黒猫ほんわか攻略日記   作:菜音

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星戦と書いて聖戦

 

 

 

いつもマンションの例の一室

 

 

「むふー!どうよ強化された私は!」

 

「お、おう!流石はリヴェータ!」

 

「でしょう!」

 

マスターに誉められて満面の笑顔になるリヴェータ。

 

 

 

今月のイベントはなんと覇眼戦線の最終章前編

 

 

これまで長く続いて来たロングセラーなイベントなだけあり終わるのかと残念であるが同時にこのシナリオの最後とだけありどのように終わるのかは非常に気になるところ。

 

 

早く攻略をはじめたい‥‥

 

 

が、その前にも色々やらないといけない事をやってたら流れること一週間。

 

いざ始めようとしたら恒例の前作精霊の強化のお披露目というわけだ。

 

 

「これで私も強くなったよね?」

 

「そうだな、所属先とか用途はこれから決めるとして、今回はお前のイベントだしね。思い存分暴れてこい!」

 

「ええ!」

 

「リヴェータさんおめでとう。」

 

「おめでとうございます。」

 

「ありがと、リレイ、フィオル。今回はアナタ達も出るの?」

 

「いや~私の部隊はチェイン乗らないと火力出ないから様子見かな。」

 

「私は隊に所属してませんので出番なしです。」

 

 

リヴェータの出番に喜ぶ精霊達。

 

俺も古参のリヴェータをまた活躍させられそうで嬉しい限りだ。後はアサギだが‥‥。そのうち強化されるだろうか?

 

 

「しかも今回のガチャのリヴェータ、かなり強そうだしね。これでリヴェータの株がまた上がるな。」

 

「そうよ!こんなに強い精霊滅多にいないんだから。しっかり当ててよね。」

 

「と、言うわけで。リィルさん。クリスタルは?」

 

「うんとね‥‥」

 

俺に言われて石の集まり具合をまとめたモノを確認してくれる。前の告白からまた参謀役に戻ってくれたリィルさんだが、リレイとかはじめ新規水精霊たちとも仲良くやっているようだ。

 

「十連分は確保したわ。あとイベントやれば更に集まるからいけるんじゃない?」

 

ただ少しふくれてる。

 

ふもとのカフェガチャで彼女を引けなかった事をまだ根に持たれてるようだ。

 

 

 

「よ、よし。じゃあガチャを引いたら早速イベントを‥‥」

 

「マスター!ご報告します!」

 

俺が画面を開く前に叡知の扉から急いだ様子でサーシャさんが出てきた。

 

 

「またまた慌ててどうしたの?」

 

「そ、それが新イベントです!」

 

「うん?これから覇眼だろ?これから行くけど‥‥」

 

「いえ!AbCdの新イベです!そして新キャラのガチャも始まりました。」

 

これのその場にいた一同が固まった。

 

 

「ウソでしょう?」

 

「私達、まだあの魔女に勝ててないのに‥‥」

 

「ついに来たか‥‥」

 

度々復刻したりレイドしたりしてたからこうなるのではと危惧していたけど、まさかこのタイミングとは。

 

 

「どうしよう。石どっちに回そう?」

 

「はぁ?私の方に決まってるでしょう!」

 

当然リヴェータが抗議する。

 

「AbCdガチャはどうせテルミドガチャでしょう?あのガチャでテルミド以外出た記憶あるの?」

 

「いや、変態の兄の方が当たってる‥‥」

 

「アイツだけでほとんどテルミドでしょうが。もう三人いるのよ。」

 

 

「でも!AbCdのと戦いはマスターの願いでもありますよ!」

 

「そうだ。あんな神々しいキャラ達とあのストーリー‥‥真面目に黒猫やってる人ならあの聖戦を戦いたいと思うだろ?」

 

そして、あの鬼畜イベントを戦い抜くにはAbCd精霊が必要なこともわかっていた。

 

 

「そりゃわかるけど!でも!」

 

リヴェータが言いたいこともわかる。もし仮に引けても勝てるかを言いたいのだろう。

 

 

現にあのクソBBA。ストルがいても勝てなかった。もし妹がいたら違った結果かもだけど。

 

 

「マスター!しかしAbCd精霊は滅多にチャンスがありません。しかも過去の精霊も出るのですしここで悲願のミルドレッドを!」

 

「いや!ここは覇眼の精霊達にするべき!うちの陣営にどれだけいると思ってんの。彼らに恨まれるわ。」

 

フィオルとリィルの意見が真っ向からぶつかる。

 

サーシャさんとリレイはどちらとも言いにくいという顔をしている。リヴェータにいっては懇願するような顔でこっちを見てくる。

 

 

むむむ‥‥こんな時どうすれば‥‥

 

 

「よし、とりあえずストーリーを見ようかな。」

 

 

 

数分後‥‥

 

 

「感動したぞ!」

 

「早っ!」

リヴェータのツッコミ

 

「いや、マスターこの手のシナリオいつも感動してません?」

今度はフィオルがツッコミ

 

「だって!今までのAbCdみたいに二人が望まない戦いをするのではとひやひやしてたら、まさかのハッピーエンド‥‥うっううう‥‥」

 

「ええっと、星滅んで二人だけになってたけど?」

 

「決めた!俺はこの二人を我が陣営で再会させる!」

 

「え‥‥まさか。」

 

「このガチャを引くぞ。」

 

「イヤイヤイヤ!引けるわけないじゃん。それに引けたとしても勝てるの?相手はAbCdだよ?」

 

「リレイの疑念ももっともだ。」

 

「なら‥‥」

 

「でもそれを言ったら覇眼でリヴェータ引くのと大差ないだろうが。」

 

「あ、ホントだ。」

 

リレイは丸め込まれた。

 

「しかし、AbCdに挑むのは無謀かと。」

 

「そ、そうよ!」

 

「俺が困った時助けてくれるのが参謀だよな?」

 

「いや、参謀は上を諌めるのもしご‥」

 

「フィオル、リィル。期待してもいいかな?」

 

「‥‥しょうがないわね。」

 

「リィル?!」

 

「この人、言い出したらやるまで止まらないし。だったらあんまり悲惨なことにならないようサポートした方が早いかな?」

 

「はぁ‥‥リィルがそう判断するのなら。」

 

リィルとフィオルも丸め込まれた。

 

「よーし!じゃあいくぞ!」

 

「「はーい!!」」ぞろぞろ

 

 

「え、ちょっと‥‥」

 

リヴェータのみが残された。

 

 

 

ちなみにガチャの結果は大勝利

 

アステラとテルミド(四人目)をGETした。

 

更に雷軍は余裕でクエストにも勝利、覇眼そっちのけで掘り作業が始まってしまった。

 

 

「わ、私の、私が主役のイベントなのに~~!!」

 

 

 

 

 

 

 


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