Fate/Grand Order ~孤高の剣士~   作:黒ヶ谷・ユーリ・メリディエス

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 どうも、おはこんばんにちは、黒ヶ谷・ユーリ・メリディエスです。

 一万文字ペースの投稿を(増えすぎないかという意味で)維持出来るかなと、おかしい意味でドキドキしながら四話目執筆。

 文字数は約一万三千。場面はほぼ進んでないゾ。

 そして、本作の特異点Fにあたって、注意点をば。

 原典FGOだと、剣オルトリア、弓エミヤ、槍弁慶(?)、騎メデューサ、魔クー・フーリン、殺呪腕ハサン、狂バサクレスというキャストです。

 本作では弓と殺が変更されています。

 なので今話に出て来る特異点F《アーチャー》は、エミヤでは無い(そもキャスニキにまだ会ってないから大空洞では無い) 一応エミヤは出るけどね?(殺宮は殺宮でも義父では無いヨ、殺版アチャミヤダヨ)

 ちなみに《アーチャー》枠のキャラ、原典FGOには居ないです。

 ――――でも、とある同人には出てるんだ。

 元々紅茶やステイナイトキャラが好きな自分(原作は未クリアだ)は、そのキャラを見てFate/二次小説の火が熾り、そしてジャンヌ・オルタ&新宿衣装ゲットで燃え上がったのだ。投稿切っ掛けはあらすじの通りジャンヌ・オルタだが、熾火そのものはそのキャラだ。大人気なのも頷けるね。

 扱い切れるかは分からない。大人気で惹き込まれるキャラだからこそ、きっと批判や批評も来ると思う。

 でも私は精一杯頑張って描写したいと思います。だって『出したい』って思えたキャラだから。

 今話を読めば、誰かは分かる人には分かる。

 読んで分からなかった人は――――『アチャ子』でレッツ検索!(ほぼ答えである)

 ちなみに後書きに、ネットで調べて分かって本作に採用している真名以外のマテリアルを掲載しています。

 ではどうぞ。




序章:4 ~弓兵~

 

 

 藤丸立香が《アサシン》佐々木小次郎を、桐ヶ谷和人/キリトが《キャスター》メディアを召喚した後、オルガマリーは拠点に出来そうな場所を捜し歩く道中で召喚したサーヴァント二騎とキリトに自分達の目的について語った。

 人理保障機関カルデア。

 それは文字通り、人々が紡ぐ歴史の航海図《人理》を保障する為に存在する機関。過去の歴史の編纂を観測し、今より約100年先の未来の生命の灯を観測する事で、これ以降も人類は存続すると確定付ける事を責務とした組織だ。

 通常であれば観測し続けるに留まる組織カルデアが時代を遡っているのは、未来の人理が保障されなくなるという異常事態が発生し、その原因を取り除くために動いたからである。

 一つの時空/一人の主観に於いて、『歴史』とは前にも後にも必ず地続きでなければならない。過去にあった事を切っ掛けに未来が定まるのだから当然だ。

 所長のオルガマリー、局員の立香とマシュが赴いた燃え盛る日本の地方都市は、正に『歴史の整合性の無い時代』すなわち特異点として、2016年以降の人理を崩してしまっていた。彼女達が時を超えるという神の一手に等しい所業に手を出したのも人理を取り戻す為なのだ。

 その一大事業は失敗を許されない。何せ全人類の未来が掛かっている案件だ、所長のオルガマリーもそれを理解していたからこそ、特異点Fと呼称された街への調査員を48名も揃えていた。

 その調査員達は時代を超える『レイシフト』と呼ばれる移動法が可能な者に限られており、魔術の家系であっても中々見つからないくらい希少な適正だった。そして『レイシフト』の適正を有している者がそれだけ。全世界から集めてその数というのは少ないと思うべきなのだろう。しかもレイシフト適正の他に、サーヴァントを召喚・使役するマスター適正というものも同時に備えていなければならなかったから、余計に人数は少なくなっていた。

 マスター適正も同時に持っている必要があったのは、カルデアを築いた初代所長の理念に基づいていた。

 カルデアが英霊召喚システムを有している/マスター適正を有する事を前提としている理由は、実際の人理保障が人の手だけで解決できる案件では無いと判断していたからだ。『歴史を変える』なんて所業を普通の手段で行える筈がなく、行えるとすれば驚異的な力を持つ存在と考えた方が良い。ならばこちらも驚異的な力を持つ存在の力を持たなければと先代所長が考えたが故に、英霊召喚システムはカルデアに築かれた。

 それでも、約60億人の人類の未来を、カルデアのサポートありとは言え、過去の英雄達の力を借りるとは言え、たった48名の人間が救うというのは至難を極める。

 ――――しかも、実際特異点Fに訪れている者は、カルデア所属では三人だけだ。

 ドクター・ロマンの通信で判明したように、未来の人理を崩した輩の内通者か何かがカルデアに紛れ込んでいて、人理を取り戻す作戦《ファースト・オーダー》を失敗させようと爆破したのだ。

 不幸中の幸いだったのは、一組のマスターとデミ・サーヴァントが意識を保ったまま、レイシフトを安全に行う為の専用機器の外でシークエンスを受け、特異点へと移動出来た事。専用機器に入っていなければ高確率で《イミショウシツ》を起こして消滅するにも関わらず、一桁台の確率を引き当てた立香、マシュ、オルガマリーは途轍もない超幸運と言えた。

