このすば! ─カズマがいた異世界最初の街は王都にある王城です─   作:Sakiru
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別れ

 

 俺の名前は佐藤和真。

 アイリスと友達になった俺は現在、

 

「クソぉおおおお! また負けたぁああああ!」

 

 休み時間にやっていたボードゲームを再び彼女と興じていた。

 というか、アイリスが容赦ないのだが。

 昼とは格段に違うその強さに俺はその訳に気づき、アイリスをじとりと見る。

 

「なぁアイリス。お前もしかしてだけどさ、昼は手を抜いていたのか?」

 

「……ええっと、それは……その」

 

 その言葉を聞いて俺は確信する。

 ……どうやら俺は、接待プレイをされていたようだ。

 だがゲーマーの俺が、年下の女の子に負けて──友人になったとはいえ──黙って見過ごせる訳がない。

 しかも接待プレイなどと、俺は断じて認めない!

 俺の雰囲気が変わった事に目敏く気づきおろおろするアイリスを見て俺は、

 

「アイリス、もう一回だ。もう一回勝負しろ! ……いや、勝負してくださいお願いします!」

 

 頭を下げて情けなくお願いするしかできない。

 

「はい、もちろんですカズマ様。何度でも貴方を倒してみせます!」

 

「それじゃあ勝負だ」

 

 再び駒を初期の位置に並べ直しがら俺はある事に気づく。

 

「なぁ、せっかく友達になったんだから、俺の事は呼び捨てでいいぞ? 別に俺は歳とか気にしないし……」

 

「……申し訳ございません、カズマ様。私も何度か心の中で試したのですが……どうやら癖のようでして、すぐには……」

 

「そっか。なら、アイリスのペースで大丈夫だよ」

 

「はい!」

 

 さて、今度は本気で勝ちにいかせてもらおう。

 それに、先ほどまではアイリスの癖を見る為の準備期間だったからな。

 ……決して、最初から本気でいってた訳ではない。

 ないったらない。

 アイリスは引っ込み思案な性格の裏に、かなり脳筋的な思考があるようだ。

 上位職である〈ソードマスター〉を何時も使ってるのがいい証拠だ。

 そしてピンチになれば守っていたアークウィザードのスキル『エクスプロージョン』を使い、勝負をなかった事にする。

 それが分かればどうとでもなる筈だ。

 俺は勝利を確信した笑みを浮かべて。

 

「くっくっ……。悪いなアイリス。アイリスの癖はだいたい分かったからな、これからは俺の独壇場だ!」

 

「あっ、カズマ様もそうだったのですね」

 

 ……えっ?

 

「それじゃあ私も本当に心置き無く戦えます!」

 

 …………えっ?

 

「いきますよ、カズマ様!!」

 

  …………。

 

  …………俺は絶望を揉み消して、不敵な笑みを浮かべる。

 

「とっとと来いやぁああああ!」

 

 ゲームには圧倒的差をつけられて負けました。

 

 

 §

 

 

 翌日。

 ゲーマーらしく寝落ちをしていた俺は、王城内の騒がしさで目を覚ました。

 隣にはアイリスがすやすやと可愛らしい寝息をたてながら熟睡している。

 そんなアイリスを見守っていると、

 

「サトウカズマ! アイリス様をご存知ないか!?」

 

 それを邪魔するかのようにバンっと盛大な音をたてながら扉を開けた白スーツとレインさんが部屋に入ってきた。

 何やら慌てているが、アイリスならここにいるだろうに。

 

「落ち着けよ白スーツ。アイリスならここで寝ているよ。全く、貴族様は朝から煩いですね! もうちょっと配慮をしたらどうですかぁああ!?」

 

「……それについては謝ろう。……そうか、アイリス様は貴様の部屋で御休みになっていたのだな。良かったよかった」

 

「ほら、これで用件はすんだか? ……ならとっとと出ていって! すぐに出ていって!」

 

「……朝から失礼した。それでは私は仕事があるので──って、何故アイリス様が貴様何ぞの部屋にいるのだ!」

 

 朝からギャーギャーと騒ぐ貴族様を呆れて見ながら俺は、

 

「いや、昨日は夕飯の後ずっと一緒にいたからな」

 

「んな!?」

 

「いやぁ、アイリスにまいったと言わせるのに結局今日を跨いじゃってさ、本当にアイリスは強いなぁ」

 

 懇切丁寧に昨日──いや、今日か──の事を話してやる。

 するとクレアは何故か清々しい笑顔を浮かべて腰に吊るしてある鞘から勢いよく剣を抜刀した!

