天才物理学者が人理修復の為に呼ばれたようで   作:戦兎
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投稿したてなのにお気に入りにしてくれてる人が沢山居て驚いている作者です
これからもよろしくお願いします。ではどうぞ


特異点Fの戦い其ノ二

戦兎がビルドになり、最初の敵英霊を倒した直後。
何処から湧いて出たのか骸骨達が私達を囲むように現れた。マシュは盾で、戦兎はドリルクラッシャー?っていう武器で蹴散らしながら強引に進んでいった。でも、流石にジリ貧になってくる。

「だったら、コレだ」

戦兎は又あのベルトを取り出した。再び腰に巻き、例のアレ《フルボトル》を取り出す。今回は白と青のボトルだった。それをベルトに装填する。

〈ハリネズミ!タンク!〉

先の戦いで鳴った〈ベストマッチ!〉という音声は流れなかったが、戦兎は構わずにレバーを回す。

「変身!」

軽快な音楽と共に変身する戦兎。仮面の戦士もといビルドは白と青を基本とした姿に変わる。白い方は、ハリネズミだろうか?目に当たる部分もトゲトゲしており、右手も丸くなったハリネズミを思わせる感じに変化していた。青い方は戦車だとすると、今の姿はハリネズミタンクと見ていいだろう。

「はぁ!!」

ビルドが右手を突き出す。その右手から生えている棘が辺りに長く伸び、骸骨達を貫いていく。それを何度か繰り返した後、辺りを見れば骸骨達の残骸で溢れていた。
復活してこない所を見る限り、不死身では無いらしい。端から段々と虚空へと消えていく。

「暫くこのままで行くか…?」

悩むビルド。そうこうしている内に第二波がやってきた。今度はさっきより数が多い。ビルドは手馴れた手つきでベルトのレバーを回す。あの音声が辺りに響く。でも、今回は少し違った。

〈READY……GO!!ボルテック・アタック!!〉

音声が鳴り響くと同時に戦車のキャタピラを模した左足だけで素早く動き、ハリネズミの右手で骸骨達を刺しては投げる。ビルドはボトルによって戦闘方法が変わる臨機応変型なのがこれで分かった。
暫くして、又山積みになる骸骨達の残骸。それらも又虚空へと消えていった。それを見届けた後、ビルドは変身を解除して戦兎に戻る。そして、残骸が消える数秒前に何やら透明なボトルで何かを回収していた。

「ほぇぇ…凄いや」

「先輩先輩。言葉づかいが…」

「あっ…」

マシュに指摘され、癖になっている言葉づかいの間違いを訂正するかのように咳払いをする。
私は英霊というのをあまり見た事が無いが、仮面ライダーだけは知っていた。ここまで凄いとは想像もしていなかったが。

「よし、終わり。そっちは大丈夫?」

「あ、はい。大丈夫です、戦兎さん」

第三波は無いらしい。
ひとまずホッとし、先へ急ぐ途中。唐突に通信が入った。ロマニからだ。ひとまず繋げてコンタクトを取る。

『よかった、やっと繋がった!』

「ドクター?一体どうしてそんなに慌ててるんですか?」

『そりゃ慌てるさ!急に連絡が取れなくなったから僕もスタッフも気が気じゃなかったよ』

「あー、なるほど…」

ドクターと特異点の情報を共有し、目的が定まった。
此処にある《聖杯》を回収、又は破壊する事。そうすれば冬木市は本来の歴史に修復されるらしい。でも、そう簡単には行かないだろう。聖杯があるという事は英霊、サーヴァントが居る。そして、その英霊達はさっきのを含めて七人居ると考えられる。

「Dr.ロマニ。先程英霊と思われる人と戦闘を行いました」

『ええっ?!だ、大丈夫だったのかい?』

「はい。彼、桐生戦兎の力によって撃破した所です」

『君が…?戦兎くん、一体何者なんだい?生身の人間が英霊に勝つなどそうそう有り得ない事だ』

「Dr.には明かしてもいいでしょう。俺、桐生戦兎の力を」

そうするとあのベルトを腰に巻き、フルボトルを取り出す戦兎。あの時と同じ赤と青のフルボトルだ。それをベルトに装填し、レバーを回す。〈ラビット!タンク!ベストマッチ!〉という音声が流れ、ベルトから赤と青の装甲が出来始める。戦兎はそれを装着した。

〈Are you READY?〉

「変身!」

〈鋼のムーンサルト!ラビットタンク!イェーイ!!〉

すると、そこに立っていたのは戦兎ではなく仮面ライダービルドだ。一部始終を見ていたロマニは目が点になっている。それもそうだろう。何せ、人理が焼却された今の世界では到底なし得ない技術の塊だ。
これで三回目となる私とマシュでさえ、未だ驚きを隠せていない。

