連載する覚悟も無く書き始めた続ける気のないSS&短編置き場 作:海洋竹林
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学園都市第三位たる
そもそも最強である自分がさらに能力を高める必要性は感じないし、何より研究者達の好奇心と探求心ごときのために労力を割かれること自体が気にくわない。第一、最強を超えて無敵になれば
――しかし、だがしかし一方通行がこの実験に参加したのは、
―今とは違う景色が見たい
―この閉塞した環境から脱したい
という、
『さあ、実験を続けたまえ。』
「了解しました。」
ダトイウノニ、コレハナンダ?
こちらに有効な攻撃手段も持たず、大した力を籠めずなくともはかなく命を散らす
そして、そんな案山子を二万体殺しただけでこの
これでは、
……これでは、自分を本気で打倒しようと様々な策を巡らす
ふざけるな!!
そしてわずかばかりの希望は反転し、それを裏切った者たちへの極大の憤怒と化した。
「ッふザけンじゃねェぞオラァァァァァァァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!」
「ぎ、ぐあっ!」
そして気づけば一方通行は、強化ガラスの向こう側にいた科学者の一人の胸倉を掴み上げていた。
「ひっ!あ、アクセレータ!?」
気に喰わない。
こんな何の意味も持たない実験を考え出した
そしてそんな実験にわずかばかりの期待を抱いてしまった自分自身も。
そしてそんな苛立ちのままに、掴み上げていた研究者の一人を投げ捨てた一方通行は、天井を突き破って実験場を飛び出した。
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というわけで、今回のオチというか解説。
まず前提として、科学サイド最高峰の演算能力を持つ一方通行は、並みのスーパーコンピューターを凌ぐ頭脳を持っている。そしてそれはつまり、実験を考え出した研究者たちよりも、一方通行の方が頭がいいということでもある。
そしてそんな優秀な頭脳を持つ一方通行だからこそ、彼はこの実験が何の意味もないということを、
もしもというかありえざる仮定の話だが、例えばAIMジャマーやナパーム弾を持ち出して本気で一方通行を殺そうとすれば、こんな結果にはならなかったろう。たとえ効かないとしても、一方通行は二万回繰り返すうちで自身の攻略法が洗練され、自分の経験値となってレベル6に到達する一助となることを期待して実験を継続したはずだ。
結局のところこれは、超電磁砲を複製することばかりにかまけ、一方通行に経験を積ませるという実験本来の目的を度外視していた科学者たちの、自業自得である。
実際原作では酸素を摂取させずに倒すとかAIMジャマーを使ってみるとかいろいろ一方通行の攻略法が考えられてはいたんですよね。
というわけで、ミサカネットワークとAIM拡散力場を全世界に広げるダミーの実験に全力を傾けていた科学者を皮肉った駄作を書いてみました。
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