ハイスクールD×D 第0宇宙の破壊神   作:オラオラドララ

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こっちもチビチビ進めていかんとなぁ・・・。

それではどうぞ


第3話 雑魚ほど洒落たセリフを吐くってのはあながち間違いでもない

ブランside

 

ーーブランの星

 

世界中のはぐれ悪魔を粗方ぶっ殺した後、地球の食べ物の素晴らしさを満喫した俺は一度自分の住む星に帰還していた。今は先代ブランである師匠とは別の『もう1人の師匠』であるレムに修行をつけてもらっている。

 

「フッ!だりゃっ!」

 

「おっと」

 

超サイヤ人禁止、気弾禁止というルールに沿い、次々と連続の拳と蹴りを放っていく俺だが、レムは軽々とそれを避けていく。フェイントを入れてもそれを容易く躱されていくが俺やレムは息を切らしてはいない。

 

「そこまで」

 

「!」

 

修行の最中に「待った」とかけられたように手のひらを前方に突き出された俺は一度攻撃を止めた。レムは顎に手を当てて何か考えるそぶりを見せてから口を開いた。

 

「やはり攻撃の時は何かしら考えてしまっていますね。これは貴方も他の破壊神にも言えることで頭で考えずに体が勝手に動くような戦いが出来ればいいのですが・・・うーん・・・」

 

「レム・・・前にも思ったんだが本当にそれは可能なことなのか?生きる者は誰しも『考える』という概念など捨てる事が出来ねぇ。それが出来るのはただの何も考えていないバカなんじゃないのか?」

 

「ふふっ、いいですねその考え。ブラン様もバカになってみては?」

 

「バカになってみては?じゃねぇよ。そんな事したらそこら辺の星が全部無くなりそうじゃねぇか」

 

「オホホホ♪」

 

優雅に笑うレムだが本当にシャレにならんことになるから。

 

「ブラン様、次は懐かしい修行をしてみませんか?」

 

「俺が破壊神見習いの時にやっていた修行・・・か?」

 

「はい、初心に帰るというのも・・・また1つ修行だとは思いませんか?」

 

「分かった、それで頼む」

 

「かしこまりました。・・・ほい!」

 

レムは杖を振りかざすと、ブランの目の前に硬い素材で作られた重りのようなものが出現した。その重りの上面部には両腕を通す穴のようなものが存在し、ブランは早速その穴に両腕を通してそれを持ち上げようとする。しかし

 

「・・・!?な、なんだこの重さ・・・!!あ、上がらねえ・・・!!」

 

「簡単には上がらせないように見習いだった頃の50倍重いものにしました。どうしました?超サイヤ人になりますか?」

 

挑発するようにパワーアップするかを促せるレムだが・・・俺はそんな挑発には乗らねえ。超サイヤ人になったらそれこそ負けだ。

 

「・・・ハッ!わざわざ超サイヤ人になる必要はねぇ・・・やってやるよ・・・!!ぎぎぎぎぎっ・・・あ、上がったぞ・・・!!」

 

ほんの数センチ、その重りと地面に僅かな隙間ができた。しかし今のところそこまで持ち上げるのがやっとで額からは汗が流れる。しかしそんな俺に対し更なる絶望感がのしかかる一言をレムが放つ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はい、じゃあそのまま『この星を2周』してください」

 

「なに!?2周だと!?見習いだったころは1周だったはずだ!」

 

「何言ってるんですか?破壊神にもなれば2周など楽勝でしょう?さぁ、頑張ってください!」

 

和やかに笑うレムだが、どこか黒いものを感じさせる笑みで俺はそれ以上何も言えなかった。クソッ・・・や、やばい・・・この重さは異常だ・・・トン単位とかそういう次元の話じゃない・・・!!