 だが俺は堂々と片手を出す事で奴を黙らせる。

 昨日とは違う俺の態度にクレアは怪訝そうな顔をしながらも剣を納刀した。

 ……本当はかなり怖いのだが。

 

「まぁ、待てよクレア。これにはだな、富士山よりも高く、日本海より深い理由があるんだ。そう、これを聞いたらお前は衝撃のあまり言葉も言え……──」

 

「──早くしろ」

 

「分かりましたクレア様! だからその剣を下ろしてください! ……ま、まぁ何があったのかと言うとだな、アイリスが昨夜俺の部屋に遊びに来たんだよ。それでそのまま遊んでたら何時の間にか寝ていて、さっき起きた訳だ」

 

 アイリスがこの部屋に来たのは本当だし、一緒にゲームをした。

 

 だが一つだけ俺は嘘をついている。

 

 アイリスは途中部屋から出て自室に帰ろうとしたのだが、勝ち星を一つも得られなかった俺はそれが悔しくて引き留めたのだ。

 普段、王族であり子供でもあるアイリスは夜更かしをせず、規則正しい生活を送っているのだろう。

 だが生憎(あいにく)俺は学生兼引き籠り兼ニートだったので一日起きている事何てよくあったので無駄な、いわば『夜耐性』が付いている。

 長期戦に持ち込んで時間を稼ぎウトウトしているところを狙って俺は勝ったのだ。

 ……卑怯だと自分でも少し思うが、これは作戦なのだ。

 心優しいアイリスはきっと許してくれるだろう。

 つまりだが。アイリスがこの部屋で寝ている責任は、殆ど俺にある。

 だがその事を指摘できるアイリスは只今熟睡中だ。

 バレなければ、犯罪ではないのだ。

 

「……今回だけは、不問にしよう」

 

 渋々諦めるクレアを見て俺は。

 

「おいおいどうした白スーツ。お前もしかして風邪でも引いているのか? だったら今日は休んだ方が……」

 

「貴様は人を馬鹿にしないと気が済まないのか! ……アイリス様は、このご年齢で自身の立場をよく解っていらっしゃる。我儘を言わないのは、王族である事を意識している証拠だ。だがな、王族としては立派なアイリス様なのだが、一緒に遊ぶ人はいなかったのだ。何せ、ここは王城だからな、アイリス様と同年代の子供などいる筈もない。だがしかし、忌々しいが貴様はそれを見事にやってみせた。だからなサトウカズマ。これからもアイリス様を短い間だがよろしく頼む」

 

 クレアはどうやら、アイリスの事をかなり心配していたようだ。

 俺も王城で働いていたら、アイリス王女の事を心配するだろう。

 何だったら、涙も流すかもしれない。

 俺はクレアを安心させる為に。

 

「あぁ、俺がここにいる間は任せとけ」

 

「そうか、それでは頼むぞ。……アイリス様私は今から仕事がありますので、失礼致します」

 

 寝ているアイリスに敬礼し、背を向けたその時。

 

「……クシュン。……カズマ様、クレア、おはようございます」

 

 何の因果かアイリスが眠りから目を覚ましてしまった。

 今までの俺とクレアの会話はかなり良かったと自分でも思うのだが、もし朝の騒ぎの犯人が俺だと知れたらどうなるだろうか。

 俺はそれを想像した瞬間、身体が震えそうになるが、ここはグッと我慢する。

 アイリス、頼むから変な事を言わないでくれよ……。

 

