クロスアンジュ 舞い降りる救世主   作:ライダーGX

11 / 36
第9話 出撃 Gチーム

ソルトたちのガンダム達のテストが終えた後、真也は自室のパソコンでアンジュのその後の様子を見ていた。

 

何故真也がアンジュの様子を見れるのかと言うと、前回ジークがアンジュに打った注射器のナノマシンにGPS機能が搭載されていて、更にその日の様子を記録することが出来る為、その記録を読んでいたのだ。

更にそのナノマシンは健康状態も管理してくれる為、風邪を引いた時もナノマシンがウイルスを除去してくれる。

 

アンジュはアルぜナルに戻ったあとに何やら色々なことがあったようだ。

まずアンジュの元に、元筆頭侍女である『モモカ・荻野目』がやって来て、アルゼナルでは少々大騒ぎになっていたようだ。

 

どうやって探し当てたかと言うと、ある情報を入手して、アルゼナルに密航してやってきたと言う。

 

しかしアンジュはモモカを突き放すように拒絶し、受け入れようとしなかった。

 

そしてモモカと過ごす中で、アンジュはモモカが自分を騙していたのではなく。心からアンジュに忠実であった事を知り、彼女を買い取る為大金を払い、モモカをアルゼナルに置いたのだった。

 

その事を真也は笑みを浮かばせていた。

 

「あいつ…、本当に素直じゃない奴だ」

 

『ほう、なかなか面白いではないか』

 

っと真也が後ろを振り向くと、そこにジークがいて、それに真也は少々呆れながら言う。

 

「おいジーク、いい加減黙って入ってくるのはやめたらどうだ?」

 

『すまない、どうも隠密に入って行きたくてな、それよりも真也。そろそろ“あの艇”の完成を急がせた方が良いと思うがな』

 

ジークの言葉を聞いた真也は思い出したかの様に立ち上がる。

 

「そうだな。ソルトたちのガンダムを作っていたのを先にしていたからな、そろそろ完成させるか…あいつをな」

 

真也はパソコンの画面を変えて、ある『戦艦』の画像を映し出し、そういうのであった。

 

 

 

 

───────────────────────────────────────────

 

 

 

 

場所は変わって、アルゼナルの食堂。

 

「ありえないわ!人間がノーマの使用人になるなんて!」

 

叫んでいるのはアルゼナルの監察官『エマ・ブロンソン』がアンジュがモモカを買い取った事に納得出来ない様子で叫んでいたのだ。

 

「いいです事!ノーマは反社会的で無教養で不潔で、マナが使えない文明社会の不良品なのよ!?」

 

「はいはい」

 

アンジュは空になった器を置き、モモカが次の食事を差し出す。

 

「モモカさん! あなたはそれでいいの?!」

 

「はい!わたくし幸せです!」

 

満面な笑顔で言うモモカに対し、エマはただ思わず見て呆れかえるのだった。

それを見ていたヴィヴィアンは飲み物を飲みながら言う。

 

「良かったねモモカ、アンジュと一緒に居られて」

 

っとその中でエルシャがため息をする。

 

「ん? どしたのエルシャ?」

 

「もうすぐフェスタの時期でしょ? 幼年部の子供たちに色々と送ろうか迷ってるんだけど…」

 

エルシャが自分の通帳を見て苦笑いしながら言い、それにサリアが聞く。

 

「アンジュのせい?」

 

その事を問うと、エルシャは目線をサリアに向けて、その様子をうなづくしなかった。

 

「何とかしなくちゃ…」

 

「どんな罰でも金でなんとかするだろうねアイツ…聞きやしないさアンタの命令なんてさ」

 

アンジュの事を考えているとヒルダがサリアに何やら嫌みそう言い放って。

 

「何が言いたいの?」

 

「舐められてるんだよアンタ。ゾーラが隊長だった時はこんな事なかった筈だけどね現隊長さん? 変わってやろうか?あたしが」

 

その事を言われてただ黙っているサリアはその場を立って、食堂を後にする。

 

「(皆…ほんと自分勝手、私だって好きで隊長をしてる訳じゃないのに…)」

 

っとそう心の中でそう思うサリアなのだった。

 

 

 

 

 

───────────────────────────────────────────

 

 

 

 

 

そしてフリーフォックスの基地では、真也は格納庫にある溶接機を使ってある部品を作っていて。マリーもそれを手伝っていた。

そこにソーン達がやって来る。

 

「真也、何してるの?」

 

「今度は何を作ってるんだ?」

 

「おう。今は今後の必要な物を作ってるんだ」

 

