チノの旅   作:ウボァ(ヽ´ω')
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 初めまして!そして明けましておめでとうございます。

 ウボァ(ヽ´ω')と申します。絵文字通りの性格をしているので、投稿ペースは遅いです。初めての投稿となり、至らない部分も多くあると思いますが、少しずつ精進していきたいと思います。

 今作の主人公「チノ」はサスケ真伝に出てくるキャラです。見た目と年齢にギャップがあるので私が気に入っているキャラです。原作の方に出してみたいな~という短絡的発想でこの話を考えました。

 楽しんでいただければ幸いです。


第1話

 私は転生者だ。異世界で生まれて、物心ついた頃に前世の記憶の一部を思い出したのだ。記憶を思い出し、この世界の正体に気が付いた。忍者がいて、チャクラがあって、火の国木の葉隠れ、風の国砂隠れなどの忍びの隠れ里がある。


……あれ?これ『NARUTO』の世界じゃない?


 そして異世界転生によくあるのが原作キャラに憑依しているというお決まりだ。鏡を見て自分の姿を確認した。一目ではわからなかった。主要なキャラではなかったのだ。それどころか木の葉の人でも、他の五大国の人でもない。数分間頭を捻り、記憶をひっくり返してようやく気が付いた。私がNARUTOに多少詳しくて良かった。


……サスケ真伝に出てくる『チノ』じゃん!cv.加隈亜衣じゃん!


 チノとはNARUTOの外伝の一つであるサスケ真伝に登場するキャラクターだ。血継限界を持つ人物で、原作ではうちは一族、そしてその生き残りであるサスケに復讐しようとした人物だ。小さく幼い容姿が特徴のキャラ。

 まだショートカットになる前の薄い黄色の長いくせっ毛。血之池一族の血継限界、血龍眼を宿すであろう大きな瞳。前世から大幅に美少女へとレベルアップした体を自覚して、鏡の前で一人喜んだのは恥ずかしい思い出である。


 しかし、この体に転生してショックを受けたこともある。


 一つは本編に登場しないキャラであること。異世界転生、それも『NARUTO』の世界だ。原作に関わり、改変とかしてみたいが、チノは能力こそ強力だが戦闘はさほど強くなかった。無理に原作に介入などしても、動乱の中で死んでしまうかもしれない。

 もう一つは……この体だ。確かに美少女でとても可愛いのだが、チノは恐らく全然成長しない。身長と……胸が。サスケ真伝では、忍界大戦の後のサスケの腰ほどの身長しかない。だがサスケよりも年上だ。それも無表情のサスケの眉がピクっと動くほど。その後の展開で、あの年齢詐称大得意な大蛇丸すらサスケよりも年上ということに驚くほどのロリ体質なのだ。


 そんな私は今、原作通り御屋城エンと呼ばれる男の元で飼われている。住んでいるのではなく、飼われているのだ。

 御屋城エンは武器商人。その上血継限界コレクターでもある。行き場の失った血継限界を持つ者を屋敷で飼い、護衛団や仕事を手伝わせている。そのコレクションの中の一つとして私は飼われている。

 ただ、この時点で御屋城エンは私にあることを隠している。彼は私の実の父親なのだ。これは原作知識であり理由ももちろん知っている。彼が血之池一族を自身と私を残して全滅させたからだ。

 確か流れとしては罪を一族に擦り付けられ、うちは一族を雇った者たちから地獄谷と呼ばれる不毛の地に追いやられた。血の池一族は不毛の地で細々と暮らすことを余儀なくされたらしい。

 そして、小さなコミュニティ故のいざこざが積もり重なり、憎しみになって、最後は一族間で殺し合い。それにエンの妻、つまり私の母が巻き込まれ死亡。そして全てどうでもよくなったエンが一族を皆殺し。……それでも娘は可愛いと私は生き残ることができた。

 父親が親バカのおかげで助かった。だがそれを隠す為に、彼は私に今の生活を送らせている。苦しいが彼の絶望を考えると憎むことはできなかった。それほど耐えられない生活ということもないしね。コレクションとしての仲間もいたし、やることといえば戦闘訓練を受け、彼の実務を手伝うだけだ。