「あぁ、おはようアイリス」

 

「おはようございます、アイリス様。それでは私は失礼……──」

 

「──カズマ様、昨日は(ずる)いと思います! 」

 

「ちょっ……ま、待って、待ってくださいアイリス様!」

 

「いいえ、待ちませんとも!!」

 

 俺達のやりとりをおかしいと感じたのか、仕事に向かうはずのクレアがどういう事だと遂に聞いてしまった。

 

「……な、何でもない。それよりシンフォニア卿、貴殿には仕事があるのではなかったのかな? 駄目だぞ、仕事はちゃんとやらないと。アイリス姫にも悪影響を与えてしまうからな」

 

「貴様には聞いていない! ……それでアイリス様昨夜何があったのですか?」

 

「聞いてくださいクレア!。カズマ様ったら部屋に帰ろうとする私を引き留めたのです」

 

 その瞬間、クレアの目が妖しく光った!

 こ、怖すぎだろコイツ……。

 

「ほうほう、それで?」

 

「それでですね、私がうとうとしてた時をカズマ様は狙ってですね、私に勝ったのです! どう思いますか?」

 

「……何か弁明があるのなら聞いてやろう。死刑囚にもそれくらいの権利はあるからな」

 

「まぁまぁ、落ち着けよ二人とも。特にクレア。……アイリス、それは悪かったが隙を見せたアイリスも悪いんだぞ? それにだな、俺の頼みを無視していればそうならなかった訳で……おあいこだと俺は思うんだ」

 

「ですがそれはカズマ様が、『アイリス、俺達は友達だろう? だったら友達に付き合うのは普通だと思うんだ。だからお願いします! もう一回、もう一回だけ勝負してください!』と仰ったからで……」

 

「サトウカズマ! 貴様ぁああああああ!」

 

 本気で殺しにかかるクレアを前に、俺は悲鳴を上げながら城内を逃げ回る事しかできなかった。

 

 

 

 §

 

 

 

 その後も、俺の王城での生活は楽しく続いた。

 

 

 ──そう、それは晴れ渡っていた青空の下で。

 

「カズマ様、このさっかーというスポーツはとても楽しいです!」

 

「そうか、それなら良かったよ。うんうん、やっぱり子供は外で元気よく遊ばないとな」

 

「アイリス様が怪我をしたらどうするつもりだ貴様ぁああああああ!」

 

 

 ──そう、それは分厚い雲が幾重にも重なり土砂降りの雨が降っている日。

 

「このかっぱという服は大変素晴らしいですね! たとえ今日みたいな土砂降りの日でも外に出て遊ぶ事ができます!」

 

「そうだろうアイリス。ほら、そこの草むらから聴こえないか? カエルの合唱が……」

 

「はい、大変素晴らしい歌声です!」

 

「アイリス様が風邪を引いたらどうするつもりだ貴様ぁああああああ!」

 

 

 ──そう、それは数多の星たちが輝いている夜空の下で。

 

「カズマ様、すごいお星様が綺麗です! あれは何座ですか?」

 

「あぁ、あれは夏の大三角だな。すごいなアイリスは! 何も知らないのに夏の大三角を見つける何て!」

 

「ありがとうございます。あの星達がとても綺麗に輝きなさっているものですから……」

 

「おぉ、これは綺麗だな。サトウカズマ、良くやったぞ! これならアイリス様にも悪影響を与えない!」

 

「あっ、カズマ様! 今星が動いていたのですが、あれは何ですか!?」

 

「……ま、マジかアイリス! それはなアイリス、流れ星といって──」

 

 

 その後も俺は王城で、という条件であったが様々な事をアイリスとした。

 王都に出る秘密の抜け道を探したり、宝物庫に忍び込んで俺だけ怒られたり、授業をサボってお昼寝したり、夜更かししてゲームをしたり……。

 この三ヶ月のでき事を思い返すと、本当にキリがない。

 だがそんな楽しい日々も今日で終わってしまう。

 そう、明日から俺は王城から……いや王都から出て駆け出し冒険者の街アクセルへと旅立つのだ。

 レインさんからこの世界の事を詳しく教えて貰った俺は、本来ならとっくの前にこの地を去らなければならなかったのだが……アイリスと楽しく過ごしていたら冒険に出る、という目的を忘れていたのだ。