真也がそう言いつつ、別の部品を持って、溶接機を当てて溶接する。

 

その様子を見ているソーン達は顔を合わせて、見た後その場を後にする。

ソーン達は廊下を歩きながら真也が作っていた物を考えていた。

 

「ねえ、真也が何を作ってるのかな?」

 

ソーンの質問にリコが答える。

 

「あいつはなんでも作っちまうからな。もしかしたらとんでもねぇ物かも知れねぇぞ?」

 

「有り得るな。もしかしたら宇宙船とか作ってしまうかもな」

 

「なるほどね、確かにそうかも知れない」

 

トラビスとラッセルがそう言ってるとジョージが呟く。

 

「戦艦だったりして」

 

「ん?戦艦? あ~…それもありか」

 

そう言って皆は各自の訓練や子供達の世話をしに向かった。

 

 

そしてまたアルゼナルでは…。

 

「アンジュ大丈夫?」

 

「何よ、何だか関係ない様な言い方して。おまけにエルシャはあれを投げ飛ばしてくるから」

 

「あははは…」

 

ヴィヴィアンとエルシャは昨日お風呂場でアンジュとサリアがもめているのを目撃し、見なかったことにする際にエルシャが火に油を注ぐよな真似をして、二人は反省文を欠かされる羽目になった。

 

「でもアンジュとサリア、よく風邪引かなかったね?」

 

「そうね、特にアンジュちゃんはいつ引いてもおかしくなかったらか」

 

「そう…(言われてみれば私全然どこも悪くないわ…どうしてかしら?)」

 

そう思うアンジュ、しかしそれは真也が作ったナノマシンのお陰である事を気づいてない。

 

 

 

 

 

───────────────────────────────────────────

 

 

 

 

 

そして翌日、ドラゴンが出現した事に第一中隊に出撃命令が下る。

 

「総員騎乗!」

 

サリアの掛け声にアンジュ達はすぐさまパラメイルに乗り込み、サリア隊が全機出撃した。

 

 

戦闘地域に入った第一中隊、そこにゲートが開きスクーナー級が無数出て来て、そしてそこに角が生えた巨大なドラゴンが三体出現し。それを見たアンジュ達は驚く。

 

「三匹!?」

 

「って言うかでか!?」

 

「あらあら大きいわ~」

 

ヴィヴィアンが思わず驚き、エルシャは苦笑いしながらのん気に言っていた。

 

「サリア、アイツのデータは?」

 

「あんなの、見た事無いわ…」

 

サリアはデータのないドラゴンに悩まされる中でロザリーとクリスが驚く。

 

「見なことないって事は!」

 

「まさか…まさか!」

 

「初物か!」

 

ヒルダは思わず喜びの笑みを上げる。

 

「初物?」

 

司令室でジル達と見ていたエマは聞き慣れない言葉を聞いて首を傾げる。

 

「監察官は初めてでしたか、過去に遭遇のないドラゴンの事ですよ」

 

ジルはエマにその事を説明し、納得させる。

一方戦場では未遭遇のドラゴンにヒルダ達は盛り上がっていた。

 

「コイツの情報持ち帰るだけでも大金持ちだぜ!」

 

「どうせなら初物喰いして札束風呂で祝杯といこうじゃないか!」

 

そう言ってヒルダ、ロザリー、クリスの三人が未遭遇のドラゴンに突撃して行った。

それにサリアは慌てる。

 

「ちょっと!待ちなさい!!」

 

「…なんか髪の毛がピリピリする」

 

っとヴィヴィアンが言った言葉に近くにいたアンジュが振り向く。。

そしてヒルダ達が大型ドラゴンに突撃しようとしたその時!

 

「っ!! ヒルダ戻れ!!」

 

ドラゴンが咆哮を上げたと同時にと角が光りその瞬間周囲が何かに包まれた。

ヴィヴィアンが警告を促したが時既に遅くヒルダ達の機体が囚われてしまった。

 

それにヒルダ達は苦しむ。

 

「なっ!?」

 

「う…動けねえ…」

 

「一体何なの…コレ!?」

 

三人が混乱している中、アンジュ達が上空で見ていると。

 

『新型ドラゴン周囲に高重力反応!』

 

「重力!?」

 

オペレーターからの解析結果にサリアは驚く。

 

更にドラゴンが角を光らし、重力範囲を広げ始めた。

 

「か!回避!!」

 