 いつかは親だと知っていると言うつもりなのだが、まだ勇気が持てないのだ。もうしばらくして尋ねてみるつもりではある。

 
 これが私の憑依転生後の生活。この生活は私が十二歳になるまで続いた。


◆◆◆◆◆◆◆


 「あの……私ってあなたの子供なんだよね?」

 十二歳になった頃、私は御屋城エンと二人っきりになる時にとうとう尋ねた。その問いを投げた瞬間、彼の雰囲気が一変した。彼は普段奇妙な形のサングラスをかけた、明るく気さくでノリの軽い人だった。だが私の問いに反応して冷たい威圧感を彼から感じた。

 私はたまらず尻餅をついた。予想と反応が全然違ったからだ。彼は私に嘘をついていても親バカだったはずだ。それなのに……そう考えていると彼の雰囲気が元に戻った。


 「ふ~……いつから気づいてたの?」

 彼は頭を掻きながらいつもの口調で尋ねてくる。どうやら私の急なカミングアウトに動揺を隠せなかったようだ。ばれるとは思っていなかったのだろう。現に彼の屋敷には私と彼を繋ぐものは無く、彼も血龍眼を見せず自身の術も戦闘訓練での怪我を治す医療忍術しか使わなかった。

 「ずっと前から……なんとなくだけど」
 「そっか……」

 彼はしばらく私から視線を外し虚空を見つめていた。そのサングラスの奥に見える瞳は、悲しげに遠い過去を見据えているようだった。

 「どうしてもっと早く言わなかったのさ?」
 「確証が無かったし、何か訳があると思ったから」

 原作知識で全部知ってるとはさすがに言えない。
 彼はまた何か思いふけた後、再び大きな溜め息をつく。そして私に近づき、未だ震える私の頭に優しく手をのせた。

 「ごめんな。バカな親で」

 それから彼は過去を話してくれた。大方原作と同じ内容。本人から聞ける分より詳しかった。原作以上の情報としては彼の妻、私の母について知れたことだろうか。よほど愛していたのか、妻の話になると止まらなくなっていた。

 ただその話の中に私にとって非常に影響のある情報が一つあった。母も低身長だったらしい。……成長は諦めよう。そう思った。

 
 それから私は彼の娘、御屋城チノとして生活し始めた。とは言っても公にではない。何故なら急に娘贔屓にされると今までの仲間に申し訳ないからだ。だから彼のコレクションの一人としての生活は続いた。これは私から父、御屋城エンに言ったことだ。

 ただ変わったことももちろんある。父と共に過ごす時間が増えた。戦闘訓練は継続しているし、彼の実務も以前に増して手伝っている。父と過ごす時間が増えて変わったことと言えば、彼自身に修行を付けてもらっていることだろうか。基礎的なことから、血之池一族の術、医療忍術を学んでいる。

 コレクションの仲間には、私がエンのお気に入りとなったと思われているらしい。そりゃあ実の娘だからね。こんな可愛いからね。

 そして父との確執を取り除いた今、私にはやるべき目標ができたのだ。今の目的は父の抱えるコレクション、血継限界を持つ忍の解放である。そのことについて父に話したこともある。実の娘に言われて検討してくれたのか、彼らの生活待遇は少し改善した。しかし、今すぐ解放は現実的に無理だとも言われた。


 元々彼らのほとんどはその特異故に、行き場を失った者たち。中には父がろくでもない方法で連れてきた者もいるが、大方は住んでいる場所を追われた者たちなのだ。今解放しても行く当ては無く、別の人の物になるのは明らかだった。


 世界が変わらなければ、彼らの様な者は自由に生きていけない。原作で言うなら第四次忍界大戦が終わった後の、忍の意識が変わった後でなければ彼らに居場所は無いのである。
 
 よって、私の目標は少し手順を踏まなければならない。第四次忍界大戦を終えなければならないのだ。


 本来なら戦争も止め、世界を平和に……と、息巻きたいところだが、私一人の原作への影響度などたかが知れている。うちはオビトやうちはマダラを止めることはできない。むしろ第四次忍界大戦を起こしてもらわなければ、私の望む平和にならない。あの全忍が協力せざるえない状況を作るしか平和の道は見えない。