 

「ふっ、そろそろ旅立たねばな……」

 

 王城内での思い出を振り返っていると、

 

「いや、私は貴様が常識を知った時点で早く出て行けと言っていたのだが……もはや何も言うまい」

 

 白スーツがそんな事を諦観した様子で告げてくる。

 それを俺は華麗に無視して恩師であるレインさんに向き直り。

 

「レインさん、この三ヶ月の間本当にお世話になりました。貴女から教わった事は決して忘れません。……何か困った事があったら言ってください。矮小(わいしょう)な私ですが必ずやお力になりますので!」

 

「カズマ様、それは解りましたからくれぐれも他の方にご迷惑をかけないようにしてくださいね、後生ですから!」

 

 涙を流しながら手を取り別れを惜しんでいると。

 

「おい貴様。どうして私とレインだとそんなに態度が違うのだ、答えろ」

 

 恐らくこれで会う事はないと思うので、俺は正直に一言。

 

「レインさんの方が圧倒的に人格者だと思うから」

 

 摑みかかってくる貴族様を何とか引き剥がし、何となくアイリスを見ると……そこには悲しそうな顔をしている女の子がいた。

 アイリスは俺の目線に気づいたのであろう。

 すぐに無理やり笑顔を作り、俺を見返してくる。

 俺が気づいたのだ。

 家臣であり、護衛でもある二人が気づかない筈がない。

 

「私達は今から仕事がありますので……」

 

「そうだな……」

 

 部屋を出る瞬間、クレアが『アイリス様を泣かせたら殺す!』と口パクをしていった。

 レインさんは『アイリス様の事、お願いしますね』だ。

 ……何も俺は、無駄な三ヶ月を送ってきた訳ではない。

 俺は最弱職の〈冒険者〉だが唯一のメリットとして本職には及ばないもののスキルポイントが許す限り全てのスキルを得る事が可能なのだ。

 このスキルというのはいわゆる職業の技であり、中には決められた職業でなければ取得できないスキルもあるらしい。

 ここ王都では、かなりの冒険者が訪れ滞在していく。

 俺は基本アイリスと遊んでいたが、彼女にどうしても外せない用事があったら王都に出てギルドに赴いたり、冒険者と会って話をしたりしたのだ。

 最初は舐められたが、俺の現在の寝床を教えると彼らは優しくなり、そんな優しい彼らは親切にスキルを教えてくれた。

 そう、これは王家の権力を勝手に使った脅迫では断じてない。

 れっきとした取引だ。

 数々のスキルを取っていった俺だが、その中に『読唇術』スキルと言うものがある。

 これは字の如くそのままの意味で、対象の唇の動きを読む事によりその意味を大まかにだが知る事ができる優れもの。

 クレアとレインさんは俺が『読唇術』を取っているのを知っているから口パクで伝言を残していけたのだ。

 俺が『読唇術』スキルの有能性に改めて感嘆していると、服の袖を強く引っ張るアイリスがそこにいた。

 きっとそれは、無意識なのだろう。

 それゆえ、とても力が強いのだが。

 

「……明日の朝には、行ってしまうのですね」

 

「……そうだな」

 

 ここで嘘を言っても仕方がない。

 俺が肯定するとアイリスは、泣きそうな顔になりながら、

 

「……行かないでください、と私は言う事ができません。……とても寂しいですし、悲しいですが……カズマ様の人生なのですから…………。もう二度とあなたとは会えないのですね……」

 