サリアが叫ぶも時は既に遅し、アンジュ、サリア、エルシャ、ヴィヴィアンが重力に捕まってしまい、三体のドラゴンはアンジュ達を包囲して行きながら、高重力を高めていく。

その影響はパラメイルにも徐々に影響を及ぼし、機体に亀裂が入り始める。

 

「おい!やばいって!」

 

「つ!潰れるよ!助けて!ヒルダ!ロザリー!」

 

「動けよ!お前にどれだけ大金描けたと思ってんだ!」

 

上手く動かそうにも動けない皆、アンジュの必死に動かそうにも高重力場の影響で動けなかった。

 

「(くっ! このままじゃあ…!本当にやられる…!)」

 

その思いは体内にあるナノマシンがそれを感知し、すぐにフリーフォックスの元に送信した。

 

 

 

 

───────────────────────────────────────────

 

 

 

 

そして真也が例の物を完成させる間近の時に基地の緊急警報機が鳴り響き、それに真也は見上げる。

 

「(これは!)」

 

「おい真也!」

 

すぐさまソーン達が駆け寄ってきて、真也はソーン達と顔を合わせると、それにソーン達はうなづいて、真也はソーン達と共に司令室へと向かう。

 

司令室へと到着した真也達はモニターを見ると、近くの大陸に大型のドラゴンとアンジュ達が戦闘している映像が映し出される。

アンジュたちが重力場に捕まっており、絶体絶命のピンチに立たされていた。

 

その映像を見た真也。

 

「アンジュ!」

 

「おい真也! ちょっとヤバくないか?!」

 

「助けないと死ぬよあれ」

 

ジョージの言葉を聞いて、真也はすぐに決断をする。

 

「よし!皆!助けに行くぞ!」

 

「初の出撃だね!」

 

そう言って皆は格納庫へと向かっていき、その様子をソーンとジークはジッと見つめていた。

 

 

格納庫へと付いた真也たちはすぐにガンダムへと乗り込み、起動させて、格納庫のハッチを開ける。

 

真也のエクストリームガンダムば前に出て、スラスターを全開にする。

 

「星野真也!エクストリームガンダム出る!」

 

エクストリームガンダムが格納庫から飛び出していき、その後にソルト達がスラスターを全開にする。

 

「ソルト・マーク! ガンダムデュナメス出る!」

 

「リコ・ジェイソン!ガンダムグシオンリベイクフルシティ!行くぜ!」

 

「ラッセル・アレイ!Zガンダム行きます!」

 

「トラビス・ベルナルド!ヴェルデバスターガンダム発進する!」

 

「ジョージ・ライカーズ ガンダムキマリス出るよ」

 

ソルトたちのガンダムが真也のエクストリームガンダムの後に続き、Zガンダムがウェイブライダーに変形して、真也達はアンジュ達の元へ駆けつけるのであった。

 

 

アンジュ達の様子をアルゼナルの司令室で見ているジル達、するとパメラがレーダーにある物を捉えた。

 

「指令!第一中隊の元に謎の飛行物体6体が接近!」

 

「何?」

 

っとその事にジルは眉をひそめ。エマは驚く表情をする。

 

 

 

───────────────────────────────────────────

 

 

 

重力場で絶体絶命のピンチを迎えている中でサリアはこの状況をどうするかを考えていた。

 

「(どうする…、部隊の全滅だけは避けなければいけない、最悪我々だけでも機体を捨てて脱出…いえ、そんな事をすればこの重力場に!それにヴィルキスも!どうすれば…!)」

 

厳しい決断を迫られていると、一発のビームが大型ドラゴンに向けて放たれる、しかし重力影響で軌道が僅かにずれて、それにドラゴンは回避する。

 

「「「!?」」」

 

アンジュたちが振り返ると、エクストリームガンダム達が飛行しながらやって来て、エクストリームガンダムがヴァリアブル・ガンを構えて撃ったのだ。

 

「はっ!?」

 

「何あれ!?」

 

「うおおおおおおお!!何あれ!かっけええええええええ!!」

 

ヒルダとエルシャが驚き、ヴィヴィアンはエクストリームガンダムの姿を見て興奮していた。

 

そんな中でアンジュはエクストリームガンダムを見て驚く。

 

「真也!?」

 

「真也…! まさか!?」

 

アンジュが言った言葉にサリアは驚きの表情をする。

 

そしてエクストリームガンダムに乗る真也は撃ったビームがそれたことに舌打ちをする。

 

「チッ、やはり重力場の影響でビームにも影響が出るか。でも大出力のビームだったら。トラビス!」

 

「分かった!」

 