 この奇跡があるからこそ、カルデアも特異点Fも未だ存在していると言えた。

 レイシフト適正が無ければ時代を超えるレイシフトは行えない。なまじ『修正可能』なレイシフト適正持ちで、『修正可能性を引き上げる』マスター適正も同時に持ち合わせる者を世界から集めたのだ、どちらも全滅してしまえば特異点の修正も行えず、人理が消滅する瞬間まで何も出来ないままという事になる。

 そして、崩壊の原因を観測出来る正常な状況に未だあるのも、それを打破する手段があるからこそで、打つ手が無くなれば/人理崩壊の未来が決定されてしまえば、仮令実際の人理崩壊が未来の事と言えど即座に人理は崩壊していた。

 つまり、『正常な人理』があるからこそ露見している『異常な過去/特異点』も、同時に消滅していた事になる。正常がなければ異常も何も無いからだ。

 キリトはその事実に理解が及んだ。

 幼い頃から『出来損ない』と蔑まれていた自分は、自分より『優秀』と言われる者が居たからこそ、そう蔑まれていたと理解していたからだ。批評・比較は基準が無ければ生まれない。異常もまた、正常が無ければ生まれないのだから。

 その恐るべき事実を理解したキリトは、続けて心底オルガマリー達の凄まじい幸運/悪運に感謝した。彼女達がレイシフト出来ていなければ己は気付かないまま消滅していたからだ。自己犠牲精神の強いキリトは死を受け容れる覚悟を固めてはいるが、何も好き好んで死にたい訳では無い、生きられるなら生きたいし死にたくないと思う心も辛うじて残っているのだ。だからこそ安全性を考えた行動を取ろうとするのである。

 仮に立香達がレイシフト出来なくとも、メディアを召喚してみせたようにマスター適正があるキリトが居る間だけは特異点も2016年の歴史も存在し続ける可能性は否定出来ないが、立香達が居たからこそキリトは現状の切迫を知れたと考えると、結局辿る結末は同じ事。

 だからと言って、キリトはまだ安心はしていない。今の現状にでは無く、この特異点の修正を終えた時、この特異点と共に己も消滅する可能性が未だ残っているからだ。

 それを解消するにはレイシフト適正の有無について知らなければならないが、専用の機器を用いる必要があると話の中で知ったため、一か八かのぶっつけ勝負しかないとキリトは悟った。

 本来、キリトは行き当たりばったりやぶっつけ勝負を嫌っている。そういった経験も案外しているが、少なくともキリト自らの意志でぶっつけをしようと決めた事は一度も無い。全てその場の状況や流れ、周囲の人間の行動の煽りを喰らっての事だった。

 決して、自ら望んでぶっつけ本番をしていた訳では無い。

 キリトとて生きてデスゲームから出たいと願っていた。己を拾い、名を授け、愛した家族の下へ帰りたいと望んでいたのだ。様々な事情から命の危機に晒される機会を増やす結果になってしまっていたが、その根幹は残っていた。

 だからこそキリトは『情報』を求めた。生き残るには知識を蓄え、備えておかなければならないから。

 だからこそキリトは『力』を求めた。力が無ければデスゲームに囚われた同じ立場の人々に、あるいはゲームを動かすシステムによって生み出されたモンスター達に殺されるから。

 ――――故にキリトは、自身に貴重な情報を語ったオルガマリー達に、更に深く感謝する。

 キリトにとってオルガマリー達が生きる時代は別世界だ。軽く訊いただけでも己が生きた過去とは違うと分かった。VR技術はともかく、《インフィニット・ストラトス》が無いのは明らかにおかしかった、キリトが2歳の時――――すなわち2015年にISは世に出されたのだから。

 魔術師が科学技術を厭うたとしても、カルデアは魔術と科学を融合させた組織な上に、ISは世界を巻き込んだ大波乱の根幹だ。どれだけ科学を厭うたとしても聞いた事すら無いというのはおかしい話。

 だからこそキリトは別世界と判断した。

 そしてキリトが元居た世界へ帰れるかは、まだ分からない。しかし生きていれば可能性が途絶える事は無い。幸いにも並行世界関連の事に携わる魔法使いが居るという話なので、その人の許を訪れようとも考えていた。

 最悪、自らが全力を掛けて、並行世界への魔法を身に着ける事も視野に入れて。

 現状を疎ましく思っている訳では無いが、しかし己を拾った家族や己を理解してくれた戦友達、そして自ら歩み寄って交友を持った数少ない“ともだち”が恋しくない筈もなく、絶対不可能でも無い限りあの手この手で帰ろうと決めていた。

 そのためにも、キリトはオルガマリー達に全力で力添えをするつもりだった。

 移動中幾度か遭遇した骸骨達との戦闘にてサーヴァントの凄まじさの一端をキリトも理解した。

 見えない訳では無いが、しかし見切れないという完成された剣を振るう小次郎からは、刀と剣という別物と言えど同じ剣士として次元の違いを感じ取った。速く、鋭く、重い剣戟はキリトが目指す極致の一つ。距離を詰められ長刀を振るい辛い間合いになれば体術で対処する万能性にも格の違いを覚える。

 義理の姉の面影を見たのはこの極致に女性が手を掛けていたからだろうと、キリトは己の師への崇敬を深めた。

 エネミーと戦う際にメディアが手早く神代の強化魔術を己に掛け援護するのと並行し、飛来する矢からオルガマリー達を防御魔法で護りつつ放たれた雷や炎の威力を見て、やはりこちらも次元の違いを感じ取る。オルガマリーが悔しそうに、同時に憧れの目を向けているのを見て、現代と神代の差を何となく理解したキリトはメディアへの尊敬の念を更に深めた。