 ……そんな顔で言われたら、迷っちゃうじゃないか。

 ……アイリスの言う通り、明日別れたらもう王城には二度と訪れる事はないだろう。

 普通に居座っていたが、クレア曰く俺は素性の知れない平民だ。

 ……そもそも、俺は恵まれていたのだ。

 駄女神のミスとはいえ、寝床と美味しい食事を出され、この世界で初めての友達が可愛い女の子何て、恵まれてるにもほどがある。

 だけど。

 仲良くなった女の子を泣かせるほど、俺は落ちぶれていない。

 俺は笑顔を作って、『コンビニに行こうか』くらいの調子で明るい声を出しながら言った。

 

「なぁ、アイリス。確認なんだが、魔王軍の幹部はまだ誰一人として倒されていないんだよな?」

 

「……? はい、そうですがそれが何か……?」

 

「ならさ、俺が倒すよ。俺が倒しまくったらアイリスがこう言えばいい。『魔王軍幹部を倒した功績者を招きましょう!』ってな。そうしたらまた会えるさ」

 

「……本気、ですか?」

 

 アイリスがそう言うのも無理はない。

 何せ、何年経ってるかは知らないが魔王軍幹部は未だ誰一人欠けずに人類へと攻撃しているのだ。

 チートも持っていない俺なんかが討伐に行っても九分九厘死ぬだろう。

 正直、冒険何てする気は殆ど残っていなかったが、こうなったら話は別だ。

 俺は安心させる様にアイリスに微笑んで。

 

「俺を誰だと思っている? この国……ベルゼルグの第一王女であるアイリスの友達だぞ?」

 

 そう言ってやればアイリスは今までの中でも特に輝くような笑顔を浮かべて、

 

「……はい、また会いましょう!」

 

 

 

 §

 

 

 

 俺の名前は佐藤和真。

 今からレインさんの魔法『テレポート』によって俺はアクセルへと行く駆け出し冒険者だ。

 

「……本当によかったのですか? 必要最低限なお金だけ持っていくのは……」

 

「そうだぞサトウカズマ。貴様の事だから最高級の武器と防具を寄越せ! くらいは言うものだと覚悟していたのだが」

 

「おい、失礼にもほどがあるだろう白スーツ」

 

「そう思われたくなかったら、理由を答えろ」

 

「そんなの決まってるだろ、その方が楽しいからさ。あと、そんなものを装備していたら他の冒険者からやっかみを受ける気がしたからです」

 

「……貴様という奴は。まぁいい、もう貴様とは会わないからな、精々する」

 

「それは俺もそうだよ。……レインさん、お願いします」

 

「はい畏まりました。それでは魔法の詠唱を始めますので、少々お待ちを」

 

 レインさんが呪文を言い終えるまで時間が少しあるので俺は出送りに来てくれた人達を眺めた。

 リーシャン、クレアにレインさん。

 そしてアイリス。

 我慢ができなくなったのだろう。

 アイリスは涙をぼろぼろと流しながら、

 

「約束、守ってくださいねカズマ様。それと、手紙だったらできますのでもし良かったら……」

 

「生活が落ち着いたら送るよ。それともちろん、約束は果たすから」

 

「……! ……はいっ 」

 

「アイリス様、そろそろ……」

 

 そう言ってクレアがアイリスを呼び、最初の位置に戻る時、アイリスは突然振り向いて………。

 

 

 俺の頬にキスをした。

 

 

「「「!?」」」

 

 誰もがその光景に釘付けになるなか、当の本人であるアイリスは、

 

「それではまた! 私の初めての友達!!」

 

 そう言って太陽の如く暖かい笑顔を浮かべる。

 そして…………。

 

「そろそろいきますよ! 『テレポート』!!」

 

 俺の視界は真っ白に染まった。

 

 

 §

 

 

 そして現在。

 アクセルの街に着いた俺は。

 

「あー! やっと見つけたわよこのヒキニート!!」

 

「アクア様!? 一体どうなさったんですか!?」

 

 どこかで見た駄女神とイケメン、そして声こそ出していないが突っ立っている女二人に囲まれていた。

 というか、待て。

 何で仮にも女神であるお前がいるの!?

 

 あれぇー。

 

 








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