ソードアート・オンライン 〜少年よ〜   作:ちゃーもり
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初めまして。ちゃーもりです。

未熟者ですが、頑張っていくつもりですのでどうかよろしくお願いします。


EP.0 世界へ

2022年人類は遂に──完全なる仮想現実を実現した

 

 

 

2022年11月6日、その仮想世界──VRゲーム、ソードアート・オンラインの正式サービスが始まる。

 

そして、その世界に一人の少年が降り立とうとしていた

 

◇◆◇

 

 

ピピピ………

 

 

暗い視界の中、耳障りな音が脳内に響きわたる。

 

俺は完全に眠気の取れない脳と体を起こし、ベッドに腰掛け大きなあくびをしてからゆっくりと起き上がる。

スマホで時間を見てみればもうすでに11時半を回ろうとしていた。

 

今日は遂に待ちに待った日だ。そんな日を寝過ごしてしまったなんてなったらたまったもんじゃない。

 

そんなことを考えながら俺は部屋を後にして、1階のリビングへと向かう。

 

1階に降りると炒飯の香ばしい匂いが漂い、この時間となればもう既に昼飯が出来上がってる頃のはずだ。

そしてその香ばしい匂いを堪能しながら戸を開ける。

 

「もう11:30だぞ?今日はやけに遅起きだったな」

 

扉を開けると、台所からよく通る低い声が聞こえた。

そちらに目を向けると、食器を洗っている俺の実の兄の姿があった。

 

「ついつい夜遅くまで調べ物してたからな…」

 

「どうせ、SAOの事だろ?全くお前飽きねぇな…」

 

そう。昨日は待ちに待ったソードアート・オンライン正式サービス間近という興奮が抑えきれずにずっとネットを見ていた。

そして気づけば寝落ちをかましていて、この時間まで寝ていた訳だ。

 

「そういう兄貴だって楽しみで仕方ないんだろ?」

 

「まぁな。なんたって今日が正式サービスなんだからな」

 

今日は2022年11月6日、SAOの正式サービス当日。

今か今かと1万人という多くのプレイヤーが待っている事だろう。

 

「それよりもだ、時間までは少しあるんだから飯さっさと食っちまえよ」

 

「あいよ………そういえば…二人共仕事か…?」

 

席につき、スプーンに載せた炒飯を頬張りながら二つの空席を眺める。

 

「あぁ、親父もおふくろも仕事だとよ」

 

俺達の両親は共働きの為、昔から家を空けることが多かった。

だから、俺の面倒は昔から兄貴が見てきてくれた。

まぁ……家族の仲は悪いわけじゃない。というかむしろ……両親はラブラブ夫婦だ。

そんな両親から俺はナーヴギアとSAOのソフトを買ってもらったので文句なんて言えない。

 

「いいよなぁ……兄貴はβテスト当選したんだからさ」

 

「なぁに……ただ運が良かっただけさ………あと気合い」

 

ドヤ顔でそう言う兄貴はたった1000人という枠しかないSAOのβテストに当選した。そして、俺は落選という結果だった。

兄貴からβテスト時の話は色々聞いたはしたが実際に自分の目で見てないので、遂に自分の目で完全なる仮想現実を見れることが楽しみでたまらない。

 

「兄貴はソードスキルの発動の仕方とか色々知ってんだろ?」

 

「気合いって所無視かよ…………まぁ、伊達にβテスト時に6層まで行ったわけじゃねぇからな」

 

「あんなにやり込んでた兄貴でさえ2ヶ月で6層か………」

 

兄貴からSAOはとてつもなくハードなゲームだと聞いていた。それに、βテストに当選した1000人の中にはレベリングの仕方もわからないという初心者が相当多かったらしい。

 

「俺の知ってる奴の1人に8層まで行った奴がいるぞ。アイツは俺らとは明らかにレベルが違ったよ」

 

 

「へぇ……そんな凄いやつがいたのか……当然正式サービスの時に会うのが楽しみだ」

 

生粋のゲーマーなら自分よりもレベルの高いプレイヤーが入れば当然対抗心が芽生え、勝ちたいと思ってしまうものだろう。

俺もその類だ。そんなすごいプレイヤーがいるなら俺も負けずに上へと上り詰めたいものだ。

 

俺達はSAOへの楽しみが抑えきれず、あれこれと話し込んでいて気が付けばもう既に正式サービス開始15分前となっていた。

 

「っと………もうこんな時間か。そろそろ正式サービスぴったしにログインできるように準備するか」

 

そう言って兄貴は食器を持ちながら椅子から立ち上がり、流し台に食器を置く。

それを確認すると兄貴と一緒に俺はリビングを出て二回へと登っていく。

 

「ログインしたら転移門の所に来い。フランって名前のアバターを探せ。それが俺のアバターネームだからよ」

 

兄貴は部屋の前でそう告げると部屋へ入っていった。

 

そして俺も自分の部屋へと入り、ナーヴギアを取り出す。

ベッドに横たわり、ナーヴギアを被ってその時を待つ。

いよいよだ。いよいよ待ち焦がれていた仮想世界に行ける。

 

正式サービス開始の時間へと刻々と近づきそれに比例するように俺の高揚感も高まっていく。

あと数分が待ち遠しい。1秒1秒が長く感じる。

 

12:58…

 

どんな凄いプレイヤーがいるのだろうか。

 

12:59…

 

どんな美しいフィールドが存在するのだろうか。

 

残り30秒

 

どんな強いモンスターがいるのだろうか。

 

3秒

 

どんな戦いが広がっているのだろうか。

 

2秒

 

どんな武器がどれだけあるのだろうか。

 

1秒

 

どんな出会いが待っているのだろうか。

 

13:00

 

正式サービス開始。

 

ついに始まった。その瞬間、俺は目を閉じ、まだ見ぬ世界への希望を胸に、現実と仮想を繋げる呪文を唱える。

 

 

「リンクスタート!!」

 

現実世界から仮想世界へと誘うその言葉と共に、視界が一瞬白くなり俺の意識は自身の体から離れていった。

 

ここから俺の物語が、戦いが始まるんだ!

 

 

 

 

 

 

​───────俺達はまだこの時、ソードアートオンラインはただ遊びのゲームだと勘違いしていた。




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