 片や武芸を極め、片や魔術を極めた《英霊》を召喚した事で得た戦力は極めて高いと言えるだろう。カルデアの局員として、魔術師として学を修めているオルガマリーとマシュの様子を見れば、その戦力にどれだけ安堵を抱き、また信頼を寄せているかは分かる。

 

 ――――しかしこれでは足りないだろうと、キリトは念慮していた。

 

 小次郎とメディアが弱い訳では無い。護りに関してマシュもまたピカ一だ。

 しかしそれはキリトやオルガマリーといった現代人の所感であり、まだ特異点を発生させた存在について不明な間は決して個人の意見を出ないもの。

 過去の歴史に異常を発生させている時点で自身の理解の域を超えているキリトにとって、どれだけの戦力や強さがあれば安全なのかが分からない。無知であり、不明であるが故に不安なのだ。

 《英霊》の格は伝承や知名度にも依るが、根本的により昔に生まれた者ほど根本的な能力が高い傾向にある。

 知名度補正は、《英霊》を召喚した時の場所によって左右される事が多い。召喚したサーヴァントの地元であればそれだけで補正を受けるし、その《英霊》を知っている者が多ければ尚更補正は強くなる。

 それを踏まえれば、立香とキリトが召喚したこの特異点に於いて、人っ子一人居ない上に正常な人理から外れている以上は補正など皆無と言っても良い。

 辛うじて日本出身の小次郎が土地の補正を受けているだろうかと思う程度だが、平均ステータスが半分に満たない時点で、少なくともお察しレベルではある。

 つまりサーヴァントの性能を決定付けるのは、根本となる《英霊》の出生年代。

 佐々木小次郎はその恰好から日本出身。時代は遅くとも江戸時代、早くとも奈良時代が限界と言える。ガワとなった《佐々木小次郎》の出生は関係無いので亡霊と言う青年の正確な出生年代は分からないが、大体それくらいだとは判断出来た。

 しかしメディアは神代、すなわち西暦よりも更に前の神話時代の人物である。

 《英霊》として世界に召し上げられ、サーヴァントとして一側面しか反映されていないと言えど、生前よりも身体能力は高い事が多い。特に小次郎は生前よりも膂力が全体的に強化されていると言った。疲労しないという点も手伝っていると言えよう。

 しかしメディアは、生前の中でも魔術師としての一側面しか反映されておらず、それ以外の技能は封じられ、総合的には弱体化されている。それでもサーヴァントとして召喚された双方のステータスはメディアに軍配が上がる。魔術による補助を含めれば、メディアは幸運のステータスを除いて小次郎を抜く。

 それだけ出生時代が昔であるほどサーヴァントの基本能力は理不尽なほど高い。生前が高いのだ、弱体化を受けたとしても強いのは必然である。サーヴァントとして召喚された以上下限は設けられるので時代が違ってもある程度渡り合えるが、根本的な差は埋まらないのだ。

 

 ――――では、そんな存在が、敵として現れたら?

 

 キリトが懸念している事はそれだった。

 そもそもからして今いる特異点Fを修復して、それで未来を取り戻せる保証は無いのである。異常が見られた過去に行くなら、より根本的な強さのある《英霊》と見える可能性は高いだろう。

 過去華々しい伝説や偉業を成し遂げこの世を去った星の数ほどの英雄達が人理を崩す事に加担するとは思えないが、しかし敵の側が自分達と同じように《英霊》を召喚し、サーヴァントとして使役していれば話は変わる。

 人理修復側のマスターは立香とキリトの二人だけ。この二人両方が死ねばそれで終わりだ。

 更に使役出来るサーヴァントの最大数は不明だが、カルデアの電力で賄うにしても合計して二桁以上を戦闘に繰り出す事は難しいだろうと考えられた。サーヴァントが要する魔力を渡す回路と言えるマスターの身が保たないからだ。つまりマスターも戦闘参加のサーヴァントの数も限られているのである。

 数の暴力で来られてしまえば圧殺され、全滅するのは目に見えている。幾らメディアが神代魔術を使え、小次郎が一撃で敵を殺せるとしても、波濤の如く迫る敵の勢いを無限に受け止められる筈がないのだ。

 また、エネミーと戦闘して分かった事だが、マスターの身でエネミーを倒せる己がおかしいのであり、オルガマリーや立香のように戦えない方がむしろ普通である事もキリトは理解した。己が戦える理屈について何も分からないためどうしようもないが、それでも己もサーヴァントに敵わないのは小次郎とメディアを見れば分かる。

 サーヴァントは魔力供給減にしてカルデアの電力供給の回路たるマスターが居なければ現界出来ず、戦闘も出来ない。つまりマスターたる立香とキリトは決して死ねない身である。

 比較的近代の英霊である小次郎にすらキリトは敵わないと断言出来た。仮に対峙したとしても、一合交えられれば良い方で、刃を交えた次の瞬間には首を飛ばされると容易に想像がついた。最悪その俊敏性を以て初撃で首と胴体が泣き別れてもおかしくない。

 メディアに至ってはもっと酷い。

 戦う以前に勝負にすらならない。相手は浮遊している上に、自身を一撃で死に至らしめる攻撃を児戯に等しいとばかりに手振り一つで何重にも放つのだ、デスゲームに於いて百戦錬磨のキリトも挑めば嬲り殺されるのが目に見えていた。

 それ以前にサーヴァントの身体能力が己より高い時点で、キリトには決して勝ち目がない。

 経験で得た技術で攻撃を捌き、先読みして回避する事は不可能では無い。小次郎の剣は読めないが、しかし絶対的な反応速度で見えなくはないし、メディアの魔術砲撃も直線にしか進まないので読めば回避自体は可能だ。

