HoneyWorks ~恋を結ぶ物語~   作:立花祐也
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15:私、アイドル宣言!Part5

緊張してる私に話しかけて来たのは今回、私たちのプロダクション(?)と一緒にLIVEをやるLIP×LIPの2人。

 

「な、な、なんでわ、私なんかに!?」

 

「まぁまぁ、落ち着いて、君が今回LIVEやるこの1人、新人さんだね?」

 

「は、はい!成瀬暦です!」

 

「暦ちゃんか……よろしくね、初めてだから緊張するかもしれないけど緊張以上に楽しめばいいよ」

 

そう言ってLIP×LIPの2人はステージ裏の控え室で練習を始めていた。

 

私にとってLIP×LIPは前から憧れの人たちで、今は先輩でもあってライバルでもある存在、そんな人達と一緒にLIVEやるって考えるとやっぱり緊張するよ……

でも、ミスはしたくないし絶対に成功させたい。

ステージ裏からこっそりとお客さんの席を見たら永井君がもう来ていた。

みんな忘れてるかもだけど私まだ中学生だからね…?

 

「躊躇って失敗するなら本気でやって失敗する方がマシ……もちろん失敗しないのが1番…!」

 

昨日、前日ということで少しだけ打ち合わせを蒼慎さんとした時に言われた言葉、確かにそう言われればそうだと思うし当たり前といえば当たり前……

でもやっぱり緊張する……でも緊張したら……

 

どうすればいいのかって思ってるともうLIVEが始まった。

私の出番は2番目、LIP×LIPの次。

大物の後の新人はどうなのか、ってプロデューサーに聞いたら『むしろいいと思う、僕は行けないけど』と適当な返答をされた

 

(迷っちゃだめ!私は私らしくやるんだ…!)

 

LIP×LIPの歌が1度終わり、LIP×LIPの2人がステージ裏に戻ってきたと入れ替わるように私はステージへと入って行った。

 

「え、誰あの子」

「可愛いけど新人さんかな…?」

(「成瀬さん頑張れー!」)

 

観客席からいろんな声が聞こえる……

観客席を1度見渡すと端の方に蒼真くんと椛ちゃんの2人がいるのが見えた。

 

(蒼真くんも来たんだ……たくさんの人が見てくれてるんだ、精一杯…!!)

 

 

 

LIVE終了後

 

観客席の声は微妙な感じ。

いいと言う人もいたけど大半は「期待はずれ」なんて言う人ばかり

後ろに控えてた先輩方にもそれは影響してしまって最後にもう一度締めをするLIP×LIPの人たちは大歓声が上がり、私は差を見せつけられた。

 

私は私服に着替えて会場を出てそのまま家への帰り道を歩いた。

 

(あ……LIP×LIPのポスター……)

 

LIVEの時の歓声の大きさ、会場の一体感、全ての差を見せつけられた。

 

(やっぱり私には向いてないのかな……)

 

私の気持ちを読み取ったかのように雨が降ってきて私はそのままその場に座り込んで泣いてしまった。

 

(向いてないよね……モデルに憧れてアイドル始めたなんて馬鹿げたアイドルなんて他にいないし……)

 

「もう……ダメだよ……」

 

「そう簡単に諦めるのか、たった一度の失敗で、そう簡単に心が折れていいのか」

 

泣いていると目の前に誰かが、いや、蒼真くんが私に傘を差して立っていた。

 

「蒼真くんには分からないでしょ…私がどれぐらい悔しいか、苦しいかなんて」

 

「確かにわからない、それは俺が()()()を作ったとしても、他人が考えてることなんてわからない」

 

「え……?」

 

「あんまり言いたくはなかったけど、永井君って人に俺が蒼慎ってことを何故か勘づかれてそのまま君がアイドルをやってるってことも伝えた」

 

蒼真くんが蒼慎さん……?

どういうことなの…?それも永井君に私がアイドルってことを伝えたのも蒼真くん……?

 

「あ、いたいた!蒼真くん!」

 

「永井君……ごめんね、せっかく来てくれたのにあんなLIVEになって……私なんかのために来てくれて……」

 

「何ばかげた事言ってるのさ!僕はそんなこと気にしてない、むしろ最高だったよ!」

 

「でも……」

 

最高だったって言われてもあんな反応されて、他のアイドル達にも迷惑かけた…

 

「ちょっとこっちに来て!」

 

「永井くん!?」

 

私は永井君に手を引っ張られてどこかへと走っていった。

それを蒼真くんは止める様子もなく1人、どこかを眺めていた。

 

───

数週間前、成瀬暦が蒼真(蒼慎)に電話をかけてから数日後。

中学校:屋上【蒼真と永井の話】

 

俺、蒼真は隣のクラスの男子生徒に屋上へと連れられていた。

 

「………君は確か隣のクラスの」

 

「永井です!なんとでも呼んでください!」

 

「……それで、なんの用?俺がこの学校でどんな扱いされてるかわかってるよね」

 

「無言だとか言われてることですよね?僕はそんなこと気にしないですから、大丈夫です!むしろ僕と今こうやって話してるですから、蒼真くんは何も言わないやつじゃないですし!」

 

「……成海聖奈と濱中翠が実の親だとしても」

 

「もちろん!蒼真くんがそれで色々と言われてることは知ってますし、大変だとは思いますけどそこで一つだけ聞きたいんです」

 

気にしないって言ってくれたのは事情を知る椛とその弟、それと一部の人間だけ。

永井くんを信用してないわけじゃないけど…

 

「ズバリ聞きます!蒼真くんはネコネコ動画で歌い手をやっていますね!?」

 

「……ニ〇ニコ動画?」

 

「そう!それです!そこで色々と投稿してますよね?」

 

「とりあえずなんでわかった?」

 

「俺、声とか判断するのすごい得意で、たまたま蒼真くんの声を聞いた時にまさか!と思ったんです」

 

「分かった、教えるよ」

 

妙な特技を持った人が近くにいたんだな、と思ったげ多分永井くんなら信用出来るはず……

俺の事と一緒に俺はとあることを教えていた。

 

「成瀬暦って人が俺のクラスにいる、その子がアイドルをやってる、何かあった時に彼女を守ってあげて欲しいんだ、1人のファンとして」

 

「わかりました!」

 

「ただし、周りには言わないようにしてくれ」

 

こうして俺は永井くんに色々と教えたり任せたりした。

 

───

東京某所

とある高台【暦と永井の話】

 

「はぁ……はぁ……なんでこんな所まで……」

 

「俺なりに成瀬さんを元気づけられる場所だよ、ほらみて!」

 

永井くんが指さした先、登ってきた階段のさらに先に綺麗な夕方があった。




夕焼けの景色は
君に何を教えてくれる?
朝焼けの景色は
君に何を伝えてくれる?







お久しぶりです、たまーに更新します。


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