 

「ハァ・・・ハァ・・・!!」

 

俺は重い足取りで一歩一歩を確実に進めながら重りを運んでいく。地面にはポタポタと体中から溢れ出る汗が落ちていき染み込んでいく。

 

「ほら、早くしないと落っこちてしまいますよー」

 

「分かっ・・・てる・・・!!」

 

俺の背後は歩いてきたところから一定時間毎に徐々に地面が消滅していく。つまり遅すぎるとやがて俺の足元の地面も消滅し転落という名のゲームオーバーと化す。

 

「スピードを・・・上げないと・・・し、死ぬ・・・!!」

 

俺は思い出した・・・見習いだったころの地獄の日々を・・・この修行をしている途中、予言魚さんがレムに何かを伝えるといつのまにか先代ブラン師匠の部屋へと転送され寝ぼけた師匠の『口から破壊光線』を受けボロボロになったり、更には部屋に多数ある砂時計型爆弾に巻き込まれ、挙げ句の果てに睡眠を邪魔されたと誤解した師匠に卍固めをやられるという俺にとって最も悲惨な修行の一環を思い出した。あれは理不尽すぎる。

 

 

 

そして丸一日かかって、やっと修行が終わった。修行を終えて重りを置いた俺の元にレムが一瞬で現れた。

 

「お疲れ様でした・・・大丈夫ですか?」

 

「ゼェ・・・ゼェ・・・!!これが大丈夫に見えるならお前の頭は重症だ・・・」

 

「あら失礼♪オホホホホホホ♪」

 

こうして今日の修行はひと段落つき、自分の部屋へと戻っていった。今日は地球で買ってみた『ゲーム』とやらを楽しもうと思い、早速やってみようと思う。名前は『◯ケットモンスター』という部下を従えてトレーナーの頂点に立つのが目的という実に俺にとっては分かりやすいゲームだ。やってみるとなかなか面白い・・・特にこの『ジムリーダー』という中ボス的な感じの敵を倒した時の爽快感がたまらない。しかし、俺の真の目的はそんな雑魚どもを倒すことじゃない・・・俺はチャンピオンとやらの座を奪うために戦うのだ。ククク、少し進めただけだが今日はここら辺で終わることにしよう。

 

俺はゲームを閉じ、安らかな眠りについた。・・・周りに砂時計型時限爆弾を設置したまま。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次の日の朝

 

ドガァァァァァァァン!!

 

「zzz・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

ドガァァァァァァァン!!

 

「zzz・・・」

 

 

 

 

 

 

ドガァァァァァァァン!!

 

「・・・ん・・・ふわぁ・・・もう朝か「夜です!!とおっ!!」ぐへぇぇぇぇっ!!」

 

朝に起きたと思ってたら実は夜で、しかもレムにドロップキックを受けて外へとふっとばされた。な、なにを言ってるのかわからねーと思うが俺も分からん・・・もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ・・・。

 

外へと放り出された俺は真っ逆さまに地面へと落下していきそのまま地面に落ちた。

 

「もう、今日は地球の美味しいものを食べるって言っていたじゃないですか」

 

「わりぃわりぃ!・・・よっと!」

 

俺は仰向けに倒れた状態のまま、ハンドスプリングの応用で勢い良く跳ね起きた。そしてレムの肩を掴んで地球へと移動を開始した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

三人称side

「着きましたよ」

 

「空は暗いな。この地球も今は夜ってわけか」

 

「まぁ、私達のいる星は太陽からかなり遠くに離れている星ですからあまり空の色に変化はないのですがね」

 

地球についたブラン達は早速、何処かの飲食店にでも入ろうかと考えていた。しかし

 

「あー、駒王町だったか?ここの町の名前・・・まーた、悪魔が現れたか?なんか気が増えてるし」

 

「単独でいるものが・・・もしかしたらはぐれ悪魔かもしれませんね、どうします?」

 

「そうだな・・・この前は有無を言わせずに殺していったが今日は少し聞きたいことがある・・・行くか」

 

シュン!

 

2人はその場から一瞬で消えた。

 

 

 

とある廃屋の中、その隅っこでは禍々しい異形の姿の人物が1人の少女を覗き込むように見つめてケタケタと笑っていた。

 

「ゲゲゲゲ・・・美味そうな匂いだ・・・今日はご馳走だな・・・!!」

 

「ひ、ひぃ!!や、やだ・・・来ないで・・・!」

 

女の子は今にも泣きそう・・・いや、すでに涙が恐怖のせいで溢れ、更には体が震えて逃げ出そうにも足が動かない。しかし逃げようと足を動かしても、目の前にいる異形の怪物はその少女を逃がしはしないだろう。その怪物の名前は『バイサー』。はぐれ悪魔に認定された者の1人である。彼女は目の前にいる少女を喰らおうと考えており今にも飛びかかろうと目をギラギラと輝かせている。そして遂に

 

「いただきまー「はい到着」ぐぼぉっ!?」

 

「!?」

 