 だから生き残る事だけを考えればキリトも抵抗は出来る。

 しかし、決定打は絶対に与えられない。そも、攻撃に転じた瞬間、己の命を刈り取られる幻視を見れるくらいに、エネミーと戦えるキリトとサーヴァントの間には絶望的な差があった。

 しかもメディアは魔術師のサーヴァントだから回避も可能だが、仮に近接に特化した神代の大英雄が襲い掛かって来れば、その力強さと速さから逃れられないのは明白だ。

 立香は雑魚であろうスケルトンに抗う力を持たず、キリトも少し時代を遡ったら見えるだろうエネミーを相手に勝てないと予想されるのに、敵にサーヴァントという絶対強者が居ては勝率は低い。サーヴァントだろうとエネミーだろうと数が多ければ多い程に更に低くなる。

 そんな理不尽な戦いが今後も続く可能性が考慮されたからこそキリトは不安を抱いていた。

 

 

 

『皆、大変だ! 早くその場を離れるんだ!』

 

 

 

 そんなキリトの不安を実現させたかのようなタイミングで、拠点を探すべく歩いていた一同にドクター・ロマニからの緊急通信が入った。

 カルデアの回復した設備と電力の兼ね合いから、ロマニは常に通信を開いている訳では無い。オルガマリー側から通信する以外では基本緊急事態以外では開かないようにして、《イミショウシツ》を避けるための電力を確保していたのだ。オルガマリーも消滅は一大事どころではないためその判断を是とした。

 その取り決めがある中のロマニ側から、それも切羽詰まった声音の通信という事は、内容も加味すれば危険が迫っているという事に他ならない。

 周囲を警戒していたキリトや小次郎が顔を引き締めると同時、メディアが再度神代の強化魔術を掛け直す。

 素では剣の横殴りで骸骨を吹っ飛ばすのが限界だったキリトも強化があれば粉砕も可能に――つまりマシュと同レベル――になったので、最低限であればキリトもある程度の危険に対応可能である。

 ――――尚、サーヴァントのステータスはE、D、C、B、Aの順で上がっていく。項目は筋力、耐久、敏捷、魔力、幸運、宝具の計六つ。

 メディアの強化魔術は前三つの項目を底上げするものであり、マシュは筋力、耐久、敏捷の順でそれぞれC、A、Dのランクを有している。

 サーヴァントですらないキリトの能力をランクに無理矢理直すなら、素手は最低のEだが、強化魔術を受ければ2ランク分アップして三つはランクCに匹敵する。

 尚、マシュにも強化魔術を掛けられたので、ランクはA、A++、Bと、実際この面子の接近戦では最強格に入っていたりする。

 

「どうしたのロマニ?!」

 

 実際に戦闘をするメンバーが改めて準備を終える中、オルガマリーがやや叫び気味に通信越しに問い掛けた。

 周囲の索敵を行っていたキリト、小次郎、メディアの三人はそれぞれが特有の索敵方法を有していた。

 小次郎は《アサシン》のクラス故に、特性として攻撃しない間は気配を隠すスキルを有しており、更に独自に攻撃中も気配を感じさせない技能を持っている。それを応用し、周囲に隠れている視覚的に見えない存在への感知能力を以て索敵を行っていた。

 メディアは神代の魔術を利用し、科学技術のソナーのように半径200メートル内の魔力を持つ存在の感知を担っていた。徘徊している骸骨達はこの土地に満ちる良くない魔力を材料に構成されているので、必ず引っ掛かるからだ。範囲はもっと広げられるが正確性を優先して絞っている。

 そしてキリトは、余計分からない事に仮想世界の肉体/アバターに宿っていた、現実の肉体に埋め込まれているISの機能を以て、動的反応を探っていた。

 IS、正式名称《インフィニット・ストラトス》とは、オーバーテクノロジーと言える科学技術の粋と言えるマルチフォームスーツで、理論上は単独で宇宙航空を可能とする代物。すなわち星と星という絶大な距離の間は勿論、数十億キロ離れた先を視認する機能も有している。数百メートル範囲内の動的反応を探るなど容易い事なのだ。

 厳密には原子・分子を観測し、その動きから動体反応を探し出すという手法なのだが、しかし骸骨は原子・分子では構成されていない為、ほぼ生存者が居ないかを探し出すためのものとなっていたりする。なのでほぼ遠くを見る事でしか役に立っていなかった。

 そんな三人はそれぞれ単独であれば欠点はあるものの、キリトが視覚的に感知し、小次郎が気配を殺す存在も感知し、メディアが魔力感知を担うという同時であれば万全な状態だった。

 それを信用していたからこそ、オルガマリーは慌てた。

 

『所長達が居る場所から数百メートル離れたところから、魔力反応が三つ近付いてます! ――――何れもサーヴァントです!』

 

 所長の問いに答えたロマニの言葉に、特に己の非力さを自覚している生者四名が息を呑んだ。

 己が懸念していた事が早速起きたかと、キリトは歯噛みし、両手の剣を握り締めた。

 しかも純粋に能力不足な己と戦闘経験が少ないマシュにサーヴァントの相手は辛い。キリトとマシュ双方が居て漸く一騎と対抗出来るかと希望を抱くのが精一杯だ。

 純粋なサーヴァントとの戦闘はこれが初めてなのでキリトの不安はより大きなものとなった。

 

「ドクター、どの方角から来るんだ?!」

 

