この地球のニュースや新聞を先程ずらっと見ましたが、はぐれ悪魔、そして今のような神器狩りの堕天使による不可思議な事件などの記事は一切ありませんでした・・・恐らく、悪魔や堕天使という存在がバレないように記憶を操作して隠蔽している可能性が大でしょう」

 

「全く・・・やっぱり破壊するべきかもな・・・いざとなったら地球ごと破壊する・・・いや、それはまずいな。この宇宙の人間レベルの高さの特徴はこの地球にもある・・・クソッ、めんどくさいぜ」

 

「管理・・・まぁおそらく自分の領地とかでもおもってるのでしょうけどここはそもそも日本神話の神が有している土地です。それを許可を貰ってこの町にいる可能性もありますが、未だに神側と悪魔側は睨み合いをきかせている筈・・・ならばそんな相手に管理する許可をあげるとは考えにくいので恐らく悪魔側が勝手に管理していると言ってるのでしょうね。まぁ、これを放っておく日本神話勢もどうかと思いますが」

 

「「はぁ・・・」」

 

2人揃って溜息を吐く俺とレム。

 

「今日ははぐれ悪魔ってのをひたすら見つけて破壊していくか。なんかスッキリしねぇからな・・・地球なんて本気出せば3秒で7周は出来るし。本来、悪魔がやるべき事を俺がするのもおかしいが・・・ゴミはちゃんと掃除しなきゃいけないだろ?」

 

はぐれ悪魔をゴミ扱いする俺。そりゃそうだ、人間に害しか及ばさない奴らを対等に扱うとでも思ってんのか?界王神は人間を見守るのが仕事だが、俺は別だ。干渉しようと放置しておこうと俺の判断次第・・・しかし今、はぐれ悪魔どもを殲滅させたからといって今後はまた更にはぐれ悪魔がこの人間界に現れるからあくまで一時的な処置にしか過ぎないがな。さて、駄弁ってるのもここらへんにしておいて

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

掃除の時間だ・・・・10分で片付けてやる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次の日、世界中に蔓延る大半のはぐれ悪魔達が何者かによって跡形も無く消滅させられたことが悪魔達が住む冥界、さらには魔王の耳にも届いた。これにより駒王町を管理(笑)しているグレモリー家の次期当主、『リアス・グレモリー』にもその情報が届いた。しかし

 

「私の領地だけでなく、他の地域でもはぐれ悪魔が・・・どこの誰か知らないけど・・・これ以上好き勝手はさせないわ!!」

 

なんて事を言っているが、彼女は気づいていない。今、自分が消し飛ばそうとしている人物がこの世で1番敵にしてはいけない存在、『破壊神』であるということを。

 

 

 

 

 

一方、その頃

 

「お好み焼きうめぇ〜〜!!」

 

日本のグルメを満喫しているブランはそんなリアス・グレモリーなど今は眼中など無かった。

 

 




まさかの殺されるためにデートさせられてたのはたしかにトラウマにはなりそう。しかしリアスがもっと早く助けに来ればトラウマも少しは軽減されていたのではないかと私は思った。

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