『えぇぇぇぇ?!へ、変身しただとぅ?!』

「この姿で居る時は《仮面ライダービルド》と呼んでください、Dr.」

『……立香ちゃん。物凄い人を呼んだんじゃないか?』

「私に聞かれても困ります、Dr.」

一旦変身を解除する戦兎。
彼曰く、長時間の変身は負担が大きいとの事。それもそうだ。仮面ライダーに変身し、多種多様な力を操るだけでもクラスに当てはめられているサーヴァントとは一線を画するレベル。その上魔力が必要無い大技《ボルテック・フィニッシュ!!》や《ボルテック・アタック!!》を普通に使う。その分身体に負担をかけているのだろう。
彼は表面上私と契約しているサーヴァントという扱いだが、実際は私と変わらない人間だ。当然、傷も負うし血も流れている。彼ばかりに無茶をさせては駄目だと悟る私だった。

『さて、早速で悪い。近くに魔力反応…コレは……英霊?!』

「はい?!知らせるのが遅いですよDr.!!」

ロマニが画面越しに叫んだ直後。
遠くから飛んでくる大量の弓矢。その先には弓を担いだ白髪褐色肌の男性がこちらを見据えていた。弓を持っているという事は、おそらくアーチャーと考えられる。
私はマシュが盾で守ってくれたから無傷。戦兎は〈ドリルクラッシャー〉を盾にして防いでいた。

「ほう、見た事が無いサーヴァントが二人か」

「という事は、此奴も敵って事でOK?」

「多分。さっきの矢は私達を狙って放たれた奴だし」

「……よし。ならこれで行こう」

既に戦闘準備を完了していた戦兎。
その手に持つフルボトルは茶色と水色。さっきは気づかなかったけど、よく見たら絵柄が刻まれている。茶色のボトルにはゴリラ、水色のボトルには鉱石らしい絵柄だ。それをベルトに装填すると、ベルトが喋る。

〈ゴリラ!ダイヤモンド!ベストマッチ!〉

アレはダイヤモンドの絵柄だったのか。
いつものように茶色と水色の装甲がベルトを介して形成される。そして、あの掛け声だ。

〈Are you READY?〉

「変身!」

装甲を装着する戦兎。
今回のビルドは赤と青の戦士ではなく茶色と水色。ゴリラの腕を模した右腕、ダイヤモンドの輝きを放つ左腕。どう見てもパワータイプだろう。

〈輝きのデストロイヤー!ゴリラモンド!イェーイ!!〉

なるほど、ベストマッチだと特別な音声が流れるのか。
それはいいとして、ビルドを見た目で判断したのかアーチャーが弓矢を放つ。だけど、硬い物に弾かれる音を響かせてビルドの周囲に散らばった。ダイヤモンドはこの世界で一番硬いとされている鉱石。ビルドの左腕もそれを反映しているようだ。

「悪いね。それは通用しないよ」

そう言うビルドは左手の人差し指を上空へ向ける。
すると、小さいダイヤモンドが螺旋を描くように空へ散らばる。そして、右手でベルトのレバーを回す。あの派手な音声が流れ始めた。

〈READY……GO!!ボルテック・フィニッシュ!イェーイ!!〉

小さいダイヤモンドがビルドの正面に集まり、空中で大きなダイヤモンドを形作る。それを右腕で叩き、前方へ飛ばす。あの数式と共にアーチャーへ襲いかかり、身動きを封じた所でビルドは急接近して右腕で渾身の一撃を叩き込んだ。

「はぁぁぁ!!」

「ぐぅっ…!」

大爆発を起こし、地面を軽く抉る程の威力。
アーチャーも無事で済まない筈だと思われたが、そこにアーチャーの姿は無い。どうやら土壇場で脱出したらしい。奴が立っていた場所には黒く焦げた弓が打ち捨てられていた。

「あちゃー……逃げたね」

追いかける事はしないらしく、変身を解除した戦兎。
それにしても、彼が放つ大技《ボルテック・フィニッシュ!!》は下手したら並の英霊の宝具を容易く打ち破るだろう。一体何処にその力があるのか気になる所ではある。なんて感心していた時だ、ロマニが又もや叫ぶ。

『待った!まだ近くに魔力反応がある。油断しないでくれ!』

「了解です、Dr.」

そうだ、此処は既に戦場だ。いつどこで誰に襲いかかられるか分からない。辺りを警戒していると、その人物は現れた。水色のフードを目が隠れるくらいまで被り、魔術を扱う者が着そうな服、特徴的な杖。そこから推測出来るクラスはキャスターだろう。私達が身構えていると、その人物は待った待ったと声を出した。敵対の意思は無いようだ。とりあえず警戒を解く。

「さっきの戦い、見せてもらったぜ。見たところ、この聖杯戦争を終わらしに来たと見ていいか?」

「まぁ、そうなります。ところで、貴方は?」

私がそう問いかけると、キャスターと思われる人物は自らの真名を明かした。

「サーヴァント・キャスター、真名をクーフーリン。いきなりで悪いが、俺に力を貸して欲しい。この腐った戦争を終わらす為に」



ゴリラモンドとハリネズミタンクを登場させてみました。ハリネズミタンクのボルテック・アタックは作者の妄想です。ゴリラモンドの方は仮面ライダーバトルラッシュの技を採用させて頂きました。

さて、次回は本命のボス戦になるかと思います。それで特異点Fの戦いは一区切りと。

それでは次回をお楽しみに…
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