 だが、それで諦めるキリトでは無い。

 一騎の戦力を己の物差しで量れるとは思っていないが、それでも人対人のセオリーはサーヴァントでも変わらないとキリトは考え、陣形を練る為にどの方向から来るかを尋ねる。

 古来より圧倒的に数に劣る側が勝る側に勝つ話なんて幾らでもある。スパルタやトロイアの戦争然り。桶狭間の合戦然り。

 数で劣ろうが能力で劣ろうが、要は戦い方、あるいは戦闘に入る前の備えが重要なのだ。

 デスゲーム時代、多い時は三桁に及ぶ人々と殺意混じりに刃を交えた経験から、立ち回り方や準備こそが勝敗を分ける要素でもあると経験則で理解していた。数の差は幾らでも相殺出来ると。

 サーヴァントの一騎の差は侮れなくはあるが、しかしキリトにとって絶望する程では無かった。

 

「ほぉ……」

「へぇ……」

 

 ――――その持ち直し様に、味方のサーヴァント達は目を眇め、幼い剣士に感心を覚えた。

 

 小次郎は己より強い者が幾らでもいる事を理解しているが、己の剣と生前の修行――本人曰く『暇潰しの棒振り』――に対する自負と誇りは棄てていない。刃を交える前から敗北した心持ちになるなど決してあり得ない。

 メディアもまた、神代の魔術師である事に多大な自負を持っている。余程の事が無い限り己の魔術が破られる事は無いと。だからこそ戦う前にマスターが敗北した気になられるのは酷く癇に障る。

 どちらも戦ってから結果を認める性格であり、決して戦う前から諦める事を良しとはしない。

 敵が来るなら迎え撃つまでの事。自分達にはどうしようもない天災でもない限り、両者は決してその手から刀/杖を取り落とさない。それは己が生きた生と築き上げた力への侮辱に他ならない。

 オルガマリーは生粋の魔術師として《英霊》の恐ろしさを知っているからこそ、恐怖と共に諦観が頭を擡げている。諦観し切ってはいない点は二人も評価していた。何せ数が数である、抱くくらいは仕方がないと大目に見ていた。

 マシュはマスターである立香を守る意思を支えに己を奮起しており、立香もまた少女の奮起に呼応して恐怖に打ち克とうとしていた。良い関係だと侍と魔女は思った。

 そんな中、依存する存在も支え合う者もいない少年が、いち早く現状を認識し対応しようと声を発したのだ。これには感心の一つもしようというものだった。キリトの事情は二人も聞いたいるため、それが過去の経験から来る『馴れ』である事はすぐに理解が及び、大人であればまだしも子供にそれはどうなのかと何とも言えない心地になったが。

 

『えっと、進行方向からは二つ! この反応は……《ライダー》と《ランサー》だ! 二つとも一緒になってそっちに一直線に向かってる! 接敵まで予測30秒!』

「残る一つは?!」

『《アーチャー》で、場所は――――えっ、もうそこまで来てるぞ?! 速すぎる?!』

 

 数秒前は離れてた筈なのに、と呻くロマニ。

 キリトもまた、嘘だろ、と苦みしばった表情になった。

 

「坊や、来たわよ!」

「ッ……!」

 

 しかし風雲急を告げるが如く、事態は非情なまでに進んでいく。

 サーヴァントが迫って来ている事を知らされてからメディアが注意を促すまでの時間は、約5秒。《アーチャー》の接近を知らされてからは1秒と経っていない。

 メディアの魔力感知範囲は半径200メートル。

 ロマニが注意する時点でそれ以上離れていて、数秒足らずで接近してきたという事は、移動速度はマッハ――秒速およそ340メートル――に近いという事になる。

 そんな《英霊》と戦えるかと内心で毒づきつつ、キリトはメディアが指し示す方角に向き直った。

 同時、視線の先にあった瓦礫の陰から、暴風を伴って人影が姿を見せる。

 ロマニの報告が正しければ相手は《アーチャー》だと言うので、骸骨達と同じように弓矢を手にしているものだと考えていた。

 しかし姿を見せた《アーチャー》らしきサーヴァントの手には弓は無く、背中や腰にも矢筒は無い。そもそも距離を取って戦う事で真価を発揮する《アーチャー》が距離を詰めて来ている時点でおかしい話ではあるのだが。

 そのサーヴァントは地面に亀裂を入れて踏み止まると共に、キリト達へと向き直る。

 《アーチャー》は一目見ただけでも、十人見れば十人全員が『美人』と言う美貌を誇る女性だった。

 細く長く編まれた三つ編みが尻尾のようにたなびいており、その色は光を反射する程に美麗な白銀。

 纏う服は炎より尚深い紅。ベストの如く着込んだ紅の下は首回りまで襟がある黒いシャツ。下は上着と対らしい紅色のミニスカート。脚は黒いストッキングに覆われ、頑丈と見て分かる革靴を履いていた。

 綺麗な人だ、とピンチにあるにも関わらず立香は見惚れた。何となく面白くなく感じつつマシュは警戒心を高め、オルガマリーは緊張が極限に達し――まだ二騎迫っているが――身を凍らせる。

 侍は女であろうと油断なく長刀を携え女性を見据え、メディアは何時でも攻撃や防御を行えるよう魔力を練り、魔法陣を黒ローブの下に幾つも仕込む。

 そんな、恐らく戦いの素人だろうと見れば分かるくらい敵意に満ちた警戒する一同を見て、《アーチャー》のサーヴァントは――――

 

「ああ、良かった! マトモなサーヴァントを漸く見つけたわ! しかも生きた人までいるじゃない!」

 