トラビスはヴェルデバスターの350mmガンランチャーと94mm高エネルギービーム砲、M9009B複合バヨネット装備型ビームライフルを同時に構えて狙いを定める。

 

「発射!!!」

 

トリガーを引いて、無数のビームが放たれていき、そのまま一体の大型ドラゴンに直撃し、倒れていく。

 

「おっしゃトラビスの奴やったな! 次は俺の番だ!!」

 

リコのグシオンリベイクフルシティがそのまま重力場に突入し、なんの違和感もなく着地してシザーシールドを構える。

 

「ちょっと!なんで平然と立てるの!?」

 

「すげぇえ!」

 

平然と着地するグシオンリベイクフルシティをアンジュ達は唖然としながら見て、ヴィヴィアンはのんきに興奮しながらリコは笑みを浮かばせながら突っ込む。

 

「行くぜええええええ!!!」

 

バーニアを吹かせながら突っ込み、斬り込みながら押し込むが、あとちょっとの所で止まってしまう。

大型ドラゴンはそのままグシオンリベイクフルシティを見て、リコがやばそうな表情をする。

 

「やべ!」

 

「何やってるの」

 

っとそこにジョージのキマリスがキマリスブースターを使って突進していき、一気に横腹を貫き通していく。

 

大型ドラゴンは悲鳴をあげながら倒れていき、キマリスはその場で着地する。

 

「油断しない事だね」

 

「ぐっ…」

 

ジョージの突っ込まれた言葉に悔やむリコ、そして真也とソルトとラッセルはヴァリアブル・ガンとGNスナイパーライフルとビームライフルを構える。

 

「ソルト、ラッセル。同時攻撃で仕掛けるぞ」

 

真也がその事を二人に言い、それに二人はうなづく。

 

「一発じゃダメだしな」

 

「同時なら行ける可能性ありだもんね」

 

「よし!行くぞ!」

 

真也の掛け声と同時に発射して、三つのビームは地場の影響を受けながらも一発ずつ当たり、大型ドラゴンは悲鳴をあげながら倒れていった。

三体の大型ドラゴンは倒され、アンジュたちはただその光景を見ていた。

 

そしてアンジュの前にエクストリームガンダムがゆっくりと降りてきて、真也はアンジュに通信を入れる。

 

「ようアンジュ、大丈夫か」

 

「真也!?あなたどうしてここに!?」

 

「お前のナノマシンが救難信号を発信したから、駆けつけたんだよ」

 

っとアンジュは以前ジークからナノマシンを打たれた際にその事を言われたことを思い出し、それで真也たちが駆けつけたとなれば納得が行く。

 

そんな中でヴィヴィアンはレイダーから降りて、真也達のガンダムに駆け寄ってくる。

 

「すっげぇぇぇぇ!!ねえこれ何で出来てるの?! めっちゃ知りたーい!」

 

「ヴィヴィちゃん、ダメよ勝手に近づいてちゃ」

 

興奮してくるヴィヴィアンに止めに入るエルシャ、真也達は思わず下を見る。

 

「ありゃりゃりゃ、どうするよ真也」

 

「う~ん…このまま見せてやりたいけど、そろそろ退散しないとな。ソルト、GN粒子散布、レーダーをジャミングしながら帰投するぜ」

 

「了解だ」

 

「おし、じゃあなアンジュ」

 

そう言って真也達はバーニアを点火させて、そのまま上昇していき、ガンダムデュナメスがGN粒子を散布しながら、フリーフォックスの基地に帰還していった。

 

「真也…(…ありがとう真也、来てくれて)」

 

アンジュは心の中で真也にお礼を言い、立ち去っていく様子を見届けた。

 

その際にヒルダとロザリー、そしてクリスの3人は何故か思い当たる表情をしていた。

 

「(リコって…まさか)」

 

「(トラビス…、どこかで聞いたような)」

 

「(あの声…まさかジョージ?)」

 

っと何故か思い当たる表情をするヒルダ達に当然リコとトラビスとジョージの3人は気づかずにいた。

そしてサリアは…。

 

「指令…」

 

『今は泳がせて置く、だがいざと言う時は…』

 

「はい、なんとかします」

 

っとジルと極秘通信で話すサリアは一体何をするのかまだわからなかった。

 




考えてる最中なんですが、一応真也とアンジュ以外のキャラのカップルの成立はこの様に考えています。

ソルトとサリア

リコとヒルダ

ラッセルとエルシャ

トラビスとロザリー

ジョージとクリス

このメンバーです、ヴィヴィアンの方はまだありませんが、少なからずフリーフォックスの者たちじゃありません。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。