……必要悪とはよく言ったものだ。まさに王道バトル漫画。


 ただ、私も戦争で大勢の人が死ぬのを許容できるわけではない。第四次忍界大戦を起こした上で、死者を限りなく抑える方法は……うちはオビトに輪廻転生の術を使わせること。

 実際に彼はナルトたちとの戦いで自分を取り戻し、輪廻転生を行おうとした。原作では黒ゼツに操られ、マダラを復活させてしまうことになるが。

 まぁ、具体的な方法はゆっくりと考えよう。まだ第四次忍界大戦までかなりあるはず。まずは自分を鍛えることから始めよう。力が無い者がいくら吠えても何も変わらないからね。



◆◆◆◆◆◆◆


 約三年間、父の指導の元忍術の修行に励んだ。彼は一族を全滅させた程の腕を持っており、引退した今でもかなりの実力を持っていた。能ある鷹は爪を隠すとはまさにこのことだった。

 
 さて私の修行の成果というと、チャクラコントロールは並の忍以上とのこと。血継限界の忍術や医療忍術を習得する上で必須の能力だったが、私には才能があったようだ。

 私の血継限界の能力の一つ、血龍眼もある程度使いこなせるようになった。幻術に特化した瞳術眼で、普通の写輪眼になら幻術で負けないそうだ。もちろん個人差はある。

 付け加えるなら写輪眼には万華鏡写輪眼など強力なのもある。万華鏡写輪眼にはおそらく幻術でも勝てない。良くて互角かな。

 使えるのは幻術だけで、技の解析もコピーもできない。こう説明すると写輪眼の劣化版だ。血之池一族を追い詰めるためにうちは一族を使ったのもうなずける。ていうか写輪眼が特別すぎるだけだから。さすが三大瞳術。

 ただ血之池一族の血継限界の能力はもう一つある。血を媒介にする能力だ。原作でチノが使っていたのは池に自分の血を垂らし、水を大量にコントロールする術と、対象の血液中に自分のチャクラを流し込み、起爆人間にするという爆弾魔もびっくりの術だ。他にも自分や相手の血を使う秘術をいくつか学んだ。

 他にも自身の性質変化である水と土。……はい、水と土で木遁って思った人、後で地獄谷ね。私転生特典とかこれといって無いからね。この世界の主人公じゃないから。

 後は分身や口寄せなどの基本的な術、医療忍術なども取得できた。ただチャクラ量はあまり多くない。むしろ主要な原作キャラが多く持っているだけ。螺旋丸とか千鳥とか、チャクラを扱う身になった者からしたら、なんであんなにポンポン使えるのって感じだ。私はいたって正常量である。

 また、体術はこれっぽっちも上達しない。まず体格が絶望的に終わっている。チャクラを纏えば多少ましに戦えるだろうが、基本接近戦はしない方が良いだろう。

 とまぁ、細々と成果を出しながら私は十五歳になった。ちなみに成長は止まった。……もう気にしない。


◆◆◆◆◆◆◆


 修行が実を結び始めたことを実感しだしてから半年間、私はとある準備に追われていた。調べたところ、今は原作スタートからおよそ五年前である。原作から五年前と言えば、イタチがうちは一族を虐殺するころである。確か今年イタチは十三歳。

……イタチってあの顔で私より二歳年下だったんだね。

 ちなみに準備と言っても、うちは一族全滅を回避するわけではない。現実的に無理だ。有名でもなんでもなく、どこの里にも属さない私が干渉できることは何もない。

 さらに言えば、私はうちはという一族を助けるつもりはない。そこまで気にしていないとはいえ、血之池一族を追い込んだ一族だ。うちはもうちはで悲劇の一族だが、そのうちはに悲劇を作られたのが私たちの一族だ。ただの善意で助けるつもりはない。

 先の二つも理由の一因だが、一番の理由は別だ。私は原作と乖離してしまう行為はしたくない。私が目指すのは第四次忍界大戦後の平和な世界だ。それまで私はコソコソと活動するつもりでいる。

 私が下手に動いて未来(ものがたり)が大幅に変化してしまうと困るのだ。私は物語の終盤だけ改変しようとしている。原作よりももっといいハッピーエンドを迎えたいのだ。

……願わくば私のこれからの行動が、バタフライエフェクトを起こさないことを祈るのみである。



  今回はこの作品の説明なのでつまらなかったと思いますが、最後まで読んでいただき誠にありがとうございます。次も見ていただければ幸いです。







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