 向けられる警戒、畏怖、恐怖、敵意をものともせず、ただ出会えた事に満面の笑みを以て喜びを見せていた。

 その反応はさしもの小次郎、メディア両名にも予想外で呆けてしまっていた。緊張に凍っていたオルガマリーも、警戒心に満ちた心境だったキリトとマシュも、見惚れていた立香の誰もが唖然とする。

 そんな一同を半ば無視して女性サーヴァントは駆け足気味に歩み寄る。

 

「急で悪いんだけど共闘してくれないかしら?! 具体的に言うと仮契約プリーズ! 魔力が涸れそうでもーホント辛いのよ! 近付いてる《ランサー》と《ライダー》を倒すの手伝うからお願い!」

 

 そう、銀髪紅衣のサーヴァントは両手を合わせ、頭を下げて――――キリトに頼み込んだ。

 《アーチャー》がこの中で最も幼い少年に頼み込んだのは、一番魔力保有量が多かったからで、決して他意は無かったりする。

 立香の顔を見てややフクザツな心境にはなり、グラつきもしたが、仮契約するには魔力量が心許無かったので断念した。

 

「え……はっ?」

 

 敵か味方かも分からない外部の《サーヴァント》と初めて接触する事に不安と緊張、様々な懸念を抱いていたキリトは、女性の唐突なお願いに困惑した。『仮契約』という単語を初めて聞いた事もあって困惑は更に加速する。

 結果キリトは、魔術世界について詳しいオルガマリーやメディアに助けを求める視線を送った。

 多くの事について懸念し、戦力や警戒について思考を回しているキリトであるが、この一団のリーダーはあくまでカルデアの所長オルガマリーであるとキリトは判断している。勝手な判断は出来ないと。

 メディアにも目を向けたのは、最初に頼った女性が完全に呆けていて助けにならないと見たからである。

 

「別に仮契約しても良いんじゃないかしら。こちらに不利益はあまり無いのだし。問題があるとすれば私が攻撃頻度を下げる必要がある程度だけど……」

 

 カルデアの電力サポートを立香へ多めに振っており、また己の強化魔術をキリト、小次郎、マシュの三名に掛け、攻撃・防御・感知の魔術も使っているため、メディアの魔力消費量はかなりのものとなっている。

 カルデアのサポートが少ないのにそれでも保っているのは、偏にキリトの魔力保有量が非常に多いためだ。メディアの目から、立香はかなり少なく、オルガマリーはその十数倍を誇っているが、キリトはそのオルガマリーの数倍も保有している事が分かった。更に回復量もかなりのもの。だからメディアも補助と感知に全力を注ぎつつ、攻撃と防御の魔術も併用出来ていた。

 しかしここに来て《アーチャー》の仮契約が入ると流石に全てを使い続けるのは厳しくなる。不可能では無いが効果は落ちるし、長期的な視点で考えると得策とは言えない。攻撃量を少なくすれば多少は問題点を解決出来るかといったところ。

 《アーチャー》の能力にも依るが、クラス特性としてランクに応じてマスターからの魔力供給無しで活動出来るスキルがあるため、多少供給出来ないところで問題はほぼ無い。エネミーとの戦闘も小次郎一人でどうにか出来るレベル。

 対サーヴァントの事だけを考えるなら、仮契約を結んでも支障はほぼ無いと言っても良かった。キリトの魔力回復量が多めな事幸いしていると言えた。

 ――――幼い頃から魔力を扱い、鍛える事で量を増やすのがセオリーなのに、何故一流らしい女性の数倍も保有しているかはメディアにも分かっていない。

 しかし現状メリットしか無いのだから、利用出来るものとして考えるようにして棚上げすると決めていた。考える事は後でも出来るのである。

 その思考からメディアは幼い己のマスターに助言した。

 

「オルガマリーさん、仮契約して良いかな」

「――――えっ? え、ええ、構わないわよっ?」

「所長……しっかりして下さい」

 

 脳の処理が追い付いていない事が丸分かりな返事に、マシュがやや呆れ気味に言う。オルガマリーは顔を朱くしてそっぽを向いた。

 その姿を見た一同の中で、《アーチャー》がにんまりと悪戯っ子の如き笑みを浮かべる。

 

「ふふっ、いやー、反応がいちいち可愛いね――――食べちゃいたいくらい」

 

 言いながら笑みを妖艶なものにして、ぺろりと《アーチャー》は舌なめずりをする。

 《アーチャー》は生前から異性に対しある一人の男にしか興味はないが、女性に関しては――――美少女が大好きな性癖なのである。オルガマリーは既に成人しているが、《英霊》である女性にとってすればオルガマリーも等しく美少女判定だった。

 

「ひぃっ?!」

 

 それを知覚したオルガマリーは、ぞぞぞっ、と背筋を這い回る何かに叫びを洩らす。今生にして初めてと言える類の悪寒にオルガマリーは両腕で自身の体を抱き締め、更に銀髪紅衣のサーヴァントから距離を離した。

 その反応を見て、ますます可愛いとアーチャーは感じ、笑みを深める。

 

『――――見ツケタゾ、《アーチャー》!』

 

 そんな《アーチャー》の登場から緊迫感の薄れた空気を引き裂く声が響く。

 《アーチャー》は忌々しげな表情になると共に、チッ、と舌を打つ。邪魔者がと心の声が聞こえる程にあからさまな振る舞いに、キリト、メディア、小次郎は己の趣味・性癖を貫く部分に呆れとも感心ともつかぬ思いを抱いた。