今にも食べられそうだった少女は何がなんだか分からないという表情をしている。それはそうだ、今いかにも自分は死ぬんだと思ったのに目の前に現れた男が怪物の頭の上に着地してきたのだから。少女は口をパクパクさせた後、なんとか振り絞ってその人物に声をかけた。

 

「ぁ・・・あ、あの・・・」

 

「ん?・・・あぁ、この下にいるやつに襲われそうなった人間か・・・ほれ、さっさと帰れ。死にたくなければな」

 

「で、でも・・・」

 

足がすくんで動こうにも動けない状態の彼女を見て、彼は軽く溜息を吐いた。

 

「はぁ・・・仕方ねぇ。おいレム、コイツを家まで送ってやれ」

 

「はいはいただいま〜」

 

レムギットはブランの背後からニュッと飛び出すように現れ、尻餅をついて目を丸くしている少女に手を差し伸べる。

 

「この手を取れば一瞬でお家に帰れますよ。さぁ」

 

「あ、ありがとう・・・ございます・・・」

 

シュン!

 

その少女はレムギットの手を取ると、彼女はレムギットと共に自分の家まで一瞬で転送された。残されたブランとバイサーは互いに沈黙が続いたままである。ブランは未だにバイサーの後頭部に両足を乗せており、バイサーは地面とキスをしている状態・・・そしてその沈黙がバイサーによって壊された。

 

「貴様ァァァァァァァァァァァァ!!」

 

「・・・」

 

ブランは無言のままバイサーの頭からゆっくりと足を退け、起き上がった彼女と向き合った。怒りで歪んだバイサーとは裏腹にブランは余裕の態度で笑みをこぼしながら口を開く。

 

「さて、お前がはぐれ悪魔だな?1つだけ質問する・・・俺の事を知ってるか?」

 

「知るかぁぁぁぁぁ!!よくもこの私の顔をぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!絶対に許るさんぞぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」

 

「なるほどな、世界中のはぐれ悪魔を粗方ぶっ殺したから悪魔側には顔バレしてるかと思ったが・・・どうやらそうでもないらしい。それと・・・破壊神には多少の敬意を払った方がいいぞ?」

 

「ほざけぇぇぇぇぇぇ!!」

 

バイサーは両手に持っている槍を交互に連続でブランに向けて突き出していく。しかしそれをブランは足を一歩も動かず、体を逸らす程度でそれを全て避ける。

 

「な、なんで当たらない!?」

 

「逆になんで当たると思った?ふわぁ・・・欠伸がでるくらいトロいぜ」

 

「ナメるなぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

そう言い、バイサーは渾身の一撃を放つ為に全力でブランに襲いかかる。しかし

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うるせぇ、消えろ」

 

「!?」

 

冷たく放たれた一言。その刹那・・・バイサーは死んだ。

 

たった一発。そのたった1発のかるーいパンチ。ブラン本人にとってはマシュマロのように・・・いや、それ以上に柔らかいパンチがバイサーにとっては『身体が霧散』する程の威力であり、バイサーは断末魔を上げる事なくこの世から消滅した。

 

「あー・・・やっぱり脆すぎる・・・まぁはぐれってのは大体こんなもんか・・・いや、下手したら悪魔全員がこれくらい脆いかもな・・・はぁ・・・シラけるぜ」

 

ブランははぐれ悪魔に聞きたいことを聞き、そのついでにバイサーを殺したがやはり自分の相手にはならないことに落胆した後、本来の目的である『食べ物満喫』を果たそうと思い、その廃屋から立ち去ろうとする。しかし

 

「はぐれ悪魔バイサー!主人の元を逃げ、己の欲求を満たすためだけに暴れ回るのは万死に値するわ!!グレモリー公爵の名において貴方を消し飛ば・・・ってあれ?」

 

「・・・」

 

長い紅髪をなびかせ、優雅?に現れたその女性を見て、ブランは目を細め溜息を吐く。そしてふと思った事を口にした。

 

「雑魚ほど洒落たセリフを吐くってのはこのことか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




まぁ、最初に言っておきますけど、破壊神に正義なんか求めるのはよしていただきたい。破壊神ってそもそも気まぐれだし。ブランは人間レベル重視の思想だと思っていただければいいです。

次回は、まぁ・・・戦闘にもならない戦闘ですね。それでは

次回もお楽しみに!




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