天才物理学者が人理修復の為に呼ばれたようで   作:戦兎
<< 前の話 次の話 >>

7 / 27
お気に入りにしてくれる方が多くてボトルが出来た事を喜ぶ戦兎のテンションになっている作者です。

今回は間話という事で、万丈達が出ます。
それではどうぞ


間話其ノ壱

東都にあるこじんまりとした喫茶店「nascita」。
そこを経営している「石動惣一」と娘である「石動美空」、戦兎によって助けられ、自分の冤罪を払拭する為に奮闘する「万丈龍我」、難波重工の元スパイで今は戦兎達に協力しているフリージャーナリストの「滝川紗羽」の四人は突如姿を消した桐生戦兎の行方を探す為にあちこちを走り回っていた。

万丈の話によれば、戦兎はビルドドライバーと何本かのフルボトル、空のフルボトルを持って突然消えたとの事。近くに落ちていた戦兎が愛用しているスマホには消える直前の万丈と戦兎の会話の録音と一つのアプリがインストールされていたようだ。それが…

「Fate/Grand Order、ね。コレが姿を消した戦兎と何の関係があるんだ?万丈。それに、戦兎と何を話していたんだ?」

「俺に聞くなよ。戦兎が居た場所にそれが落ちていた。それだけだ。後、会話の内容が知りたきゃ録音した奴再生してろよ」

「これだけだと何が原因か分からないわね…」

万丈と惣一、紗羽の三人は頭を抱えた。
今は戦兎だけじゃなく万丈も「仮面ライダー」に変身出来るからスマッシュにも対抗出来る。
だが、万丈が覚醒するその時までずっとスマッシュと戦い続けたのが戦兎である。冤罪だと言い張る脱獄犯だった万丈と共に逃げたり、記憶を失い、雨の中自分を拾ってくれた石動宗一を親のように慕い、ファウストにネビュラガスを入れられスマッシュ化した紗羽さんを助けた(実際倒したのはクローズに変身した万丈だったが、成分を採取したのは戦兎である)戦兎が何も言わずに消える訳が無いのだ。戦兎の事をよく知っている三人だからこそ、そこまで非情な奴ではないと分かっている。

「これは、何か大変な事が起きてるかもな」

「いや、それは今だろ。現に居ねぇんだからよ、戦兎の奴」

「神隠し…な訳ないわよね?」

「今どきそんなのありえねぇよ、紗羽さん」

「だよねぇ…」

三人が集まって話し合っている頃、美空はというと…
地下で生放送を行っていた。ネットアイドルみーたんとして、消えた戦兎の情報を集めている。キーワードは勿論〈Fate/Grand Order〉。天っ才物理学者☆の戦兎がゲームなどやる暇が無い筈なのに、戦兎のスマホにはそれがインストールされていた。だとしたら関係している筈だと惣一が言い張った為、それらに関連する情報を集めているという訳だ。

「駄目だぁ…全っ然集まらない…」

生放送を開始しても、それを終えても、依然として集まらない消えた戦兎に関する情報、若しくは過去に何らかの形で消えた人達の情報。
本来ならすぐに集まるのがみーたんだ。だが、それを以てしても有力な情報は一つも無かった。

「もー…何処行ったの?」

ふてくされ、お気に入りのぬいぐるみを抱えてベッドに寝転がる美空。戦兎が居たから賑やかだった喫茶店の地下も、今は本人が居ない。代わりに万丈とその相棒のクローズドラゴンが広い空間を使っている。
武器を開発する度に子供のようにはしゃぎ、それを振り回す戦兎。ボトルが出来た事を喜び、変なテンションになる戦兎。万丈と殴り合いをした戦兎。その戦兎は今、此処に居ない。
それだけでも閑古鳥が鳴くくらい静かだった。それは喫茶店のフロアもそう。中心人物たる戦兎が居ないだけでここまで静かになるのだ。

その頃の万丈達。消えた戦兎が最後まで持っていたと思われる戦兎愛用のスマホにインストールされていたアプリ、Fate/Grand Orderについて話していた。

「話すと長くなるから手短に話すぞ」

「如何にも知ってます的な感じだな?」

「いいから聞けよ…まずは聖杯についてだ」

惣一が手短に且つ馬鹿な万丈でもわかりやすく解説をする。紗羽は理解したようだが、万丈は未だにはてなマークを浮かべていた。そんな万丈を惣一は無視をし、ある仮説を立てる。

「戦兎はそのアプリを介して異世界に行ってしまった。そう考えるのが妥当だろう」

「只のアプリが異世界と繋がっていた、という事か?それこそありえねぇよ」

「万丈の意見は最もね。私も色々探ってみたけれど、そういう事例は無いわ。というより、残されていないと考えた方がよさそうね。そもそも、異世界が本当にあるのかどうかすら疑わしいもの」

「だよなぁ…ったく、戦兎の奴、何処をほっつき歩いてんだか」

三人揃ってため息をつく。
ここまで来て収穫はゼロ。手掛かりすら見つけられていない。打つ手なし、という事になってしまった。
美空も地下のベッドで一人、ため息をつく。
だが、目を離していた隙にパンドラパネルにセットされていたライオンフルボトルが何処かへ消えた。消えた戦兎の手掛かりとなる決定的瞬間を、誰も見ていない。






















その頃、最初の特異点から帰ってきて、ロマニからつかの間の休息をもらってカルデアで過ごす戦兎。
立香達と話している最中、くしゃみを何回かしていた。
心配する立香だが、何でもないと言い、話を続ける。

「(誰かが噂でもしてるのか…?考えられるのは数人くらいだけど)」

内心そう考えながら。
尤も、戦兎を話題に取り上げる人達などそう多くはない。あるとすれば、東都に居る万丈達くらいだ。
戦兎が向こうに帰れる目処は未だ立っていない。彼が無事東都に帰れる日はいつになるのか。それはまだ誰にも分からない。



はい。間話なのに伏線を張りました。
それは後に回収する事になります。

さて、次はオルレアンに向かいます。勿論、あの英霊とも戦いますよ。

それでは次回をお楽しみに…







※この小説はログインせずに感想を書き込むことが可能です。ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に
感想を投稿する際のガイドライン
に違反していないか確認して下さい。