 尚、メディアは《アーチャー》の趣味に内心賛同していたりする。

 そしてサーヴァントという恐るべき外敵が訪れたと言うのに、オルガマリーは何故か助かった心境になっていた。

 

「――――《アーチャー》!」

 

 そんな緩くなった空気だったが、再びいち早く持ち直したキリトは銀髪紅衣の女性を呼ぶ。言外に、早く仮契約を、と求めていた。それを読み取った《アーチャー》はキリトの手を取り、聖痕《令呪》がある右手に己の右手を重ねる。

 直後、メディアが術を使う度に何かが抜けていく感覚をキリトは覚え、立ち上がった時に偶に起こる眩暈のように視界が揺れた。

 しかし敵を前にして大き過ぎる隙を晒すつもりは無いキリトは、自ら踏ん張って倒れないように備え――――

 

 

 

「んー! 魔力充填完了! 私、ふっかーっつッ!!!」

 

 

 

 ――――ようとした時に、先ほどよりも更に活力が増したように感じる《アーチャー》に抱き寄せられた。

 倒れなくはあったが、同時に視界を封じられるというマイナスな事態に陥っていた。

 すぐ離されたので支障は少なかったものの、それでも危機感を抱いていたキリトは若干憮然とする。苛立ちにまでは至らないものの敵の前で隙を晒した行動に納得のいかなさを抱いていた。

 英雄としてそれはどうなんだと、先入観による感情だった。

 また、ほぼ常に余裕の無い戦いばかり経験していたキリトにとって、わざと隙を晒す意図のない余裕というものは受け容れ難いものだったからでもある。

 そんな事を知る由もない仮契約を結んだ女性は、新たに姿を見せたサーヴァントに向き直るや否や、どこからともなく剣を取り出した。右手には白の、左手には黒の、色が反転しただけの意匠の長刀が握られる。柄には陰陽の紋様が刻まれていた。

 

『クッ……面倒ナ女ダ!』

 

 その姿を見て悪態を吐く、女性と敵対しているらしいサーヴァント。

 その姿は異様だった。全身を薄っすらと黒い靄に覆われており、日焼けしていると思しき体表が泥に似た濁った色になっていたのだ。それは纏っている衣類にも及んでおり、手にしている長刀と背負われている幾つもの刀剣、槍も同様だった。

 肌だけであれば特徴的な日焼けなのかと納得出来るが、衣服や武器までも同様であれば流石に異常にも思う。

 恐らくは男性で《ランサー》のサーヴァントだろうと当たりを付けたキリトは、同時に相手の敵意が《アーチャー》だけでなく自身やオルガマリー達にも向けられている事から、自分達の敵であるとも判断した。

 恐らくはこの時代が特異点と化した原因の一端でもあろう、と。

 そんな男に、《アーチャー》が右手に握る白の長刀を突き出した。

 

「さぁて、散々好き放題暴れてくれたお礼をさせてもらうわよ――――お礼参りと洒落込みましょうか、《ランサー》」

 

 言い回しは喜悦に、しかし表情、声音は真剣さを帯びたもので言い放った《アーチャー》は、そう宣言すると共に腰を落とし、二刀を構えた。

 その華奢な、しかし己より大きな背に、キリトは己の実姉/義姉を幻視した。

 

 







 冬木のアーチャーの容姿は、F/sn原作の■■■が成長した姿。銀髪巨乳おねーさん。



 纏う色は紅と黒、使う武器は白黒一対の剣。



 ――――女性化版紅茶では無いからネ?(汗)



 ちなみに作者もそのキャラを出したサークルのサイト含めて調べ回ったが、結局このキャラが『どういう風に《英霊》になった』か、詳しい理屈は諸説あるのでよく分かっていなかったりする。最初は女性化だったけど、反響から設定を作って、本が出る度に加えられていったぽいからどれがどれかちょっと分からなかった(にわか並み感)

 以下、判明した事。本作で適用されている設定でもある。


・《アーチャー》
 真名:■■■■■■■■・■■■・■■■■■■■

『だってしょうがないでしょう。私はアナタの――――理想の、残り滓なんだから』
(とある同人作品より引用)

ステータス
 筋力:D
 耐久:D
 敏捷:B+
 魔力:A
 幸運:E
 宝具:――(E~A++)

属性:中立・善

クラススキル
《対魔力》:A+

《単独行動》:B(供給無しで二日程度の活動が可能)

保有スキル
《射撃》:E-
 クラスの割に弓がてんで駄目で、ランクが低いほどマイナス補正。後述のフェイルノートによりカバーされている。

《黄金の盃》:B
 万能の願望器として願いを叶える小聖杯としての能力。自身の魔力で行使可能な範疇であれば、必要な魔術理論を有してなくとも過程を省略し、結果のみを現出出来る。

《森羅の守護者》:EX
 カウンター・カウンター・ガーディアン。生き様の象徴。
 『抑止の守護者』としてとある《英霊》が限界した際に、世界との契約により、その抑止力として召喚される者の証。故に常にとある《英霊》の対となって喚び出される。

《魔術》:A+
 オーソドックスな魔術と■■■■■■■の魔術、《投影魔術》を習得。
 投影武器は原典よりワンランクダウンし、剣以外の投影では通常の2~3倍の魔力を消費する。


 女性。身長:凛よりは高い(高校生士郎とほぼ同程度) 発育良し。膝下まで銀髪を細い三つ編みに編んでいる。
 男性には『とある男一人』にしか基本興味なしだが、女性は美少女全般イケる口というバイセクシャル。明るく悪戯っ子気質で、その勢いを以て周囲を巻き込む。天然では無いものの偶にドジっ娘ぶりを見せる。
 同人(未完)の一つでは凛に召喚され、場を引っ掻き回してタイコロ時空を呼び寄せていた。
 『森羅の守護者』=『カウンター・カウンター・ガーディアン』と呼ばれ、【錬鉄の英雄】に付随して現れる女性。毎回毎回とある存在を邪魔しに動くらしい。つまり『錬鉄在るところに森羅在り』。錬鉄さんにとっては『毎回仕事の邪魔をしてくる変な女』という認識。つまり正体、真名に気付いてない。
 Fate/シリーズお家芸『殺し愛』を行う一人である(白目)

・戦闘能力
 アイスを取られて怒り心頭(殺しはしないレベル)な騎士王と数時間互角にやり合える剣の腕を持ち、『抑止の守護者』と戦闘スペックも互角。剣で斬り掛かる最中、スピードを活かした残像で相手を惑わす事も出来るという超技巧派。治癒魔術も行使出来るので魔力供給が十全なら手が付けられない存在。
 また、加減ありでも聖剣ぶっぱを完全相殺する宝具『夢幻凍結/ファントム・キャンセラー』を持つ。爆発で相殺では無く、完全に『無』へと還元する。被害はアーチャーの左腕の袖と、展開した自前宝具のフェイルノート(再構築可能)
 錬鉄と同じ投影能力を有しており、更にリスクやデメリット無しで固有結界を展開可能。ただし投影武器は例外なく原典よりワンランクダウンする。
 ――――魔力量、使用魔術の種類的にも、戦闘面では錬鉄以上にあらゆる事に対応出来る万能英霊(家事は除く)


・使用武器

 干将・莫邪(改)(投影宝具)
 例の中華剣を刀レベルに伸ばした武器。やはり二刀一対。引き合うかは不明だが本作では引き合う設定。

 刻印弓フェイルノート(自前宝具):A++
 種別:迎撃宝具
 レンジ:1
 最大補足:1人
 『無駄無しの弓』と書いて『刻印弓フェイルノート』と言う。
 左手に着ける手甲に刻印として刻まれた『矢を打ち出す魔術』の対宝具武装。曰く『弓術の腕が低いから』という事で魔術として武器を打ち出す形式を取っているらしい。つまり見た目が弓のガンド。本物のガンドも打てるのでそれの応用。投影した剣を装填し、即座に放つ。
 見た目のイメージとしてはロビン・フッドの射籠手と紅い小型弓。
 投影した宝具を使って『星の聖剣の斬撃を完全相殺する』というトンデモナイ事も可能とする他、他にも色々と出来る上に、展開中は全てのステータスが1ランクアップする。
 名前の元ネタはアーサー王伝説だという。
 第一解放、第二解放がある。《夢幻凍結》は第二解放時のもの。

《夢幻凍結》:A++
 レンジ:1
 最大補足:1人
 ファントム・キャンセラー。
 フェイルノート第二解放の時のみ発動可能。相手の宝具の真名を無効化し、相手の宝具をフェイルノートに載せて放つ。一度発動させれば理論上神霊クラスの魔術すら相殺可能。
 どのような武装であろうと肉眼で捉えたものであれば対象になるが、自身に投影出来ないものは該当しない(尚、聖剣の投影は可能である)
 ただし発動は術者の詠唱により行われるため、相手の宝具の軌道に対し、タイミングを合わせる技量を要する。更に使用後『無駄無しの弓』は破棄され、再構築するにも相応の魔力と時間を要する。

 処女神の第二原罪:『バスター・オリオン』(投影宝具)
 純潔の女神アルテミスが女たらしの恋人オリオンを射殺してしまった時の逸品――――つまり『矢』なのであるが、見た目が最早ジェット機を搭載したミサイル型バンカー。デザインで地味にハートマークがあるところが逆に怖い逸品。
 ちなみに破壊力は『相手への愛情に比例する』。つまり敵には効かない身内殺しの武器。流石ギリシャの神、マトモじゃないね(白目)

 無限の剣製:E~A++
 アンリミテッド・ブレイドワークス。
 アーチャーが可能とする、固有結界と呼ばれる大禁呪。展開される風景含め、本来は彼女のものでは無く、とある『魔術使い』から魔術刻印として継承したもの。
 視認した武器を貯蔵し、複製するが、複製した武器は例外なく全てワンランクダウンする。また展開中の防具投影は不可(槍など武器は可能)
 展開するにあたって魔力消費以外のペナルティ、デメリットは無い。

 ――――以上。


 参考元
1)『【Fate】みんなでかんがえたサーヴァントで聖杯戦争【皆鯖】まとめWiki』
2)『Arther_Girl_KKG's Profile』
3)同人サークル『比村乳業』様サイト(新旧)

 参考元の良いとこ取りをして、厄ネタは排したのがコレである(白目) このステータスの参考はほぼ1と2ですね(サイトを参考に作られてるからスキル、宝具の解釈以外は大体合ってた)

 取り敢えず紅茶は女性と同ランクの筋力である事と、同ランクの幸運値である事に仲間を得た気持ちで咽び泣くが良い(愉悦)

 ……まぁ、前者はともかく、後者は愉悦するのは不謹慎なんですがね……

 ともあれ、、本作に於ける特異点Fのサーヴァントは、原典FGOの特異点Fの弓鯖がコレになっています。

 同人(凛に召喚された話)を最後まで読んだ方は、これで殺鯖が誰か察したであろうな……殺鯖のステータスはにわかな自分で考えなきゃ……(白目)

 今後も本作をよろしくお願い致します。

 では!


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